「はぁ……どう思いますか、ピナ?」
「ナップー!!」
「そうですよね。一気にまとめられたこっちの身にもなってくださいよ!」
港近くにある広場の椅子に座り、不機嫌にふてくされるはシリカ。共に連れてきていたピナに対して、タラタラと不満を共有する。ご主人様の言い分に、ピナも久しく共感していた。
一体何が起きたのか? 時は前日の夜へと遡る。
「そうなの? だったら全員を巻き込んで、盛大なパーティーを開こうかしら?」
ちょうど店を閉めた直後。ひのやの主人である日輪は、黒電話を介して誰かと相談をしている。
談笑しつつも通話を終えると、ちょうど良いタイミングでシリカが話しかけてきていた。
「あの、日輪さん? 一体誰とお話していたんですか?」
「あら、シリカちゃん。ちょうど良かったわ、話したいことがあったのよ」
「急に何なんですか」
こちらへ優しい微笑みを見せる日輪に、シリカはつい警戒心を露わにする。微妙な表情を浮かべながら、後部にある尻尾もくにゃりと曲げていく。
とそんなことはつゆ知らず、日輪が話しかけてきたことは……
「明日ね、シリカちゃんの誕生日会をしようと思うのよ!」
「……へ?」
唐突な誕生日会の開催である。予想外な展開には、シリカ本人も一段と困惑していた。
「誕生日って、アタシはまだ一週間近くありますよ?」
「それはもちろん知っているわよ。リズ達からも聞いたし。でもさっき、銀さん達と話してみた感じね、どうやらキリト君やアスナちゃん達も誕生日が近いらしいのよ」
「あぁ、確かに二人共アタシと近いですよね――アレ?」
最初こそ日輪の先走りかと思いきや、段々とその本筋を理解していく。だがそれは同時に嫌な予感を想起させていた。
(ま、まさかまとめて誕生日会をする気じゃ……)
誕生日が近い故の同時開催を、シリカは僅かながら恐れている。シノンの時とは違って主役が多くなるため、特別感が薄れることを危惧していた。
(嫌な予感が当たりませんように……! スリザリンは嫌だ! スリザリンは嫌だ!)
ネットで目にしたおまじないを参考に、内心では祈りを続けている。そんなシリカの狙いなど知らず、日輪はようやく本題を彼女へ打ち明かす。
「それとシリカちゃんは知らないと思うけど、銀さんも実は誕生日が近いのよ。だから四人分まとめて、明日誕生日会を開くことにしたわ!」
(グハァァ!!)
見事にスリザリン(嫌な予感)が当たって、シリカは精神的なダメージを負ってしまう。キリトやアスナと誕生日が近いことを知っていた彼女だが、まさか銀時とも近いのは想定外であった。
(ちなみにアスナが9月30日、シリカが10月4日、キリトが10月7日、銀時が10月10日とほぼ三、四日感覚で誕生日が決められている)
合同誕生会の確定に激しくも苦い表情を浮かべるシリカに対して、日輪は気合に満ちた表情で張り切りながら、明日の誕生日会の準備をもう始めている。
「さて、そう決まったならもう支度をしないと! シリカちゃんは、明日一番に何を食べたいかしら?」
「チ、チーズケーキで……」
「分かったわ。特別に作っておくから待っていてね!」
シリカの悲哀を察することなく、冷蔵庫の中身を確認していく日輪。もう準備のことで手一杯となっている。
一方のシリカ本人は本音をぶつけたいところだが、正直には言えなかった。理由は色々とあるのだが、何よりも日輪の熱意を削がしたくないこと。下宿先の保護者とは言え、ここまで手厚くもてなしてくれるのも有難く思っている。だからこそ、余計な贅沢は言いたくないのであった。
(本音と建前って難しい……)
今日しばらくは立ち直りそうがないシリカである。
それから一日が経ったこの日。正確に言うと九月の三十日当たり。
今日一日シリカには何も予定がなく、誕生日会本番は夕方から下宿先にて開催される。肝心の仲間達はと言うと、リズベットは鍛冶屋、リーファとシノンは野暮用、月詠と晴太は買い出しと皆がまばらに行動していた。
折角の誕生日会の主役にも関わらず、暇を大いに持て余しているシリカ。万事屋に行こうにも、あちらは誕生日の準備をしているに違いない。様々な不満を抱きかかえながら、彼女は頼れる相棒のピナに愚痴を漏らすだけである。
「はぁあ~もうこうなったら、ソリートさんのところに行って時間潰しましょうか」
「ナー!」
不機嫌さは未だに直っておらず、少しでも気を紛らわせるために場から動き出そうとしていた。
と港付近から抜け出そうとした時である。
「はぁ!? おまん、何を考えているきに!? 結婚式の引き出物を貸し忘れただぁ!?」
「ん?」
ふと猫耳に聞こえてきたのは、土佐弁で話す女性の怒号。その力強い一声に、シリカらは辺りを反射的に見渡している。
すると多くの倉庫が配置されている商店沿いに、青い野良服を着用した女性の姿が見えていた。彼女は編み笠を頭にかぶっており、左手には携帯電話で何者かと話している。素朴な佇まいから、かぶき町や江戸には住んでいない者などシリカは推測していた。
「九兵衛さんと同じ服? でも笠を付けていますね」
彼女はこっそりと物陰から様子を伺うことにする。
一方で女性の怒りは収まらず、電話相手に向かって怒りをぶつけていた。
「良いか? 今すぐ港へ戻るきに! おまんが……って、用がある? またどうせおりょうとかいうキャバ嬢に会う気じゃろ! おい、待つ……チッ! あの唐変木!」
怒鳴り散らす中で通話が切れてしまい、女性は大いに地団太を踏む。方言の効果もあるが、それでも言いたいことをはっきりと言う姿に、シリカやピナも遠目ながら感心していた。
「ナ……」
「凄い迫力の女性ですね……」
一方の女性だが、怒りを抑えつつも今後について考えている。
「どうするんじゃ……今更結婚式の引き出物など用意できるか。近くに代わり……ん?」
と深刻そうな表情で考えを煮詰めていた時。女性は遠目から見ているシリカとピナに気付いていた。
「ナ!!」
「ん? って、近づいています!?」
ピナの呼びかけで、ようやく女性の行動に気付くシリカ。殺気だった覇気を感じ、思わず体を震え上がらせてしまう。表情もびくびくと怖気づいていた。
「あ、あの! ごめんなさい!! 別に盗み聞きしていたわけじゃないんです! たまたま土佐弁が耳に残って! とにかくすいません!」
怒り心頭だと思われる女性の気を紛らわせるため、謝罪をするシリカだが、どれも空回りしている。慌てふためくご主人様の姿に、ピナもつい心配していた。
そしてとうとう女性は、シリカへ話しかけていく。
「おまん……」
「ひっ!? 何ですか!?」
肩をも掴まれてしまい、とうとう逃げ場がなくなった彼女は、怒られる覚悟で目を瞑る。必死に歯を食いしばっていた時だった。
「このペット、借りることは出来ぬか?」
「……えっ!?」
投げかけられたのは怒りではなくお願い。想定外の展開には、シリカはおろかピナでさえも首を傾げている。
このきっかけが、シリカと陸奥の初めての出会いであった。
「申し遅れたきに。ワシの名前は陸奥じゃき。普段は快援隊と言う貿易商売を営んでおる」
「アタシはシリカです! 色々あって今は吉原で下宿していまして……あっ、でも怪しい店にはいませんよ! 健全にこの街で暮らしているんですから!」
「ナー!」
「ほ、ほら、ピナも同じように言っていますし」
出会いから数分が経ち、互いの心境が落ち着いた頃。シリカと陸奥は一旦呼吸を整えて、簡単な自己紹介を交わす。シリカは下宿先が遊郭で有名なためか、一応誤解が起きないように補足を加えていた。
「まぁ、そんなことはないじゃろ。寺子屋通いの娘に、遊郭など酷に等しいからな」
「ハハハ……って、寺子屋通い?」
よぎっていた誤解は無かったが、この一言には新たな誤解が含まれているかもしれない。聞こうか悩んだシリカだったが、一旦は聞き流すことにした。
改めてシリカの出会った女性の正体は陸奥。快援隊の副艦長であり、組織の中枢を担っている人物である。
万事屋とも何度も交流を重ねているが、実はキリトらが加入してからは一切音沙汰が無かった。故にシリカが銀時らと知り合いなのは分からず、対するシリカも陸奥が銀時の顔見知りなのは知らない。
「まぁ、そんなことはどうでもいい。先ほどの要件に話を戻していいか?」
「は、はい、大丈夫ですよ! 確かピナを借りたいって話でしたよね?」
「ナー?」
陸奥が強制的に話題を戻し、シリカが素直に応じる。彼女からの提案はピナのレンタル。流石にこれだけでは理由も分からず、シリカやピナは一旦陸奥の話に耳を傾ける。
「実はな……今快援隊はとある客に商品を手渡すところじゃった。だが坂本のミスで、今日の配送には間に合わないらしい」
「坂本さん?」
「ウチのバカ艦長じゃ。あの男……仕事を放っておいて、キャバクラに行っておってな」
「えぇ……信じられないですよ。本当に艦長なんですか?」
「まったくじゃき。後でボコボコにしないとな」
「そんな物騒な……」
またも怒りが再燃する陸奥に、どこか気持ちを同情させるシリカ。自由奔放な姿に振り回されている陸奥には、怒鳴っても仕方がないと感じていた。
(いますよね、そういう人。銀時さんみたい……)
シリカは類似する人物で銀時を上げており、坂本とのいい加減さを照らし合わせている。どこの知り合いにも似たような人物はいると思い知っていた。
坂本の一件も気になるが、それよりも彼女は陸奥の言っていた商品に注目を寄せる。
「それでその商品はどんなものだったんですか?」
「商品か? 結婚式の引き出物きに。とある国の縁起物で、古いもの、新しいもの、借りたもの、青いものが必要なんじゃ」
明確となった引き出物の正体は主に四つ。古いもの、新しいもの、借りたもの、青いもの、この四つが揃うと夫婦は新たな門出を祝うことが出来るという。
「あっ! それでピナを借りたいと言ったんですね」
「じゃき。青いものと借りたもの、どちらにも該当するからな。じゃが……難しそうなら、大丈夫きに。強制するつもりはないからな」
そういって陸奥は一旦一息ついている。
ピナを求めた理由について納得をしたシリカだが、流石に訳を聞いても貸すことは出来ない。けれどもシリカには別の気持ちが芽生えていた。
「やっぱりピナを貸すことは出来ませんよ。アタシの大切なパートナーですもの」
「そうか……」
「でも、陸奥さんに協力することは出来ますよ! 今からでも引き出物を探してみませんか?」
「何? それは本当か?」
「はい! 乗りかった船ですから。一緒に協力しますよ!」
それは陸奥を手助けする心意気。艦長の坂本云々で苦労していると察し、陸奥を手伝いたい想いが生まれていた。所謂同情心からだが、その本心は純粋な優しさから来ている。
シリカの気持ちを聞いた陸奥本人は思い悩んだものの、彼女なりの優しさへ甘えることにした。
「ならば……恩に着る。おまんには後で借りを返さないとな」
「いえいえ、大丈夫ですよ! 困った時はお互い様ですから!」
謙遜しつつも、陸奥を励ますように言葉をかけるシリカ。一方の陸奥も改めて彼女の優しさに礼を口走っていた。状況が前向きに傾いたことで、二人は表情を和らげている。彼女達に確かな情が芽生えた瞬間でもあった。
(随分と素直な子じゃき。ここは彼女に乗ってみるか)
(誕生日会まで時間がありますし、一気に集めちゃいましょう!)
内心を探るとやや方向性は異なるが、二人の想いは同じ。仕事を遂行したい陸奥とは対照的に、シリカは気晴らし程度に捉えていた。
と互いの本音はさておき、シリカは早速陸奥に現状を聞いている。
「ところで引き出物の中には、何か代替できるものってありますか?」
「そうじゃな……手頃な水槽があったな。上手く活用できるかもせん」
「水槽……魚とか入れると結構見栄えが良いかもしれませんね」
「渡すまでは二時間ある。それまでに埋め合わせを探すきに」
合計で四つの物品を用意しなければならないが、現在陸奥が用意出来るのは余っていた水槽のみ。こちらは古いもの、もしくは借りたものとして活用できそうである。
それでもまだ三つ、条件に沿った物を用意しなくてはいけない。制限時間は僅か二時間。時間が刻一刻と迫る中で、シリカらは一段と気を引き締めていく。
陸奥が対策案を練る一方で、シリカは再度ピナに協力を持ち掛けている。
「ピナも協力してくださいね!」
「ナー! ……ナ?」
「ん、どうしたんですか?」
と元気な返事を聞いたその時。ピナはある気配を察し、不思議そうな表情に変化。様子が気になったシリカが再度聞いてみると、
「ナ!!」
「ちょ、ちょっと!?」
ピナは勢いよく場から飛び去っていた。彼の突飛な行動に、シリカも何があったのかさっぱり分からない。
「何か見つけたのもしれんな。とりあえず跡を追うぞ!」
「ちょ、ちょっと!? 待ってくださいよ!」
戸惑うシリカとは裏腹に、陸奥はピナが何か手がかりを見つけたと察する。一足先にピナを追いかけ、つられてシリカも走り出す。
彼女らの予感は見事に当たっており、ピナは自身の直感を信じて引き出物を探している。港を離れて彼はとある森近くまで飛翔。建物のある手前まで止まり、ちょうどそこにシリカと陸奥も追いついていた。
「ハァ……やっと追いつきました」
「おまん、ここに何があると言うんじゃ?」
「ナー!」
陸奥が早速ピナへ聞くと、彼は西の方角に指を向ける。
するとそこには、とある人物が建物に寄りかかってうずくまっていた。その正体はなんと、
「どうせ俺は前時代の遺物だ……」
「って、長谷川さん!?」
マダオこと長谷川泰三である。シリカの知り合いであり、思わぬ再会に彼女は大いに驚嘆していた。
「なんじゃ、おまんの知り合いか?」
「いや、知り合いというか……顔見知りと言うか」
一方の陸奥は長谷川とは初対面で、すかさずシリカに何者か問いている。シリカ自身も長谷川とはあまり面識がないので、ただのホームレス。もしくは銀時と同じ適当なおじさんくらいしか思っていなかった。その証拠に苦い表情を浮かべる始末である。
「ナー、ナー!」
「って、分かっていますよピナ。手伝ってくれてありがとうだけど……なんで長谷川さん?」
微妙な反応を示すシリカとは違い、ピナは長谷川を見つけたことを誇らしく感じていた。ご主人様にも礼をねだっている。
その狙いをいまいち理解出来ず、ひたすらに首を傾げるシリカ。自分なりの考えを練っていたその時。陸奥はある答えを閃いていた。
「……分かったきに!」
「む、陸奥さん!? どうしたんですか?」
気になって聞き返すと、彼女はとある例え話を声に上げている。
「確かとある星でこんな言い伝えがあるぜよ……一番古き者に漆黒のサングラスを与えると。これぞまさに古きもの……まさかおまんは、この伝承を見越してここまでわし達を連れてきたのか?」
「ど、どういう伝承ですかソレ!? ていうか絶対今思いついたお話ですよね!? 勢いで乗っかろうとしていませんか!?」
勝手な推測で納得する姿に、シリカはタカを外したかのようにツッコミを入れた。どうやら思いつく限りの伝承で、長谷川自体を引き出物に出来ないか画策しているようである。 シリカからしてみれば、唐突な昔話に全然理解が追い付かない。むしろ陸奥の言ったことが嘘っぱちだと疑りをかけている。
としばらくツッコミを入れ続けるシリカに、ピナがふと鳴き声をかけていた。
「ナーナー」
「どうしたんですか、ピナ……って、陸奥さんはどこ!?」
呼び止められてふと周りを見ると、すでに近くには陸奥の姿がない。軽く辺りを見渡してみると、ある会話が聞こえてきた。
「それ本当かよ!? 俺の欲しいもんがもらえるのか?」
「そうきに。ワシの知り合いに人手を募集しているヤツがいてな。今日一日協力すればな、おまんの願いは叶えておくぜよ」
「おぉ! どこの誰だか知らんが助かったぜ! ほら、このリヤカーで運んでくれよ」
「任せろ。こんなの快援隊にとっちゃ、朝飯前きに」
そこには長谷川と会話する姿が。何やら交渉を持ち掛けており、すんなりと上手くいった様子である。長谷川の喜々した反応も妙に印象的だった。
「あ、あの……陸奥さん? 長谷川さんとどんなお話をしていたんですか?」
「何ぃ、簡単な取引ぜよ。こう見えてもワシは商人じゃ。慈善事業じゃなく、ちゃんと対等な関係の元で話し合うのが筋ってもんぜよ。今しがた長谷川という男に、夜のお店を紹介してきたところじゃ」
「って、何教えてんですか! 陸奥さん! 流石にまずくないですか?」
「まずいも何もこれがデフォルトじゃき。ヤツも困っていたからな。しっかりと働ける場所を提示したまでじゃ」
「ハハ、そう……ってお客さんじゃなくて店側!? さっきよりもヤバくないですか!」
すぐに陸奥へ理由を聞くと、その返答は斜め上に傾いている。陸奥が長谷川に紹介したのは、なんと夜の仕事。職に困る長谷川にとってはまたとない話だが、そもそも初対面の相手の話を信じる長谷川の危機感の無さにシリカは驚嘆している。
交渉も上手くいき安心した表情を浮かべる陸奥に対して、シリカは彼女の巧みな話術並びに長谷川の不用心さに苦い表情を浮かべてしまう。だがこれで古いものの代わりが見つかり、残りは新しいものと青いもののみである。
「ねぇ、ピナはどう思いますか……って、またいない!?」
ふとため息をつきながらピナに話しかけるシリカ。ところがまた彼の姿は見当たらない。近くを見渡すと、ちょうど森の中へ入る光景が見えていた。
「ま、まさかまた代わりを見つけたんじゃ……」
「そうやもしれぬな。とりあえず追いかけるぞ!」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
恐らくはまたも代わりを見つけたのかもしれないが、長谷川の前例を見ると期待よりも不安が勝ってしまうシリカ。またも変なもの、もしくは変な人物を見つけるかもと肝を冷や冷やとさせている。
そんな不安など一切感じない陸奥は、何の恐れも抱かずにピナを追いかけていった。シリカも彼女へ反射的についていく。彼が突き進むままに森の奥の中へ入ると、一行の目の前に澄んだ青い湖が現れていた。
「ナー!」
「おぉ。ここに代わりがあるんか?」
「湖の中に? って、陸奥さん! もし海洋生物だったら、あの水槽に入れられんじゃないですか?」
「おっ、それは妙案じゃき。だとしたらやることは一つきに」
湖に関連して、水槽に入れられる生物を捕まえられると期待を高める二人。シリカからそう提案されると、陸奥は早速行動に移す。彼女は突如片腕をまくって集中力を高めると、
「ハァァ!」
「えっ!? ちょっと陸奥さん!?」
素手を湖の中へと突っ込む。手探りかつ力づくで捕まえようとする姿に、シリカらは騒然となってしまった。あまりの強引さから彼女は、大雑把さが目立つ神楽の性格と照らし合わせている。(シリカが気付いていないだけで、陸奥も神楽も同じ夜兎なのだが……)
「ちょいと待つきに。すぐに相応しい代わりを見つけるきに」
「いやいや! 探すのは良いんですけど、流石に強引すぎませんか!? もうちょっと道具を使った方が……」
「おっと、かかったぜよ」
「早!? こんなすぐに!?」
平気な顔で探索を続ける陸奥を止めようとするも、そんな暇もなく彼女は湖の中にいる何かを見つけたらしい。勢いのままに引っ張って、湖の中からすくい上げる。
「ハァァ!」
「あ痛痛痛!!」
大きな水しぶきを上げながら地上に現れた正体は……海洋生物ではなく、なんとカッパらしき生き物。古びた眼鏡をかけており、傍から見ると怪しさが満点である。
「ほぉ……どうやら大当たりを引いたようじゃき。ん? どうしたシリカ? あまりの喜びに腰を抜かしておるのか?」
「カッ、カッ、カッパ!?」
「ナナナ!?」
唐突なカッパの出現に、異なった反応を示す二人。度胸の強い陸奥は何一つ動じることはなく、真逆にカッパもとい妖怪の類を始めて目にするシリカやピナは、開いた口が塞がらずにただただ困惑してしまう。
引き出物の代わりを探すどころか、思わぬ未知との遭遇を現在進行形で体験する二人。一方のカッパらしき生物は、未だに頭を陸奥に掴まれたままである。
「おい、離してくれよ。姉ちゃん」
「おっと、そうじゃき。フッ!」
「グハァァ!!」
一旦下ろすように要求したカッパだが、陸奥は乱雑にも地面に叩きつけていた。力の調整が明らかに間違っている。
「も、もっと安全に接した方が良いんじゃないですか?」
「ワシはそんなつもりじゃき。さっきのは手が滑っただけじゃ」
「いや、思いっきし地面にぶつけていましたけど!? 陸奥さん、目線逸らさないでくださいよ!」
控えめにシリカが指摘すると、陸奥から返って来たのは誤魔化し切れていない言い訳。目線をも逸らしており、自覚があるのは明確的である。シリカのツッコミも新八並みに激しくなっていく。
それから数分が経った頃。場が一度落ち着いたところで、シリカらは互いの素性を交えた会話を交わしていく。
「てなわけだ。俺の名は海老名。この湖に長く住む天人よ」
「天人? 宇宙人だったんですか?」
「何ィ驚いているんだ。そういうお前さんだって、天人じゃねぇかよ。ふさふさの猫耳生やしやがって」
「あっ、これは色々と理由がありまして……」
その話の中で彼は、シリカを勝手に天人だと思っていた。彼女の猫耳から判断したらしい。(ちなみに補足すると、この場にいる地球人はシリカのみである)
そんな反応はさておき、陸奥は早速海老名へ引き出物の一件を持ち掛けている。
「さて、本題へ入るきに。おまんには今日限り、結婚式の引き出物として協力してほしいんじゃ」
「引き出物? そんなの俺なんかで務まるのかよ?」
「大丈夫ぜよ。ワシの推測じゃが、おまんの皿は最近綺麗に磨き上げているな。これは十分な縁担ぎになるきに」
「おぉ……お前さんよく分かったな」
常時相手の出方を伺いながら、話を円滑に進める陸奥。彼女は海老名の頭に乗っかっている皿に注目を寄せていた。所謂新しいものとして代替しようとする。
臨機応変に話のリードを引っ張る陸奥に対して、シリカは彼女の考えていることがあまり分かっていない。つい気になって陸奥へ耳打ちしていく。
「ねぇ陸奥さん? 本当にこのカッパさんに協力してもらうんですか?」
「こちとら時間が狭まっているからな。上手いことこっちの話に乗っかったきに」
「で、でも協力してくれるか分かりませんよ……!」
自信満々に回答する陸奥だったが、シリカからすれば確証の無いことにさらなる不安を募らせている。その証拠に海老名は、話を聞いてもなお気難しい表情を浮かべていた。
「とは言ってもな、俺も近くに水が無ければ干からびるしな」
「その点についても安心ぜよ。おまんにぴったりの水槽を用意済みきに」
「で、でも流石にタダで協力は出来ねぇな」
「そうか。じゃこれでどうきに?」
中々気が乗らない海老名を引き寄せるためにも、陸奥はここで温めておいた切り札を切っていく。そっと海老名の耳元に囁いて、一気に勝負を決めようとした。長谷川の時と同じやり方である。
「ま、また……でもそう簡単に決まるわけが」
と二度の奇跡は起きないと括っていたシリカだったが、
「よしっ、協力しようじゃないか」
「恩に着るぜよ」
「えっ!?」
予想とは真逆に事は進展していた。海老名は今までに見せたことが無いほどはつらつとした笑顔を見せており、すんなりと陸奥の要求にも乗っかったらしい。
この形勢を一気に覆す様はまさに一流の商人。さも当たり前のように笑う陸奥を横目に、シリカは彼女の底力を目の当たりにしていた。
「ちょ、ちょっと! この数秒で一体何が起きたんですか!?」
「さぁな。こればっかりは企業秘密きに。そうじゃろ、海老名」
「だな! 残念だが理解してくれや、猫耳の姉ちゃんよ」
「って、別に教えてくれたって良いじゃないですか! 一体全体どういうことですか!!」
いくら聞いても二人から返ってくるのは、抽象的な一言。頑なに本題を発しないことから、余計に気になって仕方がないが……結局シリカは聞くのを諦めてしまう。
一方の陸奥は海老名の協力により、残す引き出物の捜索に一層の気を引き締めていた。
「落ち着くぜよ。そうこうしているうちに結婚式は目前ぜよ。残るは青いものでフィニッシュきに」
「青いものって……アスナさんやシノンさんくらいしか思いつきませんよ!」
「誰じゃ? おまんの知り合いか?」
残るは青いものただ一つ。シリカは人物だけだとアスナやシノンを例に挙げたが、残念ながら陸奥には伝わっていない。
と時間が無い中でどこまで行くか悩んでいた時。ふとピナが大きく騒ぎ立てていく。
「ナー!」
「ん? ピナ? どうしたんですか?」
指を指している仕草から、何かを見つけた様子だが……?
「どうやら青いものを見つけたらしいか?」
「そうなんですか、ピナ?」
「ナー!」
とピナの行動を察して、陸奥とシリカは試しにその方角に目を向けている。
「ん!?」
「こいつらは……」
そこにいたのは、なんと文字通りの青い人物だった。果たしてその正体は……?
そして遂に約束の時間となった。かぶき町にある一つの結婚式場では、とある花嫁が今か今かと引き出物の到着を待ちわびている。そう彼女が依頼主なのだ。
ウエディングドレスを着たまま、そわそわと場外を行き来していると、ちょうど陸奥とシリカが到着。花嫁へと話しかけていく。
「はーい! って、アナタ方は?」
「快援隊副官の陸奥ぜよ。本日の結婚式に相応しい引き出物を届けに来たぜよ」
「あら~。わざわざ届けてくれるなんて、どうもご苦労様です。ちゃんと相応しいものは盛って来たかしら?」
「えぇ、ちゃんと、一つずつ紹介するぜよ」
待ちわびた引き出物の到着に期待を膨らませる花嫁。
一方の陸奥は堂々とした態度で接し、決してトラブルなど無かったことを表現している。そのままシリカに説明役をバトンタッチした。
「シリカ。おまんの番じゃき」
「あっ、はい! えっとまずは……古いもの代表の古のサングラスとおじさん」
「おっす。結婚おめでとうな!」
まず紹介されたのは古いものとして選出されたグラサン。をかけた長谷川泰三。
「次に新しいもの代表の綺麗な皿とカッパ。借りたもの代表の大きな水槽です」
「ぶくぶくぶくぶく(おめでとう)」
続けて新しいものと借りたもの代表。ピカピカの皿をつけた海老名と、彼が浸かっている借りた水槽。ご丁寧に水槽にはタイヤが付けられている。
それはさておき、遂に青いもの代表が紹介されていた。
「そして最後に青いもの代表です……どうぞ来てください」
と震えた声でシリカが呼び掛けると、現場に現れたのは……
「どうも~~! それでは行きましょう!」
「結婚式の、なんでだろう!!」
「「なんでだろう~~なんでだろう~~! なんでだなんでだろう~!」」
どこかで見たことのあるお笑いコンビである。何歳にもなっても元気に動く赤ジャージの男性と、ギターと歌でネタを披露する青ジャージの男性。その通り青いものとは、この青ジャージの男性のことを指していた。
総評すると、とても結婚式とは思えない人選のラインナップ。華やかさや縁担ぎどころか、ただの余興集団にしか見えない。
(どこが結婚式の引き出物なの……)
勢いに任せたまま紹介したシリカも、いざ振り返るとツッコミどころの多さに開いた口が塞がらないようだ。逆にこの状況下でも、淡々と冷静でいられる陸奥の度胸強さに心を打ちひしがれている。
こうなると花嫁の反応が心配であり、てっきり期待が外れて怒っていると予想していた。恐る恐る花嫁の顔を見ると、
「フフ……アハハ! これは面白すぎでしょ……!」
「えっ?」
彼女ははつらつとした表情で爆笑している。どうやら引き出物として用意した面々のクセの強さがツボにハマったらしい。
あまりにもバカ笑いする様子から、シリカは再び唖然としてしまう。一方の陸奥は、何一つ動じずに花嫁と話を交わしていく。
「お気に召してこちらも嬉しいぜよ。改めて結婚を祝うきに。どうか末永く幸せに」
「あはは、ありがとうございますす! ではこの人達を、しばらふふふ借りますね~!」
礼儀として祝福のメッセージを投げかける。素直に言葉を受け取った花嫁は、笑いをこらえながら長谷川、海老名、テツアンド〇モの四人を結婚式場まで案内している。彼女にとっては最高の引き出物として間違いなかった。
終始冷静さに徹する陸奥を目の当たりにしつつも、シリカは思ったことを彼女へぶつけていく。
「本当にあの人選で良かったのでしょうか……?」
「良かったも何も集めないことには始まらないきに。それに今回の依頼主はユニークなものが好きと聞いておった。あの組み合わせで間違いは無いぜよ」
「もしかして事前にそれを分かった上で?」
「商人は如何なる場合でも、客のために全力を尽くす。それはワシだけじゃなく、快援隊全てに通ずるぜよ」
一貫しながらも晴れ晴れとした表情を浮かべる陸奥。彼女の商売人としてのプライドが垣間見えた一面でもある。
それは今日一日行動を共にしたシリカにも伝わっていた。
(確かに陸奥さんは交渉も上手いし、ちゃんと時間通りに代わりも用意出来ていた……本当に有言実行できる人なんですね)
彼女は内心にて陸奥への想いを発する。面と向かって言えないためか、あまり態度には示さずにいたが。ピナも微かにその気持ちへ反応している。
長くかかった引き出物探しもこれにて終了。最後に陸奥はシリカへ、ここまで手伝ってくれたお礼を返そうとしている。
「さて、これで依頼は終わりじゃき。次はおまんの番ぜよ」
「えっ? アタシですか?」
「ここまでつきあわえた礼に、何か送るぜよ。おまんは何が欲しい?」
しっかりと約束は覚えており、急に言われて驚きの声を上げるシリカ。所謂欲しいものを頭の中に思い浮かばせるが、中々思いついていない。
そこで彼女にはある妙案が閃く。
「じゃ……今日合同の誕生日会があるんですよ。だから、一緒に来ませんか?」
「ナー!」
それはなんと誕生日会の誘いである。
「ワシが来ても良いのか?」
「はい! だって陸奥さんともっとお話ししたいですから!」
思わぬ提案につい驚きの声を上げる陸奥。それでもシリカは好意的に彼女を誘っている。もちろんもっと仲良くなりたい純粋な気持ちからであった。
「分かったぜよ。おまんの言葉に乗るきに。案内は頼むぜよ」
「は、はい! ありがとうございます!」
シリカの素直さを汲み取った陸奥は、すんなりと誘いに乗っかる。彼女もまたシリカと仲良くなることを悪くないと考えていた。願いが叶って、シリカ、ピナ共に一安心している。
こうしてシリカの案内の元、陸奥は彼女の住む下宿先及びパーティー会場のひのやへと足を進めていく……。
穏やかに談笑すること早数十分。二人は吉原へと到着し、そこからひのやへと行きついている。ひとまずは戸を開けて中に入ると、出迎えてくれたのは……
「ん? なんだお前かよ?」
「ぎ、銀時さん!?」
まさかの銀時であった。彼はシリカを見るや否や、大きなあくびを浮かべながら何とも言えない表情を浮かべている。相変わらずの失礼な態度に、シリカは不満げな表情を見せていた。
「って、いきなりあくびですか! まったくだから銀時さんは……!」
だが次の瞬間。彼の表情は急に変わっていた。
「ん? いや待て、なんでお前陸奥と一緒にいるんだよ」
「へ……? 知り合いだったんですか?」
「ほぉー。これは何とも数奇な巡りあわせじゃき」
その原因は陸奥と再会したからである。ここでシリカはようやく銀時と陸奥が顔見知りである事実に気付いていた。意外な繋がりに今日一番の驚きを感じていく。
「おまんも大変だな。坂本と同じろくでなしと知り合いだとは」
「おいおい言わせてくれるじゃねぇかよ。そういうお前んとこの艦長は一緒じゃねぇのかよ?」
「アイツは今頃キャバ嬢共に踏みつけられるきに。とっととくたばってくれると良いが」
「って、二人で勝手に話さないでくださいよ! アタシも混ぜてくださいって!」
「ナー!」
再会早々にテンポよく話を交わす銀時と陸奥。置いてきぼりにされていると感じて、シリカは無理矢理にでも話に割り込んでいく。
と大袈裟に騒いでいた時だった。
「あら? ようやく帰って来たわね。今日の主役が」
「ん? って日輪さん!」
三人の声を聞きつけて、ちょうど日輪が顔を出している。穏やかにも優し気な雰囲気を見せる彼女に対して、シリカは唯一心に引っかかっていたことを言うべきか悩んでいた。
「あ、あの……その」
もじもじと言うのをためらっていた時。彼女の背中を強く後押しする者がいた。
〈パシッ!〉
「えっ?」
「もごもごするなき。言いたいことがあるなら、はっきりと言え。溜めるのは体に毒だからな」
「む、陸奥さん……」
その正体は陸奥である。今日一日で親交を深めた彼女だからこそ、シリカにははっきりと気持ちをぶつけてほしいと思っていた。
頼りになる後ろ盾を貰ったところで、シリカは日輪にずっと抱えていた疑問をぶつける。表情を真剣に研ぎ澄まして。
「ひ、日輪さん! 今日企画してくれた誕生日も嬉しいんですけど……やっぱり当日の誕生日も祝ってほしいんです! だから!」
「あら? 言ってなかったかしら? 四日後も誕生日会はやるわよ」
「……へ?」
「大勢で集まれるのが今日だけだったから、当日は当日で誕生日を行う予定よ。その時もチーズケーキで良いかしら?」
意気込んで発していた途中に明かされた真実。日輪が伝え忘れていたのかもしれないが、どうやら十月四日にも誕生日会は開催されるらしい。つまり今日一日シリカが抱えていたことは、ただの思い過ごしだった様子だ。
このあまりのあっけない結果には、シリカ、ピナ共に微妙な気持ちに苛まれてしまう。折角の気合がひょろひょろと抜けていった。
「どうした急に? そんな細かい心配していたのかよ?」
「これもこれでシリカには一大事だったようじゃからな。じゃが良かったな。もう一度誕生日会が出来て」
「そ、そうですよね……! 単なる思い過ごしでしたよね! ハハ……」
陸奥のフォローもあったが、それでもシリカは急に恥ずかしい気持ちを感じてしまう。アレだけ気合を込めて発した思いが、一瞬にして水の泡と化してしまったのだ。
それでももう一度誕生日会が開催されることはとても嬉しく感じている。
「日輪さん。アタシはその日もチーズケーキで大丈夫ですよ!」
「分かったわ。今日に続いてとっても美味しく作るから楽しみにしてね!」
「はい!」
改めてお礼を返すシリカと、優しく微笑みを浮かべる日輪。二人の間に出来た微かな繋がりを共に感じ取っていく。
「ナー!」
もちろんピナも同じ気持ちだった。この温かな雰囲気は、銀時や陸奥も遠くから感じる。
「やれやれ。最後に友人のわだかまりが解けて良かったぜよ」
「友人って、もうお前等そんな仲になったのかよ」
「そうきに。ワシとシリカは……ベッ、マブダチじゃき」
「なんで言うのに迷ったんだよ」
陸奥も茶目っ気を出しながらも、シリカとの繋がりをマブダチと称していた。彼女の背中を後押し出来たことに、陸奥はクスっと笑いを浮かべる。
そんなやり取りがあった直後。ひのやには買い物に行っていたメンバーが帰宅していた。
「ただいまです~」
「飲み物買って来たわよ~」
「おぉー来たな。じゃんけん負け組共」
「って、いつまでその呼称引きずるのよ!」
「運が良かったくせに!」
帰宅したのはユイ、リズベット、リーファ、シノンの四人。銀時の挑発から、どうやらじゃんけんで買い出し班を決めていたらしい。彼のからかいにはすぐ怒り心頭であったが。
(ちなみにこの五人はシリカが引き出物探しに躍起となっていた時、誕生日会の料理作りに時間を費やしていた。その話は次の次の機会で)
と帰宅直後に女子達は、いつの間にか帰ってきていたシリカと、初めて目にかかる陸奥に注目を寄せていく。
「シリカ? いつの間に戻ってきていたの?」
「戻ってきたのはさっきですよ。陸奥さんと一緒にです」
「陸奥さん? シリカさんが連れてきたお友達ですか?」
ユイが不思議そうに聞くと陸奥が答える。
「そんなところか。というか、随分と賑やかそうな奴らじゃき」
「じゃき? 土佐弁で話すのね」
「ってことは、高知の人なの!?」
シノンやリーファはてっきり陸奥の喋り方から出身を推測。しかしその真実は大いに異なっていた。
「いや、ワシは天人じゃき。言うならば宇宙人ぜよ」
「えぇ~! そうなの!?」
「そうだったんですか!?」
「って、シリカも知らなかったんかい!」
この一言に驚きを浮かべる女子達。もちろんシリカも初耳だったようで、反射的に驚きの声を上げている。
人一倍大人びていて話も合いそうな陸奥にさらなる注目を寄せる女子達。さながら転校初日の学校での一場面のようだ。
「なぁにやってんだよ……ていうか、月詠達はどうしたんだ?」
「あぁ、月姉ならお妙さん達を迎えに行ったわ。ていうか、キリトやアスナ達はまだ来てないの?」
「まだだよ。アイツら誕生日プレゼント買いに行くって言ったのに、どこで道草食ってんだか」
そう苦い表情で銀時が呟くと、彼は月詠らの動向をシノンらに聞いている。どうやら他の仲間達を呼びに行ったらしい。
一方で質問返されたのはキリトらの動向。思えば朝出かけたっきり、一向に連絡が無いとのこと。当然連絡もつかず、そろそろ心配する仲間達であったが……そんな時だった。
「ただいま……」
「おっ、やっと来たか……って!」
「パパ? ママ?」
「どうしたんですか……!?」
ようやくキリトらの声が聞こえて、一行が入り口付近に目線を向けると、想定外な光景に愕然としてしまう。果たして彼らの身に何が起きたのか? このお話はまた次回へと続く。
というわけで、本編内で2回目の誕生日会ネタ! シリカ、アスナ、キリト、銀時の9月~10月にかけて誕生日を迎えるキャラが主役です!
てか……銀魂出身の銀さんは除いても、なんで三人をぎちぎちに詰めたんだろうか……?
とそれはさておき、今回の主役はシリカと陸奥でした。強いて言う共通点は出番が少ないこと? 中の人の共演作もそこまで多くなかったはず。
終始ツッコミ役で不満もあったシリカでしたが、最終的には悩みも解決して良かったと思いたい! 陸奥はシリカ達女子陣と仲良くなれそうでヨシ!
冷静に考えると日輪、月詠、晴太と陸奥も初対面になるのか……中々見ない絵面だ。
さてさて次回はキリト、アスナが主役! でも色々とボロボロだったけど大丈夫かいな……?
次回予告
辰馬「とうとう剣魂も百訓に突入じゃき! わしら快援隊もビシバシ出番を増やしていくぞ!」
神楽「んなわけないアル!」
新八「ていうか、次回の主役はキリトさんとアスナさんですよ」
キリト「って、大変だ! 新八に神楽! プレゼントが無くなっているぞ!」
アスナ「一体誰が盗んだのよ!」
辰馬「次回! 記念日は何を食べても美味しいから! だから安心してマッ〇に行け! アハハ! 何とも愉快なタイトルぜよ!」
銀時「いや、なんでお前が百訓のゲストキャラなんだよ」