艦これ大戦 ~君あるがために 恋する艦娘達よ大志を抱け~   作:タケノコ屋

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こんにちわ。タケノコ屋です。
艦これ大戦 ~君あるがために 恋する艦娘達よ大志を抱け~の最新作を投稿しました。
本作はソロモン海での激戦「ソロモン海戦」とその裏で伊丹達を陥れる陰謀と絶体絶命の危機を描かれており、仲間の死や桜が発動する力、艦魂(かんバースト)、そして、ソロモン海の激戦の裏で暗躍する者達の陰謀など、シリアスなドラマが展開、伊丹達を落としいれよとする者達の策略に絶体絶命の危機に陥るのですが、そこへ意外な助っ人が登場、それは本編を読めばわかります。
本作に登場する艦娘専用艤装「フリート・アームズ」はガンダムシリーズ(主にSEEDシリーズ)の装備が多数登場し、これを装備した桜が4000万以上の深海棲艦を相手に一騎当千をする姿と伊丹達を助ける助っ人の活躍、そして、二、三話に登場した空母ヲ級との最後の戦い、そして、千銃士に登場する大量破壊兵器「ミルラ」を破壊するのですが、この後、衝撃の展開になるのですが、それは本作を見てからのお楽しみ。
また、のちに桜や伊丹達を苦しめる最強最悪の敵、“エヴァンゲリオ・ザ・アギオ・コズモス”のある幹部二人が終盤あたりで登場します。


艦これ大戦 ~君あるがために 恋する艦娘達よ大志を抱け~

ソルティ・ロード3「死闘!ソロモン海戦 ~WHAT I CAN DO~」


どうぞご覧ください。


ソルティ・ロード3「死闘!ソロモン海戦 ~WHAT I CAN DO~」

艦これ大戦 ~君あるがために 恋する艦娘達よ大志を抱け~

 

ソルティ・ロード3「死闘!ソロモン海戦 ~WHAT I CAN DO~」

 

 

ソロモン海 棲地

 

ドオオオオオン・・・・・ゴオオオオオオオオ・・・・・・。

 

ここはソロモン海。深海棲艦の棲地の一つ。

今、ヴェールヌイは絶体絶命の危機に落ちていた。

 

ヴェールヌイ「くっ・・・・」

 

艤装は損傷し、服もボロボロ。大破状態になっていた。その周りにはおびただしい数の深海棲艦達に囲まれていた。

 

ヴェールヌイ「・・・・(хорошо(ハラショー)・・・・ま、まさか・・・・これほどの勢力がいるとは・・・・それに・・・・)。」

 

予想もしない深海棲艦の大群に驚愕するヴェールヌイ。さらに彼女は後ろを振り向いた。

そこには大破、中破した艦娘達がいた。それぞれ互いに庇い合い、防御姿勢を取っていた。

 

ヴェールヌイ「くっ・・・・(“由良”が轟沈、今、戦闘できる艦娘は子日、瑞鳳、隼鷹だけ・・・・・けど・・・・この戦力では・・・・何故こんな事に・・・・・)。」

 

予想もしない状況に困惑するヴェールヌイ。なぜこの危機的状況に陥たのかは・・・・。

すべては大本営からの司令から始まった・・・・・・。

 

ソロモン海戦 三日前

硫黄島鎮守府 執務室

 

伊丹耀司「ふあああああ・・・・・・・・。」

ヴェールヌイ「хорошо(ハラショー)・・・・司令官、朝からあくびしているが、大丈夫か?。」

伊丹耀司「ああ・・・・せっかく14人集まったからな・・・艦隊編成はどうするのか考えていたんだが・・・・中々決められないんだね・・・これが・・・・。」

ヴェールヌイ「そうか・・・・それと桜についてだが・・・・。」

伊丹耀司「?・・・・もしかして、桜に何か問題でも?。」

ヴェールヌイ「ああ・・・・他の艦娘との交流は少しずつだが、打ち明けているのだが、中には敵意を抱く者がいるが・・・・。」

伊丹耀司「・・・・も、もしかして・・・・北上と多摩か?。」

ヴェールヌイ「ああ・・・・どうする、司令官。彼女らに厳しく言いつけるか?。」

伊丹耀司「・・・・いや・・・・御互い分かり合うまで手を出さない方がいい・・・・。」

ヴェールヌイ「わかった・・・・司令官。」

伊丹耀司「ん?、どうした?。」

ヴェールヌイ「私も手伝っていいか?。」

伊丹耀司「・・・あ、ああ・・・いいよ。少数での艦隊の規模はどう決めたらいいか、悩んでいた所だ。」

ヴェールヌイ「ふっ、私に任せてくれ。」

 

こうして、ヴェールヌイの協力を得て、艦隊編成を考案してから一日後。

ヴェールヌイ以外13名の艦娘が会議室に集まった。

 

鎮守府 会議室

 

伊丹耀司「皆、集まったか?。今日集まったのは他でもない。今日、新しい艦隊の編成ができたからだ。」

阿武隈「新しい艦隊の編成ですか?。」

伊丹耀司「ああ、艦隊編成の説明は彼女から話す。ヴェールヌイ。」

ヴェールヌイ「・・・今回、組織編制についてだが、前々から司令官が考案した新たな艦隊の設立をする事になった。」

龍驤(りょうしょう)「それは、どのような艦隊ですか?。」

ヴェールヌイ「今回、司令官が設立した艦隊は、少数精鋭の機動艦隊だ。」

摩耶(改二)「き、機動艦隊?。」

ヴェールヌイ「ああ、我々の艦隊の主な任務は硫黄島近海の防衛及びパトロール、味方艦隊の支援を目的としている。今回、三つの小艦隊の編成も決まった。」

衣笠(改二)「三つの小艦隊ですか?。」

ヴェールヌイ「ああ、小艦隊の発表は司令官が話す。司令官、どうぞ。」

伊丹耀司「ああ・・・・・これから三つの小艦隊の編成についてだが・・・・その前に・・・この艦隊の旗艦をヴェールヌイをする事に決めた。」

アイオワ「why(ホワイ)Admiral(アドミラル)。それはどういう事か説明をネ?。」

伊丹耀司「ああ・・・・彼女は建造されたばかりの駆逐艦ながら、高い戦闘能力と冷静な判断力、高い指揮能力や作戦立案能力が優れた為、艦隊の旗艦として一任した。前回の戦闘で、彼女ほどの指揮艦がいないと思うが、みんなはどう思う?。」

 

ガヤガヤ・・・・ガヤガヤ・・・・。

 

摩耶(改二)「・・・俺はいいと思うぜ。司令官がそういうなら任せてもらうよ。」

龍驤(りょうしょう)「私も提督様に賛成します。」

アイオワ「まあ、いいですヨ。司令官が認めたのなら従いますネ。」

伊丹耀司「どうやら、他の皆も賛成のようだね。よし、話がそれたが、三つの小艦隊の編成を発表する。」

艦娘達「・・・・」

伊丹耀司「第一艦隊は、ヴェールヌイを旗艦とし、多摩、衣笠、隼鷹の四名。」

多摩(改二)「よし、多摩が一番にゃ。」

摩耶(改二)「ちっ、一番乗りを逃したか。」

衣笠(改二)「衣笠なのも!?。」

隼鷹「へ~~・・・・私もか。」

伊丹耀司「次は・・・第二艦隊は、アイオワを旗艦とし、龍驤、由良、神鷹の4名。」

アイオワ「yes(イエス)Me(ミー)flagship(フラグシップ)ネ。」

龍驤(りょうしょう)「提督様の御心のままに従います。」

由良「うへー・・・・由良もですか。」

神鷹「・・・・ベ、ベストを尽くします・・・・。」

伊丹耀司「第三艦隊は、摩耶を旗艦とし、瑞鳳、阿武隈、北上、子日、秋雲の6名。」

摩耶(改二)「よっしゃ、俺が旗艦か。全力で努力するぜ。」

瑞鳳「私もですか?。」

阿武隈「・・・・なんでこの人と一緒なの?。」

北上(改二)「やった~~。阿武隈、これで一緒だね。」

子日「ね、子日もですか?。」

秋雲「へー、よし、秋雲頑張るよ。」

アイオワ「Hi(ヘイ)Admiral(アドミラル)。どうして、こっちは4名なのにあっちが6名ですカ?。」

伊丹耀司「それは第三艦隊は予備戦力で、敵の潜水艦に対する対潜戦闘や後方支援を行う為の戦力になるんだよ。」

アイオワ「ふ~~ん・・・・・OK(オーケー)Admiral(アドミラル)Admiral(アドミラル)の決めた事に従うワ。」

伊丹耀司「わかった。以上が我々の艦隊「硫黄島鎮守府遊撃艦隊」の編成だ。以上、解散。」

艦娘達「はっ。」

 

艦隊編成の発表を終えた伊丹は執務室に戻った。

 

鎮守府 執務室

 

伊丹耀司「はあああ・・・・・疲れた・・・・。」

ヴェールヌイ「хорошо(ハラショー)・・・・御疲れ様。司令官。」

伊丹耀司「艦隊編成が終わったし、後は本部に艦隊の申請をするだけだ。」

ヴェールヌイ「хорошо(ハラショー)、これで私達の艦隊としての任務がうけるのか?。」

伊丹耀司「ああ、後は桜の存在を伏せてつつ、鎮守府の報告をするだけだ。後はよろしく頼む。」

ヴェールヌイ「Да(ダー)Понятно(パニャートナ)。」

 

ヴェールヌイが返事すると報告書を持って、部屋に出た。

 

伊丹耀司「ふああああ・・・・俺も寝るか・・・・?。」

 

就寝しようとする伊丹の前に桜が現れた。

 

伊丹耀司「桜、どうした?。」

桜「・・・・あ、あの・・・し、司令官・・・・。」

伊丹耀司「?。」

桜「こ、こんな・・・私を受け入れてくれて・・・ありがとう・・・・。」

伊丹耀司「・・・・・・・。」

桜「で、では・・・し、失礼します・・・・・。」

伊丹耀司「ああ、何か悩みがあるならいつでも相談に乗るからきてくれよ。」

桜「あ、は、はいっ・・・。」

 

桜は敬礼して去って行った。こうして、今日も一日が終わった。

しかし、この後、最悪の明日が待っていたとは伊丹達もまだ知らなかった・・・・・・。

 

鎮守府 執務室

 

ヴェールヌイ「司令官!?。」

伊丹耀司「ん、どうした?。ヴェールヌイ。そんなに慌てて・・・・。」

ヴェールヌイ「大本営から緊急の指令書が届いたわ。」

伊丹耀司「大本営からの緊急の指令書?。どういう指令だ?。」

ヴェールヌイ「指令書によれば、ソロモン海にある敵棲地攻略の為の支援のようです。」

伊丹耀司「支援か?。それじゃ、今から編成を・・・・。」

ヴェールヌイ「・・・・そ、それが大本営からすぐにでも出撃するよう厳命されてな・・・・・しかも余剰戦力を含め、全艦娘の出動命令も記載されているぞ。」

伊丹耀司「ぜ、全艦娘の出動命令だと!!?。」

ヴェールヌイ「どうする。司令官。この命令は無視するか?。」

伊丹耀司「・・・・・。」

 

伊丹はしばらく考え・・・・そして・・・・。

 

伊丹耀司「ヴェールヌイ。全艦娘に出撃準備するよう言ってくれ。」

ヴェールヌイ「!?・・・・あ、ああ・・・・司令官はどうするつもりだ?。」

伊丹耀司「念の為、大本営に司令の確認をする。それまでの間、確認が終わるまで出撃はしないでくれよ。」

ヴェールヌイ「ああ・・・・。」

 

伊丹は提督室へ戻り、大本営に指令書の内容について確認する為に電話をかける事にした。

 

ピッポッパッポッ・・・・・ガチャ・・・・トルルルルルル・・・・トルルルルルル・・・・トルルルルルル・・・・。

 

大本営に電話をかける伊丹。彼は大本営からの司令に不備はないかを確認する為に大本営に話をつけようとしていた・・・・・・。

 

ガチャ・・・・。

 

大本営のオペレーター「こちら日本皇国帝都大本営。所属と名前、ご用件をお願いいたします。」

伊丹耀司「こちら、硫黄島鎮守府司令官、伊丹耀司です。今回大本営からの指令書についてお伺いたいのですが?・・・・。」

大本営のオペレーター「指令書ですか?。どのような内容で?。」

伊丹耀司「指令書にはソロモン海にある敵棲地攻略の為の支援についてですが・・・・これは上層部が考えたものですか?。」

大本営のオペレーター「ああ・・・それは・・・・申し訳ありませんが・・・・それについては我々がお答えかねないものですので・・・・答えられません・・・・。」

伊丹耀司「そうですか・・・・では、この作戦の司令官は誰か教えてくれませんか?。」

大本営のオペレーター「え、ええ・・・・と・・・・・も、申し上げませんが・・・・それについては・・・・。」

伊丹耀司「なら、こっそりでいいのですから、教えてくれませんか?。ここでの話は口外するつもりはないので安心してください。」

大本営のオペレーター「・・・・・。」

 

伊丹の予想外の提案に困惑するオペレーター。しばらく黙っていたが、重い口から言葉を発した。

 

大本営のオペレーター「・・・・・私から言った事を誰にも話さないでくれませんか?。」

伊丹耀司「わかりました。約束しますので、安心してください。」

大本営のオペレーター「・・・・はい、今回の指令の指揮官は・・・・・日本皇国帝都大本営の柊暮人(ひいらぎ くれと)元帥閣下です。」

伊丹耀司「・・・・柊暮人元帥ですか?。では、今回の作戦はすべて元帥がお考えによるですか?。」

大本営のオペレーター「はい・・・今回のソロモン海攻略作戦はすべて元帥閣下による考えですが、そこまでは教えていないので、申し上げません・・・・・。」

伊丹耀司「・・・わかりました。では失礼しました。」

 

ガチャッ・・・・・。

 

電話を切ると深く考え出す伊丹。

 

伊丹耀司「・・・・(柊暮人と言えば、かつて深海棲艦殲滅の為なら手段を選ばない過激な強硬派の中核に当たる柊家の当主で、かの有名な“聖天子事変”の首謀者である元日本皇国帝都大本営元帥、柊天利(ひいらぎ てんり)の息子。自分に逆らう者や不信感を抱く者には容赦せず、目的のためならば身内であっても拷問や殺害、裏切りなども躊躇しない過激派の中でも異常なまでの過激思想を持つ危険人物だが、奴の所属する艦隊はたった一人で100の深海棲艦を殲滅できるほどの実力を持つ精鋭中の精鋭を集めた最強の無敵艦隊だが、深海棲艦の殲滅だけではなく、反乱分子と見なした対象を、圧倒的な武力によって制圧、身柄拘束・尋問・処刑も許可され、正規軍より上位で、あらゆる面で優遇されているなどの極めて強大な権限が与えられた柊元帥直轄の親衛艦隊「独立特殊作戦00艦隊」、通称「特00艦隊」。あれだけの精鋭艦隊がいればソロモン海を攻略できるほどだが、わざわざソロモン海攻略の為に俺達硫黄島鎮守府艦隊総動員するとは・・・・何か胸騒ぎがする・・・・・。)」

 

伊丹は何故か胸騒ぎを感じるようになっていた・・・・・。

一方、大本営では大いなる陰謀が水面下で静かに行われていた・・・・・。

 

日本皇国帝都大本営 提督室

 

女性「・・・・・以上が、今回の作戦に関する報告です。」

???「そうか・・・・・では、手筈通りに・・・・・。」

 

何やら作戦を考えていたようだが、不穏な雰囲気である・・・・。

 

彼の名は柊暮人(ひいらぎ くれと)。日本皇国帝都大本営の元帥で、今回のソロモン海攻略作戦の指揮官。

もう一人いる女性は柊暮人の副官で、直轄の親衛艦隊「独立特殊作戦00艦隊」総旗艦を務める艦娘、三宮葵(さんぐう あおい)

 

柊暮人「奴の所にも指令書を送ったな。」

三宮葵「はい・・・・暮人様、仰せのままに、あの男の所に送りました。」

柊暮人「・・・ふっ・・・・・これで俺の計画通り、奴を始末できるな・・・・。」

???「そう簡単にうまく事が運べると思えないが・・・・。」

暮人、葵「!?。」

 

声を掛けたのが、黒い髪のポニーテール、左目に眼帯をした艦娘であった。

彼女の名は地字竜(ちじりゅう)。三宮葵同様、独立特殊作戦00艦隊に所属する艦娘である。

 

三宮葵「地字竜・・・・それはどういう意味?。」

地字竜「簡単な事さ。あの男、伊丹さ。あの男が指令書で動くような男ではないからさ。あの男は妙な所に感づいてしまうのさ。あの男を侮ると足元をすくわれるよ。」

三宮葵「あ、貴方・・・・暮人様の計画に疑うのですか?。あの男に暮人様の計画をバレるはずは・・・・。」

柊暮人「葵。」

三宮葵「!!?・・・・く、暮人様?。」

柊暮人「お前の言う通りだ。奴を侮ってはいかん。奴を侮って墓穴を掘ってしくじった奴を俺は知っている。」

三宮葵「・・・・」

柊暮人「・・・・では、お前はどうするつもりだ?。」

地字竜「奴は用心深く直感が優れ、状況判断力に、危機察知能力と危機回避能力、逃走能力が非常に厄介だ。あの指令書だけでは奴を信用できないと思うわ。」

柊暮人「・・・・なら、すでに策を講じたのか?。」

三宮葵「なっ!?。」

地字竜「ええ・・・念の為に沖田元帥からの推薦書をもらい、今頃届いているはずよ。あれならさすがに慎重かつ用心深い奴でも、信頼できる者ならうまくいくからな。」

三宮葵「あ、貴方・・・・勝手な真似を!!?。」

柊暮人「控えろ、葵。」

三宮葵「・・・・は、はい・・・・。」

柊暮人「これで計画通り、深海棲艦諸共、奴を始末できる。」

地字竜「・・・・暮人元帥。本当にこれでいいのか?。」

柊暮人「・・・・なんだ?。俺の計画に不満か?。」

地字竜「いいえ・・・ただ・・・・ソロモン海攻略の為に我々独立特殊作戦00艦隊だけなら制圧、殲滅できるのだが、何故あの鎮守府の艦隊に“だけ”支援要請をしたのか?、それも余剰戦力を含めて全艦娘の出撃命令を出すのは・・・・何故なのか気になるのだけだ。そこまでしなくても、奴を辺境の鎮守府に縛り付けるだけで十分だと思うが・・・・そこまで奴を拘るのか?。」

柊暮人「・・・・・奴は・・・・奴は、俺にとっては最大の屈辱を与えた汚点だ!。かつて奴によって俺はすべてを失った。いずれ俺の理想の障害になる存在だ。奴をこの世から髪の毛一本残らず消す。奴を消さない限り、俺の理想は実現できない。」

地字竜「・・・・」

柊暮人「だが、お前の言う通りだ。念には念を入れる・・・・“例のもの”も用意したからな。」

地字竜「?・・・・“例のもの”?。」

柊暮人「・・・・“ミルラ”だ。」

地字竜「!!?・・・ミ、“ミルラ”だと!!?・・・・元帥・・・・ま、まさか・・・・あの兵器を使う気か?。」

柊暮人「・・・・そうだ。」

地字竜「正気か!、元帥。貴方も分かっているはずだ。あの兵器は元々ミルラ条約の条約違反に当たる兵器ではないのか!?。たかが、あの鎮守府を消す為にそれを持ち出すとなると、上層部に知られてしまうではないのか!?。」

柊暮人「・・・・その心配はない・・・・すでに手は打っている。」

地字竜「手を打っている・・・・だと?・・・・。」

柊暮人「今回使用する“ミルラ”は正式なものではなく、非公式を使うのだ。」

地字竜「非公式?・・・・。」

柊暮人「ああ・・・・あるコネから“ミルラ”と運搬用の艤装タンカーを受け取ったからな。非公式のものなら、誰が使ったのか分からないからな。」

地字竜「・・・・元帥、どこでそんな非公式の“ミルラ”と艤装タンカーを手に入れたのか?。」

柊暮人「ふっ・・・・ちょっとしたコネとは古い付き合いでな・・・・いろいろと世話になっているからな・・・・・。」

三宮葵「・・・・。」

地字竜「・・・・。」

柊暮人「地字竜。」

地字竜「はっ。」

柊暮人「お前は伊9と伊10、伊11と共に硫黄島近海へ迎え。試作型のジャミング装置を使い、他の鎮守府や本部への通信を阻害するよう、通信妨害工作を行え。」

地字竜「了解しました。では、ただちに行きますので、失礼します。」

 

ガチャッ・・・バタンッ・・・・。

 

三宮葵「・・・・。」

柊暮人「気に入らないのか、彼女を?。」

三宮葵「!?・・・・い、いいえ・・・・暮人様は・・・何故あの者をスカウトしたのですか?・・・・彼女は元々大本営直轄の研究機関「731機関(ななさんいちきかん)」が極秘裏に開発した実験部隊“黄泉(よみ)(がらす)”の人造艦娘です。そんな得体の知れない者に独立特殊作戦00艦隊に所属させるには危険すぎます。」

柊暮人「それがどうした?。」

三宮葵「!?・・・・。」

柊暮人「奴の素性など関係ない。能力と実力、そして忠誠心があれば過去には問わない。それに、奴は俺の命令を忠実に守り、最後まで俺を裏切らずに忠義を尽くしてきた。あれほどの人材を手放すには惜しいくらだ。お前もそう思うだろ。なら、計画を進めてくれ。」

三宮葵「・・・・・は、はい・・・・わかりました。」

 

ガチャッ・・・バタンッ・・・・。

 

柊暮人「伊丹・・・・ソロモン海が貴様の墓標になる・・・・この俺の理想の為に沈むがいい・・・・・。」

 

恐るべき柊暮人の陰謀。いままさに狡猾な策謀が伊丹達硫黄島鎮守府に襲いかかろうとしていた。

一方、何も知らない伊丹と言うと・・・・・・。

 

鎮守府 会議室

 

伊丹耀司「・・・う~ん・・・・わからん。」

ヴェールヌイ「?・・・・どうしたんだ?。司令官。」

伊丹耀司「指令書は確かに暮人元帥が考案、送られたものだが、同日に沖田元帥からの推薦書が送ってくるなんて・・・どう見ても変だ。」

ヴェールヌイ「・・・・・もしかして、その推薦書は偽者か?。」

伊丹耀司「いや・・・・元帥の署名も書かれているから本物だと思うが・・・・。」

ヴェールヌイ「そうか・・・・では、出撃は?。」

伊丹耀司「予定通りに行うが、念の為に三菱達に他の鎮守府や本部にも連絡するよう伝えてくれ。」

ヴェールヌイ「ああ、わかった。」

 

伊丹達は予定通り、艦娘達硫黄島鎮守府遊撃艦隊を出撃させるのであった・・・・・。

 

ヴェールヌイ「と言う事だ。本艦隊は大本営の艦隊の支援が主な任務である。では、司令官どうぞ。」

伊丹耀司「・・・・みんな、聞いての通り、大本営はソロモン海に敵棲地を発見した。そこへ精鋭艦隊の強襲を行い、敵を殲滅するようだ。我々の任務は味方艦隊の支援を行う事だ。本作戦の目標はソロモン海の深海棲艦を排除し、制海権奪還させることだ。各自心して作戦にかかってほしい。敵を侮らず、油断せず気を引き締めろ!。些細な慢心は命取りになりかねない。暁の水平線に勝利を刻むのだ!。」

艦娘達「はっ。」

伊丹耀司「ああ、それともう一つ、お前達に言いたい事がある。」

艦娘達「?。」

伊丹耀司「これから出向く戦場では、君達の命を賭けてもらう事になる。この先、戦場では何が起きるのか分からない・・・・・だが、あえて言わせてもらいたい・・・・・・死ぬな!必ず生きて帰って来い!!。以上だ。」

艦娘達「・・・・はいっ、司令官。」

 

伊丹の言葉を聞いて、敬礼して答える艦娘達。

 

ザザ~~~~~・・・・・・ゴオオオオオオ・・・・。

 

ヴェールヌイを総旗艦とする硫黄島鎮守府遊撃艦隊はソロモン海へ向けて出発した。しかし、その監視する者がいた・・・・・。

 

???「よし・・・・行ったか・・・・・三宮葵に“羊使いが狼を狩りにしに来た”と伝えろ。」

???「わかりました。」

???「・・・・これで予定通り、事は進んでいる・・・・・後は向こうが何とかしてくれるか・・・・。」

???「どうしますか?。地字竜さん。このまま監視しつつですか?。」

地字竜「ああ・・・・通信を傍受し、合図が入り次第、電波妨害工作を行う。伊9、伊10、伊11。各自予定の配置に着き、合図があるまで、試作型のジャミング装置を起動するな。」

伊9、伊10、伊11「はっ。」

 

ざ~~~~~~・・・・・・ちゃぷん・・・・・。

 

硫黄島の予定の配置へ着くべく、潜行する三人の潜水艦の艦娘。

伊9、伊10、伊11は、独立特殊作戦00艦隊の一員であり、少数精鋭の潜水艦隊である。

三人とも服装は潜水艦娘に共通するスク水と、白襟に黒いアウトラインが入った丈の短いセーラー服を着用しており、両手の黒手袋に背中に艦橋型格納庫、両腕の二の腕に艦首魚雷発射管ユニット、頭部に魚雷発射管六門付きの艦首を模した帽子を被り、耳には潜水艦のソナー手がするようなヘッドホンを装備している。

まるで三つ子のように見えるが、性格は異なるようだ。

伊9は常に冷静な性格で、平時でも戦闘時でもいろいろな人をフォローする気配り上手で、時には身を挺して味方を庇うなど、味方との連携重視した戦闘スタイルを持つ。

伊10は好戦的だが、誰に対しても飄々として陽気な性格で、フレンドリーでこざっぱりとした態度をとる。

伊11は基本的に仏頂面で武骨な性格だが、冷静沈着で頭の良さに加えて他人の能力の利点を見抜き、活用する能力の持ち主で、自分の考えをはっきりと口に出す辛辣さがあるが、その分受け入れるに値する発言であれば上下を問わず受け入れる上、役目を果たせばその分きちんと報いる。また、常に自己鍛錬を行うスイトックな面を持つ。

 

地字竜「・・・・さて・・・・元統合人類軍第13独立部隊司令官を務めたあんたが、この状況でどう動くか御手並み拝見してもらうよ。伊丹耀司少佐。」

 

鎮守府の近くに恐ろしい策謀が迫りつつであったが、伊丹はまだそれには気付かなかった・・・・・。

それから6時間が経った・・・・。

 

ソロモン海 近海

 

ソロモン海の近海まで進むヴェールヌイ達硫黄島鎮守府遊撃艦隊。彼女達には三菱が急造で作られた遠征用の装備をしており、食料や燃料も完備しており、長期の任務に適している。

ヴェールヌイ達は帰還用の遠征装備を岩場に隠した。

任務が終わればそれを使って帰るようだ。

 

ヴェールヌイ「みんな。油断するな。ここが敵の勢力内である事を忘れるな。各自警戒を怠るな。」

艦娘達「了解。」

阿武隈「・・・・・。」

北上(改二)「どうしたのー?。阿武隈」

阿武隈「あ、ごめん・・・・こういう場所に着た事が初めてだから・・・・落ち着かなくて・・・・。」

北上(改二)「・・・・まぁ何ですかねー、気楽にいきますかねー。私はねー。」

阿武隈「ちょ、ちょっと、北上さん・・・。ふざけている場合ですか?。」

北上(改二)「落ち着いた?。」

阿武隈「あっ!?。」

北上(改二)「阿武隈は真面目すぎるんだよー。気楽に行こうよー。」

阿武隈「も、もー・・・・。」

多摩(改二)「・・・・やれやれにゃ。」

摩耶(改二)「のん気な奴らだ。」

由良「それより阿武隈。桜ちゃんはどうだったの?。」

阿武隈「え、ええと・・・・ちょ、ちょっと・・・・仲良くなったみたいです・・・・。」

由良「そう、まあ、あの子は深海棲艦だけど、そんなに悪い子じゃないよ。あの子。礼儀正しく、優しい子だったと由良は思うよ。」

阿武隈「・・・・由良さん。」

由良「安心しなさい。何が起きようとも由良が守ってあげるから。」

 

笑顔を見せる由良を見て安心する阿武隈。その様子を見るヴェールヌイ。

 

ヴェールヌイ「・・・・・。」

隼鷹「どうした、ヴェールヌイ?。浮かない顔をして。」

ヴェールヌイ「隼鷹か・・・・・いや、司令官の言葉になってな・・・・。」

隼鷹「司令官の言葉?。」

ヴェールヌイ「ああ・・・・司令官が私達に言った言葉・・・・。」

伊丹耀司『これから出向く戦場では、君達の命を賭けてもらう事になる。この先、戦場では何が起きるのか分からない・・・・・だが、あえて言わせてもらいたい・・・・・・死ぬな!必ず生きて帰って来い!!。以上だ。』

ヴェールヌイ「恐らく司令官は今回の任務に何か裏がありそうと感じていると思うわ。わざわざ私達に生きて帰る様言うなど、訳がありそうだわ。」

隼鷹「ふーむ・・・・なるほどね・・・・で、どういう事だ?。」

ヴェールヌイ「今回の作戦、大本営の柊暮人元帥が考案したものと司令官が言っていた。」

隼鷹「柊暮人元帥?。誰だそいつは?。」

ヴェールヌイ「司令官から聞いた話によれば、かつて深海棲艦殲滅の為なら手段を選ばない過激な強硬派の中核に当たる柊家の当主で、かの有名な“聖天子事変”の首謀者である元日本皇国帝都大本営元帥、柊天利(ひいらぎ てんり)の息子。自分に逆らう者や不信感を抱く者には容赦せず、目的のためならば身内であっても拷問や殺害、裏切りなども躊躇しない過激派の中でも異常なまでの過激思想を持つ危険人物だが、奴の所属する艦隊はたった一人で100の深海棲艦を殲滅できるほどの実力を持つ精鋭中の精鋭を集めた最強の無敵艦隊である元帥直轄の親衛艦隊「独立特殊作戦00艦隊」を配下としているようだが、今回の作戦の主力だが、あれだけの精鋭艦隊がいればソロモン海を攻略できるのだが、わざわざソロモン海攻略の為に私達総動員するとは何か胸騒ぎがすると言っていたわ。」

隼鷹「ふ~~ん・・・・なるほど・・・・・で、あんたはそれを知りながら、司令官の命令に従ったわけかい?。」

ヴェールヌイ「いや・・・・出発前に司令官から事前にある事を頼まれた・・・・。」

 

回想

ソロモン海攻略作戦 出発前

 

伊丹耀司「ヴェールヌイ。君に伝えたい事がある。」

ヴェールヌイ「何だ?、司令官・・・・藪から棒に・・・・ケッコンカッコカリでも申し付ける気か?。」

伊丹耀司「いやいや・・・そんなことじゃなく・・・・・出発前に事前に伝えたい事があるんだ。」

ヴェールヌイ「それは何だい、司令官?。」

伊丹耀司「今回の任務にはどうも腑に落ちない所が多くてな・・・・おまけにあの柊暮人元帥が関わっている以上、どんな状況になるのか俺も予想できない。もしこの任務自体が罠だとしたら・・・・もし何か異変や違和感を感じたら・・・・即時撤退をしてくれ。」

ヴェールヌイ「・・・・・わかった・・・・撤退のタイミングは?。」

伊丹耀司「それは君に任せるよ。今回状況を冷静に見極め、瞬時に判断できる君にしかできないな。」

ヴェールヌイ「任せてくれ。司令官。必ず全員を帰還させる。」

伊丹耀司「ああ・・・・頼むぞ。ヴェールヌイ。」

ヴェールヌイ「Да(ダー)Понятно(パニャートナ)。」

 

隼鷹「ふ~~ん・・・・そういう事か?。」

ヴェールヌイ「ああ・・・・万が一、戦場ではどのような事態になるのか分からない。だから、司令官はこういう状況を見越して、私に密命を下さったと思う。」

隼鷹「・・・・そうかい・・・・実は私はどうも胸騒ぎがしてしかたないんだよ・・・・まあ、指揮官はあんただ。私らの命、あんたに任せるわ。」

ヴェールヌイ「・・・・ああ、任せてくれ。」

アイオワ「Hi(ヘイ)!ヴェールヌイ。そろそろソロモン海へ到着する頃だヨ。」

ヴェールヌイ「・・・・そうか。」

 

ヴェールヌイ達はソロモン海へ到着した。

 

ヴェールヌイ「みんな、油断は禁物だ。まずは偵察及び索敵を行う。隼鷹、瑞鳳、神鷹。頼む。」

隼鷹「ひゃっはー、任せな。よーし、攻撃隊!発艦しちゃってー!。」

瑞鳳「航空母艦、瑞鳳。推して参ります!攻撃隊、発艦!。」

神鷹「神鷹航空隊、どうか、お願いします!。」

 

シャシャシャ・・・・ヒュンッ・・・ヒュンッ・・・ゴオオオオオオオオオオオ・・・・・。

 

巻物や弓矢から攻撃機を発艦していく隼鷹、瑞鳳、神鷹。

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・・・。

 

攻撃機のパイロット「・・・・・・!!?。」

 

攻撃機のパイロットである妖精が何かを見つけた。それは夥しい数の深海棲艦の群れであった。

 

隼鷹「・・・お、おいおい・・・・なんて数なんだよ・・・・おい・・・・。」

瑞鳳「ま、まさか・・・・これほどの数とは・・・・。」

神鷹「・・・・ど、どういたしますか?、ヴェールヌイさん。」

ヴェールヌイ「・・・・・瑞鳳、先行している敵棲地攻略艦隊は?。」

瑞鳳「そ、それが・・・・どこにもいません。」

神鷹「し、司令官から・・・・大本営の攻略艦隊が来ていると聞いていますが・・・・どこにも存在しないなんて・・・・・。」

隼鷹「・・・・おいおい・・・・こりゃああ・・・・・私達・・・・はめられたんじゃ・・・・・。」

ヴェールヌイ「・・・・・・。」

 

ヴェールヌイは深く考え、目を閉じて考案中・・・・そして・・・・彼女の答えは・・・・。

 

ヴェールヌイ「・・・・・・全艦、即時撤退を命じる。この空域から緊急離脱する!!。」

艦娘達「えっ!!?。」

阿武隈「ヴ、ヴェールヌイさん。そ、それでは大本営の命令を破るのでは?。そもそも、私達の任務は攻略艦隊の支援ではないのでしょうか?。」

ヴェールヌイ「・・・・確かに君の言う通りだ・・・・しかし、大本営の命令とは違っていた。そもそもソロモン海の敵棲地攻略艦隊がいない以上、これ以上の作戦行動は無意味だ。無駄死にさせる気はない。」

阿武隈「・・・・・。」

ヴェールヌイ「全艦、この海域から急速離脱!。全員生き延びて帰還せよ。それが司令官の命令だ!!。」

艦娘達「!?・・・・はいっ!!。」

ヴェールヌイ「隼鷹と瑞鳳は敵艦隊の進撃に爆撃を加えてくれ。それで敵の侵攻を遅らせるはずだ。」

隼鷹「おう、任せな。」

瑞鳳「はいっ。」

ヴェールヌイ「神鷹は司令官に通信し、状況を報告。司令官からの指示を随時聞くように!!。」

神鷹「あ、は、はい・・・・Ich(イッヒ) verstehe(フェアシュテーエ).!!?。」

ヴェールヌイ「北上や子日、アイオワ、龍驤(りょうしょう)さん、多摩、由良、摩耶は敵艦隊に雷撃、迎撃を与えつつ後退、敵を足止めをさせてくれ。」

北上(改二)「了解~。」

子日「ね、子日・・・頑張ります。」

アイオワ「イエーイ。任せなサーイ。」

龍驤((りょうしょう)「お任せを。」

多摩(改二)「行くニャー。」

由良「由良、頑張ります。」

摩耶(改二)「おっしゃー、任せな。」

ヴェールヌイ「他の皆は全速で離脱、阿武隈は前方に敵がいないか索敵しつつ味方を誘導してくれ。」

阿武隈「う、うん・・・・わかったわ・・・・。」

 

ヴェールヌイ達硫黄島鎮守府遊撃艦隊はそれぞれの役割を持って対処する事になった。

一方硫黄島鎮守府では・・・・。

 

鎮守府 執務室

 

執務室では三原と桃取が臨時オペレーターを行っており、三菱が臨時オペレーター及び秘書艦代理を務めていた。

 

伊丹耀司「・・・・・。」

 

伊丹はヴェールヌイからの連絡を静かに待っていた・・・・・。

 

伊丹耀司「・・・・三菱、ヴェールヌイから連絡は?。」

三菱「いや、まだ連絡はないわ。そろそろ到着してもいい頃合なんだが・・・・。」

伊丹耀司「・・・・・そうか・・・・。」

三菱「それと司令官。無事を祈る気持ちは分かるけど、それはみんなも同じ気持ちだよ。」

伊丹耀司「・・・・そうか・・・・すまんな。」

三菱「気にしないで。これも秘書艦代理の役目だからよ。」

伊丹耀司「・・・・ああ。ありがとな。」

 

タタタタタタタタタタタタタタッ・・・・・・・バタンッ。

 

三菱「!?。」

伊丹耀司「・・・・まるゆ?。」

まるゆ「た、た、隊長!?。ヴ、ヴェールヌイさんからの連絡は!!?。」

伊丹耀司「いや・・・・まだだが・・・・・ヴェールヌイが心配か?。」

まるゆ「あ、は、はいっ・・・・ヴ、ヴェールヌイさん達が心配で・・・・。」

伊丹耀司「大丈夫。ヴェールヌイには独自の判断で任されている。万が一に何かあった場合、撤退するよう命じているからな。そんなに無茶な事はしないから大丈夫だよ。」

まるゆ「・・・・・・・。」

 

伊丹の言葉に安心するまるゆ。そこへ・・・・。

 

三原「親方。司令官。」

伊丹耀司「!?。」

三菱「!?・・・・どうした。三原?。」

三原「神鷹から通信。ヴェールヌイからの報告でソロモン海の敵棲地攻略艦隊が不明、現在敵の追撃を受けており、想定外の艦隊に苦戦中、ただちに救援を求めているとの。」

伊丹耀司「わかった。桃取。本部への通信は?。」

桃取「すでに本部への通信を繋がっています。いつでも支援要請を行えます。」

伊丹耀司「よし、直ちに本部に支援要請を送ってくれ。三原は神鷹に支援要請を送ったと伝えてくれ。」

桃取「はいですわ。」

三原「おう。」

 

伊丹の指示で直ちに通信を始めようとしていた・・・・・。

一方、鎮守府近海では・・・・。

 

地字竜「そうはいかないよ・・・・・。」

 

近海に潜んでいた地字竜は通信機を取り出した。

 

カチッ・・・・ガガガ~~~・・・・・・。

 

地字竜「作戦開始。試作型のジャミング装置起動!」

伊9、伊10、伊11「了解。」

 

ヴウウウウウウウウウウウ・・・・・・・・・・・・。

 

地字竜からの合図により伊9達により、試作型のジャミング装置の起動を開始した。

 

ガガガガガ~~~~~~~・・・・・・・・ガ~~~ビ~~~~~・・・・・・・。

 

桃取「えっ?、嘘・・・・ど、どうして・・・・。」

伊丹耀司「どうした?。桃取。」

桃取「そ、それが・・・・・通信が突然繋がれなくなったのですわ。」

三菱「何!?。さっきまでは通信は正常ではなかったのか?。」

桃取「ええ、通信は良好でしたが、突然通信が繋がらなくなったのですわ。」

三原「こっちもだ。何度も無線を調整してもつながらねえよ。これじゃ、向こうからの通信ができねえ。」

三菱「い、一体・・・・何が・・・どうなっているのよ!!?。」

伊丹耀司「・・・・・。」

 

地字竜達の暗躍により通信を妨害された硫黄島鎮守府。まさに絶対絶命の危機!!。

 

地字竜「・・・・こちら、“モグラ”・・・・手筈通り、鎮守府の通信を妨害した。こちらの計画を実行せよ。成功を祈る。」

???「了解。“モグラ”。本隊は直ちに計画を実行する。引き続き、妨害工作を進めよ。以上。」

 

ガチャッ・・・・。

 

地字竜達別働隊とは違う本隊はソロモン海の遠い所にいた。その本隊の指揮官は柊暮人の副官、三宮葵であった。

 

三宮葵「地字竜達の作戦はうまく言っているようね・・・・・こちらも計画を進めるわ。大鳳。」

大鳳「はい、わかりました。予定通り作戦を開始します。」

三宮葵「うむ・・・・・よし、これより作戦を開始する。奴らに通信を送れ。」

士官「はっ。」

 

暗躍する三宮葵率いる本隊。一方、ヴェールヌイ達硫黄島鎮守府遊撃艦隊では、予想もしない通信障害に混乱していた。

 

ヴェールヌイ「・・・どうした、神鷹。」

神鷹「そ、それが・・・・つ、通信が・・・・通じないのです!!?。」

ヴェールヌイ「!!?・・・・・通じない?・・・・一体どういう事だ?。」

神鷹「そ、それが・・・・さっきまでは通信が繋がっていましたが・・・・と、突然の通信障害で繋がらなくなりました!?。」

ヴェールヌイ「通信障害!?・・・・・!!・・・・ま、まさかっ!?。」

 

ヴェールヌイは何かを悟った所、予想のしない事が起きた。

 

神鷹「!!?・・・・・ヴ、ヴェールヌイさん・・・・・通信が繋がりました!!?。」

ヴェールヌイ「!!?・・・・通信が繋がった!?・・・・・鎮守府本部から?。」

神鷹「いいえ・・・・・“ソロモン海敵棲地攻略艦隊”からです。」

ヴェールヌイ「な、何!!?。」

 

これまで姿を見せなかった“ソロモン海敵棲地攻略艦隊”からの通信にさすがに驚きを隠せないヴェールヌイ。

 

神鷹「“ソロモン海敵棲地攻略艦隊”からの通信が来てます。指揮官との話がしたいようですが・・・・。」

ヴェールヌイ「・・・・わかった・・・・私が話をつける・・・・・。」

 

ヴェールヌイは“ソロモン海敵棲地攻略艦隊”と話をつけようと決めた。

 

ヴェールヌイ「こちら、硫黄島鎮守府遊撃艦隊旗艦、ヴェールヌイだ。指揮官と話がしたい。何ゆえ“ソロモン海敵棲地攻略艦隊”は、ソロモン海にいないのか?。説明してもらいたい。」

オペレーター「こちら“ソロモン海敵棲地攻略艦隊”。本艦隊は敵の奇襲を受け、修理と補給も重ねて、到着に大幅に遅れた。現在本艦隊は全速で向かっているが、救援のために航空支援を行う。航空支援まで10分ごろになるので、それまで持ち堪えてください。」

ヴェールヌイ「・・・・・・わかった、それまで出来るだけ早く来てくれ。敵の勢力は不明だが、予想以上の数で、これ以上持ちこたえない。至急頼む。」

オペレーター「わかりました。できるだけ全力へ急ぎます。」

ヴェールヌイ「・・・・・・みんな、味方が来るまで持ち堪えてくれ。」

隼鷹「へいへい・・・・わかったわよ。」

アイオワ「OK。Me(ミー)達も聞いたわネ。後30分で、味方の航空支援が来るネ。それまに、全艦、迎撃体制で敵を迎え撃つワヨ。」

北上(改二)「了解~~。」

阿武隈「了解。」

多摩(改二)「了解ニャッ。」

摩耶(改二)「了解。」

由良「了解です。」

 

航空支援の為、30分間奮闘するヴェールヌイ達硫黄島鎮守府遊撃艦隊。一方硫黄島鎮守府では様々な手段を詮索しつつ通信回復に奮闘していた・・・・・。

 

鎮守府 執務室

 

伊丹耀司「三菱、どうだ!?。まだ通信が繋がらないのか!!?。」

三菱「い。いや・・・・考えるだけの方法が使ったが、どれも無駄だった・・・・。」

伊丹耀司「くっ・・・・くそっ!!?。」

 

ドンッ。

 

机を叩く伊丹。その様子を心配そうに見つめるまるゆ。

 

まるゆ「・・・・・・!?。」

 

まるゆはドアの隙間に覗く人影がいた事に気づいたが、その人影は何処かへ去って行った。

 

まるゆ「・・・・・・。」

 

タッタッタッタッタッ・・・・バタッ・・・・タッタッタッタッタッ・・・・。

 

伊丹耀司「!?・・・え、ええっ!!?・・・・ま、まるゆ!?。」

三菱「・・・・・・。」

 

人影を追って走り去るまるゆ。その様子に驚く伊丹。その様子から何かを悟った三菱。

 

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・・・。

 

人影は湾岸の方へ向かって走っていた・・・・・・・。

 

まるゆ「桜さん。」

桜「!!?。」

 

まるゆが呼び止めたのは、桜であった。

まるゆの声を聞き、足を止めて振り返る桜。

 

まるゆ「桜さん・・・・も、もしかして・・・・ヴェールヌイさん達を助けに行くのですか?・・・・。」

桜「・・・・うん。」

まるゆ「ひ、一人で行くつもりなのですか!?・・・あ、相手は・・・かなりの数で構成されているのですよ。無事ではすみませんです。」

桜「・・・・それでも行く・・・・そこに私の“友達”が待っているから・・・・・。」

まるゆ「!!?・・・・・。」

 

桜は・ヴェールヌイ達を助けようと単独で行こうとしていた。しかし、まるゆはそれを静止した。

 

まるゆ「だ、だめですっ!!?・・・・た、隊長の許可もなく出撃するのは・・・・き、危険すぎます・・・・ここからソロモン海までは遠く・・・・・駆けつけるのに間に合いませんし・・・・・そ、それに・・・・貴方は深海棲艦です・・・・・他の艦隊に見られたら・・・・貴方だけじゃない・・・・・た、隊長も・・・・軍法会議に掛けられてしまいます・・・・。」

桜「っ・・・・・。」

 

まるゆの指摘に動揺する桜。

 

???「・・・・それなら“いいもの”があるわよ。」

桜、まるゆ「えっ!!?。」

 

その声をする方へ向くとそこに立っていたのは・・・・・・。

 

桜、まるゆ「三菱さん。」

三菱「よっ。」

まるよ「ど、どうして・・・・ここに?。」

三菱「貴方が彼女を追いかけてきたのを見て、何かあると思って、こっそり後をつけたのよ。しかし・・・・深海棲艦である貴方が助けに行くなんてびっくりしたわ。」

桜「・・・・三菱さん・・・・・私は・・・・。」

三菱「言わなくてもわかるわよ。貴方、ヴェールヌイ達に行くのでしょう。なら、着いて来なさい。」

桜、まるゆ「?。」

 

桜とまるゆは三菱に連れられ、ある場所へ案内された。

 

硫黄島鎮守府 工廠

 

桜「ここって・・・・・。」

まるゆ「こ、工廠・・・ですね・・・・。」

三菱「見せたいものがあるのよ。」

 

バサササッ・・・・・・。

 

桜、まるゆ「!!?。」

桜「こ、これは・・・・一体!?・・・・。」

 

桜達が見たのは、巨大な戦艦型の艤装であった・・・・。

 

三菱「こいつは艦娘の支援、性能強化を目的に開発した多目的機動戦術強襲型大型支援アームドモジュール「MMTATLSAM(マッタテルサム)((MULTIPURPOSE(マルチパーパス) MOBILE(モビル) TACTICS(タクティクス) ASSAULT(アサルト) TYPE(タイプ) LARGE(ラージ) SUPPORT(サポート) ARM(アーム) MODULE(モジュール))‐000X。通称「“フリート・アームズ”」。まだ試作型で、実戦データを取っていないけど、ちょうどいいわ。こいつをあんたに託すわ。」

桜「えっ!?・・・わ、私にですか?・・・・・でも、私は・・・・。」

三菱「わかってるわよ。私が出撃許可を許すわ。後で提督に話をつけてとくから。後、こんな事があろうと、こいつには脳内から発生する電気信号を、コンピュータを通して自分の意思をダイレクトに伝えられる「バイオコンピューターシステム」を組み込んでいるわ。これなら深海棲艦の貴方でも操作できるわ。後、この専用バイザーと戦闘帽形略帽を付ければ、正体を明かされないと思うわ。貴方のやりたい事をやりなさい。」

桜「三菱さん・・・・。」

三菱「私もあの子達を助けたいの。提督も同じ気持ちだと思うよ。だから・・・・・生きて帰ってきなさい。あの子達と共にね。」

桜「!?・・・・は、はいっ。」

 

互いに敬礼する桜と三菱。

 

ウィィィィィィン・・・・・・・・ガチャン・・・・ガチャン・・・・・・ゴオオオオ・・・・・ガコンッ。

 

フリート・アームズに様々な武装を補充、換装、さらに長距離飛行用バックパックユニット5基を装着した。

 

三菱「桜。こいつに専用ブースターを装着したわ。フリート・アームズの大出力に加え、機動能力があれば、ソロモン海までわずか数十分で着くはずだよ。作戦の成功を祈るわ。」

まるゆ「さ、桜さん。」

桜「?。」

まるゆ「ヴ、ヴェールヌイさんの事・・・・・よろしくお願いします。」

桜「・・・・わかった。必ず無事に帰還させる。約束する。」

まるゆ「はあ・・・・。」

 

敬礼するまるゆに対し、敬礼して笑顔を見せる桜。それを安堵するまるゆ。

 

ウウウウウウン・・・・・ウウウウウウン・・・・・ウウウウウウン・・・・・。

 

アナウンス「フリート・アームズ、発進シークエンス・・・・OK。」

桜「桜、フリート・アームズ、行きますっ!!?。」

 

ゴオオオオオオオ・・・・・・ドシュウウウウウウウウウウウウン・・・・・・・・・ゴオオオオオオオオ・・・・・。

 

凄まじい速度で発進するフリート・アームズ。空の彼方まで飛び去っていった・・・・・。

 

三菱「よ~し・・・・私達も司令官に報告するか。行くわよ。まるゆ。」

まるゆ「う、うん・・・・。」

三菱「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。あの子ならきっとやってくれるはずよ。だから信じて待ちましょう。」

まるゆ「・・・・はいっ。」

 

一方、鎮守府の外にいる地字竜達というと・・・・・。

 

硫黄島鎮守府 近海 小島

 

地字竜「仕掛けは上々。元帥から頂いた試作型のジャミング装置は正常に起動している。後は向こうの作戦が成功するだけ・・・・・!!?。」

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・・ビュウウウウウウウウウウウウウ・・・・・。

 

突然、目の前に白い水飛沫を上げながら突っ走る光景を目撃する地字竜。

 

地字竜「・・・・・な、何だ・・・・い、今のは?・・・・・・!!?。」

 

ビーーー・・・・ビーーー・・・・ビーーー・・・・。

 

突然の光景に唖然する地字竜。そこへ別の通信が上がった。

 

地字竜「・・・・こちら“もぐら”・・・・・あんたか・・・・・珍しいな・・・・お前から通信をしてくるなんてよ・・・一体何の用だ?・・・・・・な、何!?・・・・“本土防衛軍”が!!?。」

 

その通信からは予想外の報告であった・・・・・・。

 

地字竜「・・・・・・・わかった・・・・・すぐに部隊を撤収させる・・・・・。」

 

ガチャッ・・・・・ガガ~~~~・・・・・。

 

地字竜「・・・・・伊9、伊10、伊11、良く聞け・・・・・たった今本国の“本土防衛軍”が向かっていると言う情報があった・・・・。」

伊9、伊10、伊11「えっ!!?。」

地字竜「到着は一時間後のようだが、全速でこちらに向かっているようだ。奴らを見つけ次第、作戦を即時に中止、こちらの妨害工作を悟られない内に撤収、ポイントM0-M1にて合流せと。痕跡も残すなよ。」

伊9、伊10、伊11「了解。」

 

通信を終えると次は本隊への通信だが、長距離通信だと傍受される危険性を考慮し、暗号通信を送った。

 

ピーピーピーピー・・・・・・カタカタカタ・・・・・ピーピーピーピー・・・・・・カタカタカタ・・・・・。

 

地字竜「・・・・非常事態・・・・“本土防衛軍”・・・・作戦ヲ中止・・・・撤収ヲ申告・・・・。」

 

本隊への暗号通信を送る地字竜。彼女は何かを察していた・・・・・。

 

地字竜「・・・・大本営との通信を妨害している中、独自の行動と迅速な対応・・・・・まさか、奴が!?・・・・。」

 

一方、ヴェールヌイ達硫黄島鎮守府遊撃艦隊は味方の救援が来るまで奮闘していた。

 

ソロモン海 近海

 

ドオオオオン・・・・ドオオオオン・・・・ドゴオオオオオン・・・・・ザバアアアアアン・・・・・。

 

摩耶(改二)「おらああああっ!?、食らえ!!。」

アイオワ「さぁ、Me(ミー)の火力見せてあげるわ、Open(オーブン) fire(ファイヤー)!」

神鷹「神鷹航空隊、どうか、お願いします!。」

瑞鳳「アウトレンジ、決めます!」

隼鷹「ひゃっはー!。」

 

100万以上の深海棲艦の軍勢を相手に奮闘する硫黄島鎮守府遊撃艦隊。しかし、膨大な物量の前に徐々に劣勢に追い込まれていく・・・・・・。

 

子日「ヴェ、ヴェールヌイさん・・・・こ、これ以上・・・無理です・・・・。」

北上(改二)「はあ・・・はあ・・・確かに・・・・これ以上は留まるのは・・・・ヤバイかも・・・・。」

阿武隈「はあ・・・はあ・・・ヴェールヌイさん・・・・・援軍はまだですか!?。」

ヴェールヌイ「はあ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・そろそろ予定の時間になっているはずだが・・・・!!?。」

 

ヴウウウウウウウウウウウウウン・・・・・・・・・・・。

 

そこへ現れたのは航空戦力である瑞雲(六三四空/熟練)と瑞雲(六三一空)、晴嵐(六三一空)の編成部隊である。

 

ヴェールヌイ「あ、あれは・・・・救援部隊!?・・・・・。」

摩耶(改二)「はあ・・・はあ・・・よ、ようやく・・・・・来たのかよ・・・・・遅かったじゃねえか・・・・。」

阿武隈「こ、これで・・・・みんな助かるのですか?。」

北上(改二)「ふああ~~~~・・・・・・しんど~~~・・・・。」

瑞鳳「はああ・・・・はああ・・・・こ、これ以上は・・・・・耐え切れません・・・・。」

子日「やった~~~。」

 

味方の救援部隊を見て、安堵する硫黄島鎮守府遊撃艦隊。しかし、ヴェールヌイは不安を抱いていた。

 

ヴェールヌイ「・・・・・(・・・・あの編成は確か・・・・・水上爆撃機ばかり編成しているようだが・・・・・攻撃機がいないようだが・・・・・!!?。)」

 

ヴェールヌイは何かを気付き、周囲に向かって叫んだ。

 

ヴェールヌイ「みんな、逃げろ!、早くっ!!?。」

阿武隈「え?。」

 

ヴェールヌイの突然の言葉に唖然する阿武隈達。

 

ヴウウウウウウウウン~~~~~・・・・・・・・ヒュウウウウウウウウウウン・・・・・・・・・・。

 

阿武隈「!?・・・・・!!?。」

 

何と編成部隊から無数の250キロ爆弾がこちらに目掛けて向かって来た。

予想もしない味方の攻撃に唖然し立ち尽くす阿武隈。爆弾が彼女目掛けて向かって来たその時、誰かが彼女を庇った・・・・・。

 

チュドオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・・・バゴオオオオオオオオオン・・・・・・・。

 

深海棲艦の群れ諸共大爆発に巻き込まれた硫黄島鎮守府遊撃艦隊。

 

阿武隈「・・・・?・・・・!!?。」

 

爆撃から誰かを庇ったのを感じた阿武隈が見たものは・・・・・。

 

ゴオオオオオオオオオ・・・・・・・・・・・パチパチ・・・・パチパチ・・・・。

 

阿武隈「・・・・ゆ、由良さんっ!!?。」

 

爆撃により艤装が大破、炎に包まれながら重傷を負う由良の痛ましい姿であった・・・・・。

 

由良「・・・・あ、阿武隈・・・・・無事だったね・・・・よかった・・・・。」

阿武隈「ゆ、由良さんっ!・・・・今助けますから・・・・・。」

北上(改二)「阿武隈っ!、危ないっ!!?。」

 

ヒュウウウウウウウウウウン・・・・・・・ドガアアアアアアアアアン・・・・・・・・・。

 

阿武隈は北上に庇われるも爆撃に巻き込まれるのであった。

一方、由良は爆撃の直撃により轟沈寸前に追い込まれていた・・・・・。

 

由良「(・・・・・・阿武隈は?・・・・・・。)」

 

炎に包まれながら沈みつつ自身より阿武隈を気遣う由良・・・・。

 

由良「(・・・・よかった・・・・無事で・・・・・まぁ・・・・魚雷処分よりは・・・いいかな・・・・阿武隈・・・・提督さん・・・・桜ちゃん・・・・・ごめんね・・・・・。)」

 

チュドオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・・・。

 

阿武隈や伊丹、桜の事を思いながら爆炎の中に消えていく由良。

 

阿武隈「・・・・・そ、そんな・・・・嘘よ~~~~~~~~~!!?。」

ヴェールヌイ「・・・・くっ・・・・。」

 

由良の轟沈を信じようとせず絶叫、号泣する阿武隈。仲間の轟沈に自身の無力さを感じたヴェールヌイ。

 

ドガアアアアアアアアアアアン・・・・・ドガアアアアアアアアアアアン・・・・・ドガアアアアアアアアアアアン・・・・・。

 

降り注ぐ爆撃に次々と巻き込まれるヴェールヌイ達と深海棲艦。そして、爆撃が収まりつつあった・・・・。

 

ヴェールヌイ「・・・・ゴフッゴフッ・・・・み、みんなは?・・・・無事か!?。」

 

爆撃により艤装は損傷し、もはや大破状態であったヴェールヌイだが、自身の事より仲間の身を案じていた。

 

ヴェールヌイ「!?・・・・誰か生きているか。生きているなら答えてくれ!!?。」

北上(改二)「生きているよ~~~・・・・。」

ヴェールヌイ「!!・・・・き、北上・・・・無事だったのか!?。状況を報告してくれ。」

北上(改二)「私と阿武隈は無事だよ。ただ私と阿武隈の艤装は大破しちゃって、阿武隈は気絶、他のみんなからは爆風ではぐれて、通信できないだけどね・・・。」

通信『ガガ~~~~・・・・・こちら、隼鷹・・・・ヴェールヌイは無事か?。』

ヴェールヌイ「!?・・・・隼鷹か!!?。無事だったのか?。」

隼鷹『ああ・・・とっさに爆撃を身を守ったのさ。ただ、他のみんなは爆撃で中破、大破、轟沈寸前にまで追い込まれてしまってね・・・・・無事なのは子日と瑞鳳だけだ。』

ヴェールヌイ「・・・・そうか・・・・我々は無事だが。由良は・・・・。」

隼鷹『?・・・・由良はどうした?。』

ヴェールヌイ「・・・・轟沈した・・・・味方の爆撃で・・・・・・。」

隼鷹『・・・・・そうか・・・・。』

ヴェールヌイ「隼鷹。お前は他の負傷者を連れて、この空域から・・・・!!?。」

隼鷹『どうした?。』

ヴェールヌイ「どうやら・・・・敵は我々を一人も逃がさないつもりようだ。」

隼鷹『お、おいおい・・・・嘘だろ・・・・こっちもすげえ数の深海棲艦に囲まれているぜ・・・・・ざっと数えて・・・・1000万以上だな・・・・。』

ヴェールヌイ「1000万以上・・・・・くっ・・・・。」

 

1000万以上の深海棲艦に囲まれたヴェールヌイ達は絶体絶命であった・・・・・・。

 

ヴェールヌイ「・・・・(хорошо(ハラショー)・・・・ま、まさか・・・・これほどの勢力がいるとは・・・・それに・・・・)。」

 

予想もしない深海棲艦の大群に驚愕するヴェールヌイ。さらに彼女は後ろを振り向いた。

煙が晴れたおかげで、味方の爆撃により大破、中破した艦娘達がいた。それぞれ互いに庇い合い、防御姿勢を取っていた。

 

ヴェールヌイ「くっ・・・・(“由良”が轟沈、今、戦闘できる艦娘は子日、瑞鳳、隼鷹だけ・・・・・けど・・・・この戦力では・・・・)。」

 

もはや戦える戦力は少なく、絶望的な状況であった・・・・・。

 

ヴェールヌイ「・・・・・(司令官・・・約束は守りそうもありません・・・・ここが私達の死に場所のようです・・・・・)。」

 

1000万以上の深海棲艦の前に死を覚悟し、静かに目を閉じるたヴェールヌイ。風前の灯はそこまで来ていた・・・・と、その時っ!!?。

 

ドガアアアアアアアン・・・・・ドガアアアアアアアン・・・・・ドガアアアアアアアン・・・・・・・。

 

ヴェールヌイ「!!?・・・な、何が起きたんだ!!?。」

 

突如、深海棲艦の群れに複数の爆発が起きた。その状況に飲み込めず、驚愕するヴェールヌイ。

 

ゴオオオオオオオオオ・・・・・・・ダダダダダダダダダダダダダダダダダ・・・・・・・・・・・。

 

空から巨大な戦闘機のような物が高速に飛行、そこからガドリングガン4連2門を出し、連射した。

 

ドガガガガガガガガガガガガガ・・・・・・・ドオオオオオオオオオオオン。

 

ガドリングガン4連2門の凄まじい銃撃により、深海棲艦の群れは文字通り、蜂の巣となり撃沈させた。

 

バシュウウウ・・・・バシュウウウ・・・・バシュウウウ・・・・バシュウウウ・・・・ダダダダダダダダダダダダダダダダダ・・・・・・チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・・・・・・。

 

さらに三角柱状(テトラ)ポッド4つを発射、発射されたポッドが敵集団内に達すると内蔵ミサイルが乱射され、深海棲艦の群れを一掃していく。

 

キュウウウウウウ・・・・・・・バシュウウウウウウウウウ・・・・・ゴオオオオオオオオオオン・・・・・。

 

極めつけは二門の艦首砲からエネルギーをチャージ、そこから放つ巨大なビーム砲で周囲の敵をなぎ払った。

 

ヴェールヌイ「あ、ああ・・・・・。」

北上(改二)「・・・・す、すげえええ・・・・・。」

阿武隈「・・・・(い、一体誰が?)。」

 

その光景に唖然するヴェールヌイ達。そんな彼女達のよそに巨大な飛行物体が着水しようとしていた。

 

ゴオオオオオオオ・・・・・ヒュウウウウウウン・・・・・ザブウウウウン・・・・・。

 

飛行物体は着水し、ヴェールヌイ達の前に現したのは・・・・・。

 

???「みんな、無事ですか!?。」

ヴェールヌイ「!!?・・・・ど、どうして君が!!?。」

 

そこへ現したのはバイザーと戦闘帽形略帽、赤いマフラーを着た桜であった。

 

ヴェールヌイ「なぜ君がここに・・・・・そ、それに・・・・その装備は?・・・・・。」

桜「三菱さんからお借りしたのです。艦娘専用に開発した多目的機動戦術強襲型大型支援アームドモジュール「フリート・アームズ」です。」

ヴェールヌイ「・・・・・フ、フリート・アームズ・・・・。」

桜「私が敵の注意を引き付けますので、その間に撤退を開始してください。」

ヴェールヌイ「あ、ああ・・・・し、しかし・・・・君一人で?・・・・・。」

桜「はい・・・・みんなを必ず無事に帰還させる。それが司令官やまるゆさんとの約束ですから。」

ヴェールヌイ「!?・・・・す、すまん、桜・・・・由良は轟沈してしまった。」

桜「!!?。」

ヴェールヌイ「味方の爆撃から阿武隈を庇って轟沈したんだ・・・・最後まで阿武隈を気遣ってた・・・・。」

桜「・・・・・そうですか・・・・・。」

 

由良の死を悲しむ桜であった。そこへ大量の深海棲艦が現れ、その中心には敵主力の旗艦である装甲空母鬼がいた。

 

ヴェールヌイ「・・・・ま、まさか・・・・姫クラスの旗艦自ら来るとは・・・・。」

桜「ヴェールヌイさん。私が敵は引き付けます。ヴェールヌイさんは、フリート・アームズを使ってください。貴方なら使いこなせるはずです。」

ヴェールヌイ「・・・・わ、わかった・・・・死ぬんじゃないぞ。」

桜「・・・・はい。」

 

ピピッ・・・・ウィイイイイイン・・・・・ボシュウウウウン・・・・・ザッ。

 

フリートアームズから対艦刀「シュベルトゲベール」や超高インパルス砲「アグニ」、二門高エネルギー長射程ビーム砲「ケルベロス」、レーザー対艦刀「エクスカリバー」、二丁ビームライフル・ショーティーなどを装備したフルアームズストライカーパックを取り出し、1000万以上の深海棲艦の前に対峙、戦闘態勢を取る桜。

一方、敵主力の旗艦である装甲空母鬼は深海棲艦達を指揮し、周囲を囲んだ。

 

桜「・・・・・・」

 

ガシャン。

 

1000万以上の深海棲艦の前にして怯まずシュベルトゲベールを構える桜。

 

サッ・・・・ガチャガチャガチャガチャ・・・・・ドドドドドドドドドドン・・・・・。

 

装甲空母鬼が手を上げて振り下ろすと、深海棲艦の一斉射撃が開始した。

 

ヒュウウウウウウウウウ・・・・・・・・・・・・。

 

深海棲艦の砲弾の嵐の前に怯まず、ゆっくり歩く桜。

 

ヴェールヌイ「い、いかんっ!!?。桜、よけろ!!?。」

 

砲弾が目の前まで確実に迫っていた。しかし、桜は恐れず、目をゆっくり閉じて・・・・そして・・・・。

 

カッ・・・・・・ドドドドドドドド~~~~~~~~ン・・・・・・・・・・。

 

桜の目が開いた瞬間、突然体中が光だした直後、砲撃が命中、爆発した。

 

ヴェールヌイ「さ、桜~~~~~~~!!?。」

 

ヴェールヌイが絶叫する最中、次の瞬間、予想もしない展開を見せた・・・・・・。

 

×ここからPC、またはCDから"ヤマト渦中へ もしくは ヤマト渦中へ 30分耐久"を聞きながら朗読するとより楽しめます。×

 

ヒュンッ・・・・ズバアアアアアアアアアン・・・・・・ドサササササッ・・・・・・。

 

装甲空母鬼「!!?ッ。」

ヴェールヌイ「なっ!!。」

 

何と一瞬の内に深海棲艦を横一線で両断、瞬殺した。それは対艦刀「シュベルトゲベール」を装備した桜の仕業であった。予想外の光景に驚愕する装甲空母鬼。

しかし、桜はすぐさま反撃を開始、超高インパルス砲「アグニ」や二門高エネルギー長射程ビーム砲「ケルベロス」を構えた。

 

ザッ・・・・ガチャッ・・・・・バシュウウウウウウン・・・・・ドオオオオオオオン・・・・・・・・・・チュドオオオオオオン。

 

アグニ、ケルベロスの連射を開始、深海棲艦を次々と撃破していく。

 

ザアアアアア・・・・・ガチャチャッ・・・ガチャチャッ・・・ガチャチャッ・・・。

 

桜「!!?。」

 

深海棲艦に囲まれた桜。さらに・・・・

 

ビュウウウウウウウウウン・・・・・・・。

 

多数の深海棲艦の搭載機が上空から攻撃を加えようとしていた。まさに袋の鼠である。

その時、桜の身に異変が起きた。

 

カアアアアアアア・・・・・バアアアアアアアアアン。

 

ヴェールヌイ「!?・・・・あれは一体・・・・。」

 

突然、桜の体が発光、美しい虹色の光の粒子を放っていた。その姿に困惑するヴェールヌイ。

後に彼女の力は艦娘の力の基礎になるもの「“艦魂(かん・バースト)”」である事は今は知らない。

 

ヒュン・・・・・ガシッ・・・・ビュンッ・・・ビュルルルルルルル・・・・ガシッ、ガチャンッ・・・ビュンッ・・・ビュルルルルルルルル・・・・・ズババババババババババ・・・・ドゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオ~~~~~~~ン・・・・・・・。

 

ビームブーメラン「マイダスメッサー」と2つのブーメランの本体部分を結合する事でビームと実体の刃を持ったブーメランとして使用可能な「フラッシュエッジビームブーメラン」を放ち、大量の搭載機を紙切れの如く、次々と切り裂き、撃沈していく。

 

カチャッカチャッ・・・・・ダダダダダダダダダダダッ・・・・・ドガガガガガガガ・・・・・・。

 

次に3連装35mmガトリング砲二門を構え、360°全方位に高速回転しながら撃ちまくり、それを受けた深海棲艦達を次々と撃沈していく。

 

ビュンッ・・・・・ヒュウウウウウウウン・・・・・・ガシッ・・・・ビュウウウウウウウン・・・・ドカアアアアアン。

 

ロケットアンカー「パンツァーアイゼン」を巧みに使いこなし、空母ヲ級を捕縛、そのまま深海棲艦の群れに投げつけて叩きつけた。

 

バシャアアアン・・・ガシッ・・・ガチャンッ・・・・ヒュンッ・・・・・ズババババババババババ・・・・・ドボオオオオオオオオオンッ。

 

着地し、二振りの大型レーザー対艦刀「エクスカリバー」を連結、一瞬で深海棲艦数十隻を斬撃、瞬殺した。

 

ビュンッ・・・・・ヒュルルルルルルルル・・・・・カチャッ・・・・ブンッ・・・ブンッ・・・・。

 

さらに攻撃を緩まず、さらなる追撃を加えた。連結したエクスカリバーを投げつけ、さらにデファイアントビームジャベリン2本を投げつけた。

 

ズバババババババ・・・・・・ザシュウウウン・・・・ザシュウウウウン・・・・ドボボボオオオオン。

 

高速回転するエクスカリバーに一刀両断され、さらに2本のデファイアントビームジャベリンにより深海棲艦5体ずつを串刺しにして撃墜した。

 

カチャカチャッ・・・・カアアアアアア・・・・・バババババババババババババババ・・・・・。

 

装甲空母鬼「!!?。」

 

二丁ビームライフル・ショーティーを構え、銃身と体中が光り出し、そこから高速に大量の光弾を撃ち出した。

 

ドガガガガガガガガガガガ~~~~~~~ン・・・・・・ゴオオオオオオオオオオ・・・・・・。

 

 

艦魂技(トリガーバースト) “ショーティー・バーストブレイク”

 

正確無比と命中率、高い連射速度と取り回しにより、4000万以上の深海棲艦の群れを一瞬にして撃ち抜き、壊滅に追い込んだ・・・・・。

 

装甲空母鬼「!!?・・・・・。」

 

さすがに装甲空母鬼も驚愕していた。たった一人の深海棲艦のために全兵力が一瞬にして壊滅されたのだ。

 

ガチャ。

 

装甲空母鬼「!!?。」

桜「・・・・・勝負は付きました。これ以上の戦いは無益です・・・降伏してください。」

 

装甲空母鬼「・・・・・!!!。」

 

ザッ・・・・ドガガガガガガガガ~~~~~~~~~ン・・・・・・ドドオオオオオオオオオオオオオオオオン。

 

桜により多数の部下を多く失った装甲空母鬼は桜の言葉を聞いて激怒、16インチ連装砲6門を一斉射撃に加え、魚雷多数を放った。その攻撃で桜は直撃、爆発した。

 

装甲空母鬼「フッ・・・・・!!?。」

 

勝利を確信した装甲空母鬼はその時、何かを気付き、空を見た。

 

ヒュウウウウウウウウ~~~~~~ン・・・・・・・・ズババババババ~~~~~~ン。

 

それは対艦刀「シュベルトゲベール」を構え、振り上げたまま落下する桜であった。そのまま装甲空母鬼に一閃、海が割れてしまうほどの斬撃であった。

 

装甲空母鬼「!!?!!!????!!??。」

 

ズル・・・・ズシャ・・・・ザバアアアアアン・・・・・・・。

 

桜「・・・・。」

 

何が起きたのかわからないまま装甲空母鬼は対艦刀「シュベルトゲベール」により立て一閃に一刀両断され、そのまま崩れて海に没した。その最後に悲しげに見つめる桜。

 

深海棲艦達「!!?。」

 

生き残った深海棲艦達は旗艦である装甲空母鬼を失い、戦意損失により攻撃続行は不可能になった。

 

ブウウウウウウウウン・・・・・・・・・・。

 

その様子を監視する一機の二式陸上偵察機。それは三宮葵率いるソロモン海敵棲地攻略艦隊所属の偵察機である。

 

ソロモン海 海上

 

ソロモン海敵棲地攻略艦隊旗艦『さきがけ』 戦闘指揮所

 

三宮葵「・・・・・」

 

二式陸上偵察機から送られた映像データを見て、驚愕する三宮葵。苦々しく拳を握り締めていた。

 

三宮葵「・・・な、何なの・・・・あれは?・・・・。」

オペレーター「指揮官。“もぐら”から暗号通信。“本土防衛軍”が硫黄島鎮守府が接近中、ただちに作戦を中止、撤退せよとのこと。」

三宮葵「バ、バカな・・・“本土防衛軍”が来ているだと!!?。は、早すぎる!!?・・・・。」

オペレーター「いかがいたしますか?。」

三宮葵「直ちにこの区域から撤退する。大鳳は補給を終わった編成部隊を奴に差し向けろ。」

大鳳「今からですか?。しかし、奴はたった一人であの4000万以上の深海棲艦を壊滅させた化け物です。爆撃だけで倒すのは不可能です。」

三宮葵「誰が爆撃で倒せと言いましたか?。ただ足止めさせていいのですよ。」

大鳳「足止め?、何のためにですか?。」

三宮葵「“ミルラ”でとどめを刺すのよ。」

大鳳「!!?・・・ま、まさか・・・・編成部隊を“ミルラ”を発射する間、時間稼ぎの為の捨て駒にするつもりなのですか!!?。」

三宮葵「そうだ、あの編成部隊は我が部隊を語るテロリストが送り込んだ刺客として上に報告、“ミルラ”をぶつければすべての証拠は残らない。目障りな奴ら諸共、あの怪物を消せばいいのですよ。」

大鳳「!!?・・・・・。」

 

葵の冷酷な言葉に言葉を失い、唖然する大鳳。

 

三宮葵「編成部隊を向かわせた後、作戦区域から離脱後、準備が出来次第、“ミルラ”を発射せよ。」

オペレーター「は、はいっ!!?。」

大鳳「・・・・・。」

 

桜達に迫りつつある巨大な新型兵器「ミルラ」の脅威。一方、一方硫黄島鎮守府では急展開を見せるのであった。

 

鎮守府 執務室

 

伊丹耀司「ヴェールヌイからの通信はまだか?。まだ通信は回復できないのか?。」

三菱「すまない。司令官。まだ通信不良が続いて、回復にはまだかかる。」

伊丹耀司「くっ!?・・・・。」

 

今だ通信が回復できない状況に苛立ちを見せる伊丹。何とかヴェールヌイ達の無事を知りたい一心である模様。

 

伊丹耀司「くっ・・・(まだ通信障害が続いている状況の中・・・・どの機材も正常なのに繋がらないとは異常すぎる・・・・まさか・・・・誰かが妨害工作を行っているのか?・・・・。)」

???「ヒュ~・・・こりゃあ大変だね~~。」

伊丹耀司「!!?」

 

伊丹は後ろから声を聞いて驚いて振り向くと一人の少女が壁に背に載せて立っていた。長身で大人びた容姿、猫のような髪型を持つ少女だが、服装はまるでくの一のような出で立ちであった。

 

三菱「あ、あんた!?・・・・何時の間にここに入ってきたのよ?。」

???「さっきからここに来たからよ・・・・・。それより、ここの通信が繋がらない原因を知りたくない?。」

伊丹耀司「!!?・・・・つ、通信障害の原因を知ってのか!?。」

???「ええ・・・・今頃仲間達が向かっている所よ。後は私達に任せて。」

伊丹耀司「・・・・君は一体・・・・何者なんだ?。」

???「私・・・・私は藤林長穂(ふじばやし ながほ)。日本皇国本土防衛軍玉狛支部直属の特務任務艦隊にして、私設諜報機関「ツキカゲ」の隊長を務めているのよ。」

伊丹耀司「ツキカゲ?・・・・。」

藤林長穂「ツキカゲって、知らないの?。それなら・・・・“迅悠一(じん ゆういち)”って人は知っている?。」

伊丹耀司「迅悠一・・・・!?、まさか・・・あいつか!!?。」

藤林長穂「ええ、ようだよ。迅悠一は日本皇国本土防衛軍玉狛支部の司令官で、私の上司でもあるのよ。」

伊丹耀司「・・・・そうなのか・・・・で、あいつは今何処に?。」

藤林長穂「提督は本土防衛軍艦隊と共にソロモン海へ向かっているはずだよ。」

伊丹耀司「そうか・・・・では、我々は準備次第救援を・・・・。」

藤林長穂「ああ・・・いいよ・・・貴方達はここで彼女達を帰るのを待ってくれない。」

伊丹耀司「え?。」

藤林長穂「司令官がここで離れて、誰が彼女達を迎えをするの?。彼女達を信じてみなよ。」

伊丹耀司「・・・・・わかった・・・・貴方の言葉を信じて、信じて待ちます。」

藤林長穂「それならいいよ。じゃ、私は仕事があるからこれで失礼するよ。」

 

ガチャッ・・・バタンッ・・・・。

 

互いに敬礼する二人。敬礼を終えた長穂は部屋から出た。

伊丹は彼女の言葉を信じ、ヴェールヌイ達が帰ってくる事を待った。

一方、一方、鎮守府近海では急展開を見せていた。

 

鎮守府近海

 

地字竜「そろそろ・・・・奴らがここに来る頃だが・・・念のために撤退準備を命じた方がいいな。」

???「残念。手遅れだけどね。」

地字竜「!!?」

 

突如、後ろを振り向くと、二人の少女がいた。一人はオレンジ色のサイドテールが特徴の少女。もう一人は右目に刀傷を持つ青髪のポニーテールの少女である。

 

地字竜「・・・・(い、何時の間に!!?・・・・気配を感じなかった・・・・・ま、まさか!!?。)」

 

地字竜は正体を隠す為に頭巾と光学迷彩やレーダーに映らないステルス機能を持つマントを着用していた。

素顔を見られないが、相手がかなりの実力者である事を瞬時に悟っていた。

 

ポニーテールの少女「通信妨害をしていたのはお前か。」

地字竜「・・・・だったら、どうなんだい?。」

ポニーテールの少女「お前を拘束する。はああああああ!!。」

 

ガキィィィィィィン・・・・・・・・ザザ~~~~~。

 

一瞬の内に間合いを取られ、刀による斬撃を受けるも、瞬時に手に持つ砲塔で弾き、後ろに下がった。

 

地字竜「・・・ふうう・・・・なかなかやばかったよ・・・・もう少しで反応しなければ、今頃首チョンしていたよ。あんたら、一体何者なんだい?。ただの艦娘ではないようね・・・・・。」

ポニーテールの少女「私達はツキカゲ。日本皇国本土防衛軍玉狛支部直属特務任務艦隊「ツキカゲ」だ。」

地字竜「ツキカゲだと!?・・・・空崎市に本拠地を置く私設諜報機関がなぜこの近海に来ているんだ。」

サイドテールの少女「そりゃ、私達の提督の命令で来たからね。」

ポニーテールの少女「やはり、提督の読み通り、ここで通信妨害の工作をしていたのね。」

 

ポロッ・・・ポチャン・・・・。

 

地字竜「!!?(ほ、砲身を切り裂かれただと・・・・い、何時の間に・・・・何と言う剣の速さよ・・・・)。」

 

地字竜は、ツキカゲの実力に戦慄を覚えた。少しでも気を抜けば、殺られる。そう感じてた・・・・・。

 

地字竜「・・・・(私の“アレ”を使えば倒せるが、今は使う時ではないか・・・・ここは退くとするか。)」

 

地字竜は何やら奥の手があるようだが、今は使う時ではないと悟り、その場を脱出することにした。

 

シュッ・・・・カアアア・・・・・バジュウウウ~~~~~~~~ン・・・・・・・・・。

 

閃光手榴弾を投げつけ、閃光と煙に怯む二人。音と煙が消えた時、地字竜の姿はいなかった。

 

サイドテールの少女「あらあら・・・・・逃げられちゃったね。どうする、ユッキー。」

ポニーテールの少女「追わなくていいわ。あれはおそらく指揮官のようね。通信妨害をさせる装置がない所を見ると、別の者がが所持している可能性が高いわ。」

サイドテールの少女「さすがユッキー。じゃ、そいつらを捕まえて、白状させる?。」

ポニーテールの少女「ええ、私はモモの所へ行くわ。貴方は真の所へお願い。」

サイドテールの少女「わかったよ。任せてね。ユッキー。」

 

そう言うと二人は分かれて走り去りました。

彼女達の名は半蔵門雪(はんぞうもん ゆき)八千代命(やちよ めい)。日本皇国本土防衛軍玉狛支部直属の特務任務艦隊「ツキカゲ」に所属する艦娘である。

半蔵門雪はツキカゲの副隊長で、コードネームは「半蔵(はんぞう)」で、真面目な性格で、自他共に厳しい。基本的にはクールで、あまり物事に動じない精神の強さを持つ。

八千代命はコードネームは「千代女(ちよめ)」で、能天気で明るい性格をしており、チームのムードメーカー的な存在。大雑把な性格をしているが、建物と建物の間を飛び越えられるほどの高い身体能力を持つ。

一方、硫黄島の各地ではそれぞれツキカゲと独立特殊作戦00艦隊との激闘が繰り広げていた。

 

硫黄島近海1

 

ドボオオオオオ・・・・ドボオオオオオ・・・・ドボオオオオオ・・・・ドボオオオオオ・・・・。

 

伊9「くっ・・・なかなかやるね・・・・。」

 

独立特殊作戦00艦隊の伊9は二人のツキカゲに追撃していた。

 

二人はカトリーナ・トビーと高坂信(こうさか しん)。共にツキカゲに所属する艦娘である。

 

カトリーナ・トビー。コードネームは「カトー(加藤)」。艤装なしで数人の成人男性を制圧できるほどの高い格闘技術、敵の手を正確に打ち抜く射撃技術を持つ艦娘。

 

高坂信(こうさか しん)。コードネームは「甚内(じんない)」。小学生に間違われることもあるほど幼い容姿であり、スパイとは思えないほど性格・身体能力ともにごく一般的だが、任務では自身の目立たない体質を利用して潜入・潜伏任務や囮役を務めたりするなど、入技術に特化している。

 

水中の敵を狙い撃ちできる正確無比の射撃とソナーによる索敵による支援を使う二人の猛攻の前に伊9を後一歩で追い詰めていた。

 

伊9「・・・・(このままでは追い詰められる・・・・ここは一旦引くしかないわ・・・・。)」

 

ピッ・・・・シャッツ・・・・ピッピッピッピッピッピッ・・・・チュドオオオオオオオオン・・・・・・。

 

試作型のジャミング装置に爆薬をつけて水中で爆破させた。

 

カトリーナ・トビー「くっ・・・シン様!、敵の位置は!?。」

高坂信「!!?・・・・ソナーから消えた!?・・・爆発の音響を利用して逃げられたようです。」

カトリーナ・トビー「くっ、不覚・・・・申しありません。シン様!。」

高坂信「い、いいのですよ。カトリーナさん。それより雪さん達の援護を・・・。」

八千代命「師匠。」

高坂信「あっ、メイちゃん。」

八千代命「応援に来たけど、そっちはどうだったの?。」

高坂信「ごめんなさい。逃げられてしまって・・・・。」

カトリーナ・トビー「それよりシン様。私達も援護もしなくては・・・・。」

高坂信「うん、わかりました。カトさん。メイちゃんも行こう。」

八千代命「了解。師匠。」

 

三人は他のツキカゲへ援護の為に他の近海へ赴いた。

 

硫黄島近海2

 

ドオオオオオン・・・・ドオオオオオン・・・・ドオオオオオン・・・・ドオオオオオン・・・・。

 

伊10「・・・・・へっ・・・・なかなかやるじゃない・・・あんたら。」

 

伊10を追い詰めていたのは、クールビューティーな容姿を持つ長い黒髪の少女とロングヘアの赤メガネの少女であった。

 

彼女達二人はツキカゲに所属している艦娘で、一人は青葉初芽(あおば はつめ)。コードネームは「(つぼね)」で、多くの秘密道具を開発を担当し、情報開示や作戦説明役、任務では遠隔操作などのサポート役を主に務め、状況によっては仕込み槍を武器に自ら前戦に立つこともある実力者でもある。

もう一人は石川五恵(いしかわ ごえ)。コードネームは「五右衛門(ごえもん)」。戦闘ではスナイパーライフルを使った後方からサポート、かぎ爪のような手甲で接近戦もこなし、武器はなくとも格闘術だけで相手をいなすなど、戦闘力が高く、本気を出せば組織を一つ壊滅させることができるほどの実力を持つツキカゲの切り札でもある。

五恵はスナイパーライフルによる後方支援を、初芽は自ら開発した試製61cm六連装(酸素)魚雷の改良型を使った追撃を行った。

 

ゴオオオオオオオオ・・・・・・バゴッ・・・・・ザザザザアアアアアアア・・・・・・。

 

初芽が開発した試製61cm六連装(酸素)魚雷の改良型は標的に向かってある程度距離に進んだ所、内部に内蔵している超小型高性能クラスター魚雷を散布し、多数の小規模な爆発を引き起こして広範囲の目標に損害を与えるのである。

 

ドドドドドドオオオオオオオオ~~~~~~~ン・・・・・・・・・・・・・。

 

伊10「くっ!!・・・・あ、やべっ!!?・・・・・・。」

 

超小型高性能クラスター魚雷により広範囲の爆発を食らい、試作型のジャミング装置を落としてしまう。

 

伊10「・・・・なかなかやるじゃない、あんた達・・・・やりがいありそうだけど・・・・今はゆっくりやっている暇がないわね。ここで捕まる訳にはいかないわ!!。」

 

ダダダダダッ・・・・・キイイイイイイイイイイイイイン・・・・・。

 

二人「く・・・ぐっ・・・・。」

 

伊10が放ったの音波魚雷により凄まじい音響を受けて怯む初芽と五恵。

 

伊10「本当はあんたらと戦ってみたいけど、今回は妨害工作が任務だからね。今は引かせてもらうよ。あばよ。」

 

そう言い残すと、水中の闇の中へと消えていった。

 

青葉初芽「くっ・・・・逃げられてしまいましたか・・・・・。」

石川五恵「すみません、師匠・・・・私がもっとも気付けば・・・・・。」

青葉初芽「そんなことはないですよ。ごえちゃん。さっき、ジャミング装置らしきものを落としていました。それさえ回収すればなにかわかるかもしれません。急いで回収しましょう。」

石川五恵「・・・・・はい、師匠。」

 

伊10が落としたジャミング装置の回収を取り掛かる二人。一方、別の近海でも死闘を繰り広げていた。

 

硫黄島近海3

 

ドゴオオオオオオン・・・・・ダダダダダダダダダダ・・・・・・。

 

???「きゃっ!!?。」

???「モモ。大丈夫?。」

モモ「あ・・・はい、大丈夫です。フーちゃん。」

 

モモとフーちゃんと呼ばれる二人の少女はツキカゲ所属の艦娘で、モモこと(みなもと)モモは、コードネームは「百地(ももち)」で、ツキカゲの中でも新造されたばかりで、戦闘能力は他のツキカゲより低いが、視力が良く、夜目が利き、嗅覚に優れ、他人の肌を舐めると、その人の健康状態や感情を把握することができる特殊能力を持つ。

もう一人はフーちゃんこと

相模楓(さがみ ふう)はコードネームは「風魔(ふうま)」、ツキカゲの中でも最年少のメンバーで、姿を変えたり声を変えたりするなど、高い変装術を得意とし、爆弾が内蔵された手裏剣を武器とする。

 

対して、伊11は、三人の中でも戦闘経験が高く、冷静さと相手の能力を見抜く持ち主で、モモと楓の攻撃を見抜き、冷静に対処して迎撃していた。

爆弾内蔵の手裏剣を扱う楓や事前に罠を仕掛ける仕込みを使うモモの特徴と弱点を瞬時に見抜き、相手の攻撃を制して有利を経つ事に成功していた。

とはいえ、さすがツキカゲであって、息のあったコンビネーションに苦戦し、倒しきれずにいた。

 

伊11「・・・・・・(さすがツキカゲであって、始末しきれないか・・・・ここで足止めしている内に仲間が来る可能性が高い・・・・ここで一気に方をつけるしかない!!。)」

 

ウィィィィン・・・・ガチャン・・・・ジャキンッ。

 

左手に一撃で複数の深海棲艦を呑み込む範囲と破壊を可能とする高出力のビームと実弾の二種使い分けが可能なドーバーガンと右手には対艦刀を装備して一気に勝負をしかけようとする伊11。

 

源モモ「・・・フ、フーちゃん・・・・な、なんだかやばい雰囲気ですけど・・・・。」

相模楓「どうやらあっちは本気を出してきたようね・・・・ここは正念場よ。覚悟を決めなさい。モモ。」

源モモ「は、はいっ!!。」

 

覚悟を決めた二人はそれぞれ手裏剣と日本刀を構え、伊11に立ち向かうのであった。

 

???「ヒューー・・・・こっちは盛り上がったてるね。私も混ぜてよ。」

伊11「!!?。」

楓、モモ「な、“長門”さん!!?」

 

現れたのは伊丹達と話していた“長門”こと藤林長穂であった。

 

伊11「・・・・(こ、こいつ・・・・何時の間に・・・・気配もなくここまで近づいているとは・・・・こいつ・・・できる!!?。)」

藤林長穂「ねえ、君。大人しく投降してくれない。君の仲間も今頃捕まっていると思うけど、投降してくれは無駄な戦いをする手間が省けるけどね。」

伊11「・・・・断る・・・・・貴様らに投降するほど・・・・・私は愚かではない・・・・・。」

藤林長穂「ふ~~ん・・・・そうか、残念だよ・・・・。」

伊11「私を止めたければ、全力で来い。貴様から強い意思と決意、覚悟を見た。お前は私と互角以上の力を感じる。私が本気を出したからにはお前も出し惜しみもなく、全力で立ち向かって来い!!。」

藤林長穂「あららら・・・・見抜かれたね・・・・・ならお言葉に甘えて・・・・全力で行くよ!!。」

伊11「ふっ・・・・。」

藤林長穂「熱く、鋭く・・・・リリース・ザ・スパイス!!。」

 

ジャキンッ・・・・ビュウウウウウウン・・・・ジャキィィィン・・・・ガガガガガガガガッ・・・・ジャンッ。

 

凄まじい攻防を繰り広げる長穂と伊11。

 

伊11「はああああああああ・・・・・。」

 

バシュウウウウウウウウウン・・・・・。

 

藤林長穂「はあ~~~~~!!。」

 

シャッ・・・・ズバアアアアアアアン・・・・・・・バシュッ・・・・ドオオオオオオオオン・・・・・・。

 

伊11が放つドーバーガンのビームに対し、長穂は一歩も怯まず、何と日本刀による一閃でビームごとドーバーガンを切り裂いたのだ。

伊11は切り裂かれたドーバーガンを瞬時に切り離し、誘爆を防いだ。

 

伊11「くっ・・・・できるな・・・・!!?。」

 

ドーバーガンの爆発の瞬間に一瞬の内に目の前に現れた長穂に驚く伊11。

 

ジャキィィィン・・・・・・・ギリギリ・・・・ギリギリ・・・・。

 

伊11「・・・・なかなかやるな・・・・お前・・・・。」

藤林長穂「お言葉に褒めていただきありがとう。」

伊11「だが、御互い実力は拮抗している。私を倒すにはまだまだだがな・・・・・。」

藤林長穂「・・・・そうでもないけどね。」

伊11「?・・・・!!?。」

 

伊11は後ろに何かが感じ取った。

 

ザンッ・・・・ザザ~~~~~~・・・・・・・・・。

 

しかし、伊11は瞬時に回避、紙一重で避けた。

 

伊11「・・・まさか・・・・奥の手がいるとは予想外だわ・・・。」

藤林長穂「悪いね・・・私達師弟で力を合わせれば怖いものはないよ。」

半蔵門雪「師匠、援護をいたします。」

伊11「・・・・・(さすがにこいつ一人ならどうにかできるけど、達人が二人だと私でも防ぎきれない・・・・この辺りが潮時か・・・・・。)」

 

伊11は速やかに撤収する引き際を決め、ジャミング装置を持ち出すと・・・・。

 

長穂、雪「!!?」

伊11「これが欲しいいか?・・・・・なら・・・・くれてやる!!。」

 

ビュン・・・・・・ヒュウウウウウ~~~~~~~~~・・・・・・・・・ガチャッ・・・・バシュッ・・・・・。

 

ジャミング装置を投げた伊11。空高く放り投げられたジャミング装置に目掛けて、艤装に内蔵したダガーミサイルを放った。

 

ドスッ・・・・・カアアッ・・・・・ドゴオオオオオオオオオオオン~~~~~~~~~・・・・・・・・・・・。

 

ダガーミサイルに刺さったジャミング装置は爆発、辺りは閃光と爆音、衝撃波、黒煙に包まれた。

 

長穂、雪「・・・・・・・!!?」

 

辺りが収まると、伊11の姿は消えていた。どうやら、爆発に乗じて、撤退をしたようだ。

 

藤林長穂「あちゃ~~~・・・・・・逃げられたか・・・・。」

半蔵門雪「追いますか?。師匠。」

藤林長穂「いや、私達の任務は果たした。深追いは不要だ。(ユッキー)。」

半蔵門雪「・・・・はい、わかりました。」

源モモ「師匠。長穂さん。」

相模楓「雪先輩。長穂先輩。」

 

長穂と雪を駆け寄るモモと楓。

 

半蔵門雪「・・・・モモ、大丈夫だった・・・・ケガはしていない?。」

源モモ「は、はい。大丈夫です。どこもケガはしていません。」

藤林長穂「やれやれ、(ユッキー)はももに対しては激甘だね~~。」

半蔵門雪「し、師匠~~~!!?。」

藤林長穂「あははは・・・・(ユッキー)、顔が真っ赤だよ~~~。」

半蔵門雪「んも~~~~~~~~!!?。」

源モモ「・・・・し、師匠・・・・。」

相模楓「・・・・な、何やっているやら・・・・。」

 

雪をからかう長穂を唖然して見つめる二人。

 

プルルルルルル~~~・・・・プルルルルルル~~~・・・・。

 

藤林長穂「ん?・・・・もしもし・・・・あ、初芽・・・・何々・・・・え、本当!!・・・・わかった。」

半蔵門雪「師匠。初芽から何か?。」

藤林長穂「初芽が敵が落としたジャミング装置を回収したらしくてね・・・・・今、解析している所ってらしいよ。後、ジャミング装置の効果が切れたようで、通信が回復したようだよ。」

半蔵門雪「本当ですか。師匠。」

藤林長穂「これで任務終了・・・・と言いたい所だけど・・・・鎮守府の艦隊が帰還するまでの間、ここを護衛するのが、私の任務だから、気を抜かずに行こうか。」

半蔵門雪「はい、師匠。」

源モモ「師匠!、私がんばります。」

相模楓「モモには負けないよ。綿も頑張ります。」

藤林長穂「いいね~~いいね~~たぎるね~~~・・・・鎮守府へ戻って、初芽達と合流するわよ。」

雪、モモ、楓「はいっ。」

 

ようやくツキカゲと独立特殊作戦00艦隊との戦いは決着、妨害電波もなくなり、通信の回復を成功した。

 

三菱「司令官。通信が復旧した。これで向こうの通信ができるはずだ。」

伊丹耀司「そうか、急いで艦隊との連絡を急いでくれ。」

 

通信復旧を急ぐ伊丹達。一方、ソロモン海では急展開を見せるのであった・・・・・・。

 

ソロモン海

 

ヴェールヌイ「・・・・終わったのか?。」

 

ヴェールヌイ達は深手を追いながらも、フリート・アームズを装備した桜の奮戦により生き残ることが出来た。

 

桜「ヴェールヌイさん。」

ヴェールヌイ「桜。」

桜「みんな、大丈夫ですか?。」

隼鷹「ひゃっは~~・・・・みんな無事だよ・・・・・それより酒が飲みたいけどね・・・・・。」」

北上(改二)「・・・・あたしと阿武隈は大丈夫・・・・だけど~~~・・・・・。」

阿武隈「・・・・・・・。」

 

阿武隈は姉のような存在である由良を失った事がショックで傷心していた・・・・・。

 

桜「・・・・・・!!?。」

 

阿武隈の気持ちを察し、悲しむ桜。その時、後ろに何かを察知した。

 

ヴェールヌイ「?・・・どうした、桜!?。」

桜「・・・・何かが来ます。」

ヴェールヌイ「?・・・・!!?。」

 

ヴェールヌイが驚愕していた。それは自身が知っているものであったから・・・・・。

 

空母ヲ級「・・・・・・。」

 

かつてまるゆやヴェールヌイが倒し損ねた空母ヲ級でった。フリート・アームズの猛攻を受け、すでにボロボロになっており、頭部の帽子の左目部分は破損、右肩や頭にも負傷しており、流血してた。

そんな状態で桜達の前に現した。

 

ヴェールヌイ「・・・あ、あいつは!!?。」

北上(改二)「ヴェールヌイ、知ってるの?。」

ヴェールヌイ「ああ・・・・あいつは前に鎮守府を襲撃した艦隊の中にいた一人だ。奴はまるゆは10個の潜水艦53cm艦首魚雷4発を食らって生き延び、しかも大破状態で搭載機を飛ばして攻撃してきた。かなりの強敵だ。」

隼鷹「うへ~~~・・・・・やばくない・・・・・。」

桜「ヴェールヌイさん。阿武隈さん達をお願いいたします。」

ヴェールヌイ「!?・・・・ま、まさか、一人で!!?・・・・危険すぎる・・・・せ、せめて仲間と協力して・・・・。」

桜「大丈夫です。私一人なら対処できますし、それに今はこの海域からの離脱が最優先です。ヴェールヌイさんさんは負傷者を連れて、この海域から離脱してください。」

ヴェールヌイ「・・・・桜・・・・。」

桜「それにまるゆさんから約束されています・・・・みんなと一緒に生きて帰ってくると・・・・。」

ヴェールヌイ「・・・・・わかった・・・・だが、約束しろ・・・・・お前も生きて帰って来い・・・・・死ぬなよ・・・・桜。」

桜「・・・・うん。」

 

ヴェールヌイの問いに笑顔で答える桜。ヴェールヌイ達の撤退を見届けると、桜は空母ヲ級へ対峙する。

 

桜「・・・・これ以上の戦闘は不要です・・・・・そのケガでは戦えません・・・・撤退してください・・・・。」

空母ヲ級「・・・・・・。」

 

桜は傷だらけのヲ級に対して戦わず撤退するよう忠告する一方、対してヲ級は一度目を瞑って沈黙した後、目を開けた・・・・・・。

 

ザッ。

 

桜「・・・・。」

 

ヲ級はあくまで戦うつもりで、ステッキを構えた。

 

桜「・・・・それが貴方の答えね・・・・・なら、私はそれに応えるまで!!。」

 

ガシィィ・・・ジャッ・・・・シャキィィィン。

 

艤装から折りたたみ式ナイフのような対装甲コンバットナイフ、アーマーシュナイダーを取り出し、構える桜。

 

桜「・・・・・・・。」

空母ヲ級「・・・・・・。」

 

それぞれの武器を構えながら対峙する二人。この瞬間、凄まじい闘気を放ちながら動かずにいた。

達人同士の勝負は一瞬で決まる。まさに文字通り、命がけの真剣勝負である。

 

グッ・・グッ・・・・・・。

 

それぞれに手に力を入る二人。今まさに一瞬に勝負が決まろうとしていた。

 

ザッ・・・・・シャッ・・・・・・ザシュウウウウウウウウン・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・勝負は一瞬で終わった・・・・・・・・・。

 

ポタッ・・・・・ポタッ・・・・・。

 

血が流れていた・・・・・その血の主は・・・・・。

 

・・・・・・・グラッ・・・・・・ドサッ・・・・・。

 

倒れたのは・・・・・・空母ヲ級であった・・・・・。

 

桜「はあああ・・・・はあああ・・・・。」

 

ヲ級のステッキは桜の右頬にかすり、対して桜のアーマーシュナイダーはヲ級の胸に命中していた。

 

空母ヲ級「・・・・・・。」

 

致命傷を受けたヲ級は胸から流血を流しながら徐々に沈んでいく・・・・・。

 

桜「・・・・・。」

 

そんなヲ級の姿に悲しげに見つめる桜。

 

ザバアア・・・・。

 

沈みかけたヲ級を抱く桜。

 

桜「・・・・・貴方も私と同じ・・・・・海の底へ沈んでいくのですね・・・・・。」

空母ヲ級「・・・・・・。」

桜「・・・・もし・・・・生まれ変わったら・・・・いつか友達としてなってください・・・・・。」

空母ヲ級「・・・・・・。」

 

桜の意外な言葉に驚く空母ヲ級。桜はたとえ敵対した敵でもその最後を情けで見送る優しさを持っていた。

 

桜「・・・・それまでに・・・・安らかに眠ってください・・・・・ヲ級さん。」

空母ヲ級「・・・・・ふっ。」

 

桜の言葉を聞いて、笑みを浮かべるヲ級。

 

ザアアアアアアアア・・・・・・・・。

 

目を閉じ、笑みをしながら海の底へと沈没していくヲ級。沈み行くヲ級は最後は桜に対してこう言った。

 

空母ヲ級「・・・・・・。」

桜「・・・・・!?。」

 

ヲ級は言葉はしなかったが、口の動きから桜はその言葉の意味を知った。

 

“・・・・アリ・・・ガ・・・・トウ・・・・”

 

自身を気遣う桜に対して感謝するヲ級の言葉に涙を流す桜。

 

桜「・・・・・・。」

 

ザバアア・・・・。

 

ヲ級の最後を見送った桜は、彼女の形見である帽子を取り、ヴェールヌイの所へ向かおうとしてた。

 

桜「!!?。」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ~~~~~~~。

 

突如空から銃撃の雨が降って来た。それは“ミルラ”を発射する為の時間稼ぎをするために空襲してきた編成部隊である。

 

桜「!!?・・・くっ。」

 

一方、撤退中のヴェールヌイはいうと・・・・。

 

ソロモン海

 

神鷹「ヴェールヌイさん。通信が入りました。」

ヴェールヌイ「誰からだ。鎮守府か?。」

神鷹「いいえ、日本皇国本土防衛軍艦隊からの通信です。貴官達の救援に来た。ソロモン攻略は我々に任せてくれとのことです。」

ヴェールヌイ「そうか・・・・みんな、もう少しの辛抱だ。頑張ってくれ。」

艦娘達「はいっ!!。」

 

一方、桜は編成部隊と交戦していた。

 

ダダダダダダダ・・・・・ヒュウウウウウウウウ・・・・ドゴオオオオオオオン。

 

桜「くっ・・・・・!!?。」

 

桜は何かが来るのを察した。それはヴェールヌイ達を深海棲艦諸共消す為に放ったミルラであった。

 

桜「!!?・・・・・あ、あれは・・・・。」

 

巨大なミサイルであるミルラを見て、桜は悟った。あれは危険な物だ。ここに爆発すればヴェールヌイ達が危ない。桜がやることは唯一つ・・・・・・。

 

ジャキ・・・・・コオオオオオオオ・・・・・・・・・・。

 

桜はヴェールヌイ達を救う為、体が光だし、ミルラに向けて砲身にエネルギーをチャージする。

これが艦魂(かんバースト)の必殺技、艦魂技(トリガーバースト)の前兆である。

 

桜「はあああああああ・・・・・・・」

 

ドオオオオオオオオオオオン・・・・・・・ビュウウウウウウウウウウウ・・・・・・・。

 

艦魂技(トリガーバースト) “ドッズバスターキャノン”

 

砲身から放つ螺旋状の巨大エネルギー弾はミルラに向かっていき・・・・・。

 

カアアアア・・・・・ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオン・・・・・・。

 

ミルラが大爆発を起こしたが、その衝撃波が轟き、その凄まじい衝撃は桜だけではなく、編成部隊や深海棲艦の残党にも被ることになった・・・・・

 

編成部隊パイロット「!!?。」

深海棲艦達「!!?。」

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアン・・・・・・・・・・・・・。

 

桜「!!?・・・・・・・・・。」

 

ミルラの大爆発に巻き込まれて消滅する編成部隊と深海棲艦達。その爆発に巻き込まれて吹き飛ばされる桜。

 

ミルラの大爆発によりソロモン海は壊滅的な打撃を受ける事になった・・・・。

それは救援に来た日本皇国本土防衛軍艦隊にも察知していた。

 

日本皇国本土防衛軍艦隊 司令室

 

???「何!?・・・・ソロモン海で大爆発だと!!?。」

???「はい・・・・爆発の規模は予想以上です・・・・・データを検索した所、条約違反の“ミルラ”である事が判明しました。」

???「“ミルラ”だと!!?・・・・・ただちに現地に調査隊を送れ!。」

???「はい。」

 

ただち調査隊を送るよう指示する指揮官。まさに現場は混乱していた・・・・・・・。

 

???「すまないが調査隊の護衛を頼めるか、“(じん)”君。」

“迅”「お任せてください。忍田(しのだ)本部長。」

 

迅と呼ばれている男は日本皇国本土防衛軍玉狛支部提督にして、長穂達ツキカゲの司令官、迅悠一である。

忍田と呼ばれる温厚そうな男は日本皇国本土防衛軍本部長を務めている忍田真史(しのだまさふみ)である。

 

迅悠一「ああ、それと忍田本部長。彼女達をお願いいたします。」

忍田真史「わかっているさ。彼女達に何かあったら、伊丹に詫びなきゃならないからね。」

迅悠一「では、実力者エリート、迅悠一。出撃します。」

忍田真史「ああ、頼む。」

 

急遽ソロモン海で調査することになった日本皇国本土防衛軍。一方とある組織のアジトでは、何やら暗躍を動き出そうとしていた・・・・・・。

 

とあるアジト 司令室

 

???「それは本当なの?。アーエス。」

アーエス「はい・・・・部下からの報告ではたった単機でミルラを一撃で破壊したそうです。」

???「・・・そうか・・・艦娘一人でミルラを破壊するとはね・・・・・。」

アーエス「・・・いいえ、それは違います。」

???「?・・・どういう意味だ?。」

アーエス「報告では、ミルラを破壊したのは“艦娘”ではなく・・・・・・“深海棲艦”のようでした。」

???「!!?・・・・・“深海棲艦”だと・・・・まさか・・・・そいつがミルラを破壊したと言うのか?。」

アーエス「はい・・・・しかも奴は敵であるはずの艦娘を守ったそうです。」

???「ほう・・・・敵である艦娘を守っただと?・・・・フッフッフッ・・・・・。」

アーエス「?。」

???「ハハハハハハハハハハ・・・・・面白い、面白いぞ・・・・艦娘を守る深海棲艦か・・・・ますます興味深い報告だったよ。アーエス。」

アーエス「はっ、如何がのおつもりですか?。」

???「決まっているのさ。その深海棲艦はどのようなものか、確かめて行くのだよ。」

アーエス「!!?・・・・お、お一人で確かめに行くつもりですか!!?。」

???「そうだ。私は自分の目で見たものしか信じない性質(タチ)でね。ちょうど、奴との交渉をするために日本皇国へ行く所だ。」

アーエス「柊暮人ですね。」

???「ああ・・・・ついでに“浅倉”との取引もしなければならないからな・・・・奴が持つ“NVX(ネヴィクス)”は我々“エヴァンゲリオ・ザ・アギオ・コズモス”にとっては重要なものである。必ず手に入れるわ。それと、その深海棲艦の居場所は分かっているの?。」

アーエス「いいえ、監視用の自動潜航艇はミルラの爆発により破壊されており、今だ調査中です。」

???「そうか・・・・それに柊との交渉でつまらん鎮守府の艦娘共の始末に付き合う羽目になったが、まさかこんな大物が連れるとは予想外だ・・・・・まさに・・・・“海老が鯛を吊る”とはこのことだな・・・・・そうでしょ、アーエス。」

アーエス「・・・・はい・・・・その通りです・・・・・。」

???「ひさひさに懐かしき日本へ行こうではないか。」

アーエス「“M0”は如何いたしますか?。」

???「無論、護衛として連れて行くわ。」

アーエス「・・・・しかし、奴は強者との戦いを生き甲斐を見出す戦闘狂で、それ以外は興味ないようです。そんな奴を護衛として連れて行くには・・・・承諾しかねません・・・・・。」

???「いいじゃない・・・・もしあいつがあの深海棲艦を見せたらどのような反応するのか見ものだわ。今後の戦闘データの為に期待したいからね。」

アーエス「・・・・わかりました・・・・・・すぐに日本への手配を行います・・・・・・“ベルク・カッツェ”様。」

ベルク・カッツェ「ふふふふ・・・・・楽しみだわ・・・・・日本。」

 

ベルク・カッツェとアーエス。この二人は巨大組織“エヴァンゲリオ・ザ・アギオ・コズモス”の中心人物であり、そして、伊丹耀司や桜の運命を大きく狂わせる存在でもあった。

 

ミルラの爆発に巻き込まれた桜の運命はいかに・・・・・。

 

一方、ミルラの爆発に包まれ、文字通り火の海と化したソロモン海では・・・・・。

 

ソロモン海

 

ミルラの爆発により深海棲艦のほとんどは轟沈、炎に包まれた死体だけしかいなかった・・・・・はずだった・・・・。

 

・・・・・ゴボ・・・・ゴボゴボ・・・・ゴボゴボゴボゴボ・・・・・ザバアアアアン・・・・・。

 

現したのは駆逐棲姫だった。顔左側にひどい火傷を負い、帽子にノースリーブのセーラー服、肌も焼け爛れており、艤装も中破状態である。

そんな姿になっても彼女が動かしているもの。それは・・・・・憎悪・・・・。

駆逐棲姫は桜のフリート・アームズの猛攻とミルラの爆発に巻き込まれながらも生き延びた・・・・。

しかし、彼女の心の奥で燃やしていたものは自分達の壊滅状態に追い込んだ存在、桜に対する憎しみと怒りだけであった。

 

ザ~~~・・・・・。

 

桜を求めて当てのない海に探し出す駆逐棲姫。後にとある島で桜と戦うのである・・・・。

一方、とある無人島には桜が出会う者がいた・・・・・。

 

無人島 浜辺

 

ザザザザザ~~~・・・・ザザザザザ~~~・・・・ザザザザザ~~~・・・・。

 

ここは深海棲艦や艦娘がいない平和な島で、ここに一人の深海棲艦がいた。

 

幼い深海棲艦「・・・・・。」

 

幼い容姿を持つ深海棲艦は浜辺で月を見つめていたが、何処か寂しげに見えるようだが・・・・。

彼女の名は北方棲姫(ほっぽうせいき)。深海棲艦の上位個体『姫』級の一種である。

彼女と桜の出会いは・・・・もう少し先での話で明らかになる・・・・・。

 

 

ソルティ・ロード3 終    CARVE WITH VICTORY ON THE HORIZON OF THE DAWN!




如何ですか。伊丹提督指揮下で編成した新たな艦隊「硫黄島鎮守府遊撃艦隊」設立、そして4000万以上の深海棲艦との死闘、そして仲間を救う為に戦う桜の4連戦、そして裏で暗躍する者達の策略と伊丹提督を支援するツキカゲ達の活躍を描かれた第3話は?。

後にソロモン海戦と呼ばれる戦いで4000万以上の深海棲艦との死闘を繰り広げる硫黄島鎮守府遊撃艦隊。そして、非情な策により命を落とされる由良の最後まで仲間を気遣ういたいげな最期は悲しいものでした。
また、桜が敵に対して撤退を諭したり、その最期を情けで見送るなど、戦いを好まない彼女の優しさと慈悲深さが表れます。
また、空母ヲ級の最後の決闘も見物で、その戦いぶりはまさに達人同士の勝負は一瞬で決まるそのものでした。
自分を看取ってくれた桜に感謝の言葉を放つ空母ヲ級の満足した最期は必見です。
後に意外な形で登場し、桜達の仲間になるのですが、それは読んで見ればのお楽しみです。

本作の激戦であるソロモン海戦では4000万以上の深海棲艦を相手に奮闘する硫黄島鎮守府遊撃艦隊ですが、伊丹を異常なまでに敵視する柊暮人(ひいらぎ くれと)の策略により壊滅寸前にまで追い込まれ、さらに鎮守府の通信が使えなくなるなど、絶体絶命の危機に陥りました。
本作に登場する柊暮人(ひいらぎ くれと)は終わりのセラフの柊暮人をモデルとしたキャラで、原作同様、徹底的な合理主義者であり、虐殺、騙し討ち、人質を手にかける、人体実験、裏切りといった卑劣な手段も必要と判断すれば迷うことなく選択するなど、目的のためならば非道な行為を整然と行う冷酷非情さを描かれており、また、伊丹を異常なまでに敵視する理由は本作の中で書かれております。
さらに部下の三宮葵や大鳳、オリジナル艦娘である地字竜や潜水艦艦隊の伊9、伊10、伊11と登場しており、特にオリジナル艦娘の地字竜は元々大本営直轄の研究機関「731機関」が極秘裏に開発した実験部隊“黄泉鴉(よみがらす)”の人造艦娘という出自で、731機関はのちに物語の多くに登場し、伊丹と桜が関わるようになります。

本作に登場する艦娘専用艤装「フリート・アームズ」は機動戦士ガンダムSEEDに登場する機動兵器「ミーティア」をモデルとしており、武装もSEED、SEED DESTINYに登場するストライクガンダムやインパルスガンダムの武装が多く登場しており、多数の敵との戦闘を得意としています。
作中、桜が発動する力「艦魂(かんバースト)」は、身体能力の強化や攻撃能力、そして、必殺技艦魂技(トリガーバースト)の使用など、後に艦娘達の能力として使う事になりますが、現時点では桜のみしか使えないようです。

劇中で登場した迅悠一(じん ゆういち)やツキカゲは、原作からワールドトリガーやRELEASE THE SPYCEから選び出したキャラで、迅悠一は日本皇国本土防衛軍玉狛支部の提督で、伊丹とは後輩の関係で、戦況予測や先読みを得意とする名提督でもある。
ツキカゲは私設諜報機関であるが、表向きは日本皇国本土防衛軍玉狛支部直属の特務任務艦隊を務める艦娘の設定で、特に藤林長穂のリーダーシップと戦闘能力は原作通りで、伊11が持つドーバーガンをビームごと切り裂くという神技に必見。

物語のラスト終盤では、巨大組織“エヴァンゲリオ・ザ・アギオ・コズモス”の中心人物であるベルク・カッツェとアーエスが登場、ミルラの調達や暮人との取引や“浅倉”との交渉、さらに“NVX(ネヴィクス)”の入手など、様々な暗躍をしているようで、深海棲艦である桜に興味を抱き、戦闘データ収集の為に“M0”を戦わせようともろ汲んでいるようです。
ちなみにアーエスは、PCゲーム「シェイプシフター」の登場人物の一人、アーエス・カーニュエールをモデルとし、ベルク・カッツェの右腕として、様々な任務に従事してきました寡黙なクールビューティーの艦娘という設定です。。
ちなみにベルク・カッツェはガッチャマンに登場するギャラクターの首領の名前ですが別人で、名前はコードネームの名前のようで、本当の名前は存在しますが現地点では明らかになっていません。
後に伊丹耀司や桜の運命を大きく狂わせる存在として、様々な策謀により二人を大いに苦しめる事になります。

ラスト終盤近くでは、桜のフリート・アームズの猛攻とミルラの爆発に巻き込まれながらも生き延びた駆逐棲姫が登場、桜に対する憎悪と執念で追いかけて来ますが、後に空母ヲ級同様、桜とは仲間になる存在になります。

ラストは北方棲姫(ほっぽうせいき)ことほっぽちゃんの登場で、僅かだけですが、無人島で一人で暮らしてた彼女ですが、次回作に桜と出会い、のちに鎮守府のマスコットキャラとなる人物でもあります。
次回作には何とアニメ版艦これと繋がるシーンがいくつか存在しており、どのように関わるのかお楽しみです。

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