光る星に口付けを。   作:夜月 黒隴

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第三話-一緒。

翌日、私は今目が覚めてぼんやりとしている状態だ。その状態でそーっと時計に目をやると短針は7、長針は8を指している。つまり7:08…。うん、まずいね。私は急いで着替え、朝食のパンを焼く。その間に昨晩結局用意することの無かった学校の支度をし、まだ焼いているので顔を洗い歯磨きをする。普段は6時に起きるのに、何故かこの日は7時過ぎに起きてしまった。急がないと糸口君に会えなくなってしまう。そう思った私は急いでいるのをさらに急ぎ、12分までにはいつもの用意を終わらせ、朝食を取るのであった。

「はぁーー…なんでこんな事に…。」

そう呟くも、完全に自分のせいである。昨晩特別夜更かしした訳でもない。単に昨日はしゃぎすぎただけなのかもしれない。牛乳をぐいっと飲み干し、家を飛び出した。走って十字路の所へ向かう。確か昨日来た時、この辺りでばったりと出会ったはず。そう思ってT字路を左に曲がる。すると、確かに一瞬。糸口君の姿が見える。私はそのまま走った状態で、糸口君の背中を追いかける。そして、漸く追いついた。

「糸口君!おはよう!」

私は糸口君の横目にちらりと入る程度に顔を覗き込む。突然音も無く来た私には微動だにせず、ちらっと私の方を見て、

『おはよう。』

とだけ、返事する。相変わらず冷静な人だ。

「そういえばなんだけれどさ。」

『ん?何。』

ひとつ、質問したいことがあるのだ。大したことではないのだが、次いつ話せるかなんて分からない。今のうちに聞いておこう。

「糸口君の家って何k」

『教えないから。』

また即答だった。昨日と同じで、興味のない事、面倒になりそうな事などは全て即切りなのであろうか。いや、きっとそうだろう。

「えー、なんで?」

『教えたくないから、ただそれだけ。』

「教えてくれたっていいじゃん!私も教えから!」

『君の家を知って俺に得がない。』

「むーー……。」

やはり、そう簡単には教えてくれない様だ。まあ、出会って1日。たった1日。そんな人にそう易々と教えれるものではないのかもしれない。まあ私はぜんぜん気にしてはいないのだけれどね。

 

──────────────

 

学校に着く。昨日と同じく、再び講堂へと向かうのだが、前とは違い、先輩達もいる。昨日ほど広くは使えないようだ。私が好きなゲーム実況者の「結月(ゆづき)ゆかり」先輩もいらっしゃる。先輩がなんの部活に入っているのか気になるところだ。もしかしたら入っていないのかもしれないが。さて、もうすぐ始業式が始まる。またあの校長(ハゲた人)の話を聞かなければならないのか。先が思いやられる…。

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

漸く校長の話が終わる。長々と話し、特に俺達には何も関係の無い意味の無い話を聞かされ、俺を含め、他の生徒達もぐったりとしているようだ。しかし、ここから先。俺ら生徒には少しばかり楽しみな事がある。まあ俺にはどうでも良いことなのだが。それで、その楽しみな事というのは、"クラス替え"だ。先輩達にとっては嬉しい、楽しみな事のひとつだろう。仲のいい人と同組になれるか、気になるであろう。そんな事はどうでもいい。席を見てさっさと帰ろう。

 

──────────────

 

さて、例の組表まで来た。

『んーー…と。あった。D組か。』

どうやらD組の2番だ。まあ「"い"とぐち(糸口)」だから仕方ないか。念の為、周りの席の人も見ておくとするか。前が「赤口 優人(あかぐち ひろと)」。んで右は壁で、後ろが「今井 巡(いまい じゅん)」。左が「紲星 灯」…。

『は?』

どういう事だ、頭の理解が追いつかない。これが俗に言う、最悪 と言う奴なのか。

「あー、D組だー。」

後から(紲星あかり)の声が聞こえる。ごちゃごちゃ言われる前にさっさと立ち去ろう。

「糸口君!糸口君!」

捕まってしまった、本当に運がない。

『何だ。』

「一緒のクラスだね!」

『そうだな。』

「お隣さんだね!」

『そうだな(半ギレ)。」

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

少々怒りっぽい感じで言われてしまった。少し飛び回りすぎたか。でも、これ程()()()()()()()()()()の席の隣に座れるというのはとても嬉しい事だ。けれど、引っ付きすぎるのは良くない。少し距離をとった方が良いもしれない。

「ねーねー、糸口君。」

『なんだよ。』

「霧夜君って呼んd」

『無理』

即答だらけだこの人ー!!!喋らせる気がまるで無い。なかなか言いたくても最後まで言うことが出来ない。こういう会話をするのには慣れが必要っぽい。

「明日からよろしくね、霧夜君。」

『おいその名前を呼ぶな。』

「いい名前じゃん、霧夜って!」

『良くねぇから呼んで欲しくねぇんだよ。』

「やーだー!呼ぶもーん!」

『うぜぇ…。』

やはり鬱陶しい、といった風に思われてしまっているのだろうか。まあそれも仕方の無い。恐らく名前を呼んでいるうちに向こうも慣れてくるであろう。と、いつの間にか霧夜君は正門へと歩みを進めていた。私はその後を()()走って追いかけた。




今回は会話多めにしてみました。少しずつ二人の関係が近まってきてますね。
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