剣魂    作:トライアル

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 前回言うのを忘れていましたが、ユージーン(赤) 万斉(青) アリシャ(黄) サクヤ(緑) また子(桃) フィリア(黒) 変平太(茶)って、戦隊っぽいですよね(笑)



前回のあらすじ
 遂にマッドネバーの親玉であるオベイロンの元に辿り着いた万事屋一行。彼の打ち立てた最終計画を食い止めるべく、六人と一匹は全力でオベイロンの変身したアナザーエターナルに挑んでいく。
 一方でシウネー、真選組、桂一派、超パフューム(SAO女子陣)一行は、幾度と戦ってきたダークライダーと再び対峙。今度こそ決着を付けるべく、激闘を繰り広げていた。
 さらにはフィリア、領主達、鬼兵隊の面々は、マッドネバーの幹部怪人達と一戦を交わしている。復讐、奪還、正義、因縁の決着と、世界樹内にて様々な想いが交差しながら、各々が全力の戦いに身を投じるのである。


第八十六訓 激突!妖精王と悪しき戦士

 場面は執務室へと繋がる通路の分かれ道から始まる。ここでは鬼兵隊、領主、フィリアの連合チームが、集結した幹部怪人達と壮絶な戦いを繰り広げていた。彼らの目的はいわば時間稼ぎが主であり、怪人達の撃破ではない。故に体力を温存させながら、戦況を見極めつつ戦うのだった。

「フッ、ハァァ!!」

 手始めに来島は辺りへ二丁拳銃を乱射し、自身は勢いよく後退していく。彼女は近距離戦をなるべく避けながら、相手のけん制や怯みを与える補助的な役割に徹していた。

「今っすよ! 万斉先輩!」

「了解した」

 その隙に彼女は、仲間である万斉に指示を加えていく。彼はこちらへと歯向かう幹部怪人に対して、相手の動きを封じる強固な糸を三味線から放出。

「ハァ!」

 複雑に絡み合わせて、徐々にダメージを与えている。

 鬼兵隊の二人が上手く立ち回っている中、武市はと言うと……

「お二方、頑張ってくださいー」

「って、何一人休んでいるっすか! 武市先輩!」

「こう見ても戦闘向きでは無いのは、アナタ方も分かっているでしょう。少しばかりの休憩です」

「そんな暇があるなら、アンタだけでも晋助様を探してこいや!!」

物陰に隠れてひっそりと休んでいた。自分なりの言い訳を羅列するが、来島はもどかしさを感じつつツッコミを入れている。

 無論戦っているのは、彼らだけではない。武市とやり取りする傍らでも、領主達は果敢に足止めを行っている。

「って、油断していると危ないよ!」

「すかさず周りを見ろ! こやつらを止めるだけで良いのだ!」

 鬼兵隊に対しても躍起を飛ばすアリシャとサクヤ。そんな二人は接近戦を展開しながら、相手の動きを止めることに注視している。前者は小刀やカギ爪、後者は刀で幹部怪人の大群に応戦していた。

「フッ! ハァァ!!」

 一方のユージーンも、容赦のない攻撃を次々に繰り出していく。大剣を振るいつつ、確かな攻撃を怪人達に与えていた。

 そしてフィリアも、宿敵とも言えるナイトローグを相手取っている。

「ヤァ!」

「くっ! この小娘……本気を出しおったか?」

「私の怒りはこんなもんじゃないよ! 絶対に……許さないんだから!」

 勢いに押されるナイトローグに対して、彼女はその流れを完全に自分のものにしていた。自身を勝手に研究材料にされたこと。勝手に擬態され、仲間を欺かれたこと。思い返すとロクな目に合っていない。だからこそ、その悔しさを果たすためにフィリアは戦うのだ。

 

 

 

 

 

 

 足止めを行う幹部怪人と戦いを続けるフィリア達。だがその傍らでは、密かに世界樹へと侵入していた妙らに大きな動きが起きている。

「ん? おい、みんな。アレを見ろよ」

「アレ? そこにある部屋のことか?」

 世界樹内の廊下を渡り歩く過程で、長谷川がとある部屋の存在に気付く。九兵衛ら仲間達にも伝えた矢先、部屋のドアが勢いよく開いていた。

「おい、緊急の招集がかかった。ここは置いて行くぞ」

「あぁ。だが本当に良いのか?」

「反乱分子の排除が先らしい。最上階に全て集まっているとのことだ」

「了解」

 その正体は部屋の見張りをしていたライオトルーパーが二体。共にオベイロンの指示を優先して、指定された場所まで向かうという。折角の任された仕事を放棄してまで。

「何だ、今の?」

「戦闘員さん達が慌てているように見えましたが……」

「だがこれで部屋に入れるようになったな」

 ライオトルーパー達の不可解な行動に疑問を覚えつつも、部屋ががら空きになったことは好機として捉えている。ジュン、タルケン、テッチらが次々に声を上げると、仲間達もその声に賛同していた。

 こうして一行は周囲に気付かれないよう、がら空きになった部屋に忍び込んでいる。そこで彼らが発見したものは、マッドネバーの研究材料の数々。どうやらここは倉庫として使われている場所のようだ。(厳密に言うと、ユイらが訪れた部屋と同じである)

「これは……倉庫?」

「こんな早くに改造していたとはな」

「どうやら装置や兵器の設計図が多数を占めているようですね」

 見るからに怪しそうな物の数々に、疑問を強めていくあやめ、月詠、たまら。興味深く辺りを見渡していく中で、妙はとある資料を見つけ出す。

「ねぇ、これって。相手を脅すのにぴったりじゃない?」

「脅すだと?」

「いきなり物騒な言葉が出たわね。何を企んでいるの?」

「フフ。それはね……」

 切り札とも言うべき代物が見つかり、薄ら笑いを浮かべる妙。そんな彼女に若干引き気味となるエギルやノリら。果たして彼らが見つけたものは……?

 

 

 

 

 

 

 そして執務室では、マッドネバーの長ことオベイロンとの、ユイを懸けた戦いが繰り広げられている。彼と対峙するのは、銀時、キリト、新八、アスナ、神楽、ユウキ、定春の六人と一匹。仲間達がダークライダー達と交戦する中、彼らは全身全霊でオベイロンの変身したアナザーエターナルと一戦を交えていく。

「はぁぁぁぁ!!」

「やぁぁ!!」

「フッ……こんにゃろ!!」

 勢いに乗って攻撃を与えるのは、銀時とキリト。共に木刀や長剣を振るいながら、アナザーエターナルへ次々とダメージを与えていく。それでも致命的なダメージは振るえず、どちらも互角の戦いを展開していたが……

「いい加減諦めやがれ!」

「諦める……そんな言葉は僕の辞書には無い!」

〈インセンス! マキシマムドライブ!!〉

一念発起が如くアナザーエターナルは、Iのイニシャルが描かれたメモリの力を発動。武器であるガイアキャリバーに装填して、その力を遺憾なく行使していく。

「ん? うわぁ!?」

「銀さん!? くっ……」

 すると彼の頭上には、巨大なハンマー型のエネルギー波が出現。銀時とキリトに襲い掛かり、彼らを場から遠ざけてしまった。(イノセンスの意味は無罪。ハンマーを使用した攻撃から、判決及び裁判に関係したメモリだと思われる)

「フハハハ! 君達には何をしても無駄だ! 僕にはこのメモリがあるのだからな!!」

 多彩な技を放つガイアメモリの力を過信して、存分に自身へ陶酔するアナザーエターナル。早くも一方的な勝利を確信した時である。

「それはどうかな!!」

「ワフフ!」

「ウッ!?」

 彼の背後からは、定春に乗った新八が勢いよく突進。定春の体当たりと同時に、新八の振るった木刀によって、やむなしに後退させられてしまう。

「今です、銀さん! キリトさん!」

「おう、任せろ!」

「分かっているよ!」

 その隙に新八は、銀時とキリトへ絶好の機会を伝えていた。彼らは武器を握りつつ、アナザーエターナルとの距離を詰めていき……

「「はぁぁ!!」」

「何!?」

不意打ちが如く斬りかかる。攻撃する隙すら与えない男達の連携攻撃に、彼は思わずたじろいでしまう。

「くっ……小癪な!!」

 しかしこれしきで怯む彼ではない。またもガイアメモリの力を発動し、この逆境を跳ね除けようとしている。

〈クロス! マキシマムドライブ!〉

 次に使用したのは、Xのイニシャルが描かれたガイアメモリ。ガイアキャリバーに装填すると、自身を中心に真下には交差した火柱が豪快に立ち始めていた。

「こ、これは!?」

「さぁ、奴らにダメージを与えろ!!」

 万事屋一行が困惑する中、火柱は何の前触れもなく連鎖するように爆発する。彼らは被弾しないよう、火柱を避け続けるしかなかった。このままでは、彼に攻撃することもままならない。

「フハハハ! 地獄の業火に焼かれるが良い!」

 とてっきり自身の攻撃が成功したと確信するアナザーエターナルだが、

「さて、ここで態勢を――」

「「「甘い!!」」」

「ん? はぁ!?」

意外にもこの爆発を上手く潜り抜けた者がいた。彼が振り返るとそこには、神楽、アスナ、ユウキの女子達が、アナザーエターナルに向かって襲い掛かろうとしている。どうやら神楽の持っていた仕込み傘が、火柱や爆発から身を守ったのだ。どちらにしろ、アナザーエターナルの思い通りにはさせないのだ。

「ホワチャァァ!」

「いっけぇぇ!!」

「グフ!?」

 先制攻撃と言わんばかりに、まずは神楽とユウキが傘や片手剣を用いて、左右にそれぞれ斬撃を浴びせていく。

「ユイちゃんを……返しなさい!!」

 そしてアスナは自身の想いを高ぶらせながら、アナザーエターナルへ次々にレイピアで刺し続けている。ヤツを倒すためならば、徹底的に張り合う所存だ。

「そうアル! テメェの野望には使わせないネ!」

「降伏しないなら、僕らは最後まで抗うよ! アンタにね!」

 さらにはアスナの猛攻に加えて、神楽やユウキも応戦していく。女子達の隙を与えない攻撃の数々に、押され気味のアナザーエターナルだったが、

「ふざけるなぁ!」

〈アンブレラ! マキシマムドライブ!〉

ここでまたもメモリの力を解き放ってきた。Uの描かれたガイアメモリを、ガイアキャリバーに装填すると、

「キャ!」

「うわぁ!?」

アナザーエターナルの目の前に傘で出来た防壁が出現。どうやら一時的に、自身の身を守る効果のようだ。だがこれによって、彼女達の勢いは一瞬にて途切れてしまう。

「うぅ……やっぱりあのメモリも如何にかしないと!」

「幾ら攻撃をしても、メモリの力で遮られちゃ意味はないわね……」

「アレを奪い取るアルか?」

 一連の戦いを鑑みて、ユウキ、アスナ、神楽らは、アナザーエターナルの持つメモリを最大の脅威として捉えていく。願わくば剣こと奪い去りたいが……事はそう簡単には上手くいかない。神楽もその厳しさを理解している。

 一度万事屋一行は体制を立て直すために集結する中、アナザーエターナルはまたもメモリの力を行使していく。

「ここで決めてやらぁ!」

〈ヤト! マキシマムドライブ!!〉

「夜兎アルか!?」

 次に使用したのは、Yのガイアメモリ。ヤトとはもちろん夜兎のことであり、神楽の種族でもある。皆が未知なる攻撃に警戒する中、アナザーエターナル渾身の攻撃が遂に繰り出されていく。

「くらえぇぇ!!」

「って、みんな! 避けろ!」

「まさか!?」

 彼はガイアキャリバーを縦横無尽に振るい、強力な力をまとった衝撃波を辺り一面へとぶつけている。万事屋一行はその衝撃波から避けるために躍起となるが、広範囲に衝撃波が渡っているためか、大なり小なり被害を被ってしまった。

「うわぁ!?」

「きゃ!?」

「くっ!?」

「うぶ!?」

 四方八方に皆は吹き飛ばされてしまい、思わぬ怯みを与えられてしまう。銀時やキリトはユイが囚われている装置の手前まで飛ばされていた。

「おい、大丈夫か。キリト!」

「なんとかな……だがあのメモリをまずは如何にかしないと」

「このままユイも連れて行けねぇからな……どうすれば」

 互いに目立った外傷はないものの、このまま戦えば勝ち目は遠いのも無理はない。仲間達がめげずに戦いを再開していく中、二人はじっくりと作戦を練り始めていく。

 そんな時である。

「パパ……銀時さん……」

「ユ、ユイ……!? ユイなのか?」

「起きたのか?」

「はい。でもそのままにしてください。あの人に気付かれないように……」

 なんと気絶していたはずのユイが、二人に話しかけてきた。思わぬ展開に困惑するキリトらだったが、一切顔色を変えずに話しかける彼女の行動から、二人も空気を察する。彼女の言う通り、アナザーエターナルへ気付かれないように話しかけていく。

「分かった。何を言いたいんだ?」

「私に考えがあるんです。アルヴドライバーを使えば、この状況を打破できるはずです」

「だがそれは、お前にしか使えないんじゃ」

「だから私が使うんです。この装置を内側から破壊するんです」

「本当に良いのか……? それじゃユイの体力は、持たないんじゃないのか?」

「大丈夫です。自分の限界を越えないようにしますから。私を信じてください……パパ、銀時さん」

「……分かったよ。無理だけはしないでくれ」

 簡略的な話し合いの末に見えたのは、ユイの確かな覚悟である。ただ守られるだけではなく、きちんと役割を全うする仲間としての使命を露わにしていく。何よりもアルヴドライバーを使用できるのは現時点で彼女のみであり、その仕様を存分に生かそうとしていた。

 ユイなりの覚悟にキリトや銀時は最初こそ受け止められなかったが、彼女の愚直な想いを信じ、隠し持っていたアルヴドライバーとヘイセイジェネレーションメモリを渡す。これにて全ての準備は整う。

「よし、キリト。後は時間稼ぎだ!」

「ユイの覚悟は、絶対無駄にはするか……!」

 こうして二人は、再びアナザーエターナルとの戦いに身を投じていくのだ。ユイの事情を知っているのは二人のみであり、より一層彼女の作戦を守ることに一つ一つ隙間なく注視していく。

 一方のアナザーエターナルは、万事屋との人数差をガイアメモリで補いながら、有利に戦いを進めようとしていた。だが若干慢心しているせいか、ユイが目覚めたことや一人で作戦を遂行していることには一切気付いていない。

「今です……!」

 ユイは警戒心を震わせながら、単身ヘイセイジェネレーションフォームへと変身。変身音が漏れないように、一生懸命ドライバーの音声発生部分を抑え込んでいる。マントをまといつつ、次なる作戦の準備に取り掛かっていた。

 そんな最中に、アナザーエターナルとの戦いにも大きな動きが生じている。

「はぁぁ!」

「うっ……! あっ、しまった!!」

 度重なる猛攻に押されてしまったユウキの懐から、一本のガイアメモリが彼の手に渡ってしまう。奪われたのは、Lが描かれたリードガイアメモリ。このメモリの効果はと言うと、

「貴様が持っていたのか……このメモリは!」

〈リード! マキシマムドライブ!!〉

「えっ!? なんで!?」

「メモリが飛んで行った……?」

バラバラのメモリを自身の手元に全て集めることが出来るものだ。さながら原典の仮面ライダーエターナルが所持していた、ゾーンメモリと同じ効果を発揮している。ユウキが隠し持っていたメモリも、リードメモリによって全て彼の手元に戻ってしまった。

 アナザーエターナルの持つガイアキャリバーには、とうとう全てのガイアメモリが装填される。

〈Aアルヴヘイム! Bバズーカ! Cキャリバー! Dドラゴン! Eエリザベス! Fフェアリー! Gゴリラ! Hホームレス! Iインセンス! Jジョウイ! Kカラクリ! Lリード! Mマヨネーズ! Nネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲! Oオンライン! Pピクシー! Qクエスト! Rラビット! Sソード! Tトレード! Uアンブレラ! Vバーチャル! Wウッドソード! Xクロス! Yヤト! Zゼッカイ! マキシマムドライブ!!〉

 装填と共にガイアキャリバーからは、有無を言わさずに音声が鳴り響いていく。壮観……と言うよりは雑音に近しいものだろう。

「って、やかましいアル!」

「何か変な音声も混ざっていませんでしたか!?」

 神楽は耳を抑えて文句をぶつけており、対して新八も一部の変てこな音声を聞いてついツッコミを入れてしまう。そんな感想はさておき、万事屋にとっては恐れていた最悪の結果を迎えてしまう。

「ごめん、アスナ。僕の不手際で……」

「気にすることは無いわよ。今はあの剣を破壊しないと……!」

 最後の一手を許してしまいユウキは責任を感じるも、そんな彼女をアスナが優しく励ましていく。いずれにしろ、この展開は予期されていたこと。皆はアナザーエターナルの好きにさせないよう、必死に妨害しようとする。

「てめぇら! 意地でもあの野郎に食らいつくぞ!」

「何としてでも、時間を稼ぐんだ!」

「おうネ! って、時間稼ぎ?」

 銀時やキリトの指示の下で、仲間達のそれに賛同していく。神楽はキリトの言い方に少しばかり引っ掛かっていたが……。それはさておき、六人と一匹は一心不乱にアナザーエターナルの元まで走り出す。

「小癪な奴等め……最強の力を手に入れた僕の攻撃を受けるが良い!!」

 鬱陶しく感じながらも彼は、渾身の一撃で万事屋全員を倒そうと試みている。ガイアキャリバーにまとったオーラを振るい、金色の衝撃波を彼ら一帯に浴びせていく。

「「「はぁぁぁぁ!!」」」

「「「やぁぁぁぁ!!」」」

「ワフフ!!」

 各々が武器を盾にして、この衝撃波を押し返そうと踏ん張りを見せている。定春も頭突きをするように、応戦していた。いわば根性論で乗り切ろうとしており、度重なる戦いからきっと打ち倒せるとアナザーエターナルは思い込んでいたが……

「無駄だ! 無駄だ! 全てのガイアメモリを込めた、僕のとっておきの一撃だぞ! お前達が勝つなど、これっぽっちも無いはずだ!!」

「これしきで俺達が……!」

「負けてたまるかよ……!」

「僕達はこの星の希望だ!」

「諦めないわよ……絶対に!!」

彼らは予想以上に踏ん張りを見せている。キリト、銀時、ユウキ、アスナと次々に自身の決意を声に上げると、次第に衝撃波の勢いは弱まっていく。そして、

「これで終わりネ!」

「「「はぁ!!」」」

なんと彼らは強力な衝撃波を相殺。見事にそれを受け流している。辛くも体力は消耗したものの、大きなダメージを受けることなく、難を逃れることに成功していた。

 万事屋やユウキの踏ん張りには、アナザーエターナルにとっても想定外であり、思わず困惑を口にしている。

「な、な、何だと!? 僕の最高火力の必殺技だぞ!! 計算上はどんな相手だって……!」

「ギャギャー、やかましいわ。机上の空論で語るから、テメェはダメなんだよ!」

「理屈ばかりじゃ出来ないこともアルネ! それをお前は分かってないアル!」

「ワン!」

 言い訳ばかりを呟く彼に対して、銀時や神楽らは率直な一言で返していく。能力値で誇るのではなく、それを上手く使いこなすことが重要だと彼らは説いていた。アナザーエターナルとの明確な考え方の違いを、この場で露呈している。

 だが肝心の本人は、事の本質を理解せずに自分勝手な解釈で自身を都合よく肯定化していく。

「おのれ……おのれ! おのれ! 良いから黙って、僕の前に跪むけ!! このポンコツ共が!!」

 万事屋やユウキに罵倒の言葉を投げかけながら、またしても衝撃波を解き放とうとした――その時である。

〈ジオウ! スレスレシューティング!!〉

「ハァ!」

「ん……ぐはぁ!?」

 彼の真横から飛んできたのは、正体不明の光弾。ふと振り返るとそこには、ヘイセイジェネレーションフォームに変身したユイの姿があった。彼女の手には、ジオウの武器であるジカンギレード(ジュウモード)が握られている。先ほどの光弾はこの武器から発射されたもののようだ。

 ここでアナザーエターナルはようやく、ユイが自身のまったく知らない力を使用している事実に気付いている。覚悟を決めた表情となるユイに対して、アナザーエターナルは仮面の中で取り乱した表情と化していた。

「お、おい……! なんだその力は……!! これは僕の開発した装置じゃないか……! この盗人!! これは僕の……!」

「いいえ、違います!! この力は……ライダーさん達が私に託してくれた希望なんですよ! アナタの自己満足のためのおもちゃじゃないんです!!」

 動揺しつつも薄汚い言葉を羅列していくアナザーエターナル。哀れさを漂わせる彼に対して、ユイはしっかりとした決意を声に出していく。

 形勢逆転。アナザーエターナルに真っ向から言いくるめるユイの姿に、万事屋一行やユウキも感銘を受けている。

「ユイちゃん……って、あの姿は何なの?」

「アレは、ユイなりの覚悟の姿だよ」

「覚悟の姿……」

 ところがアスナ、ユウキ、新八、神楽の四人は、ユイがヘイセイジェネレーションフォームに変身出来ることを知らないため、感激と同時に困惑も覚えている。彼らには銀時、キリトが説明に当たった。

 万事屋側からすれば希望。アナザーエターナル及びマッドネバー側からすれば絶望の、ヘイセイジェネレーションフォーム。するとユイはためらうことなく、とあるライダーの必殺技でこの戦いに終止符を打とうとしている。

〈オーズ! タマシ―パワー!!〉

〈タカ! イマジン! ショッカー! タマシー! タマシー! タマシー! ライダー……魂!!〉

 左腕に付けられたブレスレットから選んだのは、仮面ライダーオーズのタマシ―コンボの必殺技。両手にエネルギーを溜めていき、それらを解き放つ一撃で目の前にいる装置を粉砕しようとしていた。

「な、何をする!! ふざけた真似は止めろ!!」

「止めません! アナタの野望は……私達の手で終わらせます!!」

 一段と動揺するアナザーエターナルは、ユイに必殺技の停止を促していく。だがしかし、当然ながら彼女の意思は変わらない。

「このクソガキ……! 良いから僕の言うことを聞け――」

「させるかよ!」

「彼女の邪魔はさせないよ!」

「ワフフ!!」

 苛々を募らせていき、アナザーエターナルは力づくで彼女を止めようとする。ところがそんな彼を、万事屋やユウキは必死に食い止めていた。ユイの行動を信じて、彼女の補佐に準じていく。

(この装置は研究室の資料通りなら、恐らく限界値があるはずです。だとすれば最高火力のこの必殺技ならば、受け止められないはず……大丈夫です!)

 ユイも心の中にて、自身の作戦を振り返る。彼女は研究室に忍び込んだ際の資料を基に、この作戦を思いついていた。本来はガイアメモリと自身の持つエネルギーを利用して作動する装置。だとすればその装置に負荷がかかるほどのエネルギーを与えれば、むしろ破壊が可能だと推測している。僅かな時間の中で万事屋らが時間稼ぎしたことで、ユイにとってぴったりの方法が見つかったのだ。

 そして遂に――作戦は実行へと移されていく。

「行きます……必殺! 魂~ボンバー!!」

 ユイの両手から解き放たれたのは、メダルの形をした眩い衝撃波。

「セイヤ―!」

 それは彼女の掛け声と共に、二枚追加されていく。タカ、イマジン、ショッカーのタマシ―コンボを形成する三枚のメダルの紋章が重なり合い……オベイロン傑作の装置へと直撃。無論この膨大なエネルギーを受け止められることが出来ず、

〈バ、バ、ババドーン!!〉

「あっ……あぁぁっぁぁ!!」

豪快な音を立てながら破壊されてしまった。装置一面に火炎が散っており、傍から見ると面影すらない。自身の製作した装置が粉々に破壊された様子に、アナザーエターナルは大発狂してしまう。

 一方で万事屋やユウキは、ユイの安否が気になって仕方がなかった。

「ユイ!?」

「ユイちゃん!? 大丈夫なの!?」

 目に見えるのは装置から炎々と舞う火の粉。それらが辺りに飛び散り、世界樹にも燃え移ろうとした時だった。

〈フォーゼ!!〉

〈キバ!!〉

 突如として、またも金色の扉から二人の仮面ライダーが出現する。前方に年号が描かれており、2008からは仮面ライダーキバ(バッシャーフォーム)。2011からは仮面ライダーフォーゼ(ファイヤーステイツ)。属性は違えど、消火に適したライダー達が登場している。

「ウェイクアップ!」

〈リミットブレイク!〉

「いけぇぇ!!」

 キバは武器である片手銃バッシャーマグナムから水疱を連射。フォーゼも消火器を模した銃、ヒーハックガンで辺りに消火剤を散布していた。彼らの手早い消火活動によって、火の粉は瞬く間に鎮火。世界樹へと燃え移る前に防ぎきることが出来ていた。

「こ、これって……」

 またも登場したライダー達を見て、呆気にとられる万事屋やユウキ達。特にアスナ、新八、神楽、ユウキは初めて平成仮面ライダーが召喚する様を見て、増々驚きを見せている。

 気になって声へかけようとした時、ようやくユイが姿を見せていた。

「ありがとうございます、ライダーさん!!」

 鎮火した装置からひょっこりと出てきている。彼女は必殺技を放った直後、消火に適したライダーを召喚していたのだ。危機管理もしっかりとこなす、彼女の気真面目さが垣間見えた瞬間でもある。ライダー達もしっかりアイコンタクトをとり、金色の扉を介して姿を消していた。

 ようやく一つの区切りが付いた、マッドネバーの恐るべき計画。その顛末は強大な力に自惚れたオベイロンと、最後まで諦めることの無かった万事屋やユウキ達によって、呆気なく失敗に終わっていた。計画を阻止するために第一線で活躍していたユイは、その役目を終えて安どの表情を浮かべている。

 一安心した彼女は変身を解除。羽織っていたマントが消失したところで……

〈バサァ!〉

「ユイ!」

「ユイちゃん!!」

力を使い果たして倒れこんでしまう。すかさずキリトやアスナが心配して、一目散にユイの元に駆け寄っていた。そのまま彼女へ話しかけてみたところ、すぐに本人は調子を取り戻していく。

「大丈夫です、さっきよりは。ちょっと張りすぎちゃいましたかね……」

「そんなことは無いわよ。助けてくれてありがとうね……」

「よくここまで頑張ってくれたな」

「もちろんです! だって……絶対助けに来てくれるって信じていましたから!」

 ユイのあどけない笑顔並びに普段通りの優しさに触れていき、キリトやアスナは安心感を覚えて、感涙に浸っている。ようやく叶った大切な子との約束。三人はそっと抱きしめあい、少しの間だけ素直な気持ちで触れ合っていた。

 感極まった三人の再会を、万事屋やユウキは遠くからそっと見守っている。

「いやー良かった、良かった! アッスーさん達の探し人と再会できて」

「一時はどうなるかと思ったけどな」

「これもユイが踏ん張ってくれたからネ!」

「怖かっただろうに。よく耐えてくれましたよ」

「ワン!」

 互いに心地よさを覚えつつ、一つの壁を乗り越えたことに達成感を覚えていく。ユイの勇気に感服しながらも、彼らは残された問題を片づけるべく、憔悴しきっているアナザーエターナルに目を向けている。キリト、アスナ、ユイも万事屋らと同じ方向を向いていた。

「これでアナタの計画は終わりよ! オベイロン!」

「いい加減お縄に付くアル!」

「囚われた人達も返してもらうよ!」

「そうだ、そうだ! テメェが諦めたら長編も綺麗に終わるから、とっとと心を折りやがれや! もうこちとら、働きたくねぇんだよ!」

「って、どさくさ紛れに何本音をぶちまけてんだ! そんなことで、あの男が諦めるわけないでしょうが!」

 威勢よく断念を促すアスナ、神楽、ユウキに対して、銀時は元も子もない本音で、マッドネバーの野望を諦めさせようとしている。その理由はただめんどくさくなっただけであり、あまりの正直さに新八もすかさずツッコミを入れていた。

 ただどんなに冗談を言おうとも、アナザーエターナルいやオベイロンは簡単に諦めない。彼は一度変身を解除すると、声高らかに開き直っていた。

「……まだだ! まだ僕は終わっていないぞ!」

「何!?」

「例え装置が壊されても、また作ればいいではないか! それに僕には作り出した怪人達、果てはダークライダーまでいるのだぞ! これしきの事でくたばる我ではない!!」

「……どこまで往生際が悪いんだよ」

 自身に都合の良いことを羅列するオベイロンの態度に、キリトも思わず呆れ果てている。だが彼の言ったことにも一理あり、装置を破壊したところでまだアルンに脅威が消えたわけではない。幾らでも再興する可能性はあるのだ。

 さらに彼は隠し持っていた切り札を、万事屋一行に惜しげもなく見せびらかしている。

「それにこれを見ろ!」

「あん? なんだソレ? どっかのカギアルか?」

「そうだ! これは二つの装置を保管している部屋のカギだ! いわば僕は、この街の住人を全て人質に取っているようなものだ!」

「てめぇ……今更そんな姑息なやり方使うのかよ」

「どこまで卑怯な手を使うんだよ!」

「うるさいっ! 所詮は勝てば良いのだよ、勝てば! さぁ、今すぐ僕に降伏しろ! さもないと……こいつらの命は無いぞ!」

 その正体は装置を保管している部屋のカギだった。彼はこれを人質として活用しており、恥もへったくれもなく万事屋一行へ脅しをかけている。あまりにも傍若無人な態度に、銀時、キリトらはもう呆れを通り越してしまう。それでも人命が懸かっているので、険し気な表情は浮かべている。彼が調子付く前に、カギを奪還しようとした時だった。

〈ヒューン!〉

「ん? 何!?」

 オベイロンの手元に突如として、金色の物体が襲い掛かってくる。不意に彼はカギを落としてしまい、それは金色の物体に乗っかったまま、入り口付近まで運ばれていた。

 金色の物体の正体は煌びやかなハンマーであり、とある人物の所有物である。その人物は手元に戻ったハンマーを持ちながら、不意打ちが如く奪ったカギを手にしていく。

「なるほど。どうりで装置が見つからなかったわけですか。しかし……これで民達の安全は確保できそうですね」

「き、貴様はぁぁ!!」

 ハンマーの持ち主を目にした途端、オベイロンは人が変わったように発狂して いる。一番目の敵にしていた人物が、自分の前に姿を現したからだ。

 その正体は……ALO星の王女であるフレイアである。彼女は真剣な表情を浮かべながら、オベイロンの姿をぎょっと睨みつけていた。

「王女様! ご無事だったのですね!」

「ユウキも、よくぞここまで頑張ってくれましたね」

「はい! ですが姫様。道中までまさか一人で来られたのですか?」

「いいえ、そんなことはありません。私にも手助けしてくれる方がいたのです。」

 一方でユウキはフレイアを見るや否や、彼女に寄り添いつつ、丁寧に無事を確認している。多少の汚れはあれど、大きな怪我は無かったことに一安心していた。普段通りのユウキの優しさを目の当たりにして、フレイアもつい安心感を覚えている。

 二人の妖精達が会話を交わす中、一行はフレイアの存在に多少なりとも驚いていた。

「王女ってどう見ても……」

「フレイアさんよね?」

「やっぱり似ていますよね」

 キリト、アスナ、ユイは元の世界で出会ったフレイアを思い起こし、

「なんだ、お前らの知り合い……いや、そっくりさんか?」

「またアルか。どんだけで偶然が重なるアルか!」

「まぁ、ALO星ですからね……」

「ワフ?」

銀時、新八、神楽、定春は、またもそっくりさんが登場したことにツッコミを入れている。キリトらは素直に驚けるから良いが、万事屋にとっては何のこっちゃまったく分からないので反応に困ってしまう。

 とそれはさておき、王女様が来たとならば頼もしいことに変わりはない。ましてやオベイロンの渾身の切り札も隙を見て奪取し、早くも大金星を彼女は上げていた。

 流れが万事屋側に吹く中、オベイロンは地団太を踏みながらフレイアを糾弾する。

「おい、何故お前がここにいる! どうやってここに忍び込んだ! なんでここまで辿り着くことが出来たのだ!!」

 言葉の一つ一つに必死さがひしひしと伝わっている。窮地に追いやられている彼に、フレイアは冷静沈着に対応していた。

「言ったでしょう。あるお方の力を借りたと。私も気乗りはしませんでしたが……これも民を守るためだったです。きっとアナタにも縁のある人物でしょう」

「何?」

 彼女曰く、とある協力者の手を借りてここまで来たらしい。縁がある人物だと聞き入れ、オベイロンは微かにある男を頭に浮かべていた。その予感はすぐに当たる事となる……。

 するとフレイアに続いて、執務室に彼女の協力者が堂々と入り込んでいく。

「その通りだ。けれどまぁ、来てみれば見知ったかまでいるとは思わなかったぜ。こりゃ楽しい祭りになりそうだ。いや、血祭の違いか?」

 聞こえてきたのは、艶のある低い男性の声。物騒な言い回しを口にして、場を一段と騒然させてしまう。

「この声ってまさか……!?」

 その声を聞き入れると、一行は各々がまばらの反応を示す。キリト、ユイはどこか懐かしさを感じ取り、アスナやユウキは目の前にいるオベイロンと声質が似ていることへ密かに驚く。そして万事屋は、

「はぁ!?」

「おい、ちょっと待つアル!」

「やっぱり近くにもういたのか……」

珍しい客人の登場に心を震わせている。ちょうど目の前にて見えたのは、過去に一戦を交えた相手。一言では語りつくせない因縁の相手であり、ただならぬ警戒心を灯している。

 その男の名はと言うと、

「た、高杉晋助ぇぇぇぇ!?」

「久しぶりだな、オベイロン。ようやくテメェの無様な顔芸が見れて、俺も嬉しいぜ」

鬼兵隊の総督高杉晋助だ。彼の姿を見るや否や、オベイロンは気が狂ったかのように発狂。一方の高杉は顔色を一つ変えることなく、冷血な表情でオベイロンを睨みつけていた。

 唐突な危険な男との遭遇。場に緊張感が走る中、万事屋内でも反応は様々である。

「高杉さん……」

「本当に久しぶりに会うな……」

 キリト、ユイは以前に会った出来事を頭に浮かべつつ、変わらぬ彼の雰囲気に何とも言えない気持ちを浮かべていた。

「アレが鬼兵隊のリーダー……」

「何か知らないけど、危険な雰囲気がするよ……」

 さらにアスナやユウキはと言うと、一発で高杉が理解しがたい人物であると察し。険しい表情を浮かべて、彼の行動に注視していく。(因みにアスナは次元遺跡篇にて、別の世界の高杉と出会った経緯がある。密かに頭の中で思い浮かべたものの、声に出すことは無かった)

 そして万事屋はと言うと、例に漏れることなく嫌悪感を示す。

「あの野郎……どういうつもりだ?」

「気を付けるアル、銀ちゃん! アイツなら何をしでかすか分からないネ! きっとあのゴミクズ野郎と手を組むに違いないネ!」

 先走った神楽はほぼ決めつけで、オベイロンと高杉の繋がりを予測。より一層警戒心を高めていたものの……本人から直々に否定されてしまう。

「何を勘違いしてやがるんだ? ここにいるゴミと、俺が再び手を組むなんてことはねぇよ」

「いや、ご丁寧に答えてくれたよ。ていうか、アンタもゴミ呼ばわりかい! どんだけ嫌っているんですか!?」

 あまりにも率直すぎる一言に、新八も高らかにツッコミを入れている。高杉もオベイロンを否定的に捉えており、不機嫌そうな表情から真に嫌っている節が見受けられた。この一言には、万事屋一行も素直に驚いている。

 とそれはさておき、高杉は銀時との距離を保ちながら、彼の視線を睨みつけていく。銀時もまた彼に睨みを利かせており、絶妙な雰囲気を醸し出している。

 一言では語り尽くせない二人の関係。思わぬ場所で再会した彼らは……意外にも冷静さを保ちつつ、言葉を交わしていく。

「まぁ、いいさ。銀時ィ……テメェと話したいことは多々あるが、ちとこちらもやりたいことがあってなぁ。今回ばかりはテメェに関わっている暇は無いのさ」

「うるせぇよ。わざわざ言わなくても、こっちから願い下げだ。チキショー」

「分かっているじゃねぇか」

 肝心の決着を付けたいところだが、共に今はそれどころではない。どちらともオベイロンを敵視しており、彼を倒すために躍起となっている。意外にも目的が一致している二人の侍。だがそれでも、そう簡単には共闘しない。

 そんな最中に高杉は、キリトやユイに向けてボソッと声をかけている。

「まぁ俺も、とんだ腐れ縁に引っ掛かっちまったけどなぁ。これで貸しはチャラにしてやらぁ」

「えっ? 高杉さん……!?」

 その真意は貸しを返すことにあり、少なくともキリトらには約束を果たす模様だ。銀時へツッコミを入れられないように、擦れた小声で発していたが。

 とその一件はさておき、高杉は再びオベイロンへ目を向けている。

「おい、オベイロン。俺の仲間を幽閉させたこと、身をもって償ってもらうぞ。命を懸けて勝負するか、自ら首を斬られに来るか……どっちでも好きな方を選びやがれ」

 しっかりと自身の目的を語った上で、仲間を苦しませた罰を与えようとしていた。幽閉された仲間を解放すること。それこそが彼の目的である。ユイやフレイアと出会い、道中で寄り道はしたものの、その意思は決して揺らぐことは無かった。

 そう真剣な表情で高杉が発すると、フレイアも続けて声を上げている。

「どちらを選ばなくとも、アナタはすでに終わっています。アルンに住む民や仲間。訪れた観光客を危険な目に遭わせたことを……私は絶対に許しません! さぁ、降伏しなさい!」

 悔しさを滲ませながら彼女は、奪ったカギを握りしめて、オベイロンへまくし立てていた。こちらも高杉と同じく民の解放が目的であり、それが果たされようとしている今、原因を作り出した彼に降伏を持ちかけている。

 星を支配するために作った装置も壊され、人質として利用しようとしたカギも隙を見て奪われ、この数分の間に踏んだり蹴ったりなオベイロン。彼の味方は現在近くにはおらず、時間を稼ぐことすらままならない。だとすれば、オベイロンが出すべき答えはただ一つだ。

「やむをえん……降参しよう」

 そう。言われたとおりに降参である。やけに素直な彼の行動に、一行は皆違和感を覚えて疑っていた。

 顔をしかめるオベイロンの本心を探ろうと、ゆっくり距離を縮めようとした――その時である。

〈カチ〉

「ん? 危ねぇ!」

「避けろ!」

「きゃ!?」

「うわぁ!?」

 状況は一瞬にして一変していた。突如として天井から出現したのは、細長き電流を帯びたオーラ。それにいち早く気付いた銀時、キリト、アスナ、神楽の四人は、近くにいた新八、ユイ、ユウキ、定春ら仲間達を押し出している。その代わり彼ら四人が、オーラ状の物体に捕らわれて身動きがとれなくなってしまった。

「銀さん!? 神楽ちゃん!?」

「パパ!! ママ!!」

「どうしちゃったの!?」

「ワン!?」

 ほんの数秒の間に何が起きたのか変わらず、困惑してしまうユウキら仲間達。心配をよそに、アスナや神楽らは体中にオーラがまとわりつき、麻痺に似た状態異常に苦しめられてしまう。

「こ、これは……ワナか!」

「あの野郎……まだ仕掛けていたアルか!」

「う、動けない……!」

「蜘蛛の巣みたいに絡まりやがって!」

 自力での脱出はほぼ不可能であり、無事だった仲間の手を借りようとも見通しはあまり見えない。ほんの一瞬の隙を突かれて、危機的な状況に陥ってしまった。

 そんな状況下にてフレイアはと言うと、咄嗟に近くへいた高杉のことを手助けしている。

「大丈夫ですか!?」

「急に庇うなや。びっくりす――って、銀時!?」

 どうやら彼はフレイアの手助けによって、オベイロンの罠を危機回避したらしい。だがしかし、高杉はオーラに捕らわれた銀時の姿を見て、思わず困惑を口にしてしまう。

 一瞬の判断が命運を分けたオベイロンの姑息な罠。仕掛けた張本人は反省した様子を前言撤回して、開き直った態度でこの状況を嘲笑っていく。

「フハハ! そうだよ! 僕がこれしきでくたばるわけがないだろう! 捕らえたのは本命ではないが……まぁ良い。僕に逆らったらどうなるのか、とくと味合わせてやろうぞ!」

 可笑しくも高笑いを浮かべながら、今度こそ自身の勝利を確信していた。動けないうちにとどめを刺すべく、彼はとある合図を交わす。

 オベイロンがパチンと指を鳴らした直後である。バリアに隔たれた空間にて、シリカや桂らと戦闘を行っていたダークライダー達が程なく準備を進めていく。

「おい、やるぞ」

「あぁ!」

〈FINALBENT!!〉

〈ウェイクアップ! ツー!〉

〈イエス! フィナーレストライク!〉

〈チェリーエナジースカッシュ!〉

 リュウガ、ポセイドン、ダークキバ、ソーサラー、シグルドと力を合わせた一斉攻撃の構えを繰り出していく。俗に言う連続したライダーキックであり、その標的を現在対峙する侍や妖精達に向けていた。

「みんな! 奴らの必殺技が来るぞ!」

「避けて、受け流してください!」

 ダークライダー達の分かりやすい行動を察して、近藤やシウネーは仲間達に危険を伝えていく。皆もその言葉を信じて、ダークライダー達の次なる行動に注視する。

 だが彼らは気付いていなかった。標的が自分達ではなく、バリアを介した側にいる銀時達へいることに……。

「いくぞ、はぁ!」

「させるか! って……えっ?」

「そっち!?」

 必殺技が来ることに身構えていたクライン達だったが、ダークライダー達が一斉にバリア側へ向いたことには驚嘆している。

 最初こそ想定外な行動に疑問を浮かべていた一行だが、土方はその狙いが自身の仲間へ向けられていることに気付く。

「いや、待て! おい、お前ら! アイツらを止めろ!」

 土方は焦ったように仲間へ呼びかけたが――時すでに遅かった。

〈パキーン!!〉

 魔力で覆いかぶさっていたバリアは瞬く間に消失。大きな音が鳴り響くと共に、バリアの向こう側にいた銀時らの姿が見えていた。

「「「「「ハァァァ!!」」」」」

「「「「うわぁぁ!?」」」」

 ダークライダー達の必殺技を受けて、銀時、キリトらが吹き飛ばされる姿が……。

「……おい、銀時ぃ!」

「キリト!」

「アスナ!?」

「チャイナ!」

 あまりにも 突然の出来事に、仲間達は皆騒然としてしまう。助け出そうともタイミングが間に合うはずもない。

 行動不能を良いことに、五体のダークライダー達の一斉攻撃を受けた銀時ら四人は――凄まじい勢いに押されながら壁を突き破ってしまう。世界樹の最上階から落下した彼らの運命や如何に――




NGシーン

ユイ「いいえ、違います!! この力は……ライダーさん達が私に託してくれた希望なんですよ! アナタの自己満足のためのおもちゃじゃないんです!!」
〈ビルド! ハザードパワー!!〉
新八「おい、なんか色々不味そうだから止めろ!」

ハザードユイちゃん……最恐の鬱展開を起こしそう(笑)





 あー! 良いところで終わってしまいましたね。屋上から落下してしまった銀時、キリト、神楽、アスナの四人はどうなってしまうのでしょうか……?

 今回はアナザーエターナル戦が中心でしたね。これまで苦戦していた万事屋一行でしたが、相手の手の内や癖が分かると状況が一変するところは、数多の戦いを潜り抜けた彼らなりの度胸を感じられたと思います。力を過信して、自身の身勝手な野望のために行使するオベイロンとは大違いですね。

 書いていて分かったことがあるのですが、オベイロンって本当に書きやすいキャラしていますよね。分かりやすい小物というか、幾ら邪悪な事をやっても違和感が無いというか……ある意味素晴らしい悪役だと思います(笑)

 そして今回ユイが装置破壊に使用した技は「魂ボンバー」。実は七十四訓にて練習している様子がありました。まぁ、この技を選んだのはたまたまなんですけれど……

 後は個人的な余談なのですが、この小説の時系列は将軍暗殺篇の前でして、その前に高杉と銀時や万事屋がいつ出会ったかと言うと、紅桜篇が最後なんですよ。結構話数が空いているので、意外に感じました。ということは、結構稀に見る再会だと思っています!(あくまでも二次創作なので、こだわっているわけでは無いのですが……)
 過去の話を見返してみたら、キリトやユイが高杉について銀時らへ話す場面が無かったので(多分そのはず)、どこかの話でこの件について取り上げようと思います。

 さぁさぁ、高杉も戦いに加わろうとしている中、次回はどうなってしまうのでしょうか……? お楽しみに。





次回予告

ドライブ「人々の平和を脅かす悪を倒すために……!」

キリト「あぁ、分かったよ!」

彼らにも託される――自由を守る力!

妙「私達も加わらせてもらえるかしら?」
新八「姉上!?」

ジュン「ようやく参戦ってね!」
ユウキ「みんな!」

集結する仲間達!

高杉「二十九人じゃねぇ……三十人目。俺も戦わせろ」

妖国動乱篇十三 何故万事屋は英雄に認められたのか?
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