艦これ大戦 ~君あるがために 恋する艦娘達よ大志を抱け~   作:タケノコ屋

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こんにちわ。タケノコ屋です。
艦これ大戦 ~君あるがために 恋する艦娘達よ大志を抱け~の第一話を投稿しました。
第一話は主人公、伊丹耀司やその部下、まるゆ、さらにオリジナル設定により、新たな艦娘として生まれ変わったヴェールヌイ、オリジナル艦娘の三菱、三原と桃取が登場し、それぞれ得意分野で活躍するシーンが見られます。
特に100隻以上の深海棲艦と相手に立ち向かうまるゆの意外な活躍と建造したばかりのヴェールヌイが戦艦ル級を相手に勇敢に戦う戦闘シーン、さらにオリジナル艦娘の三菱、三原と桃取による艦娘建造シーンに必見です。

作中では世界に関する情勢や伊丹耀司の過去が明かされ、かつて所属した統合人類軍第13独立部隊に関する情報について少なからず登場、オリジナル艦娘である三笠や土佐、薩摩などのメンバーについて簡易的に書かれています。
また、沖田十三を初めとする宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場するキャラが元帥及び提督として登場、歴戦の戦士としての威厳と伊丹の理解者である一面を併せ持つキャラとして描かれています。

前回のソルティ・ロード0「アイアンボトムサウンド海戦」では、後のヒロインである桜の視点で描かれており、本作は主人公、伊丹耀司の視点で描かれ、二人の出会いまで描かれており、ソルティ・ロード0と合わせて読めばより楽しめます。

艦これ大戦 ~君あるがために 恋する艦娘達よ大志を抱け~

ソルティ・ロード1「硫黄島鎮守府と招かれざる者」


どうぞご覧ください。


ソルティ・ロード1「硫黄島鎮守府と招かれざる者」

艦これ大戦 ~君あるがために 恋する艦娘達よ大志を抱け~

 

ソルティ・ロード1「硫黄島鎮守府と招かれざる者」

 

 

ボオオオオオ・・・・・ザッ。

 

硫黄島 沿岸港

 

ここは硫黄島鎮守府。本国より辺境な場所で、今は島民や軍人がいない寂しい場所である。

そこにある軍人がこの島に降り立った。

 

???「・・・・(ここが俺が配属する硫黄島鎮守府か・・・・噂通り、ずいぶん寂れているようだな・・・・・・)。」

 

無理もない。ここはかつて、13年前のアイアンボトムサウンド海戦にて、重要拠点の一つであり、多くの艦娘や物資が大量に配備していた。

しかし、終戦後、多くの艦娘達が他の鎮守府へ異動もしくは転属、さらに物資の大半以上は他の基地に送られており、今は僅かな者しか所属していない寂しい鎮守府へと落ちぶれていた・・・・・。

そんな鎮守府に配属されたのが、この島の提督である。

 

彼の名は伊丹耀司(いたみ ようじ)。元統合人類軍第13独立部隊司令官で、数多くの激戦を制して生き延びた歴戦の勇士であるが、今は日本海軍呉鎮守府(くれちんじゅふ)少佐である。

彼がここへ配属された理由は一ヶ月前に遡る・・・・・。

 

一ヶ月前、日本海軍本部 執務室

 

ここは日本海軍の大本営である海軍本部で、ここで伊丹はある人物から召集命令を受けて来た。

 

伊丹耀司「失礼します。」

???「入りたまえ。」

伊丹耀司「失礼いたします。」

 

ガチャ・・・・。

 

執務室にいたのは、沖田十三(おきた じゅうぞう)。現在は海軍名誉元帥で、士官学校理事長を務めているが、13年前のアイアンボトムサウンド海戦にて、統合人類軍総司令官を務めた歴戦の勇士で、見事までの采配と指揮、さらに先読みと洞察力、決断力により、数々の激戦を繰り広げ、人類に勝利を収めた。

また、伊丹はかつての部下でもある。

 

右側にいるのは土方竜(ひじかた りゅう)。海軍中将で、士官学校理校長を務めているが、今は日本海軍第11外洋防衛艦隊司令長官も兼任している。

沖田同様、アイアンボトムサウンド海戦で激戦を生き延びた歴戦の勇士で、彼の同期でもある。

 

左側にいるのが、山南修(やまなみ おさむ)。海軍少将で、海軍本部第七艦隊司令を務めているが、かつてアイアンボトムサウンド海戦では沖田の副官であり、共に激戦を乗り込んだ勇士である。今は本部直轄の士官学校校長を務めている。

 

三人の偉大な提督達に呼ばれた伊丹は、彼らに対し、敬礼した。

 

伊丹耀司「日本海軍呉鎮守府、伊丹耀司少佐、召還命令によりただいま帰還しました。」

沖田十三「うむ・・・・遠征を終わった後に呼びつけてしまってすまない。座りたまえ。」

伊丹耀司「はい。」

 

伊丹は椅子に座るが、三人の提督たちは浮かない顔をしていた。

 

沖田十三「伊丹。君を呼んだのは他でもない。一週間前の遠征の事だ。」

伊丹耀司「ああ・・・・あれですか・・・・・。」

 

それは伊丹が輸送船団の護衛を任された任務で、伊丹は護衛艦隊を率いり、輸送船団を帝都まで運ぶ任務を遂行していた・・・・。

 

土方竜「報告では輸送船団を護衛中、深海棲艦の襲撃を受けたそうだな。」

伊丹耀司「え、ええ・・・・今回の任務は深海棲艦が掃討された区域を進んで輸送船団を帝都に運ぶ楽な仕事だったのですが、まさか・・・・襲撃を受けるとは思いもしませんでしたよ。」

土方竜「だが、君はたった一人しかいなかった艦娘、しかも他の艦娘よりも弱いまるゆを自在に使い、たった一人で深海棲艦を撃退させたようだな。」

伊丹耀司「え、ええ・・・・護衛艦には彼女以外の艦娘が配属されていなかったんで、それでまるゆ一人と護衛艦隊と協力して、何とか撃退させたのですが・・・・・。」

土方竜「護衛艦隊の半数以上を失い、輸送船団も壊滅的な被害を受けたそうだな。」

伊丹耀司「え、ええ・・・・・。」

山南修「その事だが、君は護衛中に漂流した船を救助活動をしていたようだね。」

伊丹耀司「・・・・え、ええ・・・・・そうですが・・・・何か?。」

山南修「聞いた話では彼らは他国から流れ着いた不法侵入者の船ではないのか?。何故彼らを救助しようとした?。」

伊丹耀司「・・・・ほっとけなかったからです。」

山南修「・・・・・何故ほっとけなかったと言うのだ?。」

伊丹耀司「相手は不法侵入者でも相手は人間です。助けを求めれば救いに行くのが我々軍人の務めではありませんか?。」

山南修「・・・・・確かに君の判断は正しいかもしれない・・・・だが、現実を見たまえ、アイアンボトムサウンド海戦で多くの艦娘と兵師達を失ったが、大半を撃退したとはいえ、今だ深海棲艦の脅威を去っていないのだよ。目の前の情よりも使命を果たすのが最優先と私は思う。」

山南修「・・・・・そ、それでも・・・・俺は・・・・。」

沖田十三「山南君。それくらいにいいではないか?。」

山南修「・・・・・し、しかし、沖田さん。」

沖田十三「例え命令であったとしても、一度立ち止まり、振り返る勇気も必要なんだよ、山南君。伊丹。君の処罰は本部から通達が送られた。君の処遇は硫黄島鎮守府への転属だ。」

伊丹耀司「!?・・・・・硫黄島鎮守府ですか?。」

土方竜「硫黄島鎮守府への転属だと!!?、上層部は何を考えているのだ!?。あそこは不要と判断した人材を送り、島流しのような場所ではないか!!?。」

沖田十三「・・・・・。」

山南修「・・・・沖田さん・・・・私も土方君と同じ意見です。確かに彼は命令違反を犯し、輸送船団を失いましたが、そもそもあの護衛艦隊に艦娘を配属させなかったのも、上層部の決定で、今回自ら犯した失態を彼に擦り付けるとは、私には納得できません。」

沖田十三「・・・・確かにその通りだ。だが、今の時代は変わってしまった・・・・・かつて、人類は協力して戦うあの時代とは・・・・・。」

土方、山南「・・・・・・。」

伊丹耀司「・・・・。」

 

かつて、深海棲艦との激戦を繰り広げた統合人類軍は勝利を収めたが、その代償に多くの艦娘や兵員、戦力を大きく失い、さらに国力を大幅に低下し、経済活動や政治・軍事の混迷により人類同士での内乱も生じ、衰退へと転がり落ちていった。

各国と吸収合併されながら、それぞれ新たな国家が誕生した。

 

ロマノフ連邦、天凰人民共和国、スオムス欧州同盟、ゲルマニア帝国、エイルシュタット共和国、アトランタ合衆国、そして、 日本皇国の七大勢力、通称「ワールド・ビック・セブン(WB7)」。

 

統合人類軍に属しながら、互いに主導権を争っていた。しかし、国だけではなく、軍内部の権力争いも少なくなかった・・・・・。

 

沖田十三「あの戦いで、この国が変わってしまった。今では国力増強政策に腐心し、艦娘の建造や大量生産を重点的に行われている。さらに上位部隊や精鋭部隊などを重点的に配属させているという。」

土方竜「・・・・例の「アマテラス計画」ですね。」

山南修「・・・・まあ、そのおかげで護衛艦隊などの戦力にならない部隊には配属できずにいるのだがね・・・・・上層部は権力争いに腐心し、さらに現場に働く部下達を軽視しておる。権力争いの為に今回の護衛任務も艦娘を配属できず、今回の失態を引き起こしたのだからな・・・・・。」

伊丹耀司「・・・・・・。」

 

日本皇国の軍部の腐敗した権力争いに頭を抱える沖田達。今回の護衛任務の失態は上層部が権力争いの為に艦娘を配備されなかった事が原因であった・・・・・。

 

沖田十三「伊丹。今回の任務失敗の責任は上層部の失態だが、今は責任の押し付け合い、その責任を君に押し付け、辺境の地である硫黄島の鎮守府へ左遷、そこの提督に任される事になるが、それでも構わないかね?。」

伊丹耀司「・・・・・・かまいません・・・・それが上層部の決定なら従います。」

沖田十三「・・・・すまない。」

伊丹耀司「いえいえ・・・・沖田さん達の助力がなければ、俺なんてここにはいませんよ。それにこういうものには慣れっこですよ。何だって、俺・・・・趣味に生きるために仕事してるんですよ。」

土方、山南「・・・・・・。」

伊丹耀司「?・・・・あ、あれ・・・・ど、どうしたのですか?。」

 

土方、山南の二人は顔に手を当てて、呆れている様子。

 

土方竜「・・・・・伊丹、昔、前に同じ事を言ったようだな・・・・。」

伊丹耀司「いっ!!?。」

土方竜「あの時、俺はお前の根性を叩き直す為に、特別訓練を叩き込んだがな・・・・・。」

山南修「ああ・・・・その根性は直せなかったが、そのおかげで統合人類軍第13独立部隊司令官にまで修まるまでの腕前になりやがっただがね・・・・。」

伊丹耀司「・・・・は、ははは・・・・。」

沖田十三「・・・・ふっ、君のことだ。そんな事には気にしないと思うが・・・。」

伊丹耀司「あはははは・・・・・。」

土方竜「伊丹。一応、君の部下であるまるゆを先に派遣して置いた。」

伊丹耀司「え、まるゆを、ですか?・・・・。」

山南修「ああ、彼女の左遷先を君の左遷先へ変更させておいたからな。一応感謝するんだね。」

土方竜「まあ、彼女は君のかつて教え子で、最強と謳われた第13独立部隊の一人でもあるからな。」

山南修「伊丹。彼女を泣かせるなよ。」

伊丹耀司「あはははは・・・・・。」

沖田十三「伊丹耀司少佐。本日、硫黄島鎮守府への転属命令を命じる。」

伊丹耀司「はっ。」

土方竜「気張っていけよ。」

山南修「健闘を祈っている。」

 

こうして、伊丹は、硫黄島鎮守府の提督として、配属される事になり、現在に至った。

 

伊丹耀司「・・・・しっかし・・・・・迎えの奴はまだいないようだが・・・・・まだ伝えていないのか?・・・・・ん?。」

 

伊丹の前に慌てて走ってくる者がいた。

お腹のまるゆのマークを持つ白いスク水を着た小学生中学年程度に見えるショートカットの少女である。

 

???「た、隊長~~~~~~~・・・・お、お待ちしまし・・・・った?・・・・・うきゃああああああ!!。」

 

つるっ・・・・ずごっ。

 

伊丹耀司「・・・・あ、あはははは・・・・相変わらずだな、“まるゆ”。」

まるゆ「あううう・・・・す、すみません・・・・隊長~~~~~・・・・・・。」

 

どうやら伊丹とまるゆは昔ながらの上司との部下のようだ。

 

伊丹耀司「お迎えご苦労様、まるゆ。」

まるゆ「あ、は、はいっ・・・え、遠路はるばる・・・・ご、ご苦労様でした。」

伊丹耀司「まさか、君とここで働くとはね。」

まるゆ「は、はい・・・・沖田さんからここへ配属されると聞かされたので、ここへ配属に送られました。」

伊丹耀司「そうか・・・・沖田さんが・・・・なら、一緒に頑張ろうな、まるゆ。よろしく頼む。」

まるゆ「は、はい・・・・。」

 

出迎えたまるゆと一緒に硫黄島鎮守府へ行く伊丹。

 

硫黄島鎮守府 正門

 

そこで着いた先は、外壁はボロボロで、使い古したような場所で、敷地内には廃車置き場があり、一応ドック場もあるが古びている・・・・・・。

 

伊丹耀司「・・・・・こ、ここが・・・・・硫黄島鎮守府か・・・・・。」

まるゆ「あ。あわわわわ・・・・は、はい・・・・・。」

 

さすがにこの光景に伊丹も唖然、まるゆも慌てる始末。

 

???「おーーーい・・・・あんたがここに着任する司令官か?。」

伊丹耀司「!?・・・・・え、ええ・・・・そうですが、貴方は?。」

???「私か?、私は硫黄島鎮守府工廠長、三菱(みつびし)だ。よろしくな、司令官。」

伊丹耀司「あ、ああ・・・・こ、こちらこそよろしく・・・・三菱さん。」

 

現れたのは腰まである紺色のロングストレートに薄紫色の瞳、白と紺のセーラー服だが、その上に茶色い分厚い作業服を羽織っており、黒い軍帽を着用した長身の女性、三菱であった。

 

伊丹耀司「も、もしかして・・・・貴方は艦娘ですか?。」

三菱「ああ、確かに私は艦娘だが、生憎戦闘向きではないでな・・・・移動型工廠を備えていると言われるほどの修理・工作設備を有した工作艦としての特性を持った艦娘でな、修理や近代化改修を行うだけではなく、艦娘の建造を行っているんだ。。」

伊丹耀司「か、艦娘の建造って・・・・艦娘が艦娘を作るってのは始めて聞いたけど・・・・・。」

三菱「ああ・・・・それが生まれ持った私の能力でな、まあ・・・・私の工廠に来てくれよ。」

伊丹耀司「あ・・ああ・・・・。」

三菱「それと、あんたは確か、伊丹耀司って言うの?。」

伊丹耀司「あ・・・ああ・・・そうだが・・・・言い忘れたな、俺は伊丹耀司。ここに配属する事になった司令官だ。」

三菱「伊丹・・・・!、伊丹って、かのアイアンボトムサウンド海戦で活躍し、人類軍に勝利を導いた伝説の第13独立部隊司令官、伊丹耀司何だろう!?。」

伊丹耀司「いや・・・・昔の話だが、よくそんな事に覚えているんですね。」

三菱「まーな、第13独立部隊と言えば、たった20人で、深海棲艦大部隊を殲滅したという噂を聞いたんだ。中でも鬼の三笠と異名を持つ戦艦三笠を筆頭に二人の副官、土佐と薩摩、そして、駆逐艦や潜水艦、特務艦などを集めた17名の精鋭隊を編成した日本海軍最強の部隊で、彼女達の活躍なくして、アイアンボトムサウンド海戦の終結はなかったと言われるほどじゃ。」

伊丹耀司「・・・・あ、ああ・・・・まあ、あの最後の戦いで、部下を半数を失ってしまったけどな・・・・・。」

三菱「!?・・・・す、すまねえ・・・・悪気がなかったんだ・・・・。」

伊丹耀司「いや、気にしないでくれ。あいつらは最後まで諦めずに戦い続け、己の信念を貫き通して散ったんだ。俺はあいつらの最後は立派なもんだと思う・・・・できれば・・・・全員帰還して欲しかったけどな・・・・・。」

まるゆ「・・・・司令官・・・・。」

伊丹耀司「・・・悪い悪い・・・・しけた雰囲気になってしまって・・・・・三菱さん、工廠の案内をお願いいたします。」

三菱「あ、ああ・・・・任せな。」

 

タッタッタッタッタッタッ・・・・・・・・。

 

伊丹たちは三菱が所属する工廠へ案内された。

 

硫黄島鎮守府 工廠

 

三菱「ここが私の工廠だ。今、ここに所属する子達を呼ぶから、待ってな。お~~い、三原(みはら)桃取(ももとり)。」

三原「へい、親方。新装備はまだですぜ。ん?、誰だ、お前、オレッチ達の工廠に何しに来たんだ?。」

桃取「あらあら、お客様が来るのは何十年ぶりですわね。工廠長、どなたですか?。」

三菱「ここに新しく配属された司令官よ。」

三原「え・・・・え、ええ~~~~~~!!、し、司令官っ!!?。」

桃取「あらあら・・・・貴方が司令官ですか、これは失礼しました。」

 

現れたのは作業用のつなぎに上にジャンバー、頭に前鍔の付いた紺の戦闘帽形略帽を着用した二人の艦娘である。

 

三菱「紹介するよ。この二人が私の部下で、ここの工廠で働く工作艦の艦娘の三原と桃取だ。」

三原「オレッチが三原だ。工作艦明石の流れを持つ工作艦だぜ。よろしくな、司令官。」

桃取「私は桃取ですわ。工廠長と三原と同じく工作艦明石からの生まれを持つ艦娘ですわ。」

伊丹耀司「ああ、よろしくな。」

 

三原

黒髪のボブヘアーとゴーグル、芦黄色の瞳、明るく元気いっぱいな性格で、一人称は「オレッチ」が特徴の艦娘。

 

桃取

膝くらいまである黒の長い三つ編み、左側に着けた桃の花の髪飾り、トロっとした芦黄色の落ち着いた瞳で、お嬢様口調が特徴の艦娘。

 

伊丹耀司「・・・・・も、もしかしてだと思うけど・・・・この二人って・・・・双子?。」

三菱「ああ、その通りだ、よく気付いたね・・・・建造した際、二人同時に出来上がったんだ。まあ、性格が異なるが工廠での腕前は一流だ。」

伊丹耀司「・・・・・・・こ、工作艦と言うと・・・・もしかして・・・・武器とはないのじゃ・・・・・」

三原「その通りだぜ、司令官。オレッチ達工作艦の艦娘は、他の艦娘と違って、武器を装備でねえんだ。」

桃取「ええ、その代わり、修理・工作設備を有し、艦娘の修理や改修、武器の製造などを特化した能力ですわ。」

三菱「ああ、ただし、我々は特殊な特務艦娘でな、生まれつき艦娘を妖精なしで誕生させる能力を持っているんだ。その力でアイアンボトムサウンド海戦で、多くの艦娘を建造してきたんだ。」

伊丹耀司「ま、まじでっ!!?。」

三原「ああ、あの戦いで俺達が大きく支えてきたんだ。けどよ、あの戦争が終わった時、本部直属の新型の艦娘製造工場が大きく出来上がって、オレッチ達はお払い箱。今じゃこの寂れた鎮守府に置かれる事になってしまったんだよ。」

桃取「まあ、本部の工場はかなり高性能で、戦艦や空母、駆逐艦などを大量生産させ、各地の鎮守府に優先的に配属させているですわ。」

三菱「だが、我々は誇り高き工作艦明石の流れを持つ艦娘。我らは我らの信念は最後まで貫き通すまでだ。」

三原「その通りだぜ。親方。司令官にオレッチ達の実力を見せようぜ。」

桃取「ええ、やりましょう。私達の力を見せ付けましょうですわ。」

三菱「そうだな・・・・・司令官、我々の艦娘建造を見ていてくれ。」

伊丹耀司「ああ・・・・。」

 

三菱達は、燃料・弾薬・鋼材・ボーキサイトの4つを集め、ハンマーや電気溶接機、ドリルなどの工事道具を装備しながら、作業を開始した。

 

カ~~ン・・・・カ~~ン・・・・ジジジジジ・・・・ジジジジジ・・・・チュイイイイイイイイイイン・・・・・。

 

三菱「よし、後はこのかまどに入れて、完成。高速建造材も忘れずにな。」

三原「おう。」

 

ゴオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・・・・。

 

三菱は作業を終えた物をかまどに入れ、さらに高速建造材を投入して、かまどに電源を入れて起動した。

 

ゴオオオオオオオオオオオ・・・・・・・チ~~~~ン。

 

高速建造材の効果で完成が早く出来上がった。

 

三菱「よし、完成だ。後はどのような艦娘になるかはかまどが開くまでのお楽しみだ。」

伊丹耀司「おお・・・・マジか・・・・。」

 

プシュウウウウウウウウ・・・・・・・ガゴオオオオン・・・・・・・・・・タッタッタッタッタッタッ・・・・・。

 

蒸気を発しながらかまどの扉が開いた。蒸気の煙に包まれながら、煙の奥から人影が現した。

 

伊丹耀司「・・・・お、おいおい・・・・嘘だろ・・・・ほ、本当に出来上がったのか?・・・・・。」

 

姿を現したのは、長袖の冬服仕様の白い制服に、腰にはベルトを巻き、「鎌とハンマー」の入った白い帽子、そして、白銀の艤装で、右肩に連装砲一基、腰に四連装魚雷発射管を左右合わせて二基、背中に響時代同様に煙突型の基部を背負っている。煙突型の基部からは大きな碇が吊り下がり、シールドを左肩に装備している艦娘であった。

 

伊丹耀司「・・・・見た所、暁型2番艦の響らしいが?・・・・・。」

???「・・・・違う・・・・私の名ははВерный(ヴェールヌイ)だ。信頼できると言う意味の名なんだ。」

伊丹耀司「ヴ、ヴェールヌイ?・・・・・。」

ヴェールヌイ「そうだ。生まれはロシアで、日本の駆逐艦である響をモデルに作られ、今はソ連赤色海軍に所属する海外所属艦でもある。」

伊丹耀司「ソ連赤色海軍って・・・・この子、外国の艦娘じゃないですか?。三菱さん。」

三菱「まあ、そうだな・・・・・私達艦娘を建造する能力はピカイチだが、どの艦娘になるのかはランダムで決まるそうなんだ。後、全力で鍛えれば、最大3人の艦娘を建造できるぜ。」

伊丹耀司「そうですか・・・・?。」

ヴェールヌイ「Спасибо(スパスィーバ)。貴方が私の司令官か。建造されたばかりだが、よろしく頼む。」

伊丹耀司「こちらこそ、よろしくな。ヴェールヌイ。」

三菱「ちなみにこいつは不死鳥の異名を持ち、装甲・耐久値が高く、駆逐艦の中でもトップクラス。対潜値が高い上に、増設バルジを装備すれば、さらに耐久力を高められる事も可能。ちなみに弾薬消費が多いの玉に瑕さ。」

 

伊丹は三菱達の艦娘建造の工程を見た後、執務室へ向かった。

 

硫黄島鎮守府 執務室

 

三菱「ここが執務室だ。仕事があるので工廠に戻るが、用があればいつでも呼んでくれ。では、私はこれで失礼するぜ。」

伊丹耀司「ああ、よろしく頼みます。」

 

三菱は工廠へ戻っていった。

 

伊丹耀司「ふ~~~・・・・・疲れた・・・・・あ、すまないな、まるゆ。書類の整理を任せていいか?。」

まるゆ「あ、は、はいっ・・・・頑張ります。」

 

書類整理をまるゆに任せ、伊丹は居眠りに集中した。

 

ヴェールヌイ「・・・・・・・まるゆ?。」

まるゆ「は、はいっ!、な、何ですか?。ヴェールヌイさん。」

ヴェールヌイ「司令官はああいう方か?。」

まるゆ「あ、は、はいっ・・・・い、いつもあれ何ですが・・・・・誰よりも私達艦娘を案じているお方です。かつて最弱の艦娘と呼ばれたまるゆを拾ってくれたのも、隊長です。いつかあの人に助けられた恩を返す為にまるゆは今日まで頑張ってきたんです。」

ヴェールヌイ「・・・・そうか・・・・・それほどあの司令官を信頼されているのか。хорошо(ハラショー)。」

まるゆ「え、ええ・・・と・・・・あ、ありがとう・・・ございます・・・・!!?。」

 

ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・。

 

伊丹耀司「な、な、何だ!?、敵襲か!!?。」

 

鎮守府に響き渡る警報。それは深海棲艦の襲撃を意味するのである。

 

ダダダダダダダダッ・・・・・バタンッ。

 

三菱「司令官!?。」

伊丹耀司「三菱!。敵の襲撃か?。」

三菱「ああ・・・・試作型の全方位広域探査装置を着けた二式練習戦闘機を飛ばした所、深海棲艦らしい機影を発見したんだ。」

伊丹耀司「で、敵の数は!?。」

三菱「二式からの報告によれば、駆逐イ級40隻、駆逐ロ級20隻、駆逐ハ級10隻、軽巡ホ級10隻、雷巡チ級10隻、重巡リ級5隻、重巡ネ級5隻、戦艦ル級2隻、空母ヲ級3隻、計105隻がここに迫って来るようだぞ!!?。」

伊丹耀司「105隻・・・・・かなりの戦力のようだな・・・・ここへ到着するまでの時間は?。」

三菱「せいぜい2、3時間程度で、ここに着く予定だが、今の鎮守府における戦力はヴェールヌイ以外のまともな戦力はないし、今いるのは、戦闘向きではない私

ら工作艦3隻と潜航輸送艇一隻しかいないぞ。」

ヴェールヌイ「・・・・・」

まるゆ「あ、あわわわわ・・・・・・。」

伊丹耀司「・・・・・まるゆ。」

まるゆ「あ、は、はいっ!?。」

伊丹耀司「出撃準備だ。それとヴェールヌイ、君はこの基地の守りをしてくれ。」

三菱「って、正気か!?。潜航輸送艇一人で、あの大部隊と立ち向かう気!!?。これでは死にに行くようなもんじゃないか!!?。」

ヴェールヌイ「・・・・私も三菱と同意見だ。100隻以上の大軍に彼女一人だけに出撃するのは納得できない。理由を聞かせてくれ。」

伊丹耀司「・・・・ただ一つだけ勝機がある。三菱さん。頼みがある。」

三菱「何だ。」

伊丹耀司「木炭と硫黄、硝酸カリウムかもしくは硝酸ナトリウムを出来るだけ集めて欲しい。それと運貨筒100個以上作ってくれないか?。」

三菱「?・・・ああ、可能だが・・・・一体何を使う気だ!?。」

伊丹耀司「奴らを倒す為の秘策だよ。後、まるゆ、天候はどうなっている?。」

まるゆ「え、ええと・・・・確か・・・・二時間後に嵐が出てくるようですが・・・・?。」

伊丹耀司「そうか・・・・この戦いは俺達の勝ちだ。」

全員「え、ええええええ~~~~~~~~!!?。」

 

伊丹からの驚愕の言葉に驚きを隠せない艦娘達。

 

ヴェールヌイ「し、司令官!?・・・・100隻以上の大軍を勝つとは・・・・一体どういう事だ?・・・・。」

伊丹耀司「それはこれから話す。まるゆ、いつでも出撃できるように準備してくれ。」

まるゆ「あ、は、はいっ!?。」

 

太平洋

 

伊丹はまるゆ単艦のみを出撃させ、三菱が急造に開発し、その中に大量の木炭と硫黄、硝酸カリウムが入った運貨筒100個を持って、100隻以上の深海棲艦へ向かった。

 

まるゆ「・・・・はうううう・・・・。」

 

まるゆは敵の大群の前に怯えつつ伊丹の作戦を決行しようとしていた。

 

回想

 

伊丹耀司「まるゆ。君はその運貨筒100個を持って、作戦開始時までに待機してくれ。」

まるゆ「あ、はいっ・・・・待機だけですか?。」

伊丹耀司「ああ・・・・・“合図”が来るまで絶対に動くなよ。いいな。」

まるゆ「あ、は、はいっ・・・・ま、まるゆ、任務を必ず遂行しいます。」

伊丹耀司「おいおい、肩に力を抜いていけ。大丈夫、君ならできるはずだ。何だって、土佐に鍛えられたからな。」

まるゆ「あ、は、はいっ!!?。」

 

まるゆはかつて統合人類軍第13独立部隊のメンバーであり、戦闘能力的は艦娘の中では最弱だが、機動性や潜航能力、隠密行動はピカイチである。

 

まるゆ「よし・・・・・所定の位置に着いた・・・・・後は“合図”が来るまで待機・・・・・。」

 

一方、鎮守府では・・・・・・。

 

鎮守府 執務室

 

伊丹耀司「・・・・・・」

ヴェールヌイ「・・・・・」

三菱「・・・・・」

 

執務室で気難しそうな顔をする伊丹とヴェールヌイ、三菱。

 

伊丹耀司「・・・・・・そろそろ時間だ。」

ヴェールヌイ「?・・・・時間?・・・・何の時間だ?、司令官。」

伊丹耀司「嵐と海流の流れが変わる時間だ。」

 

一方、海の中で待機しているまるゆは・・・・・。

 

海の中

 

まるゆ「・・・・・(そろそろ合図の時間です・・・・。)」

 

まるゆは運貨筒100個を持って、深海棲艦の大軍の1000m先まで潜航した。

 

まるゆ「それ~~~~~!!。」

 

まるゆが運貨筒100個をその先にある深海棲艦の大軍に向けて投げた。

 

運貨筒にはそれぞれネット()に繋がっており、海流に乗って、深海棲艦の大軍に流れていく。

 

鎮守府 執務室

 

三菱「嵐と海流の流れが変わる時間だと?・・・・・どういう事だ?。」

伊丹耀司「ああ、この時間帯に海流の流れに嵐が重なれば、かなり複雑な流れになるからな・・・・うまくいけば敵を一網打尽にする事が可能だ。」

三菱「ま、まさか・・・・こんな策を考えるなんて・・・・すごいぞ、あんた。」

伊丹耀司「まあな・・・・ん?、ヴェールヌイは?。」

三菱「あいつか?・・・・あいつなら出撃して行ったぞ。」

伊丹耀司「しゅ、出撃って・・・何時の間に!!?。」

三菱「あの子一人だけじゃ、心細いと思ってこっそり出撃したみたいぜ。」

伊丹耀司「・・・・・はあ・・・一人で飛び出すとは・・・・。」

三菱「どうする気だ?、司令官。」

伊丹耀司「・・・・まあ、今回は作戦中、問題があった場合に護衛として配置した上で、上には緊急時の為の救援と言う事でしといてくれ。」

三菱「・・・・・わかった。お気遣い感謝するぜ。」

 

ヴェールヌイの気持ちを察し、一応作戦の予備のための護衛とした上、上層部への対応する伊丹に感謝する三菱。

一方、作戦を開始したまるゆというと・・・・・。

 

海上

 

深海棲艦達は鎮守府に向けて侵攻して来たが、嵐のため、思う様に進む事ができずにいた。

 

ガクンッ。

 

重巡リ級「!?。」

 

重巡リ級は何かに絡まった事に気付く。

 

ガグンッ・・・グググググッ・・・・。

 

重巡リ級「!!!?。」

 

次々と絡まった深海棲艦達が動きを止められ、海流の流れに流されていく・・・・・。

 

ゴオオオオオオオオオオオ・・・・・・・。

 

海流の渦の中心部にまで追い込まれた深海棲艦達。その真下にまるゆが潜伏していた。

 

まるゆ「・・・・・隊長の作戦通りです。」

 

回想

 

伊丹耀司「あの時間帯になると海流の流れが変わる上に嵐を重なり、さらに網を付けた運貨筒100個を投入すれば、足を絡めて足止めだけだはなく、敵を海流の渦の中心部に集めればいい。後はそこに魚雷を打ち込めば、火薬が入った運貨筒が連鎖爆発して、一気に撃沈させる事は可能はずだ。」

まるゆ「は、はわわわ・・・・そ、そんな事が可能ですか?。」

伊丹耀司「まあ、嵐と海流次第だが、この作戦の要はまるゆの腕次第だからな。期待しているぞ。」

まるゆ「あ・・・は、はいっ。」

 

すでに運貨筒の網に絡まり、ちょうど渦の中心部に密集していく深海棲艦の大軍に向けて、魚雷の発射準備していた。

まるゆが持つ魚雷は普通の魚雷ではなく、九三式酸素魚雷で、戦艦を一撃で轟沈させる威力を持つ魚雷である。

 

まるゆ「い、いっけ~~~~~~~!!。」

 

ゴオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・カアアア・・・・・・・・ドガガガガガガガガガアアアアアアン・・・・・・・・。

 

九三式酸素魚雷の爆発で運貨筒100個が次々と爆破連鎖を起こし、大爆発を引き起こした。

 

ザバッ・・・。

 

まるゆ「・・・・や、やった?・・・・・!!?。」

 

海面に出たまるゆは大爆発した炎を見るが、何かを見つけた。

 

ゴオオオオオオオオ・・・・ザアアアアア・・・・・。

 

炎の中から戦艦ル級2隻、空母ヲ級3隻の深海棲艦5隻が現れた。炎に包まれ、すでにボロボロに損傷しているが、まだ走行可能のようだ。

 

まるゆ「あ、あわわわわ・・・・!!?。」

 

ガチャッガチャッガチャッガチャッ・・・・・・・。

 

まるゆ「はうっ!!?。」

 

戦艦ル級2隻がまるゆに向けて発射体制を開始していた。さすがにまるゆも避けられないと感じ、死を覚悟した。

 

まるゆ「(し、司令官・・・・)。」

 

ドガアアアア・・・・チュドオオオオオオン・・・・。

 

まるゆ「!!?。」

 

爆発したのは戦艦ル級の一体の方で、爆発して撃沈していく・・・・・。

 

まるゆ「い、一体誰が?・・・・・はっ!!?。」

 

そこにいたのはヴェールヌイであった。

 

まりゆ「ヴ、ヴェールヌイさん、どうして?。」

ヴェールヌイ「味方一人を行かせるわけにはいかないからな・・・・・御叱りはいくらでも受けてやる。だから、ここで死ぬな。生き延びて帰還するぞ。」

まるゆ「あ、は、はいっ!。」

 

ガチャ・・・・ドオオオオン・・・・ドオオオオン・・・・バゴオオオオオオン・・・・バゴオオオオオオン・・・・。

 

もう一体の戦艦ル級と交戦するヴェールヌイ。

 

ヴェールヌイ「まるゆ。こいつは私がやる。お前はあの三隻の空母を!?。」

まるゆ「あ、は、はいっ。」

 

ヴェールヌイが戦艦ル級と引き受けている間に、まるゆは大破、炎上している空母ヲ級3隻に対し、追撃を開始した。

 

まるゆ「ま、まるゆの本気を見せます!!?。」

 

まるゆはロープを引っ張ると何と、水中から大量の潜水艦53cm艦首魚雷が出てきた。潜水艦53cm艦首魚雷4発を纏め、全部で10個で、計40発である。

何とまるゆは運貨筒100個だけではなく、潜水艦53cm艦首魚雷4発を纏めた10個も運んでいたのだ。

まるゆは10個の潜水艦53cm艦首魚雷4発を空母ヲ級3隻に向けて発射する。

 

まるゆ「こ、これで終わりです!!?。」

 

バシュウウウウウウウ・・・・・カアアア・・・・チュドオオオオオオオオオン。

 

空母ヲ級3隻は大爆発を起こし、爆炎に飲まれた。

 

ヴェールヌイ「・・・・やったか。」

まるゆ「・・・ふうう・・・・終わりました・・・・ん?。」

 

作戦の成功に力を抜いたまるゆだったが、何かを見つけた。

 

ビュウウウウウウウン・・・・・・・。

 

まるゆ「と、搭載機!!・・・・・!!?。」

 

何と爆炎の中から炎に包まれた搭載機が現し、そのまままるゆの方へ特攻して来た。

 

ドガアアアアアアアアアアアン・・・・・・・・・・・・・。

 

ヴェールヌイ「まるゆっ!?・・・・・!!?。」

 

ゴオオオオオオオオ・・・・・・バアッ・・・・ザッ・・・・ザアアアアアアア・・・・・。

 

何と爆炎から空母ヲ級が飛び出し、そのまま逃げ出してきた。

先ほどの搭載機はその空母ヲ級のようで、すでに大破の状態でありながらもそのままの状態で搭載機を発進させたのだ。

 

ヴェールヌイ「!!?(な、なんて奴だ・・・・あの状態で搭載機を飛ばしたのか・・・・!!!?)。」

 

ドオオオン・・・・ドオオオン・・・・ドオオオン・・・・ドガアアアアン・・・・。

 

ヴェールヌイ「くっ!!?。」

 

ヴェールヌイは、戦艦ル級の砲撃を受け、中破。大破は免れたが、もう一度、戦艦ル級の砲撃を受ければ、大破もしくは轟沈は免れない・・・・・・。

 

ヴェールヌイ「・・・・もはやここまでか・・・・。」

 

カチャ・・・・。

 

絶体絶命のヴェールヌイ。その時!!。

 

ドガアアアアアアアアン・・・・・。

 

戦艦ル級「!!?。」

ヴェールヌイ「!?。」

 

何と戦艦ル級が爆発した。爆破炎上する戦艦ル級。

 

ヴェールヌイ「・・・・い、一体何が?・・・・!!?。」

 

彼女が目にしたのは何と・・・・轟沈したはずのまるゆであった。

 

まるゆ「・・・・・い、今です・・・・。」

ヴェールヌイ「!?・・・・わかった・・・・Спасибо(スパスィーバ)。」

 

カシャッ・・・カシャッ・・・カシャッ・・・。

 

ヴェールヌイの全武装を装填、戦艦ル級に向けて構える。

 

ドドドドドドドドオオオオン・・・・・・・・チュドオオオオオオオオオン・・・・・・。

 

ヴェールヌイ「до свидания(ダスビダーニャ)

 

見事、戦艦ル級の撃破に成功したヴェールヌイ。彼女はまるゆの所へ急いだ。

 

ヴェールヌイ「まるゆ・・・・貴方、あの搭載機の特攻を受けて、よく生きていたな。」

まるゆ「あ、は、はいっ・・・・まるゆの戦闘能力は低いのですが、土佐さんから鍛えられたおかげで、隠密行動や機動力、それと耐久力も高くなったのです・・・・戦艦の主砲数発受けても平気ですが、さっきの搭載機の特攻はギリギリ危なかったでした・・・・運が悪ければ・・・・まるゆは轟沈していました・・・・・。」

ヴェールヌイ「・・・・だけど、貴方のおかげで私は生き延びたわ。Спасибо(スパシーバ)。」 

まるゆ「え、えへへへ・・・・・。」

 

こうして、まるゆ、ヴェールヌイの活躍で、105隻の深海棲艦の大軍を壊滅させる事に成功した。

だが、伊丹達は知らなかった・・・・・105隻の深海棲艦達は先遣隊である事を・・・・・・・。

後に硫黄島鎮守府最大の危機に陥れろうとは、まだ誰も知らない・・・・・・・。

 

まるゆ、ヴェールヌイの帰還した鎮守府では・・・・・。

 

硫黄島鎮守府 執務室

 

ヴェールヌイ「・・・・・以上が今回の作戦の報告です。」

伊丹耀司「・・・・・ご苦労さんだったな、ヴェールヌイ。今回君が犯した命令違反についてだが、今回の作戦が成功した功績に免じ、無罪放免にするよ。あまり無茶をするんじゃないぞ。」

ヴェールヌイ「はい・・・・それで、司令官・・・・まるゆの容態は?・・・・。」

三菱「それなら、彼女は大丈夫だぜ。轟沈寸前だったけど、君のおかげでいち早く助かったけど・・・・。」

ヴェールヌイ「?・・・・けど?。」

三菱「傷が深く、艦娘として活動できないほどの重傷で、現在は温泉治療による絶対安静と長期の療養が必要になるんだけどね・・・・・。」

ヴェールヌイ「!!?・・・・・高速修復剤なら、一瞬修復が可能では?。」

三菱「・・・・・すまんな・・・・ここには高速修復剤はないんでな・・・・あるのは普通の修復剤しかないのだ・・・・・。」

ヴェールヌイ「・・・・・そうですか・・・・・。」

伊丹耀司「気にしない、気にしない・・・・・お前らが無事に生き延びた事だけでもよかった・・・・礼を言う。」

ヴェールヌイ「・・・・司令官・・・・。」

三菱「そんなに気に病むことはないぞ。ヴェールヌイ。私達の司令官を信じようぜ。」

ヴェールヌイ「・・・・・ええ・・・改めて・・・こちらこそよろしくお願いいたします・・・・司令官。」

伊丹耀司「ああ・・・・。」

 

こうして、長いいちにちが終わりを告げるのであった・・・・後にこの戦いは後の「ソロモン海戦」の前哨戦「硫黄島戦役」と呼ばれる事になる・・・・。

 

翌日

 

伊丹は散歩していた。そんな彼だが、内心では複雑な思いがあった・・・・・。

今回の戦いで、戦闘に参加できる艦娘が不足している事、艦娘を修復できる設備や防衛施設がない事、鎮守府の修復や部隊編成に必要な資金があまりない事など、様々な問題が山積みになっていた・・・・・。

 

伊丹耀司「は~~・・・・・まいったね・・・・いきなり問題だらけとはな・・・・・確か・・・・三菱の奴、言っていたな・・・・。」

 

回想

 

三菱「司令官。できるだけ良質のいい材料を集めるだけ集めて、実力の高い艦娘を増やしていくぜ。」

伊丹耀司「・・・だ、大丈夫か?。戦闘に参加できる艦娘を建造する事に?・・・・・。」

三菱「心配するな・・・・私達工廠の誇りと名にかけて、建造させてやるぜ。」

三原「そうだぜ。楽しみにしてな。司令官。」

桃取「私達を信じてくださいな。」

伊丹耀司「あ、ああ・・・・。」

 

三菱達は艦娘建造に必要な材料集めをしており、しばらく工廠は大忙しである。

 

伊丹耀司「新たな艦娘が出来上がるまでは、しばらく休息か・・・・・ん?。」

 

伊丹は砂浜で何かを見つけた。

 

伊丹耀司「・・・・あれは何だ?・・・・人か!?・・・・。」

 

伊丹は急いで、砂浜にいる人影の方へ走った。

 

伊丹耀司「!!?・・・・・こ、こいつは・・・・人じゃない・・・・・。」

 

伊丹が見つけたのは人ではなく、深海棲艦の少女であった・・・・・。

 

外見は全身がボロボロになった白のドレスを纏い、眼は深紅、頭からは角を2本生やし、首には千切れた鎖がつけられている。

 

伊丹耀司「・・・・・・こ、これって・・・・・深海棲艦だよな?・・・・・。」

 

これが伊丹と後に“桜”と呼ばれる深海棲艦との運命的な出会いであった。

 

 

ソルティ・ロード1 終    CARVE WITH VICTORY ON THE HORIZON OF THE DAWN!




如何ですか?。始まりと戦い、そして、出会いを描かれた一話は?。

主人公、伊丹耀司の視点で、なぜか寂しい鎮守府、硫黄島鎮守府の提督として着任される経緯と部下のまるゆに的確な指示を与え、100を超える深海棲艦を撃滅に成功させたり、艦娘に対する心優しい一面を見せます。
そして、ラストでヒロイン、桜との運命的な出会いが描かれて、第2話にて、その出会いの続きで描かれており、伊丹との出会いで何かが変わるのかは、第2話を呼んでからのお楽しみです。

ちなみに前回に登場したヒロイン、桜は劇場版艦これのオリジナルキャラである深海吹雪(第2形態)をモデルとしており、当初は名はなく、「特型駆逐棲姫(とくがたくちくせいき)」の名称で呼ばれ、後に伊丹により名前を付けてもらう事になります。
また、17年前に起きた回想シーンはソルティ・ロード0でも見られましたが、実はソルティ・ロード0では明かされていない意外な事実が隠されており、第2話の冒頭シーンにて明かされますので、どのような内容になるのか楽しみにしてください。
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