ユウキとの結婚から早二ヶ月。今までより、ゆっくり暮らせていると思う。でも、ボス攻略や依頼は、ちゃんとこなしている。
ユウキ「リュウガ、アーサー。ご飯だよ~」
ユウキが朝ご飯ができたのか俺とアーサーを呼んでいる。
リュウガ「よし。行くぞ、アーサー」
アーサー「にゃんにゃ~(わかりました)」
俺とアーサーがリビングに行くと旨そうな朝食がテーブルに並んでいた
「「いたたぎます!」」
「にゃんにゃー!(いたたぎます!)」
朝食のメニューは至ってシンプルで、白米と味噌汁、焼き魚、野菜のお浸し、卵焼き、だった。
リュウガ「ユウキ。この味噌の味、どうやって再現したんだ?」
ユウキ「それはね。ずっと前からリュウガにあることを言ってもらいたくて頑張って再現したの////」
ユウキはそう言いながら俯き、こちらをチラチラと見ている。なるほどな。
リュウガ「現実に還っても、俺に毎日、この味噌汁を作ってくれないか?」
ユウキ「はい!」ニコ
二度目のプロポーズをしてから朝食を食べ終わると二人と一匹して長い椅子に腰かけてのんびりする。
ユウキ「ねぇ、リュウガ」
リュウガ「なんだ?」
ユウキ「今日は何の日かしってる?」
リュウガ「ああ。クリスマスだろ?」
ユウキ「うん。だから何処か外食でもしない?」
リュウガ「そうだな・・・。ん?」
俺がユウキとの外食を何処にするか考えていると
ユウキ「どうしたの?」
リュウガ「はぁ~、依頼みたいだ。なんで、クリスマスにも依頼がくるんだよ」
ユウキ「ハンターも辛いね」苦笑
リュウガ「一応、内容だけ見とくか・・・」
俺は依頼内容を見ると、ユウキは俺の顔が険しくなったのが分かったみたいだ
ユウキ「どうしたの?」
リュウガ「今日の深夜0時に第35層でイベントボスが出るらしい」
ユウキ「それで?」
リュウガ「そこにキリトが単身で挑むつもりみたいだ。そこで依頼主からキリトの援護をしてほしいと書いてある」
ユウキ「行くの?」
リュウガ「ああ。キリトは友達だ。見捨てたりなかんかできない」
ユウキ「無茶しないでね?」
リュウガ「大丈夫だよ。今回は近接装備を使わないから」
ユウキ「へ?」
リュウガ「ユニーク装備の中に遠距離型の武器があるんだよ」
俺はメニューウィンドウを出して。白疾風のガンナー装備と弓の『
ユウキ「え?弓矢?」
リュウガ「そう。これならバレずに援護できる。
それにスキルも付いてるから」
ユウキ「どんなスキルが付いてるの?」
リュウガ「えっと・・・回避距離up、回避性能+2、見切り+3、超会心、隠密、だな」
ユウキ「なんか、聞いてるだけでチートだって理解ができるよ・・・」
リュウガ「それはな・・・あははは」苦笑
それからは依頼の時間になるまでユウキとお昼寝をしたりして体と心を休めていた。
リュウガ「それじゃあ、外食に行くか?」
ユウキ「うん!」
俺たちは外食をするためと第49層で外食をすることにした
リュウ・ユウ「「転移、ミュージェン!」」
二人で転移門に行き先を問え目的地であるミュージェンに転移する
ユウキ「わあああ!ねぇリュウガ、見てよ!雪だよ」
リュウガ「そうだな。今日はホワイトクリスマスだな」
ユウキ「ふっふふん♪ふっふふん♪」
リュウガ「嬉しいそうだな」
ユウキのそうな姿を見ていると下から袖を引っ張られた
リュウガ「ん?」
アーサー「にゃん、にゃ~あ(ご主人、寒いです)」ガクブル
リュウガ「ごめん、アーサー!忘れてた」
俺は直ぐにメニューウィンドウを出し、アーサーのマフモフ装備品を出す
リュウガ「はい、アーサー。マフモフだよ」
アーサー「にゃ~、にゃんにゃ~(はぁ~、暖かいです~)」
今までアーサーに装備させていたのはブレイブだったので雪が降る中、流石に寒い。
ユウキ「リュウガ、アーサー!早く!」
リュウガ「わかった。直ぐに行くよ!」
俺はユウキに急かされたので、アーサーを抱き抱えてユウキの元へ走る。
ユウキ「もう!何してたのさ?」
リュウガ「いや、アーサーが寒いって言うから装備を変えたんだよ」
ユウキ「そっか!猫は寒いの苦手だもんね」
アーサー「にゃあ(はい)」
ユウキ「それじゃあ、気を取り直してお店にレッツゴー!」
リュウガ「オー!」
アーサー「ニャー!」
その後はお目当てのお店に入り、ちょっと豪華な夕食を食べてた。食べたあとは一番家に帰ることにした。
家に戻り、少しまったりとしといると時刻は22時に差し掛かっていた。
リュウガ「それじゃあ、ユウキ。行ってくるよ」
ユウキ「気をつけてね」
リュウガ「わかってるよ。それとアーサー、俺がいない間はユウキを頼むな?」
アーサー「にゃ!(はい!)」
アーサーはそう返事をしながら敬礼をする。そして玄関を開けようとすると、後ろから腕を掴まれた
リュウガ「ユウキ?」
ユウキ「そのね・・・リュウガ////」
リュウガ「何?」
ユウキ「行ってらしゃいの・・・キスをしたいの//////」ウツムキ+ウワメ
ユウキは顔を赤くして上目遣いで、行ってらっしゃいのキスをしたいと言い出した
リュウガ「な、なななな!/////」
ユウキ「ダメかな・・・?」ウルウル
リュウガ「ダメじゃあ・・・無いです/////」プシュー
流石に上目遣いに涙目は卑怯だと思うほど、この時のユウキは可愛くて愛しくて仕方がない。
なので、一度頭の防具を外してユウキと「行ってきます」と「行ってらしゃい」のキスをする
リュウガ「ん・・・」
ユウキ「ん・・・」
リュウガ「それじゃ。改めて、行ってきます」
ユウキ「うん。行ってらっしゃい!」
俺はユウキの笑顔が送り出してくれたので友達であるキリトを今回はちゃんと護衛しようと心に決めた。装備はべリオXにしてある。
リュウガ「転移、ミーシェ」
そして転移門で35層に転移する。転移が完了するとまずは、今回の依頼主であるギルド風林火山のリーダーである。クラインに会う。
リュウガ「よう、クライン。依頼を受けにきたぜ」
クライン「えっと・・・ハンターでいいのか?それとも名前の方がいいか?」
リュウガ「いや、どちらでも構わないよ。もう、名前を隠す必要もなくなったし」苦笑
クライン「そうか。今回はクリスマスなのに依頼を受けてくれて感謝する」
リュウガ「いいさ。ただし、今回の報酬は高く付くからな?」
クライン「わかってら!せっかくのユウキちゃんとの熱いクリスマスを邪魔しちまったからな」
リュウガ「ユウキと・・・あ、熱いクリスマス・・ ・ /////」プシュー
クライン「お、お~い大丈夫か、ハンターさん?」
リュウガ「だ、大丈夫」
俺はクラインの「熱いクリスマス」の言葉に色々とユウキの妄想をしてしまった。例えば、サンタのコスプレをしたユウキとか・・・。
クライン「なら、時間がないから移動しながら、内容を確認しよう」
リュウガ「了解だ。ん?」
クライン「どうした?」
リュウガ「いや、何でもない」
俺はクラインと待ち合わせにしていた店で何人か聖竜連合の奴等を見つけたので警戒をしておくことにした。
リュウガ「クライン、俺は先にフィールドに出ている」
クライン「何でだ?一緒に行けばいいだろ?」
リュウガ「今回は特殊な装備を使うから、あまり人目に付けたく無いんだよ」
クライン「そういうことなら了解だ」
リュウガ「それとそのまま、迷いの森に突入してもらって構わない。こっちは隠密専門の装備に変えるから多分、クラインじゃあ見つけることはできない」
クライン「何か色々とスゲーな、お前さんの装備は・・・」
リュウガ「何せ、ユニーク装備だからな」
俺は直ぐにクラインたちより先にフィールドに出て、べリオXから
準備を終えると街からキリトがフィールドに現れ、それをクラインたちが追う。
リュウガ「さて、依頼の開始だ」
俺も風林火山と同じようにクラインのことを尾行する。その時、後ろから複数の足音が聞こえてくるのが分かったので、ポーチから煙玉を出す。
そして、それを走りながら落とす。
リュウガ「少しは時間稼ぎにはなるだろう」
俺はクラインたちを尾行しているとクラインが走りから、歩きへと変わった。
そしてキリトを見つけ、クラインはキリトの説得しにかかる。
クライン「よう」
キリト「つけてたのか?」
クライン「まあな。蘇生アイテム狙いか?」
キリト「ああ」
クライン「ガセネタかもしれねぇアイテムに命掛けてんじゃねぇよ!」
キリト「・・・・」
クライン「このデスゲームはマジなんだよ。ヒットポイントがゼロになった瞬間、現実世界での俺たちの脳も・・「だまれよ!」ッ!!」
キリトの冷たい声にクラインは一度驚くが、直ぐにまた説得をし直す
クライン「ソロ攻略なんて無茶は止めろよ!俺たちと組むんだ。蘇生アイテムはドロップさせた奴の物で恨みっこ無し。それで文句ねぇだろ!」
キリト「それじゃあ、意味ないんだよ」
キリトはそう言葉にすると背中の剣を掴む
キリト「俺・・・一人でやらないと」
それを見た風林火山のメンバー、クライン以外は武器を構えようとするがクラインに止められる
クライン「オメェをよ。こんな所で死なすわけにはいかねぇんだよ!キリト!」
クラインの言葉がキリトの怒りのトリガーになったのか剣を抜く。それと同時に俺が先ほど煙玉で足止めした聖竜連合が現れた
クライン「どぅおわあ!?」
キリト「お前も着けられていたな、クライン」
クライン「ああ、そうだな」
すると風林火山のメンバーが聖竜連合の奴等のことを話し始めた
風林火山「ゲッ!こいつら聖竜連合かよ?」
風林火山「レアアイテムの為ならヤバいこともやる連中だぞ」
風林火山「どうする?」
俺はまたポーチから煙玉を取り出して、聖竜連合の奴等に投げる。すると聖竜連合の奴等は息なり白い煙が出たことに混乱しているようだ
クライン「今だ!キリト、お前だけでも行くんだ!(これはリュウガの奴が作ってくれたチャンスだ)」
キリト「クライン・・・」
クライン「いいから、行くんだ!ここは俺たちが食い止める」
それを聞いたキリトはクラインに背を向けて走り出す
クライン「さっきはサンキューな、リュウガ」
リュウガ「どういたしまして」
クライン「そのまま、キリトの奴を追ってくれ」
リュウガ「了解だ」
俺はクラインにそう返してキリトの奴を追うことにした。するとやがて大きなモミの木が見えてきた。また時刻が深夜の24時を示すと空から鈴の音と何か大きな物が落ちてきた。
それはクリスマスのイベントボスだった。ボスは
機械が軋む音を出しながらキリトを捉える
キリト「うるせよ」
ボスはキリトを敵だと判断して、自分が持っていたオノを振り上げるとキリトは雄叫びをあげながら突っ込んでいく
キリト「うああああ!!」
それから何十分が経過しただろうか、俺は護衛ということでキリトを死なせないように回復笛と鬼人笛と硬化笛を使ってサポートをした。
そして、やっとのことでキリトはクリスマスボスを倒すことに成功した。
次にキリトは今回の戦利品の中から蘇生アイテムを出して、アイテムテキストを読んでいくと泣き叫び始めた
キリト「うわああ、あああああ!!」ボロボロ
リュウガ「現実は、そんなにあまくないか・・・」
キリト「サチ、ダッカー、テツオ、ケイタ、ササマル」ボロボロ
リュウガ「それが、キリトの蘇生させたかった人たちか・・・」
俺はただ友達の泣く姿を見ることしかできなかった。でも、もしユウキが俺の前から消えたらと思うと胸の辺りがすごく痛くなった。
キリトがイベントボスを倒してから30分が過ぎた。少しは落ちついたのかキリトはモミの木を後にするのを俺は追いかける
クライン「キリト!」
クラインはキリトが無事に帰ってきたことに安堵したような声音でキリトを呼ぶ。しかし、キリトの目に光がやどっていなかった。そして、キリトは自分の手に握っていた【還魂の聖晶石】をクラインに放り投げた
クライン「お、おい」
キリト「それが蘇生アイテムだ」
キリトから受け取ったアイテムのアイテムテキストを読むクライン。そこには蘇生ができるのは死んでから10秒以内と書かれてい
クライン「え~、何々、対象のプレイヤーが・・・10秒以内!?」
キリト「次にお前の目の前で死んだ奴に使ってやってくれ」
そう言ってキリトは立ち去ろうとするがクラインに肩を掴まれる
クライン「キリト、キリトよ!オメェは・・・生きろよ!最後まで生きろよ、生きてくれ!」
クラインは涙混じりでキリトにそう言った。
キリト「じゃあな」
キリトは最後にそう言い残して俺たちの前から姿を消した。
リュウガ「やはり、現実はあまくなかったな」
クライン「ああ。リュウガ、今回の依頼はこれで完了でいい」
リュウガ「そうか・・・」
クライン「あと、これを報酬として持って行ってくれ」
クラインは先ほどキリトから受け取った。蘇生アイテムを俺に突き出した
リュウガ「お前!?」
クライン「分かってる!分かってるけど、お前だって一度、死にかけてるんだ!だからユウキちゃんに渡してくれ」
リュウガ「分かった・・・。なら、ありがたく報酬として受け取っておく」
俺はクラインから報酬を受け取り、なんとも言えない胸の辺りにある感情を抱きながら、ユウキとアーサーが待つ家にかえる。
そして、家の近くになると、まだ家の中に灯りがついていた
リュウガ「ただいま・・・」
ユウキ「おかえ・・・ッ!!どうしたの?」
ユウキは俺に元気が無いのに気付き何かがあったと直ぐに察したようだ
リュウガ「ちょっとな・・・」
ユウキ「リュウガ?」
リュウガ「・・・・」ギュッ
ユウキ「ちょっ!リュウガ!?」
俺はあんなキリトを見たからなのか、無言でユウキを力一杯に抱きしめる。ユウキが俺の側にいるのを確めていないとどうにかなってしまいそうになるからだ。
ユウキ「リュウガ?く、苦しいよ?」
ユウキの「苦しいよ」の声で我を取り戻し、ゆっくりと力を抜いていく
リュウガ「ごめん・・・」
ユウキ「ううん。それより、どうしたの?今回の依頼で何かあったの?」
リュウガ「じゃあ、ちょっと聞いてくれるか?」
ユウキ「うん」
俺はユウキとテーブルを挟んで座り、キリトがイベントボスを倒した後に泣き叫んでいた内容を話して、その時に感じた思いもユウキに話した
ユウキ「そんなことがあったんだ・・・」
リュウガ「うん・・・」
ユウキ「でも、ボクはリュウガの前から居なくなったりしないよ」
リュウガ「分かってるけど・・・」
ユウキ「大丈夫だよ。もしもの時はリュウガが守ってくれるでしょ?」
リュウガ「当たり前だ!」
ユウキ「なら、不安になる必要はないよ。だから、安心して、ね?」
ユウキは優しい俺の手を握る。何かに怖がる子供を安心させるように・・・
リュウガ「分かった」
ユウキ「それなら、服を着替えてお風呂に入っておいで」
リュウガ「ああ」
俺はユウキにすすめされるまま風呂に入る。
リュウガ「俺は本当に・・・ユウキを・・・守れるのかな・・・」
そんなネガティブな考えがいつまでも頭によぎる
リュウガ「こんなこと考えちゃダメだ!俺が暗くなればユウキも暗くなっちゃう」
それから湯船で顔を叩き活をいれる。風呂は人生の洗濯する場所だと、人はよく言ったものだ。風呂を出るとユウキが寝間着姿でリビングにて俺が出るのを待っていてくれたようだ
リュウガ「悪いな、待たせちゃったかな?」
ユウキ「ううん。それとやっぱり、ボクもさっきの話しを聞いたら不安になっちゃったよ」
リュウガ「ユウキ・・・」
ユウキ「だから君が・・・リュウガがボクの側にいるっていう強く実感をさせて欲しいんだ」
リュウガ「それって・・・つまり/////」
ユウキ「うん・・・ボクはどんなリュウガでも受け止めるよ////」
その言葉が俺の理性を崩壊させて、ユウキをお姫様抱っこして寝室に向かった。
昨夜、ユウキと一緒にベッドに入って寝ると、すぐに寝れた。そして、今は・・・
何だろう。この優しくて、暖かくて、心底から安らぎが感じられる物は・・・できれば、ずっとこうしていたいな。
リュウガ「ん、ん~」
ユウキ「あ、起きた?」
リュウガ「おはよう。ユウキ」ボケー
ユウキ「おはよう、リュウガ」ニコ
リュウガ「う~ん」ボケー
そうか。この安らぎの正体はユウキだったのか。
通りで安心する訳だ
ユウキ「ほら起きて、お風呂に入って朝ごはんにしよう!」
リュウガ「うん、分かった」
そう、俺とユウキは昨晩・・・・。できれば、皆さん、察していただければと・・・