魔女と剣士と少女たち   作:sakuya-syu

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EP10 剣士と羞恥と

 やべえ、どうしよう。

 昨日、不覚にもアインスの胸で泣いてしまった。向こうに記憶はなくても再会できて嬉しくはある。ただ、泣いてしまった・・・・・・。穴があったら入りたい(>_<)

「どうしました?空さん」

 気がつけば、隣を歩いていた藍莉に心配されていた。ちなみに今日は竜馬達がそれぞれ用事でいないので藍莉と二人で下校中。

「な、なんでもない」

 俺の反応を見て藍莉はニヤニヤと笑う。

「おやおや~、あやしいですねぇ」

「ナンノコトデスカ?」

 やばい、カタコトになってしまった。

「何かあるなら相談してくださいよー、おもし―――心配するじゃないですかー」

 面白そうって言おうとしたよこの子。

「とにかく、なんでもないから。それより、せっかく二人なんだし放課後デートと洒落こもうじゃないか」

「言わないとなのはさんたちに空さんがエロ本を見て興奮してましたって言いますよ?」

「それは冗談にならないからやめてくれ!」

 仕方なく、昨日のことを話す。アインスとは言わないで。

 

 

「なーんだ、そんなことですか」

 おいおいそんなことって言われたよorz

「あ、勘違いしないでくださいね?どうでもいいということじゃないですから」

 落ち込む俺に補足するように言う。

「私が言いたいのは記憶がなくても生きて会えたんですからいいじゃないですかってことですよ」

「・・・・・・・・・」

「世の中にはもう二度と会えなくなる人だっているんですから」

 なんか、励まされてる?藍莉って意外にいい子なのか?

「今、失礼なこと考えませんでした?」

「滅相もございません!」

 危なっ、感良すぎだろ。

「まあいいです。要するに、記憶がないなら戻せばいいじゃないですかって話です」

「・・・・・・そうだな。たとえ戻らないとしても気長に待つか」

「そうですよ」

 ちょっと元気が出たする。藍莉には感謝だな。

「まあ、でも」

 ん?

「女性の胸で泣く空さんも見たかったですねー」

「やめて!俺のライフはもうゼロよ!」

「はははっ、(半分)冗談ですよ」

「なんか今、変な間があったぞ」

「気のせいですよ」

「・・・・・・・・・」

「それよりほら、相談に乗ってあげたんですからお礼があってもいいと思いません?」

 自分で言ったよ、まあ、するつもりだったけど。

「翠屋のケーキでいいか?」

「いいですよー」

 俺と藍莉は翠屋に向かった。

 

 

 

「にしても、人っこ一人いないな」

「・・・・・・・・・」

 翠屋に向かっている途中、いきなり街の人がいなくなった。

「空さん、早く逃げますよ」

 俺は辺りを見渡しながら、藍莉に手を引かれている。

「逃げるって、どこに?」

「どこって、それは―――ドォオオオン!!―――ッ」

 藍莉が言葉を紡ごうとした瞬間、どこかで爆発が起きた。

「今のは?」

「いいから来てください」

 藍莉に手を引かれたまま、爆発音があった方角と逆方向に引っ張られる。

「藍莉」

「なんですか」

「お前、今の心当たりあるのか?」

「・・・・・・・・・」

「沈黙は肯定と受け取るぞ」

「はぁ」

 彼女はため息をつくと立ち止まった。

「できれば巻き込みたくなかったんですけど」

 藍莉は説明した。

 

 

 曰く、藍莉を含む、いつものメンバーのアリサとすずか、アリシア以外は全員魔法使いなのだそうだ。いきなり、街の人たちがいなくなったのは結界が張られたからで、今は戦闘中で、先ほどの爆発はそれによるものらしい。

「信じてくれるかわかりませんけど」

「信じるに決まってるだろ」

 俺は即答した。

「え?」

「美少女のお前が言ったんだ、信じるに決まってるだろ」

 俺の返答にポカンとする藍莉だったが、それも一瞬で。

「クスッ、あなたはそういう人でしたね」ボソッ

「ん?」

「いえ、いつか女性で破滅するなと言ったんですよ」

「ひでえな」

「でも、ありがとうございます」

「お、おう」

 不覚にも彼女の笑顔に見とれてしまった。

「では、私は彼女たちの応援に行ってきますので」

「俺も行くぞ」

「・・・・・・話聞いてました?」

「ああ」

「ならどうして」

「美少女たちを守るために決まってんだろ( *`ω´)」

 決まった。

「馬鹿ですね」

 即答された。

「魔法も使えないあなたが行っても足でまといになるだけです。おとなしくここに―――って」

「早く来いよ!」

 俺は既に走り出していた。

「ちょっ、もう!」

 俺の後を藍莉が追って来た。

 

 

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