剣魂    作:トライアル

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あらすじ

銀時「この俺!! 坂田銀時は新たな力を受け取り、怪人の大群をバッタバッタとなぎ倒していた! そしてとうとう姿を見せたのは、マッドネバーの大幹部どもだ!」

新八「って、何をアンタは不釣り合いなあらすじ紹介してんすか!」

銀時「なんたって、ビルドをもじったタイトルだからな。これくらい、はっちゃっけても良いだろ?」

神楽「そうアルよ! 捏造して、読者に受けが良いようにしないと今後もやっていけないアル!」

新八「そんなこと言うな!!」

アスナ「って、みんな! そんなふざけないの! もうそろそろ、戦いに決着が付くんだから!」

ユイ「次の戦いは、パパと銀時さんが大活躍! どんなライダーの力を使うのか、私楽しみです!」

アスナ「キリト君、みんなにネタバレはしないことよ」

キリト「分かっているよ。でも、まさかあんなことまで起きるなんて、俺も驚いたよ」

神楽「それを言うなら、銀ちゃんも無茶苦茶さも含まれているネ!」

キリト「だな。じゃ、最終決戦に向けた戦いを早速お届けするよ!」

銀時「心してみろよ!」

新八「あぁ、ちょっと!! まだ一言だけ……!」


第九十三訓 ヘイセイは止まらない

「フッ、ハァァ!!」

 オーズのタジャドルコンボの力により、飛行能力を疑似的に取り戻したキリト。空を自由自在に飛び回りながら、集団で行動するハイドラグーンの群れを追いかけていく。

「そこだ!」

「ギィィ!」

 群れへ近づくや否や、キリトは長剣やエクスキャリバーを振るって、次々にハイドラグーンを斬り落とす。地道に倒しつつ、自身に有利な状況へ場を変えようとしていた。

「よしっ!」

 と精力的に攻撃を仕掛けていた時。

「グハラァァ!!」

「何!?」

 突如として地上から新たなる異形のモンスター、ウブメが這い上がる。外見は細長い魚の体に鳥の羽根がくっついた摩訶不思議な姿をしていた。出現早々にウブメは獰猛な性格を露わにして、キリトへ容赦なく襲い掛かる。

「ガハァ!」

「って、こいつ……! 離れろ!!」

 自身の危機を察したキリトは、すかさず回避行動をとって難を逃れようとした。次々とかわしていくが、攻撃が手薄となっている分、ハイドラグーンからも攻め立てられてしまう。

 四方八方から攻撃を受け続けるキリトは、長期戦を避けるべく、一気に勝負を決めようと覚悟を決める。

「こうなったら……これだ!」

 彼はアルヴドライバーを操作して、オーズのタジャドルコンボの必殺技を発動。

〈タカ! クジャク! コンドル! ギン! ギン! ギン! ギン! ギガスキャン!!〉

 オーメダルの力を炎として全身に宿すマグナブレイズで、空中に漂うウブメやハイドラグーンを一掃する作戦のようだ。

 必殺技音声が鳴り響くと同時に、キリトの全身は真っ赤な炎へと包まれる。その姿はまるで凛と輝く不死鳥のように。

「ハァァァ! セイヤァァァ!!」

 二本の長剣を両手に握りしめていき、炎をまとったまま彼は敵の群れに突進。対するウブメらもキリトの勢いに怯まず、一斉に真っ向から立ち向かう。

 互いの全力を懸けた一戦。軍配が上がったのは……

「グラァァ!」

「ギィィ!」

キリトである。斬撃と炎を浴びせられたウブメやハイドラグーンの群れは、悲痛な断末魔を上げながら、連続した爆発の中に姿を消していく。

 一か八かの一撃を決めたキリトは、その羽根を閉じつつ地上へと舞い戻っる。

「か、勝ったのか……?」

 がむしゃらに戦ったせいか、自身の必殺技が成功したこともあまり実感がない。勝利に気付いたのも数秒経ってからだ。

 と一度呼吸を整えつつ、さらなる戦いに赴こうとした時である。

「ん? スグ!?」

 ちょうど近くにて、僅かではあるがリーファの声を聞き取っていた。直感から危機を察したキリトは、声が聞こえた方角まで走り出していく。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな彼の予想通り、アルンの一角では近藤、土方、沖田、九兵衛、リーファ、クライン、エギル、ジュンの八人が不死生物であるアンデッドと一戦を交えている。リザードアンデッドとディアーアンデッドの二体で、彼らはいわば封印を損ねた個体達だ。無論ブレイドの力が無ければ封印することが出来ず、八人は撃破方法が分からぬまま、戦い続けている。

「うわぁ!?」

「キャ!?」

 戦闘を続ける最中に、リザードアンデッドから解き放たれた刃の衝撃波と、ディアーアンデッドから放たれた電流により、近藤らは一斉に吹き飛ばされてしまう。幾度と攻撃を与えようとも、一向に倒される気配のないアンデッドらを目にして、一部の仲間達はつい心が折れかけている。

「おい、どうなってんだ! 全然倒せねぇぞ!」

「ここまでしぶとい敵だったかしら……?」

 勝利を中々見通すことが出来ずに、つい弱音を吐いてしまうクラインとリーファ。刀や剣を構え直しつつも、共に苦い表情を浮かべている。そんな二人に対して、九兵衛と沖田らが檄を飛ばしてきた。

「弱音を吐くな、二人共! 挑み続ければ、きっと勝利を掴めるはずだ!」

「そうですねぇ。まだ諦めるのは早いってことでさぁ」

 両者は最後まで諦めることなく、突き進むことが重要だとリーファらに諭している。仲間からの想いを汲み取ったのか、二人の表情は先ほどよりも若干和らいでいた。

「こうなったら……とことん付き合うしかねぇな!」

「そうだ! 真選組を甘く見るんじゃね!」

 するとジュンや近藤が、一段と熱気を込めた気持ちを声に荒げていく。何事にも全力投球する二人ならではの気持ちの吹っ切れ方だった。

「おしっ! 気合入れていくぞ!」

「勝手に仕切るな! お前らはこれまで通りの役目に精を出せ!」

 突然声を上げたエギルに対して、土方はツッコミを入れるかのように荒ぶる。それでも冷静さは失わず、仲間達にも的確な指示を引き続き与えていた。

 決して闘志を諦めることなく、アンデッドらに敢然と立ち向かう八人の戦士。そんな彼らの近くでは、クロックアップ状態の銀時がブラキペルマワームを必死で追いかけていた。

「はぁぁ!」

「ハカァァ!?」

 誰の目にも触れられない状況下で、繰り広げられる高速の応酬。攻撃しては防ぎを繰り返し、ほぼ互角に戦っていく。全ては相手の隙を見逃さないために……そして狙っていた瞬間は遂に訪れた。

「そこだぁ!」

「ギィ!?」

 先に動いたのは銀時であり、彼は飛び膝蹴りのように足を突き出して、ブラキペルマワームを近くの壁際まで吹き飛ばしている。(所謂洞爺湖仙人から伝授されたももバーンのようだが……)

 そして銀時は一気にとどめへと準備を進めていく。高速状態のままブラキペルマワームの真横まで近づき、彼はアルヴドライバーを操作した。

「こいつで決めてやる!」

〈1! 2! 3!〉

「ライダーキック……!」

〈ライダーキック!〉

 解き放ったのは仮面ライダーカブトの必殺技。全身のエネルギーを足に込めて放つ、ライダーキックでブラキペルマワームに引導を渡そうとする。

「ハァァ!」

「ギィ……? ギヤッヒィィィ!!」

 相手へ最接近したところで、銀時は軽やかに回し蹴りを繰り出す。破壊力抜群の技を受けてしまったブラキペルマワームは、またも吹き飛ばされてしまい、空中にて爆死。断末魔と共に緑色の爆発が辺り一面を覆っていた。

「ふぅ……やっとか。ったく、手間のかかる野郎だったぜ」

 自身が想定したよりも時間はかかったものの、しっかりと撃破出来たことには自画自賛する銀時。ライダーの力も上手く使いこなせていることにも彼は満足げではある。

「さ~て、次はだれを倒すかって、アレ?」

 体を伸ばしつつ、次なる戦いに赴こうとした時。ちょうどよく近くでは、アンデッドと戦う土方やクラインらの姿が目に見えている。

 詳しい状況は把握出来ていないが、戦いを断片的に見ると苦戦を強いられているようだ。本能的に危機を察した銀時は、自身のセンスを信じてこの戦いに割り込もうとする。

「しゃあね。ちょっくら、暴れてくるか」

 そう呟くと彼は木刀を握りしめていき、勢いよくその場から駆け出していく。無論心配などではなく、あくまでも手を貸すのみであるが。

「おいおい、俺も加えさせろ!」

「えっ!? って、銀さん?」

「旦那!」

「なんで、お前が駆けつけてんだよ!」

 銀時の加勢を目にして、皆は十人十色な反応を示していく。リーファやエギル、九兵衛のように安心感を覚える者、クラインやジュンのように安心感と共に出番を奪われることへ若干納得のいかない者、真選組のように横槍を入れられたことへ不満な様子を浮かべる者など様々である。

「ウグ!?」

 彼はアンデッドを一旦場から叩き飛ばした後に、仲間の元へと何食わぬ顔で駆け寄っていた。そして飄々とした態度のまま、普段通りに振る舞うのである。

「何をお前らは苦戦してんだよ。ここは俺とライダーの力に任せておけよ」

「いや、それは有難いんだが……なんというか俺達のメンツが立たないというか」

「どうせだったら、俺達も活躍させてくれって! このままフェードアウトなんて、なんか納得いかねぇよ!」

 心強く加勢を表明するも、出番を取られそうなことに危機感を覚える近藤とクライン。

 どうせなら仲間達も加えて戦わせたい。その思いに気付いた銀時は、ふとあるライダーの力が頭をよぎっている。

「あっ、そうだ。これを使えば良いんだ」

 ある程度の見通しが立った銀時は、すぐにアルヴドライバーを操作してとある平成仮面ライダーの能力を解放していた。

〈ディケイド! ブレイド! ファイナルフォームパワー!!〉

〈ファイナルフォームライド、ブ、ブ、ブ、ブレイド!〉

 使用したのはディケイドの能力であるファイナルフォームライド。他のライダーを武器やサポートマシン等に強制変身させる一風変わった能力であり、銀時はこの力を応用してある手段を企んでいる。

 ちなみに選んだのは、ブレイドを大型剣であるブレイドブレードへと変化させる力だ。

「ちょっとくすぐったいぞ」

「はい? てか、俺に言ってんのか?」

「いいから、さっさと俺の言うことに従えや!」

「グハァ!?」

 彼はちょうど近くにいたクラインへ話しかけており、当人の反応など無視したまま勝手に準備を進めていく。詳しい説明は一切伝えておらず、銀時はクラインの背後へ回り込むと、彼の背中に向かって手で内部を開きこむような仕草を繰り出していた。

「う、うお!? なんだ!?」

「クラインさん!?」

「おい、コイツの体変わり始めているぞ!?」

 するとクラインの体は瞬く間に変化し始めている。彼の背中にはブレイドの武器であるブレイラウザーを模したパーツが出現。その後は自分の意志とは無関係に、体が宙へ浮かび上がっていく。上半身が回転すると、足とクラインの刀(龍牙焔封刀)が一体となり鋭利な刀身が完成。持ち手部分を銀時が持ち上げていき、ブレイドブレードならぬクラインブレードとも言うべき武器が仕上がっている。形状はブレイドブレードと酷似しているが、色合いや炎のエネルギーを操れることから、まったくの別物とも捉えることが出来るだろう。

「よしっ、完成した」

「完成したじゃないだろ!! おい、どうなってんだ! 俺の体!? 銀さん、一体何を仕掛けたんだよ!」

「ちょっとくすぐったいって言ったろ。読者の記憶にはしっかり残るから、しばらくこの姿のまま我慢しとけよ」

「いや、待っててって! ちょっとおぉぉ!!」

 淡々と事を進める銀時に対して、クラインは大いに焦りながらツッコミを入れ続けていく。無論自分の体が勝手に大型剣となれば、焦るのも無理はない。そんな嫌がる反応を気にせず、銀時はクラインブレードを手にしたまま、アンデッドらに真っ向から対峙する。

「おいおい、どうなってんだよ!」

「アレもライダーの力の一端なのか?」

「仲間を強制的に武器へと変えるとはな……英雄のすることか?」

 一方でその様子を間近から見ていたジュン、エギル、九兵衛らは次々と思ったことを声に上げていた。総じて言えるのはディケイドの無茶苦茶な能力であり、あまりの奇抜さに状況を上手く読み込めないのである。

 と皆の反応はさておき、クラインブレードを所持した銀時は、ためらうことなくそれをアンデッドらへ向けて振り回していく。

「あぎぁぁぁぁ!!」

「うぐっ!?」

 斬撃を次々と繰り出すうちに聞こえてくるクラインの悲鳴。甲高い声にアンデッドらも思わず怯み、その隙に攻撃がいとも簡単に成功していく。大型の武器を巧みに操りつつも、着実にアンデッドらへダメージを与えていく銀時。ディアー並びにリザードの動きに鈍さが生じた時、銀時は好機と捉えて温めていた必殺技を繰り出すことにした。

「よっしゃ、今だ!」

〈ファイナルアタックライド、ブ、ブ、ブ、ブレイド!!〉

 アルヴドライバーを操作して、必殺技の準備を構えている。と同時にして、クラインブレードには火焔のエネルギーが宿っていく。十分に剣が温まったところで、

「いけぇぇ!!」

「うわぁぁぁ!!」

「ウグ!?」

「グル!?」

とっておきの必殺技「ディケイドエッジ」を発動していた。相手の周辺全体に炎の渦を作り出して、小規模の爆発を何度も浴びせていくオリジナルの技である。その策にはまった二体のアンデッドは、爆発に巻き込まれつつ、近くの壁際まで吹き飛ばされていく。すると腰部分に付属されたバックルも開き、絶好の封印状態となる。

「よっしゃ! って、おっと!?」

 倒し切ったと確信する銀時だったが、アルヴドライバーから出現したラウズカードには思わず驚いていた。二枚のラウズカードはアンデッドをカードの中へ封印した後に、銀時の手元へと自動的に戻っている。

「こいつは……カードで封印するタイプの敵だったか?」

 ようやくではあるが、彼もアンデッドの特性に気付いた様子だ。何かに使えると察して、二枚のラウズカードは懐へとしまうことにしている。

 一件が落着した彼は、ここまで世話になったクラインブレードを、乱雑に扱うが如く周辺へ投げ捨てていた。同時にクラインも元の姿に戻っていく。

「あぁぁ! って、痛い!? おい! せめて優しく扱ってくれよ、銀さん!」

「別に良いだろ。高所に落とすよりはよっぽどマシだろうが」

「比べる対象おかしくないか! そもそも俺の刀が折れたらどうするつもりだったんだ!」

「そうならないように優しく扱っただろ」

「どこがだ!!」

 再会早々にクラインは怒りを露わにしており、かんしゃくを立てつつ赤裸々な気持ちを銀時へぶつけていた。対する本人は誠意など一切見せることなく、適当な言葉で受け流している。相容れない気持ちが明確化した瞬間でもあった。

 そんな二人の応酬を目の当たりにして、仲間達は思わず止めようと話に割り込もうとしている。

「って、止めなさい! 二人共!」

「まだ戦いは終わっていないのだから……」

 リーファや九兵衛らが駆け寄り、言い争いを止めようとしたその時だった。

「みんな! 無事か!」

「って、お兄ちゃん?」

「黒剣さんですかい?」

 偶然のタイミングでキリトも、銀時らの元へ合流していく。危機を察していたようだが、どうやら杞憂のまま終わったらしい。仲間達は久しぶりに会ったキリトとの再会に懐かしむが、本人は敵の動向が気になって仕方がない様子である。

「なぁ、銀さん。空に漂っていた敵やモンスターは大体倒したんだが、どこを見渡してもオベイロンの姿は見えなかったぞ」

「こっちもだな。こうなったらもう一回空から追跡するか。今度はゴリラに頑張ってもらおうじゃねぇか」

「いや、待ってくれ!! なんでそこで俺! 完全にとばっちりじゃないか! つーかお前も空を飛べるライダーの力使えよ!」

 オベイロンの行方について問いかけるも、やはり銀時も心当たりがない。そこでまたもファイナルフォームライドを使用しようとするが、巻き込まれた近藤は意地でも阻止しようと話しかけている。

「うるせぇよ。お前も武器にとっととなれっての」

「なるかって! お妙さんに使われるならともかくだが!」

 と謎のこだわりを露わにする近藤だったが、その気持ちが飛び火したせいか、九兵衛も良からぬ世迷言を頭に浮かべていく。

「何!? もしかして……妙ちゃんなら武器化した僕を使いこなせるのか? 中々に特殊な性癖だな」

「って、九兵衛さん!? 何変な趣味に目覚めようとしてんの!? 色々とおかしいことに気付いてって!!」

 もし自分がファイナルフォームライドした場合、使用者が妙なら満更でもない気持ちを感じてしまう。思わぬ満足感に心を揺さぶられる彼女を目にして、横にいたリーファは必死に説得し直していた。何故か武器化がこの集団の中で流行り始めようとしている。

「えっと……つまりどういうことだ?」

 一連の様子を知らないキリトからすれば、何が起きているのかさっぱり分からない。

 と場の緊張感が緩和され始めていた――その時である。

「フッ、ハァ!」

「ん? この声は……妙ちゃん?」

「えっ?」

 ふと辺りを見渡してみると、そこには妙、シリカ、リズベット、たま、ピナの四人と一匹が、ダークライダーの一人リュウガと一戦を交えていた。総力を挙げて対峙するも、リズベットらは苦戦を強いられている様子である。

 さらに正反対の方角には、また仲間達が強敵と戦っていた。

〈チェリーエナジースカッシュ!〉

「くらえ!」

「うわっぁ!?」

「って、シウネー? てか、みんな!」

 今度はシウネー、タルケン、テッチ、ノリの四人がシグルドを相手取っており、こちらも戦況はやや劣勢に見える。

 間接的に仲間の危機を察した九兵衛とジュンは、咄嗟に関わりの深い仲間達へ加勢しようと決意を固めていく。

「すまない! 僕は妙ちゃんとリズ君達の元へ行く!」

「僕もだ! このままみんなを放ってはおけないからな!」

「おいおい、お前ら!?」

「行っちゃった……」

 銀時やキリトらの反応などつゆ知らず、感情的なままに先走る二人。そのタイミングはほぼ同一であり、あまりの速さにリーファらは思わず反応に困ってしまう。

 その一方で加勢に入った九兵衛とジュンは、

「助けに来たぞ!」

「九兵衛さん!?」

「九ちゃん! 頼んだわよ!」

「もちろんだ!」

早速仲間達から頼りにされている。

「みんな! 大丈夫か!」

「ジュン! アナタも来てくれたのですね!」

「よしっ! 反撃開始だ!」

 共にチームの士気がより高まり、劣勢を巻き返そうと皆が躍起になっていた。闘志を存分に燃やしたまま、勝利を手繰り寄せるべく皆が真剣に強敵達へ立ち向かっていく。

 その一方で場に残された銀時、キリト、近藤、土方、沖田、リーファ、クライン、エギルの八人も、二人に準じて加勢をすべきか悩み始めていた。

「って、俺達も加勢に加わるか?」

「そうする方が効率的なんですかね」

 と迅速に動き始めようとした時だった。

「おっと。お前らの相手は俺達だ」

「探したわよ。おまぬけな妖精達」

「……その声は!」

 まるで銀時らを足止めするかのように、別の歩道から新たな強敵が出現している。その正体はダークキバとポセイドン。共にマッドネバーの最高戦力であり、特に前者はリーファを存分に打ち負かした最恐の敵と言えよう。

 そんな二人は堂々と宣戦布告しつつ、真選組やリーファらを真っ向から挑発している。

「どうやら骨のあるヤツはいそうだな。楽しませてくれよ」

「それにあの時の妖精もいるじゃない。懲りずにまたやられて来たの? 今度は顔に大きな傷を与えちゃおうかしら?」

 仮面で覆われているため、細かな表情は見られないのだが、恐らく内心では一行を嘲笑っているに違いない。特にダークキバはリーファへ分かりやすい挑発を仕掛けて、その反応を楽しんでいるようにも見える。

 無論リーファも黙っているわけにはいかず、怒りの表情を浮かべたまま、名指しで反論していく。

「そんなわけないでしょ!! アンタを倒すために精一杯特訓してきたんだから! 今度こそ……リベンジを果たすわよ!」

 と自身の剣を構え直して、即時戦闘態勢を整えてきた時だった。

「落ち着けよ、ブラコン。リベンジって言うなら、俺も同じでさぁ。ここはまた共闘しやすかい?」

「えっ……!? 沖田さん?」

 彼女へ追随するように沖田も臨戦態勢を構えており、リーファと同様にリベンジを決意している。乗り気な彼の姿に、リーファ本人は思わず困惑した反応を示していた。

 すると沖田へ続き、近藤と土方も声を上げていく。

「総悟の言うとおりだな。ここは真選組総出で、リーファ君のリベンジを手助けしようじゃないか!」

「乗りかかった船だ。最後までお前のアシストはしてやるよ。その代わり、手は抜くなよ」

「近藤さん……土方さんまで!」

 場の雰囲気を汲み取り、二人もリーファを手助けする所存である。心強い言葉をかけられたリーファ本人は、つい心から感激していた。思いっきり真選組を頼ろうとしていた。

 すると近藤らに続くように、クラインやエギルもキリトらに粋な一言を投げかけていく。

「おい、キリトに銀さん。俺は分かるぜ。お前らの言いたいことが。どうせ手を貸すべきか悩んでいるんだろ?」

「ク、クライン?」

「おい、何言ってんだ。急にかっこつけか?」

 そう銀時からヤジを飛ばされようと、二人は変わらずに言葉を続ける。

「そう思ってくれても良いぜ。あの海洋生物もどきは、俺達が相手をするからよ!」

「だな。あわよくばもう二人ほど欲しいが、きっと加勢が来てくれるだろうからな」

 両者はダークキバと同じく襲撃を仕掛けたポセイドンに狙いを付けており、彼を返り討ちにするべく戦意をたぎらせていた。真選組やリーファの混合チームと比べると、若干人数に物足りなさを感じるのだが……二人は確信していた。きっと別の仲間が駆けつけてくれると。その予感はすぐに当たるのだが。

[俺のことを呼んだか!]

「うわぁ!? びっくりした?」

「エリザベスか?」

 突如として上空から現れ、豪快にクラインらの元へ着地したのはエリザベス。どうやら阿吽の呼吸が如くクラインらの意志を察したようで、早くもポセイドン撃破に向けた心構えを彼は整えている。

[遅くなってすまない。他のチームのアシストにいたが、俺がいなくても大丈夫そうでな]

「おう! お疲れさん、エリザベス! 折り入って悪いんだが、俺達の手伝いもしてくれないか?」

[任せろ。その代わり、やるからにはきっちり勝つぞ!]

「もちろんだ! 分かっているさ」

 そうプラカードを掲げると共に、エリザベスは口元から刀を取り出していた。ぎゅと手で握りしめて、それをポセイドンへと差し向けている。同時にクラインやエギルも、刀や斧を差し出していた。

 こちらも臨戦態勢が整った後に、銀時、キリトへ労いのメッセージを投げかけていく。

[万事屋。桂さんを見かけたら、こっちに戻るように伝えておいてくれ]

「わ、分かった」

「ってことだ。お前ら二人はあのバカな妖精王もどきを、とっとと倒して来いよ」

「俺達だけじゃない。英雄たちもいるんだ。きっと大丈夫だよ」

 普段通りの健気な表情を浮かべつつ、堅苦しくない挨拶のまま二人の背中を押している。そう素直なやり取りを交わせるのが、心から信頼している証拠なのかもしれない。それはクラインらのみならず、リーファ達も同じ想いである。

「私達も絶対に負けないから! お兄ちゃんも銀さんも頑張って!」

「気に食わねぇが、これだけは言っておく。この勢いに乗ったまま倒せ。それだけだ」

 照れくさそうに土方も後ろを向いたまま、銀時らへ想いを投げかけていく。最後に放った言葉はまさしく嘘偽りのない本心であろう。

 仲間達の確かな想いを汲み取った銀時とキリトは、託された気持ちを大切にしつつ、新たな一歩を踏み出そうとしている。

「みんな……ありがとう!」

「そんじゃ。お言葉に甘えさせてもらうぜ」

 キリトははつらつした元気な表情を。銀時はクスっと笑いつつ照れくさそうな表情を浮かべていた。言われた通り、オベイロンとの決着は自分達の手で付ける所存である。

〈カブト! ライダーパワー!〉

〈ドライブ! フォーミュラパワー!〉

「「ハァ!!」」

 すると二人は咄嗟にライダーの力を解放しており、銀時は先ほどと同じくカブトのクロックアップ能力。キリトはドライブの最速形態であるタイプフォーミュラの力を発動。素早さを高めつつ、一瞬の速さで場を跡にしていた。

 銀時らが立ち去ったことを確かめつつ、リーファ達は再度仲間達との連携が取れているか確認していく。

「これで本当に良いのよね?」

「もちろんでさぁ。誰にも縛られずに復讐を果たそうじゃないですかい」

「随分と物騒だが……まぁ、小娘の晴れ舞台を祝ってやるか」

「小娘じゃないな。リーファ君だ! よろしく頼むぞ!」

「……もちろんよ!」

 互いに軽口を交わしながらも、皆の譲れない気持ちを察したリーファと真選組。依然として確かな意思に変わりはない。

「桂さん……絶対に来てくれると信じているぜ!」

[アイツならすぐ来るだろう]

「だな。それまでは、俺達で場を盛り上げようじゃないか」

 一方でクラインやエリザベスらは、肝心の桂が来るまで戦い抜くことを決意。心強い仲間との合流に想いを馳せながら、沸々とさらに戦意を燃やしていく。

「さて、いよいよか」

「どんなに結束しようと、所詮勝つのは私達だけどね!」

「そいつはどうですかい?」

「そいつはどうかしら?」

 挑発気味に呟くダークキバに対して、沖田とリーファが即座に反論していく。二人の自信に満ち溢れた表情には、ついダークキバも怯まされてしまう。

「って、そう簡単に倒せると思わないことね!」

「みんな、行くぞ!」

「「ハァ!!」」

 彼女らが放った衝撃波と共に、颯爽と動き出す七人の戦士達。後ろで轟轟と燃える爆発に怯むことなく、敢然とした態度でダークライダー達へ斬りかかっていく。

 こうしてリーファもようやく、宿敵とも言えるダークキバとの再戦が始まっている。新たに真選組一行と共闘しながら、彼女はリベンジを果たすことが出来るのか。また桂は本当に助けに来るのか。

 

 

 

 

 

 

 

 銀時、キリト、アスナ、神楽が仲間達の元へ戻ろうとしている中で、世界樹の入り口付近では新八、ユウキ、桂、ユイ、定春が必死にナイトローグ率いる残党との戦いに躍起となっていた。

「ハァ!」

「ヤァ!」

「セイ!」

 ユウキらは自慢の武器を振るいながらも、堅実的に戦闘員を倒し続けていく。ところがその数は範囲内を超えており、いくら裁こうとも依然としてその底が中々見えない。数で押され気味な状況に、皆はなんとも言えない表情を浮かべている。

「おい、どうなっている!? 倒して倒してもキリがないぞ」

「こりゃ、まだまだかかりそうかな?」

「僕らだけじゃ限界があるのか?」

「そんな……」

 桂、ユウキ、新八、ユイと思い思いにことを発していた。現状は優勢とも言えず、敵の数からも全滅はまだまだ程遠いであろう。

「終わりだな。とっとと降伏しろ!」

 一方で対峙するナイトローグは、ふてぶてしくもユウキらに降参を命じている。実質的にも勝利を確信しており、存分に威勢の良さを披露していた。

 もはや絶体絶命とも言える状況の中……一早く危機を察して、駆けつけてきた者がいる。

「おっと! ここは俺に任せろ!」

「って、キリトさん!?」

「パパ!?」

「何!?」

 その通り。加速状態のまま、戦場を駆け抜けていったキリトだった。突然の彼の乱入によって、場の雰囲気は瞬く間に一変。新八やユイらは頼もしい味方の登場により、心から安心している。

 キリトはすぐにドライブの力である加速状態を解除すると、すかさずアルヴドライバーを操作。残党狩りにぴったりなライダーの力を解放していく。

「これだ!」

〈エグゼイド! ダブルアクションパワー!!〉

 彼が解放した力はエグゼイドのダブルアクションゲーマー。この力は二人に分身することが可能で、さらには各々の意志のままに動く、分身形態の中でも一際変わった立ち位置なのである。

 キリトはエグゼイドの力を解放した後、眩い光に包まれながら二人へと分裂していた。

「だーい、変身!!」

〈ダブルアップ! 俺がお前で~! お前が俺で! ウィアー!! マイティ! マイティ! ブラザーズ……ダブルエックス!!〉

「おい、キリト君が分身したぞ!?」

「アレは……昔のパパ?」

 突然の出来事につい戸惑いを覚えていく仲間達。最初こそ大いに驚いていたものの、すぐにライダーの力によるものだと理解していく。一方でユイは、もう一人に分裂したキリトの姿にどこか見覚えを感じていた。

 それもそのはず。出現したキリトの風貌は、かつて旧ALOで使用していたアバターとほぼ同一だからだ。前髪は跳ねておでこが出ており、服装や武器も若干現在と異なっている。ユイはどこかその姿に懐かしさを心に宿していた。

 仲間達が多少なり驚く中で、キリトは分裂した自身の存在を十重に理解しており、気さくに会話を挟みつつ意思疎通していく。

「さぁ、行こう!」

「おう! 超強力プレイでクリアするぞ!」

 アイコンタクトで再度闘志や想いを確かめると、新キリトがアルヴドライバーを操作していき、自分らに相応しい武器をベルトから召喚していた。

〈ガシャコンブレイカー!〉

〈ガシャコンキースラッシャー!〉

「「はぁ!!」」

 旧版のキリトはブレードモードを展開しているガシャコンブレイカーを。新版のキリトはキー操作が可能なガシャコンキースラッシャーを装備。本来所持している長剣と合わせて、二刀流戦法で蔓延る戦闘員の大群に挑んでいく。

「フッ!」

「なんの!」

 手始めに新キリトがガシャコンキースラッシャーとエクスキャリバーを振るいつつ、大胆にも接近戦も展開。すぐにコツを覚えていき、戦況を有利に進めていく。

〈ジャジャジャキーン!!〉

「ハァ!!」

「ギィ!?」

 武器に装備されたキーを巧みに操り、連続攻撃を繰り出す。相手の動きに鈍さが生じた時には、

「今だ!」

「任せろ!」

「ウグ!?」

背後からもう一人のキリトが斬りかかる。ガシャコンブレイカーと大型の剣を力強く振るって、戦闘員を大方薙ぎ倒していく。

「ハァァァ!!」

「ガラァァァ!?」

 攻撃を設ける手段を一切与えることなく、次々と相手の策を封じる二人のキリト。超強力プレイと謳っているが、その実態は二人の自分によるソロプレイと言っても差し支えない。

「おい、貴様! 何をしている! 数の差ではこちらが優勢だ! どんな手を使ってでも奴らを倒せ!!」

 一方でナイトローグは、一瞬にして状況が劣勢と化したことに焦り気味な様子であった。未だに撃破されていない戦闘員らに向けて、自分勝手にまくしたてている。だがしかし、

「そうはさせるかよ!」

「うっ!? なんだ!?」

彼にとってはさらに都合の悪い事態が起きていた。この戦場に次々とキリトらの仲間達が駆けつけていく。颯爽と最初に現れたのは坂田銀時。高速状態を解除した後に、彼は木刀を振るって周りの戦闘員を蹴散らしている。

「みんな! お待たせ!」

「さぁ、雑魚共を片づけるアルよ!」

 さらには神楽とアスナも駆けつけ、彼女達もすぐに銀時やキリトらへ加勢していく。特に後者はまだオールドラゴン状態を解除しておらず、重装備した尻尾や爪を巧みに操りつつ、豪快に戦いを進めていた。

 まさに大盤振る舞いな戦い。様子を見ていた新八やユウキらも、圧倒的な力の前に驚かされるばかりである。

「す、凄い……」

「やっぱり四人とも、しっかりと使いこなしている!」

 窮地を助けてくれたことには、変わらずに皆が感謝を感じていた。

 とそれはさておき、猛追を重ねた結果、遂に戦闘員の大半を撃破出来た四人……いや、五人の戦士たち。ナイトローグを含めて残った怪人らを一掃するべく、各々が必殺技の構えを始めていく。

〈龍騎! ストライクベントパワー!!〉

〈電王! ガンパワー!!〉

 銀時と神楽はアルヴドライバーを操作して、竜を模したライダーの力を解放。銀時は右手に龍騎がよく使用していたドラグクローを装備。ドラグクローへ炎のエネルギーを溜めこんでいく。

 一方の神楽は武器である日傘をナイトローグらへ向けて、エネルギーを充填。電王がフォームチェンジした姿、ガンフォームの必殺技であるワイルドショットを発動。日傘の先端に電撃エネルギーを溜めこみ、一つの光弾として解き放とうと差し向けていく。

「今だ! これを使え!」

「もちろん!」

 一方で新キリトは旧キリトへと、必殺技を発動するためのライダーガシャットを渡していた。ゲームを模した能力を秘めており、旧キリトにはギリギリチャンバラガシャット。新キリトはタドルクエストとバンバンシューティングのガシャットを手にしていく。それらを自分が今所持している武器の窪みへと装填する。

〈ガシャット! キメワザ!!〉

〈ギリギリ! クリティカルフィニッシュ!!〉

〈クエスト! クリティカルフィニッシュ!!〉

〈シューティング! クリティカルフィニッシュ!!〉

 必殺技を発動するためのエネルギーが剣へ宿っていき、旧キリトにはチャンバラゲームの力が。新キリトにはファンタジーゲームとシューティングゲームの力が。ゲームに準じたエフェクトを放ちながら、標的をナイトローグらへ定めていく。

「さぁ、フィナーレよ!」

 無論アスナも銀時やキリトらと同じように、必殺技へ向けて準備している。胸部に装備されたドラゴスカルへ火、水、風、土のエレメントを集結させていき、彼女なりの「ドラゴンブレス」を放出しようと企てていた。

「何!? 囲まれただと!?」

 敵側のナイトローグにとってはまさに絶望的な状況。気付いた時にはもう遅く……打開策を練ろうにも、そんな時間など無かった。

「「クリティカルフィニッシュ!!」」

「ワイルドショット!!」

「ドラゴンブレス!!」

「か~め~は~め~波!!」

「「えっ!?」」

「はぁ!?」

 各々が解き放つとっておきの必殺技。二人のキリトはゲームを模した技を。アスナ、神楽、銀時の三人は、奇遇にもドラゴン系統の技で一掃していく。ところが銀時だけは遊び心なのか、龍騎ではなく某ジャンプ主人公の必殺技名を叫んでいる。予想外の反応に皆が驚嘆する中で、一行の放った技は見事に残党達へ命中していた。

「ギャァァァ!!」

 悲痛な叫び声と共に、次々と倒されていく戦闘員達。軍団の中心核であったナイトローグも、必殺技を防ぎきることが出来ずに力尽きてしまう。変身状態も解除されてしまい、元のナメクジの姿が戦場にさらけ出された。

「参った……!」

 その呟きと同時に、巨大なナメクジはぐったりと倒れこんでしまう。眼からも生気は感じられず、しばらくはこの状態が続くと見て間違いないだろう。

 大方の戦闘員や怪人達を倒し切ると、銀時は大ぴっらに喜びの声を上げていく。

「よっしゃ! これで全員分、撃破したぜ!」

「って、何ぼんくら決めているアルか! 確実に何か言っていたアルよ!」

「つーか、なんで台詞通りに言わないんですか!!」

「ごめん、魔が差しただけだ」

「言い訳になってませんよ!」

 嬉々とする銀時に対して、新八や神楽はあの件についてツッコミを入れていく。理由を問いただそうとも、彼には深い理由は無かった。

「もう銀さんったら……なんで肝心なところでふざけるのよ」

「それがいつもの銀さんらしさだからな」

「肝心なところで締められないのが、通例になっているしな」

「そうね。って、キリト君!? いつの間に二人へなっているの!?」

「えっ? 今気づいたのか!?」

 肝心なところでふざける銀時に、苦い表情を浮かべているアスナ。キリトが補足を加えるも、彼女はここでようやくキリトが二人に増えている事実へ気付く。後から加勢したとはいえ、中々に時間差のかかった反応である。

 戦闘が終わって、ユウキや桂、ユイらも駆け寄る中で、キリトはもう一人の自分に対して些細な感謝を伝えていく。

「とりあえず、ありがとう。ここまで一緒に戦ってくれて」

「おう! 必ずマッドネバーに勝てよ!」

「もちろんだ!」

 もう一人の自分の背中を押すように、心強い言葉をかけた旧キリト。新キリトへ向けて固く手を握ると、旧キリトは光のエフェクトと共に姿を消していく。

 一時だけ叶った珍しい共闘に、仲間達も多様な反応を示している。

「すっごい違和感のある光景よね……」

「パパが二人に増えるなんて」

「それだけ聞くと、語弊もある気が……」

 アスナやユイは旧キリトのアバターとも面識がある分、新キリトのアバターと立ち並んでいることに、かなり違和感を覚えている様子だ。ユイも素朴な一言には、新八もボソッとツッコミを入れたのだが。

 その一方でユウキは、窮地を助けてくれたアスナや神楽らにとびっきりの感謝を伝えている。

「みんな、ありがとう! 僕達のことを助けてくれて!」

「そんなことないネ! 仲間として、当然のことをしたまであるヨ!」

「ハハハ! 流石だな。持つべきものは古き友だ。俺は心底感動しているぞぉ、銀時!」

「何でテメェが威張ってんだよ」

 ユウキに続いて桂も声を上げたが、鼻に付く言葉の数々であった。銀時からは案の定ツッコミが入れられている。

 とそれはさておき、彼は桂へ向けてエリザベスから言われた託を伝えていく。

「あっ、おいヅラ。そういや、クラインとエリザベス達がお前のこと呼んでいたぞ。さっさと助けに来いって」

「はい? おい、銀時! そういうことは早めに言え!」

「って言われてもな、こっちはこっちで戦っていてよ」

「言い訳は後だ! 待っていろ、クラインにエリザベス!!」

 加勢の件を桂へ伝えると、本人は顔色を変えて見切り発車で場を跡にしている。必死そうな表情で走っていくが、具体的な場所は彼にはまだ伝えていない。本当に肝心なことは聞いていなかった。

「ついでにエギルもな。後場所は……」

「って、もう聞こえていないですよ。きっと」

 補足を加えようにも、もうすでに桂の姿はない。終始彼のマイペースさに翻弄された一行であった。

 そんな桂は、ほんの数分で仲間達と合流していたのだが。

「おい、貴様ら! 苦戦などしていないだろうな!」

「か、桂さん!?」

「やっと来たか」

[遅いぞ]

「すまぬな! だが俺が来たからには安心しろ! 必ずこいつを討ち返してやるからな!」

 威勢の良い言葉を投げかけた後、挨拶代わりとして時限爆弾を一発、ポセイドンへ向けて投げつけていく桂。

「何!? うっ……」

 爆発によって、ポセイドン本人が怯んだと同時にして、

「「「ハァァ!!」」」

「フッ、させるか!」

一致団結した桂ら四人が共闘して、さらなる追撃を与えようとしている。当然ポセイドンも槍で防御姿勢を構えつつ、ギリギリとも言える戦いを展開していった。他のダークライダーと比べて因縁は特にないが、悪意ある者に天誅を下さんと、攘夷志士達やエギルは強大な敵に立ち向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 その一方で世界樹入り口前に集結するは、万事屋やユウキ達。彼女らは仲間達の動向を互いに報告しつつ、肝心のオベイロンの行方についても情報を共有していく。

「んで、ダークライダー共はどうやらポリ公や騎士団が相手するそうだぞ」

「えっ? そうなの!? みんな大丈夫かな」

「心配は無用だと思いますよ。だってユッキーさんの仲間達は、皆さんとっても強いですから!」

「それもそっか。大丈夫だね、みんななら!」

 特にユウキは自分以外の仲間が、ダークライダーの相手をしていると聞いて、ほんの僅かに不安な気持ちを思い浮かべてしまう。それでもユイに諭された結果、杞憂のままに終わったのだが。

 報告を重ねるにつれて、仲間達がダークライダーを相手にしている事実へ、皆が気付き始めている。

「じゃ、大方みんなはダークライダー達を相手にしているのか」

「確かにリズ達も、敵視している敵がいたはずよね」

「ってことは、ダークライダーの討伐はみんなに任せた方が良いかもしれないアルナ」

「ワン!」

「右に同じく」

 アスナや神楽らは仲間達の気持ちを汲み取りつつ、ダークライダーへの介入は無用と結論付けている。やはり決着は自分自身で付けた方が良いと、皆が括っていたからだ。

 となれば、残る敵は世界樹最上階へと逃げ込んだオベイロンのみである。

「そんじゃ、俺達が相手するのはあのバカ男で良いのか?」

「いやいや、銀ちゃん。ゴミクズ野郎の方が合っているアルよ」

「ワフクーズ!!」

「あだ名付けはどうでもいいですから。ていうか、定春も何言ってんの!」

 銀時や神楽、定春はノリに乗っかって、オベイロンの呼称付けに躍起となっていく。本題から外れていることに、新八が随時修正を加えていた。

「まぁ、とにかくアイツを倒せない限りは、この星の未来を取り戻すことは出来ないからな」「そうね……ユッキーも一緒に来てくれるかしら?」

「もちろん! 僕だって、みんなと気持ちは同じだから! 一緒に戦うよ、アッスー!」

 時を同じくして、キリト、アスナ、ユウキらは仲間達への士気を高めていく。アスナは今一度ユウキへ同行を確認するも、本人は迷うことなく共に戦うことを決めていた。

 これにて総勢七人と一匹で、オベイロンの元までカチコミを入れる所存である。

「また協力お願いしますね、定春!」

「ワン!」

 ユイも改めて定春に共闘を要請していた。彼は元気よく返事をすると、ユイに向かって顔をじゃれつかせている。

 すると彼女は、銀時やキリトに最上階まで向かう術を聞いていた。

「それじゃ、パパ。どのライダーさんの力を使用しますか?」

「えっと、それは……」

「そんなもん、こいつで良いだろ」

 と割り込みつつも銀時はアルヴドライバーを操作。

〈ディケイドパワー!〉

 ディケイド固有の能力である、瞬間移動型のオーロラを展開。これで一瞬にて、世界樹最上階まで向かう様子である。

「これなら行けるアルナ!」

「おう。それじゃ、準備は出来ているか?」

 念のために仲間達へ確認を促すと、彼らからは十分な反応が返っていく。

「了解!」

「もちろん!」

「大丈夫!」

「任して!」

「よしっ、なら行くぞ!」

「こいつが正真正銘の……最後の戦いだ!」

 皆の心の準備が整ったのと同時に、キリトが決意を込めた一言を声に上げていた。こうしてオーロラが横方向に流れつつ、万事屋達を目的の場所まで移動させていく。全てはこの戦いに決着を付けるためだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 皆が宿敵との決着に向けて、いよいよ最後の戦いに赴こうとしている中で、オベイロンはただ一人世界樹内へと戻って来ている。自身の乗っ取った貴賓室にて、作りあげた装置を見上げながら、しぶとくも逆転の一手を仕掛けようとしていた。

「まだだ! 奴らが持つライダーのエネルギーを利用すれば、この装置を疑似的に作動出来るかもしれん! そうすれば……僕は勝てるぞ!」

 壊れかけた装置に修正を加えながら、未だに勝負を諦めていない。どうやら銀時やキリトらが手にしたライダーの力を利用して、装置を疑似的に再現しようと企てていた。すると彼は瞬時にアナザーエターナルへと変身している。

〈エターナル!〉

「ハァ! ……これで完成だ。後は奴らが来るのを待つだけ……さぁ! さっさとネギを背負ってこい! 鴨ども!」

 戦う準備を整えつつも、密かに装置を起動させることへ気持ちを高ぶらせるオベイロンことアナザーエターナル。相当な自信があるようで、否が応でも銀時らを欺けることへは、内心ゾクゾクさせている。そう自分に酔いしれていた時だった。ちょうど良いタイミングで、銀時らが最上階まで駆けつけていた。

「見つけたぞ、テメェ!!」

「覚悟するアルよ!」

「はぁ? ぐはぁっぁぁ!!

 飛び蹴り付きで。あまりの不意打ちにアナザーエターナルも一杯食わされてしまう。

「えっ!? 銀さん!?」

「神楽ちゃんまで!?」

「おぃぃぃぃ!? 何をやってんだ、あんたらぁぁぁ!!」

 二人の行動は仲間達にとっても予想外だったらしく、キリトやアスナらは驚きのあまり体が固まり、新八はカタを外したようにツッコミを加えていく。

 無論一方的な攻撃を受けたアナザーエターナルも、ツッコミを入れているのだが。

「おい、何をする! 正々堂々と勝負をしないのか!?」

「うるせぇ! テメェが言う言葉じゃねぇだろ! ここまで散々苦しめやがって!」

「敵の数が多すぎるネ! バトルシーンに四週もかけるとか、正気の沙汰じゃないアル! 少しは投稿者の気力も考えるアルよ!!」

「さっきから何を怒ってんだ!! お前らは!!」

 二人が襲撃を仕掛けたのは、個人的な怨恨に加えて、メタ的な視点も含まれている。特に大勢の敵を用意したことは、倒すにも手間がかかったせいか、あまり良い想いはしていない。感情的なままに気持ちをぶつける銀時らに、アナザーエターナル本人もつい反応に困ってしまう。

 そんなグダグダとした様子を見る仲間達だったが、ユウキはふとした勘違いを勝手に浮かべていた。

「あっ、なるほど。何をしでかすか分からないから、このまま取り押さえれば良いってことだったのか」

「って、ユッキーは無理矢理納得しなくていいから!」

「あの二人はそんな深い理由でやっていないですから!」

 別の視点からすれば理にかなっている考察だが、神楽達がそこまで先読みしている可能性は皆無に等しいだろう。アスナや新八は言動を訂正するかの如く、激しいツッコミを加えていく。

 最終決戦にも関わらず、閉まらないスタートを迎えたこの戦い。終始文句をぶつけられているアナザーエターナルは、とうとう我慢が出来ずに本領を発揮させていた。

「って、いい加減にしろ!」

「うわぁ!?」

 手にしたガイアキャリバーを振るって、周りにいた銀時らを遠くへ飛ばしていく。仲間の元まで戻されたが、二人は特に傷は負っていない。

「大丈夫ですか、銀時さん! 神楽さん!」

「何のこれしき、平気ネ!」

「あの野郎……逆切れか?」

 バチバチと戦闘態勢が整ったことへ、徐に警戒心を露わとする一行。怪訝な表情を皆が浮かべる中で、アナザーエターナルは気持ちを高ぶらせたまま、勝利宣言を声に上げていく。

「僕はまだ終わっていないぞ! この装置だって、再興するかもしれんのだぞ! そうすれば、僕は実質的に勝つ! なんとしてもな!!」

 あまりにも自分勝手な考え。組織にも仲間にも愛着は無く、そこには全てを踏みにじろうとも、星の頂点に立とうとする愚かな妖精……いや醜く化した怪人の姿があった。

 強欲の塊とも言える化け物の戯言を耳にすると、万事屋達も対抗するかのように、臨戦態勢を瞬く間に整えていく。

「ウゥ……!」

「ゴキブリ並みに諦めが悪いアルナ!」

「平和を取り返すには、真っ向から立ち向かうしか無さそうですね……!」

 予想はしていたものの、やはり相手しなければならない状況に、一段と苦難を感じる神楽やユイ。定春も終始にらみつけており、彼女らは厄介な能力を持つアナザーエターナルそのものに、警戒心を漂わせていく。

 だが一方でユウキは、自然と恐れなど感じていない。仲間への強い信頼からか、絶大なる自信を徐々に感じ取っていた。

「そんなの僕達の専売特許だよ! 大丈夫だって。ここにいるみんななら!」

「そうですね……ユッキーさん」

「私も同じ想いよ!」

 僅かな時間で築いた万事屋との絆。特にアスナとは関わりが深く、本音で語り合った後もその思いは変わらない。ユウキの想いを汲み取った新八やアスナらは、そっと彼女へ賛同をしていく。

 こうして皆が、アナザーエターナル撃破に向けて気持ちを一つにする。悪質かつ傍若無人な科学者を倒すために。

「てめぇら。この戦いでいい加減締めにすっぞ!」

「一気に決めよう! 俺達には……みんなから託された想いがあるんだ!」

 締めとして銀時やキリトも、仲間達へ向けて声を出していた。託された気持ち……共に戦ってくれた仲間や、力を貸してくれた平成仮面ライダー達。そして元の世界へ戻るためにも、未だに希望を諦めないアルンの人々のためにも……この戦いに決着を付けることを固く誓っていく。

 何としてでもこの戦いに勝つ。いや、絶対に勝たなくてはいけない戦いなのだ。

「行くぞ!」

「「「「「「ハァァァ!!」」」」」」

 こうして万事屋一行も、全力で最後の戦いに挑んでいく。

 総勢三十人以上が協力した、このマッドネバーとの戦い。果たして本当に、このALO星の平和を取り戻すことが出来るのだろうか。長く続いた戦いの行方や如何に――。





※現在の所在地

・世界樹最上階
 坂田銀時・キリト・志村新八・アスナ・神楽・ユイ・定春・ユウキVSアナザーエターナル(オベイロン)

・世界樹内部
 フィリア・来島また子・河上万斉・武市変平太・サクヤ・アリシャルー・ユージーンVS幹部怪人軍団

・アルンの街中①
 シリカ・ピナ・リズベット・志村妙・柳生九兵衛・たまVS仮面ライダーリュウガ

・アルンの街中②
 桂小太郎・クライン・エギル・エリザベスVS仮面ライダーポセイドン

・アルンの街中③
 リーファ・近藤勲・土方十四郎・沖田総悟VS仮面ライダーダークキバ

・アルンの街中④
 シノン・月詠・猿飛あやめVS仮面ライダーソーサラー

・アルンの街中⑤
 シウネー・テッチ・ノリ・ジュン・タルケンVS仮面ライダーシグルド

・世界樹内部へ侵入した者
 フレイア・長谷川泰三・オートバシン

・どこに向かったか不明
 高杉晋助


 いやぁ、やっと完成しました。
 今回は銀さんとキリトの戦闘シーンが多め。まずキリトが使用したのはオーズとエグゼイドの力。前者はただただ空中を飛べる繋がり、後者はゲーマー繋がりでしたね。特に今回使用したのは一風変わったダブルアクションゲーマーの力。フェアリーダンス編にて活躍していたキリトのアバターも出てきて、ある意味でこの作品でしか味わえない特殊な再登場でしたね笑 ちなみに使用したガシャットはSAO、GGO、サムライがモデルとなっています。
 一方で銀時が使用したのは、ブレイドと龍騎、ディケイドの力。偶然にもカードライダーズ統一となりました。銀時の小生意気な性格から、他人をファイナルフォームライドしても違和感が無かったと思います。剣にされたクラインが可哀そう……ちなみに尺の都合でカットしたのですが、近藤さんはアギトトルネイダーならぬイサオトルネイダーに変形する予定でした。人間ボードがここに復活! 後に出すNGシーンで収録したいと思います。
 ちなみに神楽が電王(ガンフォーム)を選んだのは……縁ですかね笑

 こちらも余談ですが、ウィザードにはドラゴタイマーと呼ばれるアイテムで、四人に分身することが可能となるのですが、と言うことはオールドラゴンの能力を使ったアスナも……四人に分身出来るはずですよね?

フレイムドラゴン=SAO版アスナ
ウォータードラゴン=ALO版アスナ
ハリケーンドラゴン=GGO版アスナ
ランドドラゴン=ステイシアアスナ

こんなところでしょうか

 さぁさぁ、長く続いた戦いもいよいよクライマックス!! それぞれが強敵との決着を付ける見逃せない回に仕立てる予定ですので、どうか気長にお待ちください。出来ればGW中前には投稿したいです。個人的に旅行へ行くので……

 では!


次回予告

妖国動乱篇……長き戦いにいよいよ決着!

平和を願う者は最後に――強大な力を持つ悪へ打ち勝つことが出来るのだろうか?

「これは俺達が託された……」

「自由を取り戻すための力だ!!」

妖国動乱篇二十 マッドネバーの最期
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