鴎暦842年水の月3日。
ペリシテリゥム白虎を擁するミリテス皇国は隣国朱雀領ルブルムに宣戦布告。
その侵攻軍にはルシが含まれていた。
ルシを用いた国土侵略行為。
それはオリエンス四カ国の協定【パクス=コーデックス】の重大な規約違反であった。


これはその大戦で戦死した皇国軍の一指揮官が残した日記の内容である。

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FF零式をプレイされてることを前提に書いております。
あと帝都防衛旅団が侵攻作戦に参加してるのは作者のオリ設定です。


名もなき皇国軍少佐の日記

火の月(1月)10日

旅団長の少将から召集令が下され、帝都防衛旅団に所属する左官以上の者が会議室に集まった。

そして旅団長から朱雀・玄武侵攻作戦について説明を受けた。

朱雀とはここ数年紛争が絶えなかったから別に侵攻することにさほど驚きはなかった。

特に昨年など朱雀側が国境付近の街や村を攻撃している。

あのまま戦争に突入しても何の不思議もなかったがルシの介入で大事にはならなかった。

だが大事にならなかったとはいえ軍内に朱雀敵対の風潮が高まっていることは事実だ。

玄武・・・ロリカ同盟に至ってはミリテス皇国建国の時から何度も戦争を繰り返している仲だ。

だからそれにたいして驚かなかったがその作戦に少将の帝都防衛旅団も一部投入するとのことで私の指揮下の大隊を含む3個大隊がイスカ地区に侵攻する部隊に組み込まれた。

 

 

 

水の月(2月)3日

10日前から国境要塞には朱雀に侵攻する部隊が集結していた。

そして作戦開始当日にシド・オールスタイン元帥自ら激励しに国境要塞に現れた。

軍のトップからの言葉に嫌が軍全体の士気が上がり、宣戦布告と同時に朱雀に侵攻した。

朱雀は皇国との国境に西部方面軍という主力部隊を配置していたので激戦が予想されていた。

しかし実際に戦っている最中に突然朱雀軍が退却を開始し、こちらが一方的に殲滅する形となった。

イスカ地区を占領し終えてから知ったことだがカトル准将率いる別働隊が朱雀の首都にある魔導院ペリシティリウム朱雀を陥落させた為、奪還の為に撤退したらしい。

クリスタルがあるペリシティリウムが大切なのは分かるが殿軍くらい残しておくべきだろう。

まぁ敵が馬鹿なのはありがたいことだがな。

その後、長年の宿敵である北の大国ロリカ同盟の首都をアルテマ弾で破壊したという報せを聞いた。

首都を除く朱雀全域を占領に成功し、ロリカ同盟の首都の破壊に成功している。

朱雀の首都を落とせなかったとはいえ、僅か一日の戦果としては十分すぎる戦果だ。

まず緒戦は勝利と言ったとこか。

 

 

 

岩の月(3月)1日

先月の21日に朱雀がアギト候補生を兵士として動員し、マクタイを奪回した。

そして今度はそのマクタイを拠点にルブルム地区を奪回したらしい。

・・・アギト候補生の強さもあるがなによりその中でも突出して強い奴等がいるそうだ。

聞けば先の朱雀首都攻略もそいつらに止められてらしい。

彼らは朱のマントを着用し、強力の魔法を使うことから仲間内では【朱の魔人】と呼ばれている。

現在私はメロエ地区の国境要塞にいるが魔人共に出会わないことを切に祈っている。

 

 

 

風の月(4月)18日

どうやら朱雀軍がトゴレス要塞奪回を企画しているとのこと。

現在前線はおされ気味で前線の維持を放棄しつつある。

そこで現在トゴレス要塞にいる部隊を殿とし、撤退が完了した直後に甲型ルシを送り込み、朱雀軍及び蒼龍軍を一掃する作戦だそうだ。

・・・甲型ルシが要塞を半壊させなければいいが。

 

 

 

風の月(4月)22日

恐ろしい報告を聞いた。

甲型ルシを送り込むとこまでは作戦通りだったが朱雀も甲型ルシを出してきたらしい。

半壊どころかトゴレス地区そのものが消滅したそうだ。

現在白虎クリスタルはミリテス皇国の制御下にあるので軍がルシを管理することができているが朱雀はクリスタルを神聖視してる為に制御するという発想がないらしい。

土地そのものを消滅させる存在が自由に動き回っている朱雀がすこし恐い国だと思うようになった。

 

 

 

炎の月(5月)29日

遂に玄武クリスタルを入手し、制御下におくことに成功したとの報告が届いた。

これで旧ロリカ同盟領は完全にミリテス皇国の版図となったということだ。

この事実は朱雀領ルブルム・コンコルディア王国に深い衝撃を与えているらしい。

それはそうだオリエンスの歴史上一国が2つ以上のクリスタルを保有したことがない。

ミリテス皇国は歴史上初めて2つのクリスタルを保有する国家となったのだ。

玄武クリスタルを入手したことにより玄武に展開していた部隊が朱雀側に投入されることになり、帝都防衛旅団に所属していた大隊は帝都に帰還することになった。

数ヶ月ぶりにアズールにいる妻に会えそうだ。

 

 

 

氷の月(6月)15日

帝都でロリカ同盟に勝利した式典が行われることになった。

我が帝都防衛旅団も式典中の軍事パレードに参加することとなった。

そこでシド元帥がロリカ同盟を完全に沈黙させてことと朱雀に致命的な打撃を与えた事を強調し、それすらもより大きな革新の一歩に過ぎないとし、ミリテス皇国こそがオリエンスの導き手アギトにふさわしいと演説した。

・・・実際シド元帥が国政を担うようになってからミリテスの国情は少しずつ改善している。

私が軍に入隊したころ帝都にすら餓死者の死体で溢れかえっていたが皇帝はなにひとつしなかった。

そんな無責任な皇帝をクーデターで幽閉し、ここ10年でどれだけ皇国はよくなっただろう。

十数年前は厭世観が蔓延し、誰もが諦めの表情を浮かべていたものだ。

それが今では誰もが希望を持ち、目に確かな光を宿している。

シド元帥は皇国民全員がアギトになるべく働いていると自称しているが元帥だけがアギトの称号にふさわしいと私は思っている。

 

 

 

氷の月(6月)25日

朱雀領ルブルムが停戦会談に受け入れたとのことだ。

コンコルディア王国がこれに対し各クリスタルの相互不可侵を謳ったファブラ協定の発動を宣言。

城にずっと閉じこもっているという蒼龍の女王アンドリア自ら停戦会談に赴いてきている。

既に作戦は少将より聞いているが女王は朱雀に暗殺されることになるらしい。

実際に朱雀が暗殺するかはともかく歴史にはそう刻まれることになるだろう。

我が大隊は潜入任務を行っていたという朱の魔人が宿泊しているホテル周辺の警備を命ぜられた。

・・・朱の魔人が帝都にいたのかよ!?

前線にいるものだとばかり思っていたのに・・・

っていうかある意味前線で戦うより危険度が高くないかこの警備任務!??

 

 

 

氷の月(6月)27日

私は始めてこの目で朱の魔人を見た。

てっきり恐ろしい奴らなのだろうと勝手に想像していたが見る限り唯の子どもだ。

朱雀ではこんな子どもがたたかっているのか。

・・・いや彼らだけではない。

魔法は20代を越えると段々使えなくなっていくという。

だから朱雀兵の殆どが10代の子ども達だ。

はっきり私の子どもより遥かに若い。

朱雀は玄武にアルテマ弾を落としたの批難しているそうだが、子どもを戦場に送るような外道な国家にだけは言われたくない。

ところで・・・彼らの近くにいたあのふわふわした生き物は一体?

部下があの可愛らしい見た目で敵兵を油断させる作戦なのではといっていた。

子どもを戦場に送り込むような酷い国だ。

そんなことを考えていても不思議ではない。

 

 

 

氷の月(6月)28日

蒼龍女王が暗殺された。

犯人と思わしきものたちは朱の魔人。

すぐさまホテルを包囲し、突入したが彼らは包囲網を食い破り逃走した。

我が大隊はそれだけで死人が48名。けが人が179名出た。

やはり子どもと言えど朱の魔人の実力に偽りはなかったという事か。

とりあえず落ち着いたらもう覚えてもいない彼らを弔ってやらねば・・・

 

 

 

氷の月(6月)30日

コンコルディア王国臨時政府は女王暗殺にアギト候補生が関与したとしてこれを激しく批難し、朱雀との同盟を解消。

そしてミリテス皇国と正式に同盟を締結した。

これに伴い蒼龍クリスタルは保護という名目の下ミリテス皇国の監視下に置かれることになった。

これでオリエンスに存在する4つのクリスタルのうち実に3つをミリテス皇国は保有することとなった。

残るクリスタルは朱雀クリスタルのみ。

ミリテス・コンコルディアは同時に朱雀に侵攻することで話が纏まったらしい。

これで朱雀に勝利すればミリテス皇国主導の平和の世を築けるかもしれない。

現在帝都での国民の熱狂は凄まじいものだ。

 

 

 

嵐の月(8月)17日

なにか物凄くいろいろなものを一気に失った気がする。

『なにが』と言っても答えられないがとても嫌な予感がする。

 

 

 

嵐の月(8月)18日

ミリテス皇国と朱雀領ルブルムの国境付近で行われたビックブリッジの戦いは惨敗。

朱雀のルシが召喚した召喚獣により、国境要塞が跡形もなく粉砕され、18万もの皇国兵が戦死もしくは行方不明だという。

この影響はあらゆる場所に及んでいる。

軍だけでも士気が急速に低下している。

私も大隊を預かる少佐だ。この状況をなんとかしなくては・・・

 

 

 

巌の月(11月)12日

ビックブリッジの戦い以降、皇国軍は朱雀軍の猛攻に対し徐々に後退している。

さらに同盟国であるコンコルディア王国が降伏を宣言し、朱雀が対蒼龍勝利宣言した。

遂にここまで追い詰められてしまったか。

ビックブリッジの戦いで敗北してからというものアズールに帰っていない。

妻は元気だろうか・・・

 

 

 

巌の月(11月)21日

朱雀軍が約60万もの大軍を引き連れアズール地区まで進軍してきた。

東ネシェル区に取り残されたフェイス大佐の部隊を除く全戦力をかき集めた結果、こちらの兵力は約80万。

戦力的にはまだこちらが優位なものの召喚獣に対する恐怖心が抜けていないためどちらにころんでもおかしくはない。

私も生き残れるかどうか・・・

アズールで妻と数ヶ月ぶりに会った。

心なしか少しやつれているように見える。

あまり長い時間話すことはできなかったが話すことが出来ただけで幾らか心が落ち着いている。

この決戦に皇国軍・朱雀軍ともに全軍を動員しており、予備戦力等互いに存在しない状況だ。

この決戦で勝てばまだ皇国が勝利することも不可能ではない。

そう言い聞かせ私は戦場に向かった。

 

 

 

巌の月(11月)25日

アズールの決戦でも朱雀軍に敗北し、帝都に撤退した。

現在私の大隊で生き残ったのは僅か173名。

その半数以上がけが人だ。

一人部屋に篭り、酒を煽る。

そして過去を思い出してみる。

士官学校の同期と語り合ったこと、軍に入隊したときに先輩方から手荒い歓迎をうけたこと、尉官になり、同僚からほめられたこと、少佐に任命され、大隊を指揮するようになり部下から信頼されてたこと・・・私は覚えている。

だが、相手の顔を、名前を思い出せない。

皆死んでしまったのだろうか・・・

皆逝ってしまったのだろうか・・・

悲しくはないが、ただ寂しくて虚しい。

気がついたら私は泣いていた。

一体何に対する涙だというのだ!!

名前も顔も思いだせん奴が死んだことに対してか!?

自分の記憶を失ったことに対してか!!?

いったい・・・!

いったい、なんだというのだ・・・

 

 

 

空の月(12月)5日

朱雀の降伏勧告を黙殺し続け、朱雀から明日首都攻略を行う旨が届いた。

少将が朱雀軍への投降を認めたが、私は最後まで朱雀と戦うと決めた。

正直これは私の完全な私情なので大隊各員に暇を出した。

そしたら最後まで少佐のもとで戦わせてくださいだの、私が待っている命令は全軍突撃のみですだの、今更敵前逃亡なんて恥ずかしいまねできるわけないでしょうがだの言われた。

この馬鹿どもが・・・

もうこの日記の続きを書くこともあるまい。

心残りがあるとすれば妻の事だが・・・覚えているということは生きているのだろう。

妻には悪いが私は私の記憶を、友を、部下を、それ以外の大切なものを奪った朱雀の支配を受け入れそうにない。

なんとも不器用なものだ。ここで戦っても勝ち目等ないことくらい私はわかっているのに・・・

まぁいい、もう決めた事だ。

朱雀のガキ共に皇国魂を見せ付けて死んでやる。

ミリテス皇国に栄光あれ!

 

 

 

(この日から更新されていない)




登場人物紹介
+少佐
この日記を書いた人でこの話の主人公。
なんとなく指揮官クラスにしたかったので大隊長にした。
+少佐の妻
FF零式で帝都攻略後にアズールにいる女性がモデル。
「夫は帝都で名誉の戦士をした」って言ってる人。
+少将
帝都防衛旅団の旅団長。
旅団の指揮官は准将か少将らしいのでカトルと混同しないように少将にした。
+シド元帥
ミリテス皇国軍元帥。
正直彼の指導の下皇国がオリエンス統一を果たし、ルルサスに挑む展開も欲しかった。
+カトル准将
【完全帰還者】【白雷】などの二つ名を持つ人物。
アリアを助けたせいでプレイヤー達にロリコン疑惑がかけられていた人。
+フェイス大佐
エイボン地方制圧戦、フェイス大佐の蜂起、最後の皇国拠点と三回も0組と戦った人。
最後の皇国拠点での彼の台詞が悲しすぎる。
+朱の魔人
0組のこと。
レムとマキナ以外全員多分マザコン。
+あのふわふわした生き物
0組モーグリこともぐりんのこと。
どうやらもぐりんは皇国人から見ても可愛いそうだ。

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