魔女と剣士と少女たち   作:sakuya-syu

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EP05 剣士と高町家と

「さあ、構えろ」

 俺の目の前には大学生の男が立っていて、二本の木刀を構えている。え?ありきたり?はて、なんのことだか・・・・・・

 そんなことより、予想できると思うが聞いてくれ。あれはつい数十分程前のことだ。

 

 

「ここだよ」

 東雲と竜馬の案内でたどり着いたのは一見の喫茶店。高町の親が経営しているということだったな。

「入りますよ」

 東雲は扉を開けた。

「いらっしゃいませー!」

「「こんにちは」」

「どうも」

 中に入ると若い女性がやってきた。高町の姉ちゃん?

「あら、藍莉ちゃんと竜馬君じゃない。そちらは?」

「どうも、はじめまして。つい先日転校してきた日暮空です」

「はじめまして、なのはの母の桃子です」

「よろしくお願い――って、はい?」

 あれ?今なんか、おかしなことが聞こえたような?

「どうかした?」

「スミマセンガ、モウイチドイイデスカ?」

 何故かカタコトになってしまった。

「うん?なのはの母の桃子です」

 母って言った?ねえ、今母って言ったよね。

「・・・・・・Really?」

「ええ」

「マ・ジ・か(゜ロ゜)」

「この子面白いわね」

「ええ、まあ」

「ははははは」

 東雲は気まずそうに頷き、竜馬はから笑いしていた。

「いい加減、戻ってきてください」

 てい、と東雲が俺の頭にチョップする。

「ハッ」

「おかえりなさい」

「おかえり」

「まさか、母親だとは思わなかった」

「初めての人はびっくりするよ」

「私も驚きましたし」

「実は姉で俺を驚かせようとしてない?」

「そんなことしないよ」

「そんなに驚かせちゃったかしら?」

「ええ、それはもう。高町と姉妹と言っても誰も疑わないですよ」

「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」

「・・・とりあえず座りましょう」

「そうね、案内するわ」

 桃子さんに案内されて、俺らは注文をした。

 

 

 注文を頼んで数分後。

「おまたせしましたー!」

 元気よくオーダーを運んできたのは高町だった。

「ん、高町がいる?」

 高町は私服に着替えて、その上からエプロンをしていた。

「そりゃあ、なのはの家の喫茶店だからね」

「いても不思議じゃないでしょう」

「そうだな。お、これが巷で噂のシュークリームか」

「うん、美味しいから食べてみて!」

 笑顔の高町に促されて、俺はシュークリームを一口口に入れた。

「はむ」

 もぐもぐごっくん。おぉ?

「おおっ、これは!」

「おいしい?」

 高町が首を傾げて聞いてくる。

「シュークリームだ!」

 

―ズコッ

 

 周りの人たちがコケた。

「そりゃあ、シュークリームだからね」

「・・・・・・」

「あははは」

 苦笑いの竜馬に、黙々と自分のシュークリームを食べる東雲を乾いた笑いを浮かべる高町。そこに桃子さんが近づいてきた。

「どう?おいしかったかしら?」

「チョーうまかったッスo(^▽^)o」

「それは良かったわ」

「次はこっちのコーヒーも飲んでみてくれるかい?」

 さらに奥からやってきたのはこれまた若い男性。

「あなたは?」

 ・・・・・・まさかと思うけど。

「僕はなのはの父の士郎だ」

 やっぱりか!

「やっぱりか!」

 あ、地の文繰り返しちゃった。つか、若すぎだろ、高町夫妻。

「はじめまして、日暮空です」

「よろしく。コーヒーはブラックかい?」

「はい」

「珍しいね、君ぐらいの年の子だとブラックは飲まないのに」

「いやあ、まあ、いろいろありまして・・・・・・」

 そう、いろいろあったのだ、いろいろ。できれば聞かないで(/ω\*)

 

―ズズゥ

 

「お、コーヒーも美味い」

「そうだろう」

「ええ、甘いシュークリームに合いますね」

「ああ、そのコーヒーはシュークリームととてもよく合うんだ」

「オリジナルブレンドですか?」

「ああ、他にもいろいろあるよ」

 こんなうまいコーヒー、他にも種類があるというのか。

「士郎さん」

「なんだい?」

「娘さんを僕にくださいっ」

「ええ!?」

「あ、間違えた。ブレンドのコーヒー豆を売ってください」

「どこをどう間違えたらそういう風になるの!?」

「あらあら」

「ははははは、面白い子だね」

「いやあ、よく言われます」

「コーヒー豆だったね、うん、いいよ」

「おお、これで家でもこのコーヒーが飲めるっ」

「そんなに気に入ってくれたのかい?」

「それはもう。これであとこの美味しいケーキを作ってくれる人がいれば言うことなしですね」

「あらあら、私にプロポーズかしら?」

「それはちょっと譲れないな」

「くっ、桃子さんが人妻であることがおしい!」

「そういえば、桃子さんに告白してないね」

 竜馬がジュースを飲みながら聞いてくる。

「竜馬、俺だって誰でもかんでも告白してるわけじゃないぞ」

「そうなんですか?私は告白されましたけど」

「ええ!?」

「あらあら」

 高町が驚き、桃子さんは楽しそうに笑っている。

「誰かと結ばれてるってわかってたらしないさ」

「なら、うちのなのははどう?彼氏いないわよ?」

「お、お母さん!?「高町」ひゃいっ」

 俺が声を掛けると顔を真っ赤にしてテンパっていた。

「好きです」

「―――ッ」ボンッ

 あ、顔が爆発した。

 

―シュンッ

 

 と、何かが俺の前を通り過ぎた。

「ん?」

 何かが通って行った方向を見ると壁にクナイを細くしたようなものが突き刺さっていた。そして、反対方向を見るとそこには大学生だろうか、一人の若い男が立って俺を睨んでいた。

「どなた?」

「恭也!危ないじゃない」

 桃子さんが叱っているが彼はそのままこちらに来た。

「お兄ちゃん!」

「ああ、お義兄さんね」

「お前にお義兄さんと言われる謂れはない!」

「いや将来的にある!」

 断言してやった。ドヤァ

「えぇえええ!?」

 その言葉に顔を真っ赤にして叫ぶ高町。

「ならば、お前がそれだけの男か試してやるっ」

「妹が欲しくば俺の屍を――俺を屍にしていけってやつか、上等!」

 殺る――ゲフンゲフン、ヤル気満々な俺。

「いや、屍にしちゃダメだから!」

 竜馬に突っ込まれながら、俺は高町兄に連れられて外に出た。

 

 

 というわけで、高町家の道場にやってきました。ヽ( ̄▽ ̄)ノ

 そして、冒頭へ。

 俺は今、一本の木刀を持って高町兄と対峙している。

「二刀流なんすね」

「ああ、ウチは代々二刀流剣術が受け継がれているからな」

 どこの漫画の世界だよ・・・。

 ちなみに審判は士郎さん。うん、士郎さん、結構強いね。

「二人とも準備はいいかい?」

「ああ」

「美少女にいいとこを見せるチャンス!(はい)」

「空、それ思ってることと言うことが逆になってるから!あと、負けフラグ!」

「おっと、つい本音が」

 危ない危ない。

「もう手遅れですよ」

 東雲、いつから地の文に突っ込めるようになったのだ。まさかこれが―――

「愛でもなんでもないですよ」

「(´・ω・`)」ショボン

「ははは、そろそろいいかい?」

「はい」

「では、始め!」

 士郎さんの合図で俺と高町兄との試合が始まった。

 

 




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