魔女と剣士と少女たち   作:sakuya-syu

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EP07 剣士と誘拐と

「んー」

 俺は学校の教室で席に座って一人唸っていた。

「どうしたの?」

 そんな俺を見て隣の席の月村が声をかけてくる。ちなみにアリサは高町たちのクラスに行った。

「ん?いや、どうすればバラ色の青春を送っていけるか考えてたんだ」

「・・・・・・・・・」

 月村がジト目でこちらを見てくる。ジト目( ・∀・) イイネ!

「今日の課題をどうするか考えてた」

 次は素直に答えた。

「課題?」

 実は、先ほどの授業である課題が出た。

「課題って、読書感想文のこと?」

 月村よ、どうして答えをすぐに言うのだ。

「・・・そうだな」

「でも、来週までだよ?」

 来週といっても今日が金曜日だから三日後だけどね。

「まあ、そうなんだけど。ほら、何を読むか決めないと」

「あ、そうだね」

「つーわけで、なんかない?」

「んー、日暮君はどんなジャンルが好きなの?」

「ハーレム」

 即答してやった。ドヤア

「・・・・・・」

「すみません、ファンタジーとか冒険物です」

 なんか無言が怖いです。

「もう、最初からそう言ってよ」

 ああ、プンスカしてる月村も可愛い(*´`)

「とりあえず、放課後図書館にでも行ってみる?」

「え、いいの?」

 これは思わぬ展開。

「うん、今日は習い事もないし、図書館に行く予定あるから」

「あ、じゃあ私も行く!」

 後ろから声をかけられた。振り向くとテスタロッサ(小)がいた。

「む、なにか今失礼なこと考えなかった?」

「ハッハッハ、そんなわけないじゃないか、テスタロッサ」

 笑って誤魔化した。ちなみに、テスタロッサが俺の後ろの席だと知ったのは先日の昼に自己紹介した(EP03)後だった。

「そう?あと、アリシアでいいよ。フェイトもいるからややこしいし」

「そうか?じゃあ、そうさせてもらう」

「あ、じゃあ、私もすずかでいいよ」

「ん、おk」

「じゃあ、私はソラって呼ぶね」

「私は空君で」

「わかった。で、話戻すけど、放課後は図書館だな」

「うん」

「バニングスは誘わないのか?」

「アリサちゃん、今日はお稽古の日だから」

「そうか」

 というわけで、放課後、俺とすずかとアリシアで図書館に行くことになった。ちなみにアリサも名前で呼ぶことになったよ。

 

 

 

「どうしてこうなった?」

 俺たち三人は現在、古びた倉庫の中で縛られていた。簡単に整理すると、

 

 放課後

  ↓

 三人で図書館へ

  ↓

 いきなり黒いワゴンに乗せられた

  ↓

 そのままここに連れてこられた

 

 これって、普通に誘拐じゃね?両隣のすずかとアリシアを見ると恐怖から少し震えていた。

「・・・・・・」

 怒りゲージが4上がった。

「それで、おまけもついてきたみたいですけど、どうしやすか?」

 すこし離れたところに俺たちをさらったやつの一人がいた。そいつは奥の椅子に座ってる奴に話しかけている。

「(人数は全部で、ひい、ふう、みい、十五人か)」

 ただの誘拐にしては人数が多い。

「あの小娘以外の二人は殺しても構いません。小娘は生かしておいてください」

「へい」

 殺す?物騒だな。ゲージが2上がった。

 と、男が五人こちらに近づいてきた。

「や、やめて!」

 と、すずかが声を上げた。

「どけ、邪魔だ!」

 

―パシンッ

 

「きゃあっ」

「すずか!」

 男がすずかを叩いた。

 

―プチンッ

 

「ん、今何か聞こえたか?」

「いや、何も」

「気のせいじゃないのか?」

「まあいい、男は殺すぞ。女の方は楽しませてもらおうか」

「ひっ」

 男どもがアリシアに手を伸ばす。

「いや!」

 

―ドォオオオン!

 

 アリシアに近づいた男どもは吹っ飛ばされた、というか吹っ飛ばした。

「え?」

「なっ」

「なんだ!」

 他の奴らもどうしたと集まってきた。ちょうどいい。俺は男どもが吹っ飛ばされた衝撃で転がってきた鉄パイプを手に取った。

「てめえ!なにしやがった!」

「何?何って、

 

 

 鉄パイプ持って笑顔でアンタらに泣き顔持ってきたぜ」

 

 

「なに訳分かんねえこと言ってやがる!」

 男どもがナイフを抜く。中には銃を構えている奴もいる。

「アンタら知ってるか?武器を構えた奴は死ぬ覚悟があるってことだ」

 

―ゾクッ

 

 男たちは得体の知れない悪寒に襲われた。

「や、やれ!」

 

―パンッパンッパンッ

 

 先に発砲。

 

―カンッカンッカンッ

 

 それを全部鉄パイプで弾く。ちゃんとすずかとアリシアには当たらないようにしてるよ?

「な!?」

「構うな、やれ!」

「すずか、アリシア、隠れてろ!」

 次はナイフを持った奴らが斬りかかってくる。

「ハッハッハ、遅い遅い!」

 俺はそれを軽く躱しながら男たちに一撃を入れていく。

「がっ」

「ぎぃい!」

「ぐはっ」

「げほっ」

「ごぉお!」

 ナイフを持った奴らを倒すと次は銃を持った奴らを攻める。

「く、来るなあっ」パンッパンッ

 

―カンッカンッガッ

 

 銃弾を弾いて気絶させていく。

「と、あとはアンタだけだぞ」

 俺は奥に座っていた奴に声をかける。

 

―パンパンパン

 

 その男はにこやかに拍手していた。

「いやあ、君は人間なのにすごいね」

「・・・・・・・・・」

 俺は無言でそいつを睨む。

「(人じゃない気配がする)」

 正確には半分人で半分違う気配がする。

「アンタは?」

「私か?私はただの研究者だよ」

「研究?」

「そう、人外のね」

「・・・・・・・・・」

「そこの紫の髪の子がいるだろう?」

 そう言って、男はすずかとアリシアが隠れている方に目を向ける。

「すずかがどうかしたか?」

「あの子はね」

「ダメェエエ!」

 すずかが叫ぶ。

「夜の―――「夜の一人歩きは危ないよな!」ぐはっ」

 とりあえずすずかが必死だったので、男が何かを言う前に腹に一撃入れた。

「ぐ、そ、そいつはきゅう―――「キュートだよな!」がはっ」

 男がまだ何か言おうとするのでもう一撃入れた。そして、男は倒れた。

「よし!帰るか!」

「え?」

「ここで!?」

 帰ろうとするとすずかが呆気に取られ、アリシアが驚く。

「だって、あとはその人たちの仕事っぽいし」

 俺は倉庫の扉に目を向ける。二人も釣られてそちらに目を向ける。

「気づいていたのか」

 そこには恭也さんがいた。その後ろにはすずかを大人にした感じの女性もいて、そばにはメイドが二人立っていた。

「おおっ、メイドだ!」

「・・・・・・お前は」

 恭也さんは呆れて、後ろにいるすずか大人バージョンの人はクスクスと笑っている。

「お姉ちゃん!」

 すずかが叫ぶ。どうりで似てるわけだ。

「すずか!」

 すずかのお姉さんはすずかを抱きしめる。

「ん?ああ、お二人さん、感動の再会はあとにしてもらっていいですか」

「どうした?」

「いや、そこの奴が起きたんで」

 俺が指をさした方向には研究者が立っていた。

「くそっ、たかが人間が舐めやがって!」

「お前も人間だろう」

 恭也さんが刀を向ける。わ、真剣だ、しかも二本。どっから出した。

「人間?この私がか?ハハハハッ」

「恭也さん、アイツもう半分人間じゃないんですよ」

「なに?」

「そう、私はもう人間をやめた!見ろ!この姿を!」

 研究者の体がもりもり大きくなり始めた。

「ぐっ、アァアアアアア!」

 そして、研究者がなったのは、

 

「・・・・・・なんだろう?」

 

 キメラって言ったらキメラなんだけど、なんか機械的な物もついてるし。大きさは3、4メートルくらいかな。

「とりあえずキメラ(仮)で」

「適当だな」

「そんなもんですよ」

 呆れてる恭也さんにうんうんと頷いて答える。

「三人共下がってください」

「ここは私たちが」

 あれ?三人って俺も入ってるの?

「俺も?」

「はい、すずか様のご学友に怪我をさせられませんから」

 短髪のメイドさんに淡々と言われた。・・・・・・納得できないので、

「まあまあ、メイドさん、ここは俺と恭也さんに任せて」

「ですが!」

「いいからいいから」

「なっ、ちょっと!」

「え?えぇええ!?」

 短髪のメイドさんと長髪のメイドさんを月村姉妹の方に引っ張っていった。

「じゃ、四人はここにいてくださいね」

「私も行きます!」

「大丈夫ですよ、俺強いから」

「ですが!」

「ノエル」

 そこでキメラ(仮)の相手をしていた恭也さんから声がかかる。いつ始まったのかって?下がってくださいって言われた頃からだよ。

「大丈夫だ」

「・・・・・・危なくなったら行きます」

 とりあえず納得したみたい。

「いいですよ」

 あれくらい大丈夫だし。じゃ、

「やりますか」

「鉄パイプで大丈夫なのか?」

「え?鉄パイプで問題あるんですか?」

「・・・・・・・・・」

 真面目に返す俺に恭也さんは驚いていた。

「じゃあ、恭也さん」

「ん、作戦か?」

「囮になってください」

 トンと恭也さんを前に押す。

「ガァアアア!」

「日暮ぇえええ!」

 おおっ、叫びながらもキメラ(仮)の攻撃を避けている。

「じゃ、やるか」

 キメラ(仮)が俺に背を向けた瞬間、

「飛燕剣」

 俺はキメラ(仮)の後頭部目掛けて斬りかかる。

「ガアアアッ!」

 急所を狙ったのでキメラ(仮)は即死した。早すぎるって?だってこいつが弱いんだもん!

「日暮」

 倒れたキメラ(仮)が息絶えているのを確認して恭也さんが声をかけてくる。

「どうしました?」

「俺が囮になる必要はあったのか?」

「いえ、まったく」

 ほら、せっかくだから花を持たせようかなって、あれ?言葉と地が逆になってる。

「日暮ぇえええ!」

「わっ」

 恭也さんが斬りかかって来た。殿中でござる!殿中でござる!しかも前戦った時より早い。これぞ怒りのなせる技か。

「避けるな!」

「無理言わないでくださいよ」

 とりあえず、逃げよう。次会ったらどうなるかわかんないけど、今は逃げるが勝ちだ!

 俺は倉庫から走り出した。

「空君!」

「ソラ!」

 すずかとアリシアに呼ばれたけど、今はそれどころじゃない。またなーと手を振りながら、俺は家に帰った。

 

 

 

「本借りるの忘れた!(;゚Д゚)!」

 

 




感想くれた方、ありがとうございます。そして、最後まで呼んでくれた方もありがとうございます。
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