光る星に口付けを。   作:夜月 黒隴

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ねむたいんですよ
学生さんの皆さんは夏休暇入りましたか?ぼきは入りました✌️


第六話-パンケーキ。

校門につくと、奴は既に立って待っている。何故か知らないが待たせた感がすごくて申し訳ない。

「あ、来てくれたんだ!」

『いや、待ってたじゃん。来てくれたんだじゃねぇよ。』

「えへへー…。」

奴はクスッと笑う。俺からしたら何が面白かったのか、はたまた別の事で笑ったのか知らないが、ほんの少し笑う。奴の癖なのか。

「それじゃ、行こっか。」

『へいへい…。』

あまり乗り気ではないのだが、付いていくことにする。どうせこっそり帰ったとしても明日また引っ張られるだろう。なら早めにこういう出来事(面倒ごと)を処理して、ゆったりと学園生活を過ごした方が良いだろうと判断。

二人で肩を並べ歩く。こういうのはてっきり付き合っている人達がするものと思っていたのだがそういうのではないようだ、あまりしたくないのだが奴がギャーギャーと煩い(うるさい)のである。特に変わった出来事、話も無く無言でその店に向かって歩く。唯一話があるとすれば、次は右に曲がるなどだ。

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

二人で歩いていると凄く緊張してしまう。私から誘ったのに何故かとても緊張してしまい、話す事があったとしても話す事が出来ない。普段ならスパッとこの無言の間を切り裂くことが出来るのに、()()()だけ何故か話す事が上手くできない。何故だろう?

あともう少しで例の店に着く。中に入ればこちらのもの。定員さんとは仲が良く、気楽に話すことが出来るであろう。しかし、あと少しとは言え、この時間はとてつもなく長く感じる。1秒が1分、1分が1時間のようにも思える。人の感じることというのはとても不思議なものである。とても深い。

 

──────────────

 

「ここ、ここ。やっと着いたね。」

『あー…ここか。』

「霧夜君知ってるの?」

『昔に1回来たことがある。確かに美味しいわけだな。』

「なら話は早いや。」

そういった会話をこなし、二人は中に入っていく。戸を開けると「チャララ〜ン」と鈴の音がして、定員さんが挨拶をする。そのまま私と霧夜君は席につき、メニューを片手に互いにそれを見る。そういえばこの前、新しくメニューを追加したと言っていたが、予定通りパンケーキを頼むことにする。ここの店のパンケーキはとても美味しく、この地域ではとても有名なのである。ここに来たら先ずはこのお店、と名のつく程有名な店。そんなお店が近くにあるだなんて、案外恵まれているのかもしれない。

「飲み物どうするのー?」

『ブラックコーヒー一択だろ。』

「え。飲めない。」

『えぇ…。美味いぞ。』

「コーヒー牛乳でも厳しいのに、凄いなあ。」

『コーヒー牛乳で厳しいって…。どれだけ甘党なんだよ。』

「甘いの好きなんだもん。いいじゃん。」

『…まあ勝手にしろ。俺はブラックコーヒーな。』

「OK〜。」

とは言ったものの、私自身何にするかなんて決まってない。いつもならりんごジュースを頼むのだが、流石にそんな子供っぽい所を見せたくはない、という謎のプライドが私の心の奥底に芽生える。なので…いや、私もブラックにしようと思ったけど絶対無理だ。砂糖をどれだけ入れても無理だ。なのでここはレモンティーにでもしておこう。

 

──────────────

 

注文した品が男性定員によって運ばれる。ルックスの良い男性だ。ついつい見とれてしまう女性も多いであろう。私はそんなことは無かったけれど。

パンケーキを目の前に置かれる。ほんのりと漂う蜂蜜の香りと、ふわふわとした生地。その2つに加え、綺麗に置かれたシロップの上に赤いさくらんぼ。これらがすべて合わさったことにより、絶品料理へと変化する。これが癖で毎週、下手をすれば毎日来ていたこともある。そのおかげが定員さん…もう面倒だから名前で呼ぼう。彼の名前は「三日月 新夜(みかづき しんや)」。実はうちのクラスの担任の名前が、「三日月 鈴蘭(すずらん)」先生。そう、この2人は兄妹なのである。それで話は戻って、新夜さんとは仲が良くなった。世間話やゲーム、漫画の話など、いろいろ話してくれる。紅の瞳に、黒髪。それで尚且つ高身長。本人はやや体重が少ないと気にしているのだが、確かにそう思う。

「そういえば新夜さん。」

「ん?どうした?』

「新夜さんって身長高いですけど、何cmなんですか?」

「208cm。』

『えっ。』

「え。」

思いのほか…いや、予想異常に高い。高身長すぎる。恐らく私と霧夜君は同じことを思っていたのだろう。まさかの返答にお互いびっくりした顔を隠すことが出来なかった、

 

──────────────

 

『「ご馳走様でした。」』

2人とも食べ終わり、レモンティーを飲み干す。やはり、ここのお店のパンケーキは絶品であった。値段は少々高いが、それだけの価値はあると言っても過言ではない。さて、お会計を済ませて家に帰るとしようか。

『いくらですか?』

「1280円になります。』

『はい。』

「はい、丁度頂きました。』

「え、ちょっと!霧夜君!」

『あ?何だ。』

私が財布を鞄から取り出す頃には、もう会計は済まされていた。予想外の展開に、つい口から声を出してしまった。

「なんで1人でっ…。」

『当たり前だろ。女に払わせてたまるか。』

正直の所、少しドキッとしてしまった。男性からしたら普通なのだろうか。向こうもそうだろうが、私にとって異性の感情というのは理解し難いものだ。

そんなわけもあって、一緒に家まで歩く。いつもの十字路まで、特に他愛のない会話をしながら明るく照らす太陽が沈み、月が出てくるのを確かめながら歩く。気がつけばもう7時を過ぎている。もう当たりは暗くなり始め、街灯が少々つく。十字路に着き、そこで分かれる。今日は普段より楽しい一日になった。霧夜君も、楽しい一日を過ごしてもらえたと思えれば、とても幸せな気分になる。向こうはどう思っているかなんてわかりもしないのに。

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