ALO星にて繰り広げられているマッドネバーとの戦い。多くの妖精や侍達を巻き込み、戦いはさらに過熱していく。
戦闘が開始されて、早数十分が経った頃。仲間達の尽力もあり、マッドネバーが仕向けた戦闘員や怪人の大半は撃破に至っている。
現在銀時やキリトらの仲間達は、四つの集団に分散していた。マッドネバーの壊滅を目標に、誰しもが諦めずに戦いを続けていく。
「銀さん! 桂さん!」
「高杉さんも!」
「ん? お前らか?」
幹部の怪人達を撃破したばかりの銀時達の元へ、近くで戦っていた仲間達が集結。キリト、アスナ、ユイ、ユウキ、新八、神楽、定春の計六人と一匹である。合流早々に彼らは、今一度互いの状況を共有していた。
「近くにいた怪人達は私達で処理したわ」
「そうそう! 僕とアッスーの力でね!」
「んでも、ダークライダーやあのゴミクズ野郎はどこにも見当たらないアルよ!」
「ここはもう僕達だけで捜索しますか?」
「どうすっか……」
アスナ、ユウキ、神楽、新八と次々に声を上げていく。怪人を撃破したことには申し分ないが、マッドネバーの中心核とも言えるダークライダーやオベイロンの姿は一切見当たらなかった。彼らを見つけるのも重要な役目だと皆が悟っていく。
また新しく作戦を立て直す中で……高杉は一人場を離れようとしている。
「ん? おい、高杉? どこへ行くんだ?」
桂が問いかけると、高杉は後ろを向いたまま答えていた。
「ちょいと野暮用を思い出してな。お前らと組むのはここまでだ」
「って、待てよ! おい!?」
ボソッと呟くと同時に、彼はそのまま去っている。高杉なりの狙いか、はたまたプライドによる意地なのかは知らないが、一行は彼の行動に疑問を浮かべてしまう。
「い、行っちゃいました?」
「まったく不愛想な男の人だね」
「相変わらずマイペースな人だな……」
「ほっとけ、ほっとけ。アイツのいない方が気楽で良いんだよ」
ユイ、ユウキ、キリトと不可思議そうに思ったことを発する中、銀時だけは特に気にしていない。適当にあしらっているが、本心では彼を一応……信じているはずである。
と去り行く高杉は気にせずに、簡易的な作戦会議を始めようとした時だった。ユイがある異変に気付き始めている。
「ん? 見てください、皆さん! アレを!」
「アレ?」
彼女が指を指した方向に振り向くと、そこにはまだ生き残っていた怪人が群れを成してこちらに近づいていた。ワーム(サナギ体)とレイドラグーンである。所謂戦闘員ポジションの彼らだが、その挙動はどこか不審さを極めていた。
「まだ生き残っていたアルか!?」
「ワフ……!」
と警戒しつつも様子を伺っていた時である。怪人達の体に異変が生じていた。
「ダラァァ!!」
「ギィィィ!!」
「うわぁぁ!? 進化した……?」
「怪人にも成長する特性があったのか?」
耳障りな唸り声と共に、怪人達は孵化及び進化を始めている。レイドラグーンは自身の体を捨てて、トンボのような姿になったハイドラグーンへ。一方ワームはサナギから孵化するが如く、成虫型のワームへと進化。クモの特性を持つブラキぺルマワームが二体生まれてしまう。
怪人達の突然の変化に驚きを隠しきれない一行。唖然とする中で、怪人達は襲撃する間もなくその場を逃げ出してしまった。ハイドラグーンの群れは上空へ。ブラキペルマワームは高速で移動して場を離れている。
難を逃れた銀時達だったが、いずれにしろこれは彼らにとっても由々しき事態であった。驚きを感じつつも、一行はすぐに冷静さを取り戻していく。
「そ、空に逃げちゃいました……?」
「早く追いかけないと!」
「でも、僕らは今飛べないし……地上からなら!」
仲間達が襲撃を受ける前に対処したいユウキ達だが、残念ながら追うのに最適な羽や魔法は封じられている状態。それでも諦めずに対抗する術を絞り出そうとする。
そう皆が新たな脅威に対抗しようとする中……突然銀時らが付けているベルトから、キバットバットⅢ世と彼の仲間であるタツロットが幻影として登場していた。
「おいおい! こんな時こそ、俺達の出番だろうが!」
「そうですよぉ! ドラマチックに行きましょう!」
「って、何をいきなり出てきてんだよ! つーか、お前はどっから出てきた!」
「いや、解説に二人分必要ないでしょうが!」
「そんなこと言うなって! ファンサだよ、ファンサ!」
「ファン〇ではないですからね~!」
「さり気なくとんでもないこと言うんじゃねよ! 絶対銀魂と関わっているから、ボケただけだろうが!」
ライダーの力を使用するように催促したが、銀時や新八のツッコミも相まってか、肝心な情報はあまり伝わっていない。終始おちゃらけた雰囲気のキバット達は、言うことだけ言うとそのままベルトの中に戻ってしまう。
皆がやや微妙な反応を浮かべる中で、桂だけはタツロットの声に注目していた。
「おい、ちょっと待て! 銀時ィ! こいつ……俺に声がそっくりだぞ!」
「だから、間を溜めてまで言うことかよ!! いちいちテメェは大袈裟だってんだよ!」
所謂中の人ネタを見抜き、大っぴらにツッコミを入れる銀時。話がよりややこしくなるためか、桂から再度言われようとも頑として無視を決めている。
構いたがりそうに話しかける桂はさておき、銀時は仲間達へ的確な指示を加えていく。
「ったく、しゃあね。おい、キリトにアスナ。空中戦はお前達に任せた。俺達はあの虫見たいなヤツを追いかける」
「わ、分かったわ」
「俺も同じくだ。飛行での殲滅戦なら任せろ!」
空中を飛び回るハイドラグーンには、キリトやアスナが対抗するようだ。日々飛行している彼らだからこそ、出来る役割だと捉えている。キリトらも概ね納得していた。
するとすかさず、キリトやアスナもユウキや新八達にある役割を振る。
「それじゃ、ユイに新八。定春とユッキーは、ダークライダーやオベイロンを捜索してもらっていいか?」
「あの人達を見つけない限りは、この戦いに終わりは無いと思うの。だから……アナタ達にお願いして良いかしら?」
「もちろん大丈夫ですよ、パパ! ママ!」
「ワン!」
「僕らに任してください! ……あの、桂さんもついでに連れて行っていいですか?」
「おう、良いネ。さっさとあのバカを黙らせるアル!」
「随分と直球だね……」
姿をくらませたマッドネバーの重要人物の捜索を指示し、それを聞いたユイ達は素直に請け負っていく。会話の最中に新八が、桂の連行も確認していた。神楽の裏表のない一言に、ユウキは苦笑いで事を返していたが。
ちなみに桂は未だに、銀時へ同じような質問をしつこく投げかけている。肝心の本人はまったく気にしていない。
「よしっ、役割も決まったし……俺達はあの昆虫野郎を追いかけるぞ」
「もちろんネ、銀ちゃん!」
「おい、銀時! いい加減あのドラゴンみたいな魔物の正体を教えてくれ!」
「はいはい、アンタは僕達と一緒に探索する側ですよ」
「ワフフ!」
銀時、神楽両者共にワームの尾行を決意する中で、新八と定春は桂を宥めつつ、彼を強制的に探索側へ引きずり込む。
とそれはさておき、銀時、神楽、キリト、アスナの四人は、新たな敵を倒すためそれに準じたライダーの力を選択する。アルヴドライバーのブレスレット部分を操作し、尾行に適した力を見つけると、勢いよくベルト部分と紋章を重ね合わせていた。
〈カブト! ライダーパワー!!〉
〈ファイズ! アクセルパワー!!〉
まず銀時、神楽が引き出したのは、高速移動が出来るライダーの力。銀時はカブトのクロックアップ能力。神楽はファイズのアクセルモードを発動。瞬時に態勢を整えていき、ワームが逃亡したとされる北東方面に狙いを付けていく。
「こう言うんだっけか? クロックアップ……!」
「スタートアップネ!」
と二人が決め台詞のような事を発すると、目にも止まらぬ速さで場を去っている。彼らは高速状態となり、新八らが肉眼で見ることはほぼ不可能であった。
「えっ? いつの間に!?」
「アレがライダーの力……?」
「本当に一瞬でしたね」
気が付いた時にはもう銀時らはいなくなっており、改めて平成仮面ライダーの力を痛感したユウキら。新八やユイも驚きの声を上げている。
と休む間もなく、キリトやアスナもライダーの力をすかさず解放していく。
「キリト君! 私達も!」
「あぁ! えっと……空を飛べるライダーの力は」
ブレスレットを操作していき、飛行用に適した力を二人は見つけていた。
〈オーズ! タジャドルパワー!!〉
〈タカ! クジャク! コンドル! タ~ジャ~ドル!!〉
キリトが使用したのは、オーズのタジャドルコンボの力。鳥系の力が合わさっており、彼の背中には赤い大型の羽根が生えている。
「クジャクの羽根か……悪くはないな!」
本人もこの仕様には満足の様子だ。
〈ウィザード! オールドラゴンパワー!!〉
〈ファイナルタイム! オールドラゴン!! プリーズ!〉
続けてアスナが使用したのは、ウィザードのオールドラゴンの力。火、水、風、土と言うウィザードを構成する四つのエレメントが融合した姿であり、胸部、両腕、臀部、背中には、それぞれウィザードラゴンの頭、爪、尻尾、羽根が付属されている。所謂てんこ盛り系の姿なのだが、全身が変わった姿にはアスナもやや困惑気味のようだ。
「えっ? 何これ!? 羽根だけじゃなくて、爪やしっぽまで生えてる!?」
全身を見渡しつつ、変わった個所を入念に確認している。羽根以外は一切慣れておらず、特に臀部へ生えた尻尾と両腕に備わった爪には早くも鬱陶しさを感じてしまう。
「こんな重装備にするはずじゃなかったんだけど……」
先行きが不安となる彼女に対して、ユウキやキリトはそっとアスナを宥めていく。
「そう落ち込まないでって! ドラゴン姿のアッスーも、十分にかっこいいから!」
「そうだな。とっても強そうで凛々しく見えるよ」
「そ、そう? 二人に言われると、まぁこの姿でも問題ないかしら」
「あっさり納得しちゃったよ!」
二人の素直な感想を受け取ると、アスナの悩みも吹っ切れて、つい浮かれたような表情を見せている。土壇場での変わりように、新八も反射的にツッコミを入れていた。
と反応は色々あれども、ライダーの力で飛行能力を取り戻したキリトとアスナ。空中へと逃げた敵を追うべく、二人は颯爽と羽根を広げていく。
「それじゃ、俺達も追いかけよう! 行こう、アスナ!」
「もちろんよ、キリト君!」
そう言葉を交わしていき、二人は難なく空へと舞い上がる。形状の違う羽根だが、すぐにコツを掴んで我が物にしていた。空中へと散ったハイドラグーンの群れを追いかけるため、スッと二手へと分かれていく。
一方で地上に残された新八、ユイ、ユウキ、桂、定春も、新たな役目のために動き出す。
「じゃ、僕達も行こう!」
「桂さんも、しっかりと付いてきてくださいね!」
「任せろ! さぁ、皆の者俺についてこい!」
「アンタが仕切るなよ」
「ワン」
やや空回りしている桂は気にせずに、ユイらは集団となって場を跡にしている。ここはアルンの街並みにも詳しいユウキが、先導して案内していた。
こうして新たな役目の元に動き出した銀時やキリト達。しっかりと任務を遂行する中で、一人単独行動をとる高杉もオベイロンの行方を密かに追っていた。
「あのバカはどこにいる……?」
レイドラグーンから進化したハイドラグーンは、数十体ほど群れを成して街中を飛び回っていく。誰にも邪魔されないことを良いことに、彼らは段々と調子に乗り始めていた。
「フッ! ハァ! って、何アレ!」
「おい、みんな! 避けるぞ!!」
無鉄砲にスイスイと駆け抜ける中で、ハイドラグーンの群れはリズベット、たま、ノリ、あやめ、エリザベス、テッチがいる場所まで遭遇している。彼女らはちょうど周りにいた戦闘員達を、大方一掃したばかりであった。不穏な羽音に気が付くと、六人は一斉に近くの物陰に身を潜めていく。
するとハイドラグーンは、彼らを襲撃しないまま上空へと飛び去るのであった。
「って、何なのよ。あの化け物は?」
「トンボみたいだったけど……」
「まだマッドネバーにも敵が残っていたのですね」
困惑するあやめやノリに対して、たまはそっと自身の推測を話していく。マッドネバーの伏兵と予見していたが、あながち間違いではなかった。
「どうすんの、アレ……アタシ達じゃ羽根も使えないし」
あわよくばハイドラグーンの群れを撃破したいリズベットだったが、羽根が使えない以上は何も有効打がない。苦い表情を浮かべながら、ウズウズとした気持ちを堪える。
とそんなリズベットに、エリザベスが気を利かせた一言を投げかけてきた。
[空を自由に飛びたいな~]
「はい、エリザベス? まさか……タケコプターでも出すんじゃないでしょうね?」
嫌な予感を感じつつも彼女は、エリザベスへその本意を聞いてみる。すると彼の口元からは、思った通りの代物が登場していた。
[ほらよ、ジェットエンジン!]
「……って、何現実的なものだしてんのよ! ていうか、そのジェットエンジンどっから出したの!! そんな得体のしれないもの、使えるわけがないでしょ!!」
エリザベスの手元には濡れたジェットエンジンがあり、不完全ながらもリズベットにそれを手渡そうとしている。どう見ても不潔な存在に、リズベットは恐れおののいてしまう。エリザベスとの距離を遠ざけながら、ひたすらに嫌がる表情を見せている。
一向にハイドラグーンへの対処が進まない中……場にはとうとうあの戦士が助っ人として駆けつけていく。
「みんな! ここは任せて!!」
「えっ? この声って……」
「アスナ!?」
頼りがいのある声に気付き皆が後ろを振り向くと、そこにはアスナが自在に空中を駆け抜けていた。オールドラゴン状態のまま。
「うわぁ、何アレ!?」
「アスナ―! その姿、どうしたのー!」
「後で話すわ! 今はあのモンスターをチャチャとやっつけるから!」
「えっ?」
リズベットら六人は当然、全身にドラゴンのパーツを装備したアスナの姿に困惑気味である。本人に理由を聞こうとも、遮断され詳しくは聞けなかった。
「もしかすると、アスナ様はライダーの力を使用したのかもしれません」
「あぁ、なるほど……確かにそれだと説明が付くけど」
「中々衝撃的な姿ね」
たまの推測に、リズベットやあやめが会釈しながら納得している。恐らくは推測通りだが、だとしてもオールドラゴン状態が衝撃的で、そちらのインパクトに一行は引っ張られてしまう。
いずれにしても、この場は空中を飛行できるアスナへ討伐を任せることにした。
一方でアスナはハイドラグーンの群れに追いつくと、勇猛果敢に接近戦を試みている。
「ハァ! この!!」
ハイドラグーンが密集している群れの中心まで到達すると、手始めに背中の羽根であるオールドラゴンウィングで緑色の竜巻を発生させていた。
「ギィィィ!」
竜巻に巻き込まれたハイドラグーンは、自身の体の自由が効かないまま、竜巻の流れへ乗っかってしまう。戦いの主導権を取りつつ、アスナはさらなる追撃を与えていく。
「次はこれよ!」
今度は自身の臀部より生えた尻尾、オールドラゴンテイルに氷の属性をまとわせていく。大胆に尻尾を振り回し、竜巻に閉じ込められているハイドラグーンへ打撃を与えている。
さらには、
「ハァァァ!」
「ギィィィ!!」
有無を言わさずに胸部のオールドラゴスカルから強力な火炎を解き放っていた。竜巻と炎が合流し、辺りは熱波と化していく。そしてそのまま仕上げへと移っている。
「さぁ、フィナーレよ!」
アスナは真剣な表情を浮かべたまま、両腕が変化した爪オールドラゴクローに全身の力蓄えていく。土のエレメントをまといながら、竜巻を漂うレイドラグーンの群れに対して、
「やぁぁぁぁ!!」
交差するように切り刻んでいった。上空から地上へ降下するように一刀しており、アスナの渾身の必殺技を受けたハイドラグーンの群れは……
「ギィィ!!」
けたましい鳴き声を上げながら連続して爆破している。垂直のまま倒されていくハイドラグーンの群れの爆発を背景に、アスナはそっと地面に降り立っていた。
「ふぅい~」
戦闘が終わると同時に、彼女は大きく呼吸を整えていく。強大な力を制御しつつ怪人達を倒せたことに、どことない満足感をアスナは感じ取っていた。
「この姿でも……まぁ、悪くは無いかな?」
最初こそ違和感を覚えていたオールドラゴン状態だったが、数分ほど戦うにつれて段々と愛着が湧いている。あくまでも戦闘時のみに限ったことなのだが。
そんなアスナの元に、仲間達がゾロゾロと駆け寄っていた。
[おぉ! 見事に倒し切ったか!]
「やりましたね、アスナ様」
六人が思い思いに話しかけようとした――その時である。
「ん? えっ、みんな! 伏せて!!」
「はい!?」
アスナは背後から這い寄る気配に気づき、仲間達へ咄嗟に警鐘を促していく。その予感通り上空には、ギリギリで攻撃を回避したハイドラグーンの群れが、新たに襲撃を仕掛けようとしていた。
「ギィィィ!!」
耳障りな鳴き声と共に、ハイドラグーンは手からビームを一斉に発射。アスナらの周りをくまなく襲撃していく。
「フッ!」
「何!?」
「うわぁ!」
次々と地面に被弾するビームを回避しつつ、必死に身を守っていく七人。辺りには砂煙が舞い、一向に視界が遮られる状態となる。
「ギィィ!」
アスナらの戸惑う声を聴いて、随分と手応えを感じているハイドラグーンら。この流れに乗ってとどめを刺そうとした時であった。
〈フォーゼ! コズミックパワー!!〉
〈スクリュー! エアロ! オン!!〉
「ハァァァ!!」
「ギィ!?」
アスナは瞬時に新たな平成仮面ライダーの力を解放。数多の装備を武装する宇宙系ライダーのフォーゼの最強フォーム、コズミックステイツの力で二つのモジュール(装備)を組み合わせて、その効果を遺憾なく発揮していた。
「おい、今度はなんだ?」
「砂煙が消えていく?」
突然の変わりように声を上げるテッチやノリ。彼らが目にしたのは、アスナの左足に装備されたエアロモジュールが辺りの土煙を吸い込む様子である。掃除機のような役割を果たすエアロモジュールは、スクリューモジュールの回転率も合わさって、さらなる効力を発揮していた。
皆がアスナのサポートに驚く中で、彼女は気合を入れつつさらなる必殺技の準備を進めていく。
「最後にこれよ!」
アルヴドライバーを操作していき召喚したのは、大型剣であるバリズンソード。レバーを動かして、刀身が展開されたスラッシュモードをアスナは構えている。
〈リミットブレイク!!〉
後方に備わったスイッチスロットへコズミックスイッチを装填。強大なエネルギーをため込み、とっておきの必殺技を繰り出していた。
「みんなの絆で勝利を掴む!」
決め台詞と共にバリズンソードを投げまわし、強大なエネルギー波を上空にいるハイドラグーンの群れへとぶつけていく。
「ライダー超銀河フィニッシュ!!」
「ガァァア!!」
「ギィィィ!!」
その必殺技が決まるまでは……ほんの一瞬の出来事。脅威を感じてエネルギー波から逃げ出す個体。意地でも致命傷を負わせようと突き進む個体。そのどれもがアスナの必殺技に巻き込まれてしまい、爆発の中へと姿を消している。
フォーゼの力も相まって放たれた渾身の必殺技は、無事に周りへいたレイドラグーンを全滅まで追い込んでいた。
「お、終わったの?」
「アレだけの群れを一撃で……?」
本気を出したアスナに、あやめやリズベットらはただただ驚かされるばかりである。いずれにしても、空からの脅威は去ったと言えるだろう。
「……さぁ、厄介な敵達は排除したわ。リズ達は他の仲間達の加勢に向かってもらえるかしら?」
「わ、分かった! って、アスナはどこへ行くの?」
「私はこの手で懲らしめたい相手がいるの。だからその人の探索に戻るわね!」
〈ウィザード! オールドラゴンパワー!〉
〈ファイナルタイム! オールドラゴン!!〉
アスナはリズベットやたまらに軽い指示を加えると、自身の倒すべき敵を明かしたまま、再びオールドラゴンの力で空中へと飛び去っている。戦い故に仕方がないことだが、詳しい事情はまた先延ばしにされてしまった。
「い、行っちゃった……」
「本当にあっという間だったな」
[ライダーの力を借りると、あそこまで容易くなるのか!]
ただただ唖然とするノリやテッチに対して、エリザベスは一人ライダーの力に興奮する。
「アスナのあの眼は……本気で倒しにかかる眼ね」
「えっ? そうなのでしょうか?」
「確かに殺気がやばかったわね」
一方でリズベットは、さらっと片鱗の出たアスナの信念に一人で戦慄していた。たまは終始気付かなかったようだが、あやめの方は薄々分かっていたようである。
と危機を救われた六人は、アスナの指示通り仲間の加勢へ赴こうと決意していく。
[おい、とりあえず仲間達の加勢に向かうぞ]
「そうですね。皆さんの動向も心配です」
「もちろん、行こう!」
アルヴドライバーへの好奇心を抑えつつ、今はマッドネバーの撃破へ向けて動き出そうとしていた。
「さぁ、パズルの時間だ! フッ!」
「ヤァ!」
「よっと!?」
一方でこちらは幹部怪人の一体、ハテナバグスターと対峙する者たち。戦っているのはシウネー、タルケン、妙、月詠、シリカ、シノン、ピナ、長谷川の七人と一匹。そして物陰では、フレイアがそっと戦いの様子を見守っている。
「み、皆さん!」
しかし、状況は一段と芳しくない。全員が一丸となって立ち向かおうとも、ハテナバグスターの有利に変わりはないからだ。
「はぁぁ!」
「よっ!?」
「きゃ!?」
妙やシウネーらが苦戦を強いられている理由は、ハテナバグスターの多彩な技が影響している。パズル型のエネルギー波を避けることへ必死となり、攻撃を仕掛けるどころではないからだ。さらにはフレイアも狙われており、彼女も守りながらハテナバグスターを撃破する他は無い。
「どうした? この程度か、貴様達の力は?」
自身の有利を自覚した上で、さらなる煽りを振る舞うハテナバグスター。言い返す気力もなく、妙らは煽りにも耐え忍び呼吸を整えていく。
「うぅ……思ったより強いわね」
「遠距離でも近距離でも隙が無いなんて……!」
思わぬ苦戦を強いられて、苦悶を口にする妙とシノン。二人のみならず、皆が苦々しい表情を浮かべており、ハテナバグスターの撃破への道筋を手繰り寄せている。
「このメダルが逆転の一手に繋がらぬのか?」
「えっ? 私も持っていますよ、その銀色のメダル!」
「俺もだぜ。何かに使えそうじゃないのか?」
ふと月詠が隠し持っていたセルメダルを手にすると、タルケンと長谷川の二人が食いつくように反応していた。彼ら二人もセルメダルを所持しており、何かの攻撃に使えないか模索している。
「と、とにかく果敢に立ち向かいましょう! きっと勝機が訪れるはずですから!」
「ナー!」
「そうですね……諦めちゃだめです!」
セルメダルの件は一旦さておき、シリカやピナ、シウネーは仲間達を力強く鼓舞していく。彼女達の言葉につられて、妙らもまた決意を新たに再度戦いへと身を投じている。
その傍らにて近くでは、ブラキペルマワーム(オーランタム)と高速対決を繰り広げている神楽の姿があった。
「ホワチャァァ!」
「ウゥゥゥ!!」
限られた制限時間の中で、必死にワームを追いかける神楽。アクセルフォームの力で高度な高速移動を展開するも、時間は合計で十秒程度しか猶予がない。そんなデメリットも神楽は使用した時から把握しており、ここで一気に攻撃を仕掛けようとする。
「今ネ!」
「ウゥ!?」
彼女はブラキペルマワームの腹部目掛けて、不意打ちが如くストレートなパンチを繰り出していく。その攻撃を受けたブラキペルマワームは、つい体を怯ませてしまう。
隙が生じているうちに、神楽はアルヴドライバーからファイズポインターを召喚。ファイズが必殺技を放つ上で必要なアイテムであり、神楽はそれを右足に装着させている。
〈レディ?〉
「アクセルクリムゾンスマッシュネ!」
高らかに必殺技名を上げると、ブラキペルマワームのあらゆる範囲から赤く染まったポインティングマーカーが複数出現。彼が困惑する隙すら与えずに、神楽は四方八方からマーカーを潜り抜けて、連続したキックを叩き込んでいく。
「ハァァァ!!」
「ウゥゥ!!」
目にも止まらぬ速さで必殺技を繰り出していく神楽に、もはや成す術のないブラキペルマワーム。逃げ出す隙も無く受け続けた連続技により……とうとう体に限界がきてしまう。
〈タイムアウト……!〉
「ウゥ……うわぁぁぁ!!」
神楽が高速移動から解放されたと同時に、ブラキペルマワームは断末魔を上げながら、爆死してしまう。緑に燃える炎を背景にして、神楽は深く呼吸を交わしている。
「ふぅ……とりあえず、やったネ!」
満足げな表情を浮かべつつ、一時だけ力を貸してくれたファイズにも感謝を伝えていた。撃破早々に彼女が周りを振り返ると、そこにはハテナバグスターに苦戦する妙やシリカ達の姿が見えている。
「あっ、みんな! 大丈夫アルか!!」
彼女らの窮地を悟った神楽は、すかさずハテナバグスターへ襲撃しようと走り出す。もちろん新たなライダーの力を解放して。
〈オーズ! プトティラパワー!!〉
〈プテラ! トリケラ! ティラノ! プトティラノザウルス!!〉
使用したのはオーズのプトティラコンボの力。古代に生きた恐竜の力を秘めている斧型の武器、メダガブリューを彼女は右手に装着していく。
「ホワチャァァ!」
「うぐっ!?」
「えっ?」
「神楽?」
「神楽さん!?」
背後から勢いよく斬りかかり、思わぬ攻撃を受けて怯んでしまうハテナバグスター。メダガブリューの切れ味と、神楽の怪力が相まって攻撃力はさらに増したようだ。
一方で仲間達は、神楽の突然の乱入に多少なりとも驚いている。皆が動きを止めている間に、彼女はメダガブリューを振るい続けていた。
「これでも食らうネ!」
「何! させるか!」
次々と振るわれる斬撃に負けじと、ハテナバグスターはまたもパズルを模したエネルギー波を、神楽へと集中的に仕掛けていく。
だがしかし、
「ハァァァ!」
「何!?」
全てのエネルギー波をメダガブリューの振るった斬撃によって相殺されていた。得意げに振る舞っていたハテナバグスターも、これにはただただ唖然とするしかない。
一方で神楽は、アルヴドライバーからメダガブリューのさらなる使い方を把握していく。すると脳内に浮かんできたのは、大量のメダルを元に相手へとぶつける一撃級の必殺技である。
「これネ!! みんな! この斧に銀色のメダルを入れるアルよ!」
「銀色のメダル? これのことか?」
「そうネ!」
勝利への道筋を確信した神楽は、仲間達が手にしているメダルを譲渡するように呼び掛けた。神楽の愚直な想いを汲み取って、月詠やシリカらは神楽へ手にしていたメダルを全て渡すことにする。
「分かった! 神楽、頼んだぞ!」
「お願いします!」
「こっちも!」
「頼んだぞ!」
みんなが思い思いに呟きつつ、神楽の持つメダガブリューへセルメダルを次々とぶつけていく。するとメダガブリューはセルメダルを一枚残らず飲み込み、エネルギーを少しずつ蓄えていく。
〈ゴックン!〉
「みんなの勝利への欲望……しかと受け止めたネ!」
そう凛々し気な表情で呟くと、神楽はメダガブリューを構えたまま、ハテナバグスターへ突進していた。
「おのれ!」
すかさず彼もエネルギー波を飛ばし続けている。けれども神楽は一切怯まない。
「これなら、どうネ!」
「な!?」
がむしゃらに突き進むうち、神楽はとっておきの一撃でハテナバグスターを切り刻む。彼の体に鈍さが生じているうちに……
「セイヤァァァ!」
「ぐっ……だらぁぁぁ!!」
ありったけのセルメダルを入れて解き放った斬撃型の必殺技「グランド・オブ・レイジ」を発動していた。セルメダルによって破壊力を増した必殺技は、ハテナバグスターをほんの一撃で大破させている。
断末魔と共に飛び出た爆発を背景に、神楽はグッと勝利を噛み締めていく。もちろん仲間達も同じだ。
「か、勝った?」
「あの強敵を……」
「やっぱりメダルが打開策だったじゃねぇか!」
突然の出来事には、仲間達もまたその衝撃を受け止めきれていないようだが。いずれにしても、密かにとっておいたセルメダルが勝利を導いた珍しい結果となった。
すると戦闘が終わった神楽は、妙らのいる場所まで戻っている。
「やったネ、みんな! 大勝利アルよ!」
「そ、そうですね! 神楽さん!」
「ナー!」
「やっぱりライダーの力って、凄いのね」
「いやいや、あのメダルを持っていたみんなのおかげでもあるネ!」
プトティラコンボの凄まじい力に驚くシリカやシノンらだったが、神楽は仲間のサポートがあってこそ成しえた勝利だと括っていた。彼女の率直な言葉を、仲間達は相応に優しく受け止めていく。
一つの脅威が去ると、ずっと物陰に隠れていたフレイアも公の場に姿を見せていた。
「ありがとうございました、皆さまを助けていただき」
「おうネ! お安い御用アル! あっ、そうだ! どうせなら姫様を守る護衛も召喚するアルか?」
「えっ? そんなことも出来るのですか?」
「で、でも……わざわざライダーさんに来てもらうのも、申し訳ないですよ」
神楽は話がてらに、フレイアの身を守る護衛役の召喚を提案している。アルヴドライバーを使えば可能なのだが、シウネーらは揃ってわざわざライダーを召喚することへおこがましさを感じてしまう。
乗り気ではない仲間達の心境を悟った神楽は、ライダーではなくとあるサポートメカを召喚することにしている。
「そこは大丈夫ネ! あっ、ちょうど良いバイクがあるアル!」
ふと彼女が見つけたのは、商店前に駐車していたオートバイク。恐らくGGO星から来た観光客の私物である。このバイクを目にして、神楽はあることを思いついていた。
〈ファイズ! サモン! オートバジン!〉
〈オートバジン! バトルモード!〉
アルヴドライバーを操作して、ファイズの力を解放。するとオートバイクは瞬く間に、ファイズの専用マシンオートバジンと変化していた。このオートバジンはバイク型のビークルモードと、人型ロボット型のバトルモードに変形が可能なハイテクマシンである。
神楽は専用のボタンを押すと、オートバジンをバトルモードへと変形。人型に変化させて、彼をフレイアの護衛役として任命していた。
「なんじゃと? バイクがロボットになったのか?」
「これはまた滑稽ね」
オートバジンの姿を見るや否や、月詠や妙は驚嘆とした声を上げている。彼女達のみならず仲間達は、多少なりとも驚いているのだが。
するとオートバジンは、神楽の指示を受けると長谷川の近くまで寄っていた。
「ん? なんだ……って、ブハァァ!」
話したそうな素振りを浮かべていたが、なんとオートバジンは長谷川へためらいもなく殴りかかっている。そのまま壁際まで吹き飛ばされてしまい、思わぬダメージを受けてしまった。長谷川にとっては、何が起きたのかさっぱり分かっていないが。恐らくは神楽の横槍であろう。
「おい、何すんだ!」
「しっかりやれって言う、オートバジン様のお達しネ。マダオはこいつと一緒に姫様を守るアルよ!」
「なんだ俺が下に見られてんだよ! そもそもこんなカラクリを、姫様が信用するわけが……」
説明など軽く一蹴して、神楽は長谷川にも姫様との同行を指示している。肝心の長谷川は自分よりもオートバジンの扱いが良いことに納得がいかないようだが……。
ふとフレイアの様子を見てみると、
「中々かっこいいですね。頼りにしていますよ」
「えっ?」
彼女はオートバジンのことをかなり気に入っていた。尊敬の眼差しで信頼しており、まるで長谷川との扱いは雲泥の差である。(長谷川の場合は戦闘能力が皆無なため、信頼よりも心配が勝るように見えるが)
「さぁ、行きましょう!」
気合を込めたフレイアの一言に、オートバジンは心強く頷く。彼はフレイアを自身の背後に移動させると、世界樹に目掛けて走り出していた。今度こそミラーワールドに囚われた民を救い出すため、世界樹に設置された制御装置まで果敢に向かう。
「おい、ちょっと待ってくれよ!」
一方で置いて行かれた長谷川は、焦りながらもオートバジンらの跡を追いかける。ここまで来れば、もう流れに乗っかるしかないようだ。
大きな後ろ盾を貰い、意地でも使命を果たそうとするフレイア。オートバジンや長谷川も護衛に付くようだが、やはり仲間達は彼女の動向が気になってしまう。
「本当に大丈夫なのでしょうか?」
「姫様が心配ですよ」
「大丈夫ネ! バジンちゃんを信じるアル」
「バジンちゃんって……」
特に騎士団であるシウネーとタルケンは大きな不安を抱えていたが、それらを払拭するべく神楽が念押しする。それでも心境に変わりはなかったようだが……。
少しずつだが事態が動き始めていく中で……シリカとシノンはとある不穏な気配を察していく。
「ん? 皆さん、伏せて!」
「えっ?」
「何!?」
二人は背後から這い寄る敵に気付き、すぐに戦闘態勢を整えている。ダガーや弓を握りしめて、襲い掛かってきた剣や斧を真っ向から防いでいた。襲撃を仕掛けてきた敵の正体は……二人の因縁なるダークライダー、リュウガとソーサラーである。
「チッ。寸でのところで気が付いたか」
「当然です! ずっとアンタのことは探していました! 今度こそリベンジの時です!」
「ナー!」
自身の思い通りにはいかずイライラを募らせるリュウガに対して、シリカ及びピナは大いに闘志を燃やしていた。同じ竜使いとして敗北した経験から、今度こそ倒すべく躍起となっていく。
「あらあら。少しはマシになったんじゃないの?」
「それくらいしぶとくなったってことよ! さぁ、決着の時かしら!」
一方でシノンも、弓を構え直しつつソーサラーへ鋭く狙いを定めている。こちらも一度と敗北を味わったことから、リベンジに沸々と熱意を投じていた。
宿敵の登場に一段と目の色を変えるシリカとシノン。二人の稀なる決意を目の当たりにした神楽は、心配してつい二人へ声をかけている。
「シッリー! シノ! 大丈夫アルか!?」
すると彼女には、妙と月詠がシリカらに代わって事を返していた。
「いいや、神楽ちゃん。ここは私達に任してちょうだい」
「わっちらさえいれば、戦力は十分じゃ! 主はオベイロンとか言うバカを探しに行きなんし!」
「本当に良いアルか?」
「もちろんよ。任してちょうだい」
「姉御にツッキー……分かったネ!」
戦力は十分だと伝えて上で、加勢よりも騒動の元凶たるオベイロンの捜索を彼女らは促している。確か意志を汲み取った神楽は、妙らの言う通りにオベイロンの行方を追うことにしていた。再びアクセルフォームの力を発動して、高速移動で場を跡にする。
そしてちょうど同じタイミングで、まったく別の勢力が加勢に入ってきた。
「こらぁ! アタシ達を置いて、勝手に幹部戦なんか始めるな!」
「リ、リズさん!?」
リュウガへ斬りかかるように駆けつけたのは、シリカと同じくリュウガと因縁のあるリズベット。彼女もまた宿敵へリベンジを果たすべく、大いに熱意をたぎらせていた。
もちろん駆けつけたのはリズベットだけではない。
「私達もいるわよ!」
「加勢に来ました! 一緒に戦いましょう!」
「分かったわ!」
同じくしてあやめ、たま、エリザベスもこの戦場に乱入していく。ようやく見えてきた戦いの終わりへと辿り着くためにも、皆が躍起となっている。
こうしてリュウガにはシリカ、リズベット、ピナ、妙、たまが。ソーサラーにはシノン、エリザベス、あやめ、月詠が討伐へと当たっていた。
一方でノリとテッチは、同じスリーピングナイツであるシウネー及びタルケンと再会している。
「皆さん!」
「アタシ達も加勢に入るわよ!」
と一致団結して、シリカらの戦いに加わろうとした時だった。
「おっと、そうはさせねぇよ」
「って、アンタは……!」
有利な流れを遮るように姿を見せたのは、シグルドが変身した仮面ライダーシグルド。武器であるソニックアローを差し向けながら、シウネーらへ今にも襲い掛かろうとしている。
「よくも騎士団を裏切ったな……!」
「アナタの罪は重いですよ!」
「覚悟してください!」
「さぁ、どうかな?」
四人はフレイアや騎士団を裏切ったシグルドに怒りを覚えており、受けた屈辱を果たすべく皆が戦闘態勢を新たに構えていく。強い気持ちを存分に露わとしたまま、真っ向から立ち向かうのであった。
こうして集団戦を潜り抜けて、とうとう訪れたダークライダーとの決戦。譲れない気持ちを前面に出し、皆が全力を尽くしていく……!
とうとうダークライダー達との戦闘も始まる中で、ユイ、新八、桂、ユウキ、定春一行は、気配をくらましたオベイロンを密かに追っていた。
「おい、どこへいる! オベイロン! さっさと姿を見せろ!」
「って、そんな大っぴらに言っても出てきませんよ!」
桂は堂々と声を上げて捜索しているが、むしろ逆効果なようにも見える。新八から止められようとも、彼の心意気は変わらない。
そう大っぴらに行動する桂に対して、ユイ、ユウキ、定春は独自の方法でオベイロンの行方を追っている。
「ねぇ! 君の定春君でさ、あのオベイロンってヤツの行方を追えないかな?」
「分からないですが……でも、やってみます! 定春は出来ますか?」
「ワン!」
ユウキからの提案に理解を示したユイは、早速定春へ指示を加えていく。彼女らの気持ちを汲み取った定春は、期待へ応えられるようにオベイロンの匂いを微かに思い出しながら、どこへ逃げたか推測している。
すると間もなくして、定春には心当たりのある場所が思い浮かんでいた。
「ワフ!」
「えっ、見つかったんですか!?」
「と、とりあえず、行ってみようよ! おーい、二人とも! 見つかったかも!」
「何だと!?」
異常を知らせる定春の鳴き声に気付いて、ユウキやユイも彼の考えへ乗っかることにしている。すかさず桂と新八にも伝えていき、準備の整った一行は今いる場所から世界樹方面へと移動していく。
すると間もなくして、定春の考えは確信へと移り変わっている。
「ワン!」
「あそこです!」
「あっ、アレは……!」
彼が指を指した方向に目を向けると、そこには世界樹内部へと戻るオベイロンの姿があった。どうやら彼は怪人の大群がほぼ倒されたことで、自身の作戦を一度修正しようと本拠地に戻ろうとしている。
「まだだ! まだ僕の計画は終わっていない! ガイアメモリの力は残っている……これさえあれば、逆転だって可能さ!」
そう微かな希望にがめつきながら、ゆっくりとその足取りを進めていた。しぶといとも往生際が悪いとも言えるが、まだ自身の野望を諦めようとはしていない。
そんな彼の元へ、ずかずかとユウキらが介入しようとする。
「そこまでです! オベイロン!」
「何!?」
彼女の声に気付きオベイロンが振り向くと、そこにはすでに戦闘態勢を整えている新八、桂、ユウキ、ユイの四人がいた。(ユイは定春に乗っかっている)
「もうアンタの好きにはさせませんよ!」
「さっさとお縄に付きな!」
「いい加減降伏しろ!」
新八、ユウキ、桂と一行は、威勢の良い言葉でオベイロンと対峙していく。そう簡単に諦めずはずがなく、このまま否が応でも戦闘に入るとユイらは察していた。対するオベイロンも苦い顔を浮かべつつ、戦闘か逃亡か思い悩んでいた時である。
〈エレキスチーム!〉
「うわぁ!?」
「何!?」
何の前触れもなく、マッドネバーの一人が新八らへ向けて襲撃を仕掛けていた。電気を模した衝撃波が周りへ降り注ぎ、ユウキらにも強制的に怯みを与えている。
オベイロンの手助けをしたその正体は……辛うじて生き残っていたナイトローグと、彼が集めていた残党のライオトルーパー達だ。
「お、お前は!」
「さっさと行け。ここは俺が引き受ける」
「フハハ……流石だ! 頼んだぞ」
手短に言葉を交わすと、オベイロンは不気味な笑い声を上げながら、世界樹の内部へと入っていく。足止めを任されたナイトローグは、武器であるスチームブレードを握り直して、怯んでいる桂らへ向けている。
「待て!」
「おっと。ここは行かせぬぞ!」
「くっ……ここは!」
「全員で倒すしか無さそうだね!」
肝心なところで足止めを受けて、悔し気な表情を浮かべるユイら四人。敵の大元を倒すには、目の前へ立ちはだかるナイトローグやライオトルーパーらを撃破しなければいけないようだ。
皆は呼吸を整えつつ、ナイトローグやライオトルーパーらへと標的を変えて、果敢に立ち向かおうとしている。
「行くぞ!!」
さてさて、また分割系となってしまいました……それでもダークライダーとの決着が目前となっているので、GW前には決着を付けたいです。
今回は平成仮面ライダーの能力を存分に使用していましたが、いかがでしたか? アスナはウィザードとフォーゼの力。神楽はファイズとオーズの力を使用していましたね。
選んだ理由としては、アスナとウィザードは魔法繋がり。フォーゼはスリーピングナイツと仮面ライダー部の友情繋がりとなっています。あのALOのアバターから、ウィザードラゴンの頭部や尻尾等があるなんて、中々シュールですね笑 でも強い!
神楽の場合は、ファイズが連続系の技繋がり。オーズが暴走繋がりですね。特に再生怪人からメダルが飛び出た理由は、メダガブリューの必殺技を解き放つためでした。中々に珍しい光景だったと思います。
やっぱりそのキャラに関連した技や武器を使用すると、こだわりを感じられて良いかもしれませんね! 響く人には響くってスタンスですね……
さて次回はこの続きです。決戦に向かって、物語はクライマックスを向かいます。どうぞ、お楽しみに。
次回予告
試されるライダーの力
キリト「これでどうだ!」
銀時「ったく、やってやらぁ!」
オベイロン最後の悪あがき
オベイロン「これで終わりだ!」
ユウキ「もうアンタの好きには絶対にさせない!」
新八「みんな、行きましょう!」
妖国動乱篇二十 ヘイセイは止まらない