22XX年ーーー
電波技術の発達により、世界のエネルギー源は電波へと一変。
飛び交う電波でネットワークを構築し、電波を物質化した木や岩などの万物を造り上げる技術
“リアルウェーブ”等、人類は豊かな生活を手にした。
また、リアルウェーブ等の技術を応用した、擬似的な生命体“ウィザード”を一人一体以上もっていたり、生活のサポートパートナーとして広く使われ、電波は人類にとってなくてはならない、世界の核として存在していたーーー
快晴の空。
穏やかな目覚めに誘われる心地好いこの天気に、一人起きまいとして愚図る心濁らせた心地の悪い子がいた。
『オラァ!!起きねぇかスバル!!』
「グゥゥ~・・・僕は起きるつもりはないよ・・・!」
星河スバル。
類い稀な正義感とその行動力で、三度に渡る世界の危機を回避し、人類の未来を繋ぎ止めた救世主・・・なのだが、実は今日この日から小学6年生。
彼には特別な“パートナー”がいた。
『ガァァアァアアァアァァアァアアァァアァアア!!』
実に耳障りな奇声を発しているのが特別なパートナー
ウォーロック。
彼は電波生命体という存在であり、地球で産まれた存在ではない。
AM星人という種の宇宙人。
星河スバルはウォーロックの持つ特別な力で、
電波変換という手段を使い、電波人間として、常人を軽く超える力を手にして危機を脱して来た。
世間では、電波変換したスバルを“ロックマン”と呼ぶ。
『ァァァアァアアァァアァアァァァアァアアアァアア』
「・・・」
『アァアアァァァアアアァァアァアアァァアァアアア』
「・・・・・・」
『ァァアァアアアァアアァァアァアアァァァアァアア』
ボソッ
「・・・ウォーロック・・・?」
奇声が響き渡る部屋の中、耐えかねたスバルは落ち着き払った低い声を効かせる。
ウォーロックは言い知れぬ気を感じて黙りこむ。
『・・・・・・ど・・・どうしたスバル!?何があった!?事件か!?』
「白々しい。一体それは・・・何のつもり?」
『え!?えっとだな・・・め、目覚ましのつもりだ・・・気が利くだろォスバル!?』
ドガッ!!
『ゲフゥッ!!』
己が持つ技術の粋を集め、決めてやったボディブロー
。今まで聞いたことのない声を吐いて悶える
「いい加減にしてよ~ウォーロック」
内心してやったりのスバルは、目の前で苦しむウォーロックに、冷徹にも平然と吐き捨てる。
そこには薄ら笑いすら見えるような・・・。
「ウォーロック。状況を整理してみよう。今何時?」
『只今朝6時8分21.25秒ですッ!!』
「何でもこんな時間に起こしたのかな?」
『僕が退屈だったからですッ!!』
「ボクが今日何の日か知ってるよね?」
『はいッ!勿論で御座いますッ!!』
「まったく・・・もう邪魔しないでね」
スバルは掛け布団を払い直すと、また床に就き始めた。
『オイ、スバルゥ!また寝るのか?どうせ起きたならよぉ、支度して学校始まるまでどっか行こうぜ!?』
ウォーロックは懲りを知らないようだ。二度寝を始めたスバルに寄って、愚図り始めた。
これが二人の日常・・・。
「もう!いい加減にしてくれって言ってるのに・・・!!」
『良いじゃねぇか!もう起きちまったんだからよォ!』
「うぅ~!ウォーロックも寝てればいいのに・・・!寝てれば退屈なんてしなくて済むよ?お願いだからウォーロックもそうしてよ!!」
『悪ぃな、緊張して寝れねぇんだ』
「え?緊張??何で???」
「お前は今日から6年生って奴なんだろ?緊張するじゃねぇか。感無量ってやつよ!」
「・・・はぁ、負けたよ・・・」
スバルは重い腰を上げ、渋々支度を始めた。
今日この時から、スバルの人生においての新たな可能性が広がる。良くも悪くも・・・
時は過ぎ、始業式開始時間前ーーー
ウォーロックの駄々に付き合い、朝早い時間から町に繰り出す。
しかし、朝6時の時間帯に開いているお店は少ない。
それを知っていて外出を促したウォーロックだが、ただただ歩くだけの外出に嫌気がさし、文句を垂れる質の悪さにスバルは 頭を抱え、憔悴しきっていた。
「星河スバル君!腰が曲がってるわよ!?シャキッとしなさい!」
白金ルナ。
スバルが5年生の時のクラスメイトで委員長をしていた。
そのため皆からは、敬いと恐れを込めて“委員長”との愛称で呼ばれている。
行き過ぎた面倒見の良さが痛いが、優しい人柄。
「飯ちゃんと食ってきたか?人間1日の始まりは飯からなんだぜ!?」
牛島ゴンタ。
同じく、スバルのクラスメイトだった友達。
少々食い意地の張った食べることが生き甲斐の男の子。
実は、スバル同様、電波変換をする事が出来る数少ない人間。
友達思いの純粋さを持ち合わせ、3度目の危機の際には、仲間の為に拳を振るった。
「違いますよゴンタ君!確かに朝のご飯は重要ですが、ご飯の前にはまず、顔を洗って、歯を磨いてからが1日の始まりです!」
最小院キザマロ。
言うまでもなく、スバルの元クラスメイトで、友達。
頭脳明晰で“マロ辞典”なるもの持っている。
小学6年生の割りに背が低く、マロ辞典の情報を頼りに、密かに背を伸ばす方法を実践している。
『オィスバル!お前今日から6年生って奴なんだろ?だったら胸張ってどんと構えやがれ!』
「ウォーロック・・・誰のせいでこんな事になってると思うの・・・?」
『だ、誰だァァァアァアア!!スバルをこんなにした奴ぁは誰だオラァ!出てきやがれ!!゙゙』
「いいや、消えて」
『イヤ、ちょッ!アアァァァアァーー・・・』
ウィザードOFF。
白々しいウォーロックを“ハンターVG”というに携帯電波端末へと厄払い。
そして始業式へーーー
「はぁ~・・・」
始業式を終え、将来を見上げた清んだ瞳で各自、新しい教室へとその一歩を踏み締める。スバル意外は・・・
ちなみに、教育上の戦略として、クラスメイトは5年生と同じメンバーでくまれた。
『スバル~!何俯いてんだ?皆前みて意気揚々と歩いてやがるのに、お前だけ足取りがフラフラじゃねぇか!』
「ウォーロックのせいだよ・・・!」
反省の色がまったく見られないウォーロックにスバルは溜め息ばかり。
そこへ、気を察したキザマロはスバルの肩にそっとーーではなく、必死で手を置きBIGニュースを高らかに発表した。
「ところでスバル君!実はですね、今朝掴んだ情報なんですが・・・なんと!僕達のクラスに転校生が!」
「転校生?」
「そうなんです!それも、僕らの馴染み深い方です!」
「馴染み深い?」
「誰よ?誰が来るのよ?」
転校生ーーその響きに興味をそそられたルナとゴンタも加わり、額に汗をかきながら、どや顔で未だ必死にスバルの肩に手を置き話を続けるキザマロ。そこへ、核心に触れる大事なとこで、目の前に立ちはだかる者が。
「ハッ!何だぁちっこいの。オメェ手が届いてねぇじゃねぇか」
「「あーッ!!」」
「よッ!星河スバル。そしてその愉快な仲間達!」
ジャック。
かつて、世界を三度目の危機に追いやった電波犯罪組織“ディーラ”の一員。
ロックマンによりディーラは壊滅。
計画は全て阻止され、組織の人間は一掃された。
だが、ジックは電波変換が出来、その力は貴重とされ“暁シドウ”の発案により、その全責任と親権を受け入れる事により出所を許された。
同時に、ジャックには償いを兼ね協力を義務づけられ、現在“WAXAニホン支部”
( 宇宙科学を研究する国際機関「WAXA」と、電波 犯罪を取り締まる組織「サテラポリス」の拠点となる重要な場所)を住居とし、仕事に励んでいる。
「久しぶり!どうして此処に?出所したのは聞いてたけど・・・」
/
ちょっとジャック!愉快な仲間達とはどういう事よ!?
私をその他大勢扱いして覚悟は出来てるんでしょうね!?
\
「暁の奴が、学校で勉強すんのも仕事だ!ってうるさくてな。仕方なく来てやったぜ!」
/
ってちょっと!この私を無視するなんてどういうつもり!?
\
「もしかしてクインティア先生も来てたりするの?」
/
・・・って無視ィ!?
\
「ああ、来てるぜ!ッつうか、俺達の担任だぜ」
/
あんた達 、私を誰だと思ってるの!?
\
「え!!担任ってどういう事!?どうやって・・・」
/
私は次期生徒会長白金ルナよ!私を敵に回して困るのは・・・!
\
ガラガラーー
嘗ての敵であり、仲間であったスバルとジャックは、ルナのガヤを気にすることなく話に花を咲かす。
そこへ、教室のドアを開けて教卓へと向かう一人の女性が。
「ホームルームの時間よ。皆席に着きなさい」
クインティア。
ジャックの姉であり、同じくディーラのメンバーだった。
彼女も暁シドウの計らいにより、司法取引を交わして現在に至る。
「今日から転校生として、ジャックがこのクラスに通うことになったわ。そして私も担任としてクラスを任されることとなった・・・文句のある人間は?」
ゾクッ!
「「・・・・・・」」
「よろしい」
実は一度、スバルの調査の為に、学校へ潜入していた時期があった。
その時、目的のためにクラスの皆と決別し、危害を加えたこともあり、クインティアの鋭い目付きに皆凍りついた。
「ジャック・・・クインティア先生は何・・・?脅しの仕方でも教えに来たの・・・?」
「大丈夫だスバル・・・!他にも色々教えてくれるぜ?恐喝とか、精神的配下に置く方法とか・・・」
「それ何の教養!?教養じゃなくて強要になってるよ!」
「ここだけの話、オレがこのクラスになったのも 、姉ちゃんが担任になったのも、WAXAの権力をもろに振りかざしてやったからんだぜ!」
「権力乱用!?」
新学期早々、衝撃的な出会いや出来事に、変わらずにあったジャックとクインティアに喜びを感じるも、ただただ苦笑いするしかなかったスバル。
『コイツら反省してねぇな!ヤレヤレだぜ』
「ウォーロックが言うなッ!!」