「おはよう、セバス」
「おはようございます、
「紅茶。ミルクティーにしておいて。着替えたら行くね」
「わかりました」
澪美は清々しい気持ちでいつもと同じ朝を迎えていた。こんなにも清々しい気持ちで迎える朝は、初めてかもしれない。
音もなく運ばれてきた朝食を食べながら、澪美は口を開いた。
「セバス。すぐに次の奴を殺ったら、犯人が私ってバレるかもしれない。少し日を置いたら、次のターゲットを始末する」
「わかりました。次はどなたを?」
「
「高校に入ってすぐ、あいつはいきなり私から離れてしまった。それだけじゃない。田沼達と一緒になって私をいじめるようになった。どうして裏切ったのか知りたいけど、きっと、知ったところであいつを許せはしないと思う」
カチャリ。机に置かれたフォーク立てた音に、セバスはピクリと眉を釣り上げた。
澪美から離れて以降、田沼葉子が死ぬまでは金魚の糞が如くいつも一緒にいた綾女。葉子が死んでしまってから、様子を伺うように見てくるその目が気に食わなかった。葉子たちがこの世からいなくなって1週間程が経ったある日、綾女が澪美に話しかけてきた。
「れ、澪美。久しぶりね」
チラリと見やると、オドオドとした目と視線が絡まった。
「なに。今更私に話しかけるなんて」
「ごめっ…あの、私、澪美に謝りたくて…」
「あの2人がいなくなったからでしょ?いたら、私に謝るなんて考えてもなかったくせに」
「それはっ…あの、でも、私…」
「私は、あんたと話すことなんかないから」
冷たく言い放つと、言われた少女は唇を噛み締め俯いた。その目にはうっすらと涙が伺える。しかし、同情する気持ちは少しも現れなかった。
ー
放課後澪美が帰宅しようとすると、それを遮るように机にメモが落とされた。
【話がしたい。明日の放課後、屋上に来てください。来るまで待ってる 綾女】
その晩のメニューは、肉汁滴る唐揚げとそれに合わせたサラダ、味噌汁だった。それらを食べ進めながら口を開く。
「今日、あいつから呼び出された。明日の放課後、屋上でだって。自分から都合のいい場所に来てくれるなんて助かるね。明日で、あいつの人生もおしまいよ」
「では、今回は全て1人でやられるつもりですか?」
「そうだね。ゴネて飛び降りてくれないなら、その時は手伝ってもらおうかな」
そう微笑む澪美の顔には、前回の時のような迷いは全く見られなかった。
「本当、図々しいよ。あいつらがいなくなった途端また私に話しかけるなんて。先に裏切ったのはあいつのくせに。吐き気がする」
「おやおや、レディがそのようなことを言うものではありませんよ。デザートにはドラゴンフルーツとアサイーで作ったシャーベットを用意しています」
「ありがとう。…ところで、私を太らそうとしてる?太ってる方が魂って美味しかったりするの?」
「まさか、とんでもない。健康的な方が美味しい魂をいただけますから。とはいえ、澪美はもう少し太ってもいいのでは?」
「お断り、よ」
澪美の手の中で、握り潰されたメモがクシャリと小さく音を立てた。