気だるい体で起きる朝、隣にセバスの姿はない。綺麗に整えられた衣服をみた
「おや、もう起きられたのですか」
突然かけられた声にビクリと肩を震わせる。
「お、おはよ…セバス」
「おはようございます。初めてのようでしたから、てっきりもう少し眠ってしまわれるかと」
「え…?」
ぼんやりとした頭の中、体の一点に集まるじんわりした痛みと熱が昨夜のことは嘘ではなかったのだと小さく主張していた。
「夢じゃなかったんだ。まあいいや」
「今朝はこちらで朝食にしますか?」
「うん」
「それにしても、てっきりもう少し恥らわれるかと思っていました」
「あぁ…たしかに初めてだったけど、別に特別な想いを持ってたわけでもないし」
静かに運び込まれた朝食を見て、澪美は瞳を輝かせた。
「今日も美味しそう!」
「本日の朝食は、栗とさつまいもの炊き込みご飯と揚げナス、里芋と三葉のお味噌汁です」
ご飯を含むと、口の中にさつまいもと栗のほっこりとした味わいが広がる。
「うん、美味しい。セバスこっちにおいで。もう少し、そう、屈んで」
「…これは一体なんのマネです?」
澪美に言われるがまま近づいて屈むとその頭を撫でられ、セバスは呆れ顔を作った。
「ほら、私って毎日美味しいご飯食べさせてもらってるのにちゃんとセバスのこと褒めたことなかったじゃん?可愛い
「それはどうもありがとうございます」
頭を撫でられ続けたまま心底嫌そうな顔でお礼を述べる姿を見て、澪美は声を上げて笑った。
と、その手をパシリと掴まれ驚きに瞬きを1つ。目の前には瞳を紅く光らせ自身を見つめるセバスの姿。ゆったりした動作で契約印を撫でられ、そこにキスを落とされる。今までならその光に囚われ思考が止まっていた澪美だったが、しかし…
「残念だけど、もうその手は効かないよ」
「おや…」
やんわりとした動きでその顔を遠ざけ声をかけると、紅く光っていたセバスの目が落ち着きを取り戻す。
「お強くなりましたね」
「あんたともう2ヶ月以上付き合ってるんだから。ちょっとくらい耐性できるって」
美味しい食事、消されていった邪魔者、澪美は身も心もかつてないほどに満たされていた。
残る相手は1人、父ー斎藤恭介ーのみ。どんな風に絶望の表情を引き出すのかを考えると、澪美は楽しくてたまらなかった。その時を想像してクツクツと声を漏らす澪美に呼応するかのようにまた、セバスの笑みも深まる。
契約時とは見違えるほどに精神が強くなった澪美の魂は、当時とは比べようもないほどに美味しそうな光を放ち始めていた。
少し前にセバスの中に芽生えていた硬い蕾は、気がつけばその身を柔らかく、ほんの少しだけ花開き始めていた。
父親どうしましょうかね〜…
プロットの時から父親の最期だけ全然思いつかなくて。
これまではほとんどが自殺に思えるような殺し方をしていて、ガッツリ他殺体は母親だけなので正直困っています。
一気に書き進めてきたので、ちょっと落ち着いて考えてみようかな…