村を救ったモモンガはクリスマス強制イベントで手に入れることが出来る、ヘンテコな仮面を装備していた。
彼は流浪のマジックキャスターと己を偽り、村長から色々とこの世界の情報を得ていた。
「成程、やはりこの世界はユグドラシルとは全く違う世界なのか」
片栗虎もすぐ側でシャドウを発動して盗み聴いていた。
結局片栗虎はモモンガの前に姿を表すことは無かった。
完全に怖気付いていたのだ。
しかし、ユグドラシルでもトップクラスのギルドの代表ですら、目の前の片栗虎を目視することすら叶わなかった。
村長達の会話があらかた終わった頃、リ・エスティーゼ王国の戦士長【 ガゼフ・ストロノーフ 】率いる部隊が現れ、それを追ってスレイン法国の【 ニグン・グリッド・ルーイン(CV子安) 】率いる陽光聖典の一団が強襲した。
村のはずれのにて部隊同士が戦闘を始める。
「天使を召喚するのか、しかしユグドラシルにいる天使ばかりだな……」
その戦いの様子を片栗虎は、ガゼフのすぐ後ろで見物していた。
その際に、ガゼフの切り札とも言える攻撃力を大幅アップさせるアイテム、鬼人薬をこっそり盗んでいた様だが、ご愛嬌である。
その後、モモンガがガゼフと入れ替わり、敵の脆弱さに呆れつつも全滅させて戦いは終わった。
「あの大天使を瞬殺かよ……わかってはいた事だけど、こいつには近付かない方が良いな……」
片栗虎は長居は無用とカルネ村を後にして、城塞都市エ・ランテルを目指すことにした。
幸か不幸か、アインズウールゴーンを名乗ったモモンガもまた、戦闘メイドを連れてエ・ランテルへと向かっていた。
村長の話によると、冒険者は冒険者組合に所属してクエストを受けて報酬を得るというシステムが主流だと言う。
もちろん片栗虎はそう言った表立った組織には所属するはずもなく……。
「此処がズーラーノーンの支部かぁ……」
彼はエ・ランテルから少し離れた廃墟となった教会へ足を踏み入れていた。
「街のゴロツキの会話を盗み聞いてここまで来たが……はずれか?」
人の気配がしない教会を散策していた片栗虎は、諦めて踵を返そうとする。
「待て、貴様は此処が何処だか分かって来たのか?」
魔術師的なローブを着こなす禿げたオッサンが現れる。
「えーと、確かズーラーノーンのエ・ランテル支部ですよね?貴方は幹部の方ですか?」
「……スレイン法国の刺客……では無さそうだが、何のようだ?貴様はズーラーノーンが何だかわかっておるのか?」
突然秘密結社であるズーラーノーンにやって来た見知らぬ男に、この幹部であるカジットは疑いの眼差しを送る。
しかし、片栗虎はこのズーラーノーンを数あるギルドの一つで、怪しい雰囲気を出す中二病の集まりだと思っていた。
自身も多少ではあるが中二病の気があるので、入りやすしと思ったようだ。
「我が名は片栗虎、我に盗めぬモノ無しそれが秘宝であろうが情報であろうが……な?どうだ?俺をズーラーノーンに入れてみないか?」
「……なんか軽そうだがまぁいい、貴様をズーラーノーンへの入会を認めよう」
この時カジットは正式な入会の手続きなど取らず、使い古したら消せばいいと簡単に考えていた。
「噂によると、アンタはアンデットを使役するネクロマンサーらしいな?ならこいつを受け取ってくれ」
片栗虎はマジックアイテム、死の宝珠をカジット手渡した。
「こ!これは死の宝珠!?死のエネルギー利用してあのモンスターを召喚できる究極のマジックアイテムではないか!!貴様これをどこで?」
片栗虎は答えなかったが、何となく引いたネクロマンサーガチャで出た☆3のアイテムであり、片栗虎にとっては不要なアイテムであった。
「ふふふ、でかしたぞ片栗虎!これはワシが使用してこそ意味があるアイテムだ……これさえあればスレインから脱出出来るだけでなく、エ・ランテルを死の都市へと変えることも出来る!!」
「何をしていいのか分からない……」
片栗虎は取り敢えず隠密状態になりカジットの後ろを付いていくことにした。
片栗虎の運命やいかに!?
待て次回!?
この後!とんでもない出来事がァ!!