「あー、やすらぐー」
日曜日の昼過ぎ、俺は家のコタツの中でテレビを付けて、ぬくぬくしていた。ちなみに今冬ね。
いやー、冬のコタツっていいよねー。この温もりから出たくない。
――ピンポーン
そこでインターホンが鳴った。
誰だ、俺のぬくぬくタイムを邪魔する奴はヽ(`Д´)ノ
仕方なく俺はコタツから出た。
「はい、どちらさま?」
『あ、空君?私、すずかだけど』
なぬっ!なぜ、すずかが俺の家に!?てかなんで家知ってんの!?
『空君?』
ハッ。俺は部屋を見渡す。
ゴミなし!エロ本なし!( ノ゚Д゚) よし!問題ない!俺は玄関の扉を開けた。
「こんにちは」
「おう、どうした?」
「うん、ちょっと空君にお願いがあって」
「お願い?電話とかじゃダメだったのか?」
「えっと、直接会わないとダメというか・・・・・・、ゴメンね?いきなり、迷惑だった?」
上目遣い+不安気な目
「全然、ちっとも!美少女なら大歓迎だ!とりあえず寒いから中にどうぞ」
立ち話もなんなので、すずかを家に入れた。
「適当に、座ってくれ」
「うん」
「ほいお茶」
俺は沸かしてあったポットのお湯でお茶を入れた。
「あ、ありがとう」
「それでお願いって?」
俺はコタツに入って、改めて聞いた。
「う、うん、それなんだけどね?」
すずかは言いづらそうに湯呑を両手で弄る。俺は言えるまでそれを見ながら待った。
「・・・・・・ちょっと、匿ってもらえないかな?」
「(メ・ん・)?」
「こ、困るよねっ、いきなりこんなこと言われて」
「・・・・・・訳を聞かせてくれるか?」
「う、うん」
すずかはその訳を説明した。簡潔に言うと
昼食後のデザートのすずかのケーキを忍さんが誤って食べた
→そのケーキは滅多に手に入らない超有名店のもの
→忍さんと口論
→怒って出てきた
→なのはたちのところだと場所が知られているので、俺の家に来た
「ってこと?」
「はい、そうです」
あらあら、萎縮しちゃって、可愛いなあもう!
「それにしても意外だな」
「何が?」
「すずかでもケーキ食われて怒るんだな」
「そりゃあ、楽しみにしてたし・・・・・・」
ぷくぅっと頬を膨らませてそっぽを向くすずか。
「仕方ないなー」
あのすずかがこんな表情をするなんて、余程楽しみにしてたのだろう。レアなものが見れたし、俺はある所に電話を掛ける。
「あ、久しぶりっす、俺です。実はお願いがありまして―――」
――三分後
「じゃ、お願いしまーす」
俺は電話を切った。
「どうしたの?」
「すずか行くぞ」
「え?行くってどこに?」
「ハッハッハ、いいからいいから」
俺は笑いながらすずかの手を引いて家を出た。
キング・クリムゾン!略してキンクリ!
「とうちゃーく!」
「え、ここって・・・・・・」
すずかを連れてきたのはスウィーツ店、名前はエンジェルフェイス。
「入るぞ」
「え?だって営業時間16時までだよ?」
現在、16時過ぎ。
「いいからいいから」
戸惑うすずかの手を引いて店の中に入った。
「すいませーん!」
「いやっしゃい空君!」
出迎えてくれたのは金髪の美人お姉さん。胸は大きすぎず、小さすぎずなPerfect Bodyな人で、昔ちょっとしたことで知り合いになった。
「この人、ここのオーナーで一ノ瀬瑠璃さん」
「こ、こんにちは、月村すずかです」
「あら?そちらはもしかして彼女さん?」
「ふぇ!?ち、ちちちち違います!か、かか彼女なんてそんなっ/////」
繋いでいた手をバッと離すすずか。そんなに嫌だったのか、ショックと同時に悪いことをしたなと思う。
「そうなの?じゃあ」
――ギュー
「えぇええ!?」
瑠璃さんは俺に近づくと俺の顔を胸に押し付けて抱きしめてきた。
「瑠璃さん苦しい(*≧∀≦*)」
「空君?にやけてるよ?」
「ハッ」
すずかの冷たい視線で我に返って、そっと離れた。
「瑠璃さん、頼んでたものは?」
「もう終わりなの?できてるわよ、適当に座って待ってて」
そう言うと瑠璃さんは奥の方へと消えていった。
「空君、何を頼んだの?」
適当に席に座ると、すずかが聞いてくる。
「ん?それは――「はーい、お待たせ!」」
俺の言葉を遮って瑠璃さんがケーキを持ってきた。
「これって・・・・・・」
しかもすずかの前に出されたのは昼食後のデザートに楽しみにしていたケーキだった。
「ということはここってやっぱりあの?」
「そうよ、ここはスウィーツ店エンジェルフェイス」
「・・・・・・・・・えぇえええええ!?」
「すずか、声でかい」
「ちょっ、空君!?ど、どういうこと!?なんで超有名スウィーツ店のオーナーさんと知り合いなの!?」
すずかが俺の襟を掴んでガクガクと揺らす。
「お、落ち着けすずか、( >Д<;)クッ クルシイ・・・」
「あ、ご、ゴメンねっ」
慌てて手を離すと大人しくなった。
「ふー、説明するとだな、すずかにケーキを食べさせてあげようと思って、知り合いの瑠璃さんに頼んだんだ。そしたら快く引き受けてくれた」
「空君のお願いだからねー」
瑠璃さん、笑いながら俺の後ろに回って抱きしめないでください。すずかがすごい睨んでます。
「まあ、食べられたケーキがどこのかは知らないけど、これで機嫌直せよ」
「・・・・・・空君、もしかして知らないの?」
「なにが?」
「ここだよ!ここのケーキだよ!超有名店のケーキは!」
「へ?」
「このショートケーキは一日限定10個しか出なくて、開店5分ですぐなくなるんだから!」
「そ、そうなのか?」
いつもと違うすずかに圧倒される俺。
「そうだよ!」
「ほらほらすずかちゃん、落ち着いて。空君、困ってるよ?」
「え?あっ、ご、ごめんなさいっ」
「はははっ、いいって、すずかの新しい一面を見られたし」
「はぅ/////」
すずかはさっきの勢いがなくなり、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「それよりもほら、早く食べてよ。今日はいつもより頑張って作ったんだから」
「そうっすね、いただきます」
「い、いただきます」
俺とすずかはケーキを一口口に運んだ。
「おお、これはうまいな」
「でしょ?これを買うために朝早くから並んだんだから」
「確かにこれは並ぶ価値あるな」
「空君なら並ばなくても特別に作ってあげるわよ」
「さすが瑠璃さん、大好きです」
「私も好きよ」
「むぅー」
「あら、ヤキモチ?」
「そ、そんなんじゃありませんっ」
なにやらすずかが瑠璃さんにからかわれているがまあ、大丈夫だろう。そんなこんなでケーキを食べて、店を出た。
サイド:すずか
「今日はありがとうね」
私は日が暮れて遅くなった帰り道を空君に送ってもらっている。
「気にすんな、すずかの笑顔が見れて満足だ」
「もう、すぐそんなこと言うんだからっ/////」
空君は不意打ちでそういうことを言うからずるい。
「そういえば店出る前に何か言われてなかったか?」
「え!?な、なんでもないよ!?」
「ふーん」
焦って返事をしたけど、深くは聞いては来なかった。
「(うぅ、瑠璃さんもなんであんなこと言ったんだろー)」
――『あなたにその気がないなら私がもらっちゃうからね』
「(そりゃあ、私だって空君の事す、好きだけど)」
「着いたぞ」
「え!?」
気がつくと既に家の門の前でした。
「ここからなら大丈夫だろう、じゃ、また明日な」
「そ、空君!」
私は帰ろうとする空君を呼び止めた。そして、
――ちゅ
「ん?」
振り向いた空君の頬にキスをした。
「じゃ、じゃあ、また明日ね!」
私は全速力で家へと走った。
「私、なんであんな大胆なことっ/////」
明日からどんな顔で会えばいいのー!!!
サイドアウト
「・・・・・・・・・」
俺はすずかにキスされて呆然としていた。
「・・・・・・ただのお礼、だよな?」
「・・・・・・兄様」
声に振り向くとそこに一人の黒髪の少女が立っていた。
「まさか、お前」
「今のはどういうことですかーーー!!!」
その少女は妹弟子だった。
なんか、すずかとくっつけたかった。これからも誰かとのフラグ回収があります。
そして新キャラ登場!
それでは最後までお読み下さりありがとうございました!