前の話の最後で、霊夢が勢いよく開けた客室の中には誰もいなかった!
一体のび太たちの身に何が起きたのか!?
そこから今回の物語は始まります。一体どうやってのび太とチルノは客室から抜け出したのか?(棒読み
そしてのび太たちの行く先は……?
「ふぁぁぁぁ……美鈴さん、遅いなぁ。どうしちゃったんだろ?」
「ねえししょー、あたいもうつまんないよー。せっかくここまで来たのに、こんなところにいるだなんてさ。ねえ、探検しに行こうよししょー」
「えー、だめだよチルノちゃん。美鈴さんだって、地下室には行かないでって言ってたじゃない」
「大丈夫だって、ようするに地下室なんて行かなければいいんでしょ?」
「それはまあ、そうだけれどもさ……」
「あーっ、もう我慢できない! ししょー、あたいは探検に行ってくる!」
「あ、チルノちゃん!」
霊夢たちが客室の扉を開けて、中にのび太もチルノも、誰もいない事を知るもう少し前。
中国こと美鈴に案内された客室では、早くもチルノが退屈し始めていた。のび太の場合はいつでもどこでも、よほどのピンチでなければ一秒以下で眠る事ができると言う役に立つのか立たないのか、難しい能力を持っているので、昼寝を始めればいいのだけれども残念ながらチルノはそうもいかなかった。
元々活発な性質のチルノはすぐに部屋をうろうろしては退屈だと口にし始め、ベッドの上でじたばたと暴れ始める。
当然そんな事になればのび太ものんびりと昼寝をする事もできず、チルノと雑談をするより他にはなかった。
何もする事がないからと探検に行きたいと駄々っ子のように、いや精神的にも外見的にも駄々っ子そのものなのだけれども、チルノがとうとう我慢できずに部屋の入口へと駆け寄りそのノブを動かして……動かそうとして。
ドアノブはうんともすんとも動かなかった。
「ししょー、おかしいよこれ。ドアが動かない。あたいたち閉じ込められたよ!」
「え? そんなまさか……? あれ、本当だ。ぜんぜん動かないや」
ドアが動かないと言うチルノの言葉に、のそのそとやって来たのび太も同じようにノブに手をやり、開けようと試してみるけれどものび太がやったところで結果は変わらなかった。押してもダメ、引いてもダメ、もちろん客室の扉は引き戸でない事は美鈴がこの部屋から出ていく時にのび太もチルノもそれを見ているので知っている。
それはまるで『のび太と雲の王国』で、のび太たちが雲の王国と間違えて迷い込んでしまった天上王国の絶滅動物保護州において、職員宿舎に泊めてもらった際スネ夫が寝室の入口を開けようとした時の様子にも似ていた。その時はスネ夫が見たい番組があったからと出ようとするもカギをかけられたことに気が付き、ジャイアンが扉をぶち破ろうとして……それでも破れない事から閉じ込められた事に気がついたのだ。
今回はジャイアンほど荒っぽく扉を破ろうとする仲間はいないけれども、それでも同じような状況に立たされた事で、のび太も割とすんなり自分が閉じ込められたのだと分かったのび太たちの行動は、天上王国で閉じ込められた時と同じように、実に素早かった。
「スペースイーター!」
「ししょー、このでっかいイモムシはなに?」
「これはね、超空間を食べて抜け穴を作ってくれる……って説明するよりも実際に見た方が速いかな。
のび太がスペアポケットから取り出したのはイモムシ型のひみつ道具である『スペースイーター』。これは説明通り、壁でも床でもどこでも本物のイモムシのようにかじって穴をあけて超空間の抜け穴を作ってしまうと言うひみつ道具である。
行きたい場所を指定するとすぐさま動き出し、超空間を食べて穴をあけてしまう。もちろん超空間に開けられた穴なので、例えばドアやふすまなどに穴をあけてもその向こう側からは穴があるようには全く見えないと言う実に優れた仕組みになっている。
ただし、欠点としてはしずかの家にトンネルをつなごうとしたらお風呂の底へと出口が開いてしまったり、『のび太の宇宙漂流記』で起きたように、トンネルの出入り口を周囲の物体事……例えば岩にトンネルを作ったところ、岩そのものを破壊されてしまうとトンネルも壊れてしまう、などという事が挙げられる。
もっとも、お風呂に突き当たる事もトンネルの入り口をまとめて吹き飛ばすような怪物に遭遇する事も、そうそうないとのび太は信じていた。
そうこうするうちに、その機能に忠実に従いスペースイーターは早速のび太たちの目の前にある客室の扉へと動き出し、ゆっくりとその重厚なつくりをした木の扉をかじり始めた。
「あーっ、ししょー扉に穴が!」
「大丈夫だよチルノちゃん、本当に穴が開いたわけじゃないから。その証拠に、扉の向こうからは穴なんて見えないんだ」
「すげーっ! で、ししょー。この穴ってどこに通じてるのさ?」
「うーん、どこだろう? この部屋から抜け出すために部屋の外、って言ったから部屋から出ることはできるんだろうけれども……トンネルに入ってみないと出口は分からないや」
「そうなんだ、じゃあ中に入ればわかるんだね!」
のび太は超空間に穴が開くという現象は、タイムマシンの出入り口で飽きるくらいに見た事があるけれども、当然今まで幻想郷で暮らしていたチルノはそんな現象を見た事はないせいか、扉に穴が開いていく様子に目を丸くして驚いている。
その様子がおかしくて、のび太がスペースイーターの作る超空間の穴の説明をしている間にもみるみるうちに目の前の超空間の穴は広がっていき、最終的には人が一人くぐれるくらいの穴になった所でようやく満足したのか、スペースイーターの超空間をかじり取る食事? は終わった。
「できたよチルノちゃん。後はこの抜け穴をくぐればどこか部屋の外に出るんだ」
「すげーっ! やっぱりししょーはすごいや!」
「って、ちょっとチルノちゃん。どこに通じているのかもわからないんだよ!? もう……」
空間に穴をあける事の意味を理解できているかはともかくとして、あっさりと自分にはできない事をやってのけたのび太の行いに惜しみない称賛の声を送るチルノ。そしてそのまま、迷う事なく超空間の穴の中へと飛び込んだ。
驚いたのはのび太の方だ。
まさかいきなり穴に飛び込むとは思っていかなったため、のび太も完全に反応が遅れてしまったのだった。スペースイーターの効果で作った超空間の穴はくぐればすぐに目的地へと到着するどこでもドアなどと違い、出入り口の間でいくらか歩いて移動する必要があるためにチルノがのんびりしていれば追いつく事ができたかもしれない。
慌ててのび太もチルノの後を追うように穴に飛び込んだけれども、超空間を抜けて出口から外に飛び出してしまったのか、チルノの姿はもう見えなくなってしまっていた。
のび太とチルノの二人が超空間の抜け穴へと飛び込んでからしばらくして……のび太たちが消えた客室の扉が外から勢いよく吹き飛んだ。
もちろん言うまでもなく、その理由は霊夢が思いきり吹き飛ばしたのだ。
「のび太! 大丈夫!? ……って、あ、あれ?」
「おい霊夢、のび太、いないんだぜ?」
「美鈴、本当にここなんでしょうね?」
「本当にここの部屋ですよお嬢様、いくら門の所で居眠りをしている私ですけれども、それくらいは間違えませんよ」
「お嬢様、美鈴は確かに起きている方が珍しいくらいに昼寝が大好きですけれども、嘘をつけば間違いなく自分が不利になるような状況で嘘をつくとはさすがに考えにくいかと……」
「なあ霊夢、のび太の持ってる道具でさ。鍵を開けたり壁をすり抜けたりするような道具ってあったっけか?」
「さぁ、自由自在にどこにでも行ける道具はあのどこでもドアがあるけれども、ドアを使われたら行先はのび太次第だし、どこに行ったかなんて見当はつかないわよ? だからまずはとりあえず部屋を探しましょう。もしかしたらここが危ない場所だって感づいて隠れてるのかもしれないし」
「そうだな、のび太もいろいろ冒険してきたみたいだし、こんな物騒な悪魔の館に来たら、警戒するのも無理はないんだぜ」
「ちょっと! 二人とも人の屋敷を危険地帯みたいに言わないでよ!」
「「違うの(か)?」」
「違うわよ!!」
が、霊夢たちがここだ、とのび太が囚われているであろう客室の中に飛び込んで、さあのび太を連れ帰って異変は無事におしまいね、となるかと思いきや、部屋の中にはのび太はおろか、チルノさえ影も形も見当たらない。
霊夢と魔理沙に言いたい放題に言われたレミリアもそこまで言われては黙っていられず、両手を振り回しながら憤慨してみせるけれども、そんなレミリアを慣れたように軽くあしらいながら、霊夢の音頭でもって五人はめいめい部屋の中を探し始めた。
とは言っても、広間や図書館のような広いスペースでもなくあくまでも客間は客間である。のび太の部屋よりはもちろん広いけれども、そもそも普段めったに使われない客間ではそんなに隠れられる場所もないという事で、すぐに捜索は終わってしまった。
結果から言って、ベッドの上も下も、タンスの中も部屋中を探してみたけれどものび太の姿は、どこにも見つからなかったのだ。
「……どこにもいないんだぜ」
「……変ね、どうやってここから抜け出したのかしら?」
「美鈴、あなたまさか……美味しそうだからって食べちゃったんじゃ……!」
「食べませんよっ!」
霊夢も魔理沙も、首をかしげるけれども残念ながらのび太がスペースイーターで作った超空間の抜け穴は、この部屋に霊夢が飛び込んでくる時に思いきり扉を吹き飛ばしてしまった事で完全にバラバラに吹き飛んでしまっていた。つまり、霊夢たちは抜け穴がそこにあった事に気が付かないまま部屋の中をうろうろと探し回っていたのだ。
これがもし美鈴なり咲夜なりが部屋のカギを用意するまで待って、扉を開けて素直に入って来たのならすぐにでも扉の内側に作られた超空間の抜け穴に気が付いただろう。
気が付いた上ですぐに、扉に開けられた穴がのび太の道具によるものだと気が付いて後を追いかける事ができただろう。
けれども扉が完全に吹き飛んでしまい、そこに開けられた穴も一緒に吹き飛んでしまった事で霊夢たちはそこにあったはずの抜け穴にはついに気が付く事ができなかった。
「冗談言っている場合じゃないわよ! 理由はどうあれのび太たちがここから抜け出したのは間違いないんでしょ? なら、急いで探さないと万が一にも地下室に入り込んだらそれこそ命が危ないわ」
「霊夢の言う通りね、万が一にも
「だな。よし、それじゃあ何としてものび太とチルノを探すんだぜ!」
「咲夜! 美鈴! 貴女たちは万が一あの子が暴れた時のために、メイドたちを広間に全員集めなさい、何かあった場合には咲夜の判断で避難させること。いいわね」
「「かしこまりました!」」
言うが早いか、手にしたホウキにひらりとまたがると魔理沙は屋敷の中とは思えない速さでのび太とチルノを探しに飛んでいく。その速さと来たら、どこかで衝突するのではないかと、見送るレミリアや咲夜が心配そうな顔をしたほどだった。
が、すぐに自分たちも、とレミリアとパチュリーはのび太の捜索に、咲夜と美鈴は館にいるメイドたちをまずは一か所に集めるという指示を遂行するべくバラバラに屋敷の中へと散らばっていくのだった。
*
「……あ、あれ? ここって一体どこなんだ?」
霊夢たちがきょろきょろと部屋の中を見回して、のび太を探し回っているその頃……のび太はチルノを追いかけて客室の扉に開いた超空間の抜け穴をちょうど抜け出したところだった。もちろんのび太は、飛び出した後で入って来た入口が霊夢の手で吹き飛ばされてしまった事など露ほども想像していない。
そんな事よりも今ののび太にとって大事なのはここがどこか、という事だった。
さっきまでいた客室とはうって変わって薄暗い部屋、そして薄暗い雰囲気に合わせるようになのか置かれている家具などもボロボロだったり、少なくとも客室のような立派さは見当たらない。
ただ、かび臭いような湿っぽいような独特の空気が漂っている。
その空気をのび太は小学生ながら知っていた。そう、今までの冒険でも何回か放り込まれた覚えのある牢屋で感じた空気にそっくりなのだ。
せっかく抜け出せたと思ったら、抜け穴の先もまた牢屋でしたなど笑い話にもなりはしない。
「チルノちゃん、引き返そう! 一度あの部屋に戻ろうよ……あいたっ」
と、先にここにやって来たであろうチルノに声をかけながらくるりとその場で後ろを向き、たった今出てきた抜け穴に飛び込もうとして、のび太はしたたか壁に顔をぶつけて弾かれてしまった。
これは抜け穴の入口側、つまり客室の扉が壊されて抜け穴としての機能が消滅してしまったから起きた事なのだけれども、残念ながらのび太はそんな事になっているなどとは思ってもいないため、ぶつけた鼻をこすりながら抜け穴だったはずの壁をもう一度よく確認する。
「あ、あれ……? さっきまで抜け穴が使えたのに、おかしいな……」
「ねえ、あなたはだあれ?」
「……!? 誰って……あれ、君こそ誰?」
そうして壁をあれやこれやと調べていると後ろから声がかけられた。しかし誰と言うのはどういう事だろうか? 先に抜け穴をくぐったチルノならししょーと呼ぶくらいだし、少なくともチルノならこれだけ薄暗い部屋でも誰なんて質問はしないはずだ……そんな事を考えつつ声のした方へと振り向くと、そこにいたのはチルノとは全く違う金髪の女の子だった。
青い服のチルノとは逆に紅い服と、背中からは細い枝から宝石がぶら下がっているという不思議な様子の羽。かつて天上王国で出会った天上人のパルパルやバードピアの鳥人グースケはもちろん、ここ幻想郷で出会ったチルノとも違うその格好から女の子が少なくとも人間ではないという事だけは理解できた。
ただ、一つ違うのは……そう、雰囲気。
チルノやパルパル、それにグースケもみんなそこには初めて出会った時に、不気味さ、不思議さと言うものはなかった。それがどうだ、今目の前にいる子から発せられる気配はまるで、初めて会った何かを企んでいるのでは、と言うどこか不思議さの中に不気味な雰囲気を見せていたリルルそっくりなのだ。
そして次の言葉で、のび太は自分が彼女に抱いた印象が間違っていなかった事を嫌でも確信する事になる。
「私なフランドール・スカーレット、フランって呼んで。それにしても今日はラッキーだわ、おもちゃがこんなにたくさん来てくれるなんて」
「おもちゃ?」
「そうよ、でもさっきのおもちゃはすぐに壊れちゃって、あなたは壊れないで一緒に遊んでくれる?」
「さっきの、って……チルノちゃん!」
「きゅー……」
「ひどい、チルノちゃんはおもちゃじゃないよ! どうしてこんな事をするのさ!?」
フランと呼んでほしいと名乗った彼女が視線を向けた先、そこには青あざだらけになり目を回しているチルノが倒れていた。それはまるでのび太がジャイアンにこっぴどくいじめられた時のよう。
いや、ジャイアンがのび太をボコボコにする時は一応どうにかボロボロになりながらも自力で家まで帰宅できるくらいの力加減で殴ってくる事を考えると、チルノはジャイアンよりもものすごい力で殴られたのかもしれない。
あわてて駆け寄り声をかけてみてもチルノは目を覚ますことなく、目を回したまま完全にのびてしまっていた。
これにはのび太も目の前の少女が持つ何か、普通ではない気配からくる恐怖を忘れて思わず抗議の声を上げる。
そこに宿るのはかつて『のび太の南海大冒険』で未来人Mr.キャッシュの要塞と化していたカリブ海のトモス島にて、イルカのルフィンの危機に見せた怒り。あるいはここ幻想郷に来て妖怪の山で自分を助けるために戦ってくれた早苗さんがやられてしまった(と勘違いした)時の怒りと同じ輝きだった。
「ひどい? どうして? 力のない妖精と遊んだだけじゃない。悪いって言うのなら、壊れやすいモノが悪いのよ。その妖精もそう、ここに来るモノはみんなそう、私がちょっと遊んだだけでみんなみんな壊れるの! 壊れやすいお前たちが悪いのよ!」
バシン!!!
乾いた音が、薄暗い空間にこだました。
理由は言うまでもない、のび太が女の子の頬を思いきり平手で打ったのだ。
とは言え、正直なところのび太自身にもどうしてこんな風にできたのか、勇気が出たのか分からなかった。しいて理由を上げるならやはりチルノがあまりにも理不尽な理由でボロボロにされたから、なのだろう。
「そんな事ないよ! チルノちゃんは弱くなんてないし、それに君が勝手に誰かを壊す権利なんてどこにもないよ!」
「…………だったら、それを証明して見せてよ! ぬいぐるみも本も私にかかればなんでも壊れちゃう、お父様もお母様も誰でも私の前から消えてっちゃう! 魔理沙や霊夢みたいに壊れない人間だっていたけれども、いつも来てくれるわけじゃない、そんな私が間違っているって言うのなら、貴方がそれを証明してみせなさいよ!」
「えっ!? 霊夢さんに魔理沙さんって……実はとっても強いんじゃ……?」
「あはははははは! それじゃあせいぜい頑張って、証明してみせてね!」
「え、えっと……わ、わぁーっ! 助けて―!! ドラえもーん!!!」
勢いよく啖呵を切って見せたのび太に、頬を打たれた事でしばらくの間ショックのあまりなのか呆然としていた女の子……フランがようやく我に返って反論する。
ただし、それは子供のけんかの言い合いでの反論などと言うような生易しいものではなく、今までにたくさんの冒険の中で遭遇してきた魔王デマオンや妖霊大帝オドローム、アンゴルモアに魔竜フェニキアなど、明らかに物騒かつのび太たちを大ピンチに追い込んできた連中に負けず劣らず危険な気配がビンビンに伝わってくる反論だった。
おまけにどこから取り出したのか、ザンダクロスでも持っていた方がしっくりきそうなバチバチと音を立てる真っ赤に燃える剣まで手にしている。
その状態で霊夢や魔理沙は遊んでくれたけど壊れなかった、などと言われればのび太でもフランがあの二人並みの力を持っているかもしれない、と言う想像は容易につく。
けれども、もう逃げるための道はどこにもなかった。
のび太にとって最大の不幸だったのは、今いる場所こそが門番の美鈴に客室へと通された際、さんざん行くなと釘を刺された紅魔館の地下室だったという事だろう。けれども不幸にも、のび太はまだここが紅魔館の地下室なのだとは気が付いていなかったのだ。
こうして、親友に助けを求める、決して届かないのび太の泣き言と共に逃げ場のない戦いが始まってしまったのだった……。
はい、なし崩し的にのび太vsフランちゃんの開始です。おまけに逃げ場は霊夢の手できっちり破壊されてしまいました。
ついでにフランちゃんレーヴァテインを最初から振り回す気満々での開幕です。果たしてのび太の運命やいかに!?
ちなみに時系列的には、ちゃんとフランの設定としては既に霊夢と魔理沙の二人によって紅魔郷の異変は無事解決されており、フランも精神状態が完全な破綻と言う訳ではありませんが、いつも霊夢や魔理沙が遊びに来るわけではないため、本やぬいぐるみで遊んでいますが、能力と力加減を覚えていないせいでみんな片っ端から壊してしまうため、常にある程度強いフラストレーションが溜まっていると言うイメージです。
また本文では言及していませんが、フランが地下に軟禁状態だった理由は姉妹が幼いころ両親が揃って突如消失してしまい、その原因と目されたのがフランの持つ破壊する能力であり、その力を意識してか自覚なしにか、両親へと使ったのではないか? 姉妹はそう『認識している』ため、レミリアはフランを地下へと……と言う設定で考えています。
そのためのび太に対しての発言を『…………だったら、それを証明て見せてよ! ぬいぐるみも本も私にかかればなんでも壊れちゃう、お父様もお母様も誰でも私の前から消えてっちゃう!』としました。
孤独から両親を求めようとしても、それは既におらず、しかもその原因が自分がやったのでは? となればそりゃあ情緒不安定にもなるしどっか精神が壊れても仕方ないよな、それにレミリアの年齢と容姿を考えれば本来なら紅魔館の当主はまだレミリアの親にあるべきなのに、どうしていないのか? と言う所から、このような設定を考えています。
さてさて、その真実やいかに? 次回、ご期待っ!