光る星に口付けを。   作:夜月 黒隴

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お久しぶりです。
体調管理、気をつけましょう…!


第十五話-ふたりの時間。

春という春も終わり、5月の頭になった頃。いつも通り学校から帰っていた2人は、明日の課題は云々だ〜、とか明日のこの授業は面倒臭いな〜、等と学生らしい会話をしていた。その2人の最近の日課は帰りに喫茶店による事だったのだ。紲星あかりに誘われ行き始めた喫茶店は前にパンケーキを食した場所であり、それは糸口霧夜の脳内に味がびっしりと記憶されていたのである。2人は今日も喫茶店に寄り、課題を黙々と進めるのであった。

 

「ここ違うぞ。」

 

「うぇっ、ほんとぉ…?」

 

「何でだよ。ちゃんと図を見ろ。」

 

基本的には糸口霧夜が指摘をし、それを紲星あかりは真に受けて課題は進む。お世辞にも紲星あかりは頭が良いとは言えず、紲星あかりの方から自分の回答を見てほしいと頼まれたので糸口霧夜は仕方なく見てあげる日々を繰り返している。然し、そんな日常にも飽きは発生せずただただ課題をいつもの場所で解く。そんな日々を繰り返していても糸口霧夜は()()()()()()()を手放そうとはしなかった。したくもなかった、と云う。

 

 

 

 

 

 

チャリーンとベルを鳴らし、戸は開く。学生2人はその戸を潜りいつもの十字路へと足を運んでいる。学校の課題を終えた2人自身に与えられた課題は、「帰宅」()()であるはずだった。少なくとも、糸口霧夜はそう思っていた。

 

「今日、時間ある?」

 

「いつも無いが。」

 

「そんな事言わないでさ。」

 

紲星あかりは疑問を投げかける。時間の有無を彼に問い、少し遊びに行かないかと誘う。糸口霧夜は面倒事があまり好きではない。自分にとって面倒事に認定されたものに興味は持てなくなり、その事に対するやる気もゼロになってしまう。そんな性格の彼にとって紲星あかりからの何かしらのお誘いは、殆どが面倒事になるのである。

 

「あったとしたら何なんだ。」

 

「少しおでかけしない?」

 

「喫茶店はそのお出かけに含まれないのか…。」

 

「含まなーい!」

 

糸口霧夜はこうなる事を目には見えていた。だがしかし、断っても無理やり連れていかれるだろうと、そう考えた。というより、そう考えるようになってしまったのである。それもこれも全て、奴のせいでこうなってしまったのだ。

 

「…まぁ、構わないが。」

 

「ほんとー!やったぁ。」

 

渋々承認をした彼は左腕に着けている腕時計を見る。短針は4辺りを指し、長針は6を指す。普段であれば時刻を確認した上でこの決断を下すだろう。だがしかし、今回はいつもとは異なり、決断を下した上で時刻を確認した。この行動を意味するのは、彼の心の移り変わりなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

夕日が少し傾き始めている時間帯。スーパーの前は人で混み始め、最も忙しい時刻だと言えるだろう。2人は入店し品々を見て回る。彼ら達が通っている学校とは少し離れた場所にあるため同校の者は居ず、そこに通う者でここに普段から来るのは彼ら2人だけであった。

 

「今日、お肉特売なんだ…。」

 

紲星あかりがポツリと呟くと、蒼い瞳をきらきらと輝かせている。彼女が云うには自身は食べる事が好きらしく、好きなものを食べるために生きている、とまで食すことが好きなのだ。そんな彼女にとって、好物の肉の特売というものは見逃せない情報の1つであるに違いない。しかし、生憎お金はあまり使ってしまうと、今後の生活に支障をきたす可能性は十二分にある為、紲星あかりはそれを見逃し諦めるのであった。

買い物を終え、店を後にした2人は直結で十字路に向かった。なんの会話もなくただひたすら前を見て、影が次第に伸びていくのを瞳を通して感じていた。ある刻、袋のガサッという音が度々鳴り無言を切り裂くキッカケになった。

 

「ねぇ、霧夜君。」

 

ふと呟いた。そのキッカケを元に、会話は進んでいく。

 

「まだ、時間…ある?」

 

頭だけを少しこちらに向け、返信を伺っているようだ。歩みは止めず、いつもの待合所まで再び無言は訪れた。

 

「何故だ。」

 

「…。」

 

問いをかけた紲星あかりは無言になってしまう。糸口霧夜から視線を逸らし、道端に生えている花を見つめてしまった。

 

「…帰るぞ、また明日な。」

 

そう糸口霧夜は言葉を発す。彼は彼女に背を向け、自宅へと歩みを開始する。数歩進んだところだろうか。紲星あかりは糸口霧夜の脳内になかった言葉を声に出して言う。

 

「もう少し…もう少し一緒に居たくてっ…!」

 

糸口霧夜は歩みをとめた。その言葉を耳にした途端、目を丸くし後ろを振り向いた。

 

「は…?なんて?」

 

「だ、だから!一緒に居たいの!」

 

その言葉を境目に、2人の距離は縮まった。




少し短いですけど、お願いしゃす…
久しぶりでなかなか文章、思いつかないのです…ゴメンネ
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