剣魂    作:トライアル

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 思えばここ三話、全部万事屋内で完結する話ばかり書いている気がする。
 あと忘れている方もいると思いますが、アスナは銀魂世界にいるユウキのことを「ユッキー」と呼んでいるので、本作では会話文のみユッキー呼びとなっているのでご了承ください。


第百七訓 既読なんていちいち気にするな!

 あくる日の万事屋。夕食を食べ終えて、各々が寝るまで自由な時間を過ごす中、アスナはパソコンを使ってあることをしていた。

 

ユウキ『アッスー、届いてる?』

アスナ『届いているわよ。ユッキーの方の回線は大丈夫そう?』

ユウキ『大丈夫! こっちも仕事終わりだから、数時間はチャットで話せそうだね!』

 

 パソコンにダウンロードしたチャットアプリを利用して、ALO星にいるユウキとチャットの会話を楽しんでいる。

 一か月前に起きたマッドネバーとの戦いを通じて、銀魂の世界のユウキとも親睦を深めたアスナは、地球に帰還後も彼女と手紙のやり取りを行っていた。しばらくして万事屋内でパソコンを購入すると、手紙からチャットアプリでの交流に変更。時間が合えば通話をしたり、チャットで会話を楽しんだりと、ユウキとの交流を大いに楽しんでいる。

「何やっているアルか、アッスー?」

「あっ、神楽ちゃん。実はね、ユッキーとチャットしているのよ」

「マジアルか! へぇ~、懐かしいアルナ!」

 ユウキと聞き、神楽もテンションが上がって、パソコンの画面を覗く。彼女だけではなく、銀時やキリトらもユウキのことを懐かしんでいた。

「ユッキーって、確かALO星で出会ったスリーピングナイツの一人だったっけ?」

「そうだな。まさかこの世界にも、あの六人がいたとは思わなかったけどな」

 キリトにとっては、別世界の彼らの存在に驚いていたことを思い出す。何よりも彼は、アスナとこの世界で生きるユウキが、変わらずに交流し続けることを嬉しく思っていた。

 それはユイも同じ気持ちである。

「ママはユッキーさんと、何度も文通やチャットでやり取りしていましたからね!」

「そうだったんだったんですね」

 新八や銀時らも、アスナとユウキの交流を微笑ましく思っていた。そんな二人のチャットは、変わらずに続いている。

 

ユウキ『そっちは元気そう? 万事屋は問題なく営業してる?』

アスナ『もちろん! キリト君も元気だし、ユイちゃんと神楽ちゃんと定春は可愛いし、銀さんは相変わらずの体たらくだし、新八君のツッコミも相変わらずだし』

ユウキ『その調子なら安心したよ笑!』

 

 文字を打って、会話を嗜む二人。チャットでは若干のタイムラグが存在するが、ユウキの場合はすぐに返信が返ってきていた。

「ユッキーからすぐ返事が来るアルナ」

「そりゃユッキーも、パソコンを使って話しているからよ。リアルタイムで話せるのが、チャットの良いところなんだから!」

 アスナは文字を打ちながら、神楽にその仕様について説明。既読の付くタイミングや、会話に挟むスタンプについても教えていた。

 すると、ユウキからこんなメッセージが届く。

 

ユウキ『アッスー以外のみんなも近くにいるの?』

アスナ『いるわよ。折角だし呼ぶ?』

ユウキ『お願い! みんなとも久しぶりに話したいし!』

 

 彼女はアスナの仲間達とも、久しぶりに交流したい様子だった。

「みんな! ちょっと、来てもらっていい?」

 アスナは場にいた全員に召集をかけて、ユウキとのチャットを提案している。

「俺達も会話に参加して良いのか?」

「もちろん! ユッキーもみんなと話したいって、言っていたし。キリト君や銀さんは、何か聞いてみたいこととか無いの?」

「それじゃ……」

 彼女が席を立つと、最初に座ったのは銀時だった。彼はキリトやアスナから教わったタイピングで文字を打っていく。

 

銀時『俺だ。とりあえずよろしk』

ユウキ『銀さんかな? もしかして、タイピング苦手?』

銀時『まぁまぁってところ』

銀時『こちとらアスナから教わっているが、どうにも最新型だと慣れなくてy』

ユウキ『最初はしょうがないよ。慣れてく他ないからさ』

 

 ややおぼつかない打ち方で、ユウキと話す銀時。ところどころで文字が変換されず、銀時本人はユウキに意味が伝わっているか、不安を感じていた。

「こんな下手で良いのか?」

「全然良いわよ。ユッキーはそんな細かいことで気にしないし」

 ニュアンスが伝わっていれば良いとアスナに背中を押されて、引き続きユウキとの会話を進めていく。

 

ユウキ『銀さんは何か聞いてみたいこととか無いの?』

銀時『そういえばALO星って』

 

 気になったことを打つも、途中でエンターキーを押してしまい、メッセージが区切られてしまった。

「あっ、やべ。区切っちゃった」

「大丈夫だよ。落ち着いてやって銀さん」

「分かっているよ。えっと……」

 銀時は焦り気味に急いで文字を打ち、ユウキへと送る。

銀時『pチンコ屋ってあるのか?』

「おい! ユッキーさんになんてこと聞いてんだ!!」

 ところが、肝心の部分を打ち損ねてしまった。パチンコ屋がpチンコ屋となり、見ようによっては下ネタにも見えなくない。新八やユイ、神楽も思わず強めのツッコミを入れていた。

「何やっているんですか、銀時さん!!」

「やっべぇ。とんでもねぇところで区切っちゃった」

「銀ちゃん! ユッキーは絶対下ネタNGアルよ! 困惑していることに違いないネ!」

「早くメッセージ削除した方が良いって!」

 意図しない下ネタに困惑する一行だったが、一方でアスナは例え故意であっても、銀時に怒りを覚えている。

「銀さん……!!」

「お、落ち着けアスナ! ワザと無いんじゃないんだからさ!」

「だとしても、卑猥よ!! ユッキーが勘違いしたらどうするのよ!」

 銀時の胸倉を掴んで、思いっきり睨みつけていた。迫真の怒りを目の当たりにして、銀時もつい気が引けてしまう。

 そんな中、銀時の送ったメッセージに、ユウキからの既読が付いてしまった。

「あっ、既読が付いたアル!」

「えっ!? まさかユッキー読んじゃったの!?」

 慌ててアスナがメッセージを削除しようとするも、ユウキはすぐに返事を返す。

ユウキ『分からないかな……ハハ( ;∀;) ごめん(‘_’)』

「顔文字使ってるよ! 完全に動揺しているよ!」

 パチンコ屋ではなく風俗店を思い浮かばせたそうで、気まずさから今まで使わなかった顔文字を多用する始末である。

 アスナは慌てて席を代わり、ユウキへ詫びのメッセージを送った。

 

アスナ『ごめんね、ユッキー。ウチのろくでなしの銀髪が誤操作しただけだから。気にしないで!』

アスナ『あとで土下座の写真送るから!』

「おい、どんな約束しているんだ! 一言謝れば済む話じゃないのか?」

 無我夢中で誠意を見せようと、銀時の土下座を提案。銀時本人は、意地でも拒否しようとしたのだが……

ユウキ『なら、焼き土下座でお願いします! !(^^)!』

「何を要求しているんだ! 居酒屋でポテト頼む感覚で言うんじゃねぇよ!」

ユウキは意外にも快く乗っかっていた。ネタなのか本気なのかは分からないが、このノリの良さから分かる通り、そこまで先ほどの一件を気にしていないと思われる。

「ユッキーも意外とノリが良いんだな……」

「洒落も分かっているなんて凄いです!」

 キリトやユイも、ユウキの立ち回り方には驚いていた。終始銀時だけがツッコミを入れまくり、彼のみ疲弊するやり取りであった。

 

 

 

 

 

 

 

 銀時とのチャットが落ち着いた後、次に神楽が席に座り、ユウキとの会話を試みる。

 

神楽『神楽アルよ。よろしくネ!』

ユウキ『おぉ! 神楽ちゃん、久しぶり! アッスーから聞いているよ、相変わらずの元気さだって』

神楽『もちろんアル! 今日も夕食のカレー、七杯は食べたアルからナ!』

ユウキ『おぉ、流石! ウチのテッチと良い勝負だね!』

 

 相変わらずの食欲旺盛さを知り、ユウキも安心感を覚えていた。

「アッスー。こんな感じで良いアルか?」

「うんうん。ユッキーにも伝わっているし良いわよ」

 アスナも神楽のタイピングを素直に褒めている。特に大きなトラブルも無いまま話を進めていると、ユウキから質問が飛んできた。

 

ユウキ『神楽ちゃんは何か僕に聞きたいことある?』

神楽『じゃ』

神楽『ユッキーはエグザルのCD持ってるアルか?』

 

 神楽の気になっていることを聞いてきたが、その内容は銀時よりもだいぶ限定的な質問である。

「エグザル!? 随分マニアックな質問だな……」

「エグザルは確か、この世界のダンスグループの名前でしたか?」

 唐突に出たダンスグループの名前に、思わず困惑するキリトとユイ。神楽はエグザルをユッキーが知っているか、聞いてみたかったようだ。

「そうだね。でも地球のダンサーだし、ユッキーさんが持っているわけ……」

ユウキ『持ってるよ! 特にライジングサンが好きかな』

「持ってたぁぁ!? まさかの接点があったの!?」

 まさかの接点に、新八も反射的にツッコミを入れている。神楽のピンポイントな質問が、さらに会話を広げるきっかけとなっていた。

「そりゃ、エグザルなんかALO星でも流行って当たり前だろ」

「そうアルよ。何を勘違いしているアルか、新八」

「なんで僕が責められるんだよ! そんなの所見じゃ分からないじゃないですか!!」

 悲観的な態度をとった新八に、これでもかと嫌味を含めながら小言を言う銀時と神楽。冷たい言葉をかける二人に、新八は再度ツッコミを入れている。

 そんな状況など知らず、ユウキはエグザルについての思い出を話し始めていた。

ユウキ『懐かしいね。騎士団の入門試験で、エグザルのライジングサン踊ったことあるよ』

「なんで騎士団の試験にダンスがあるわけ!? その為にスリーピングナイツが、ライジングサン踊ったってこと!?」

 どうやらユウキにとっては、自身の所属する騎士集団の試験で、エグザルのダンスを踊ったらしい。ユウキのみならず、シウネーやジュンもエグザルのダンスを踊ったことになるので……会話を広げるにはぴったりの話題であった。

 

神楽『入門試験ってことは、大変だったアルか?』

ユウキ『大変どころかトラブルが発生してね……試験当日に踊ったら、後ろにいた警備員が一緒に踊りだしたんだよね』

「なんかそれ聞いたことあるよ! どっかのバラエティ番組と同じ状況だよ!?」

 試験ということで堅苦しいイメージをアスナは持っていたが、そんな印象が吹き飛ぶほどに濃いハプニングが、ユウキらの試験に起こっていた。

 警備員と踊った事実を聞き、新八は昔のバラエティ番組を思い出している。その番組ではダンスグループのライブ会場に、お笑いコンビの片割れが警備員の姿で潜入し、ライブ中に乱入して踊るものだった。いずれにしても、ツッコミどころ満載なのは間違いない。

 そんな濃ゆいエピソードを話した後に、ユウキがとある補足を加えている。

ユウキ『因みにCDと言えば、タルケンとジュンはお通ちゃんが大好きだよ』

「何ぃぃ!! 本当!?」

 なんと、ユウキの仲間であるジュンとタルケンは寺門通の大ファンらしい。それを聞いた新八は、神楽そっちのけで文字を打ち始めていた。

 

新八『本当ですか!? 僕、寺門通親衛隊の隊長やっていて、まさか二人も大ファンだったとは』

ユウキ『もしかして、君は新八君かな? 君もお通ちゃんが好きなんだ。しかも親衛隊って凄いね!』

新八『そうですよね!? ジュン君やタルケンさんにも伝えておいてくださいね!』

「おい、新八! 勝手に割り込んでくるなアル!」

 ユウキと割り込んで話す新八に、神楽は激高。力づくで彼を払いのけようとした。エグザル並び寺門通の話題で、場は思わぬ方向で盛り上がっている。

「まさか、エグザルからこんな話題になるとはね」

「まだまだアイツらの知らないことって多いんだな」

 アスナは神楽と新八の小さな小競り合いに、やや苦笑いを浮かべていたが……。

 

 

 

 

 

 

「じゃ、俺も話してみて良いか?」

「うん。良いわよ、キリト君」

 二人の言い争いが一旦収まった後。今度はキリトがユウキとのチャットをすることに。椅子に座って、手慣れた手つきで文字を打っていく。

 

キリト『ユッキー、こんばんは。キリトだけど覚えてるか?』

ユウキ『覚えてる! 覚えてる! アッスーさんの彼氏だよね。君も十分に強かったし、今度もし会ったら一緒に模擬戦しない?』

キリト『おっ、良いな! ぜひお願いしたいよ』

 

 開始早々、模擬戦の話で盛り上がる二人。共にお互いの強さを確かめたい様子だった。そんな中でキリトは、ユウキに気になっていたことを聞いている。

 

キリト『じゃ、俺から聞いてみたいんだが、ユッキーやスリーピングナイツが、一番苦戦したことって覚えている?』

ユウキ『苦戦か……』

 これまでに経験した戦いや苦労を聞きたいようだが、ユウキから返って来たのは……

ユウキ『ダンス?』

キリト『もしかしてさっきの話の?』

「結局そっちに戻ってくるの!?」

先程も話題に上がったエグザルのダンスについてだ。

ユウキ『騎士団のチーム試験だと必ず採用されていてね、前はチューチュートレインで、そっちはうまくいかなかったんだよ』

「なんでエグザルに括ってんだよ! もっと他にダンスあるだろ!」

 どうやらALO星の騎士団の試験には必ず取り入れているようで、しかもエグザルのダンスのみで括られている。チームワークを図る為にダンス試験が存在しているのかもしれないが、万事屋側からすれば奇抜で斬新な試験としか思っていない。

キリト『ユッキーはダンスが苦手なのか?』

 興味深くキリトが聞き直すと、

ユウキ『苦手なのはノリの方! 彼女って気分上がってきたら、我を忘れて、動きが派手になるからね。前のチューチュートレインだって、ノリだけ途中からスリラーになったし』

「なんでだよ!? 振付まったく違うだろうが!」

またしても思わぬ情報が返ってくる。チームメンバーの一人であるノリは、テンションが上がると、違うダンスの振付をしてしまうとのこと。いずれにしても、スリーピングナイツがダンスの試験で散々苦戦を強いられてきたことだけが分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 キリトとのチャットも一通り終えると、次はユイがユウキと話すことになる。

 彼女は椅子に座り、キーボードを見ないまま、スラスラと早く文字を打っていた。

 

ユイ『お久しぶりです。ユッキーさん。あの時は助けてくださり、ありがとうございました』

ユウキ『君はユイちゃんかな?』

ユイ『はい、そうです!』

ユウキ『よかった、当たっていて。君も元気そうで何よりだよ』

ユイ『はいです! 毎日、パパやママ、銀時さんに新八さん、神楽さんに定春と一緒に過ごしていますよ!』

 

 まずはユウキに感謝の一言を伝える。マッドネバーに囚われた際、自身を助ける為にアスナらと一緒に戦ってくれたことに、彼女は感謝を伝えていた。ユウキ自身も、ユイの元気さを感じるメッセージに一安心している。

 

ユイ『では、私からも質問良いですか?』

ユウキ『おっ、なんでもどうぞ!』

ユイ『ユッキーさんの最近の出来事を聞いてみたいです! ALO星のスリーピングナイツって、どんなお仕事しているんですか?』

 

 そんなユイからの質問は、普段の様子について。ユウキ及びこの世界のスリーピングナイツは、ALO星を収める王女の護衛に努めている。それ以外の情報を、ユイは知りたがっていた。

 

ユウキ『仕事か……僕らは姫様の護衛とアルンのパトロールかな? 君たちの星で言う、真選組と同じ仕事の範囲だと思うよ』

ユウキ『他にもチームはいるけど、姫様の親族の護衛とか、領主の補佐なんかを行っているから、たまに二人、三人に分かれて、他の騎士団のチームに加勢することもあるよ』

 

 彼女からは姫様の護衛だけではなく、町のパトロールや各種族を収める領主の手伝いなんかも行っているらしい。大まかに括ると真選組や見廻組と大差は無いとユウキは伝えていたが、

「少なくとも真選組よりは立派だな」

「そうアル。スリーピングナイツにはストーカーもマヨラーもドSもいないからナ!」

彼らよりは立派だと銀時や神楽は痛感していた。確かに個性が強く、全員が真面目ともいえない真選組と比べたら、スリーピングナイツやALO星の騎士集団はまともに感じるのかもしれない。

 

ユイ『ありがとうございます! 因みにユッキーさんは最近仕事で変わったことはありましたか?』

 続けてユイは、ユウキの最近の出来事についても聞いてきたが……ここで思わぬカミングアウトを彼らは知ることになる。

ユウキ『あっ、そうだ! 僕……告白されたんだ!』

「こ、告白!?」

 告白の二文字を聞き、思いっきり動揺したのはアスナだった。彼女はユイに代わって、焦りながらキーボードを打っている。

アスナ『だ、誰!? シウネーさん!? ジュン君!? テッチ!? ノリさん!? タルケン君!?』

ユウキ『全然違うよ!』

「アッスーがだいぶ動揺しているアル」

「でも、一体誰なんでしょうか?」

 てっきりスリーピングナイツの誰かかと思ったアスナだが、ユウキからは真っ先に否定されていた。その気になる相手はというと……

ユウキ『さっきの警備員の人だよ!』

「とんでもねぇところからぶっこんで来た!?」

数分前に話題の上がった警備員である。

ユウキ『聞いてびっくりだよ。地球で有名なコメディアンだったみたいでさ』

「やっぱりあの人じゃねぇか! つーかなんで、ALO星の騎士団試験場にいたんだよ! 脈略が無くて、意味が分からねぇよ!」

 しかも、某番組とほとんど同じ状況だった。警備員が某お笑い芸人の片割れだと知り、新八のツッコミも激しさを増している。

ユイ『コメディアン? どんな人なのでしょうか?』

ユウキ『コンビ名はナイ〇〇〇ナイ〇。ラジオやテレビのレギュラー番組を何本もやってる大物で、ダンスが出来る猿顔の人に告白されたんだよね』

「名前すら覚えられてねぇのかよ! もう確定したよ、迷うこと無きあの人だよ!」

ユウキ『因みに相方はお寿司屋さんをやってるみたい』

「アレ本職じゃねぇよ! あの番組の中の設定だよ!」

 コンビ名を聞いて、新八はさらなるツッコミを繰り出す。模倣犯ではなく、お笑い芸人本人だと知り、余計状況を理解できずにツッコミを入れ続けるしかない。

「これは誰も想像つかなかったな……」

「想像できるわけねぇだろ! ユッキーさんと岡〇隆〇なんか、接点すらどこにもねぇよ!」

 銀時も真面目な表情で意味深に呟くが、正直そこまでの大事ではない。

 思わぬ出来事だったが、冷静に分析すると、人気のお笑い芸人のプロポーズは、ある意味で幸運なチャンスに等しかった。

「でもこれで結ばれたら、ユッキーは玉の輿確定アル!」

「いやそうですけど……ユッキーさんの気持ち的にはどうなんですか?」

「そうよね……」

 玉の輿を微かに期待する神楽だったが、肝心なのはユウキ自身の気持ち。気になったアスナはユイに代わって、再度メッセージを送る。

アスナ『ユッキーはその人の告白を受け入れるの?』

ユウキ『もう断ったよ』

「早! もうひと段落ついていたの!?」

 その返事は、あっさりと告白を断っていた。ユウキはその理由を、簡潔にまとめている。

ユウキ『今は仕事を優先したいし、シウネー達と一緒にALO星や姫様を守りたいから、まだ恋愛とかは後回しって思っちゃうかな』

アスナ『そうなのね……』

 ユウキ自身は、今の自分の仕事に誇りを持っており、恋愛等は特に優先的に考えていない様子だった。彼女の決意を尊重して、アスナも深々と共感している。

 だが一方で、もう一つ理由があるようで、

ユウキ『それに』

ユウキ『僕、〇イナ〇の岡〇さんより、ダ〇ン〇ウ〇の浜〇さんの方が好みなんだよね!』

「猿顔からゴリラ顔に変わっただけじゃないかぁぁ!!」

ただただお笑い芸人の好みの違いだった。彼女は別のお笑いコンビが好きなようで、告白された方には大して興味を持っていない。ユウキのカミングアウトに、新八はまたしても強めのツッコミを繰り出していた。

「浜〇とユッキーのカップリング……浜ユウ。アリだな」

「無しだよ! そもそもあの人、結婚しているからね!」

「ユッキーとアッスーと浜〇雅〇。三者を渦巻く人間ドラマが今ここに!」

「無いって! そんな作品、どこにも需要なんてねぇわ!」

 銀時や神楽も続けてボケを繰り出しており、ツッコミを入れる度に新八のツッコミは激しさを増していく。

 一方でユイは、ユウキの好きな○田雅○が誰かいまいち分かっていなかった。

「浜〇〇功って、誰でしたか?」

 彼女の疑問にキリトが返答する。

「確か結果発表って叫ぶ人じゃないのか?」

「あっ、そうでした! あのゴリラさんですね!」

「なんでユイちゃんはその一言だけで分かるの!? あと、とんでもなく失礼なこと言っているよ!」

「失礼なのは、新八。お前もアル」

 ついついゴリラと称したものの、それは新八も同じ。神楽からはツッコミで返されてしまった。

そんなボケとツッコミの欧州が繰り広げる中、ユイに代わって銀時が追加の質問を投げかける。

 

銀時『〇田の方が好きなのは、何k理由あんのか?』

ユウキ『だって、〇田さんの方がグッズも売ってるし、ALO星で推し活しやすいからね!』

「浜〇の推し活って何!?」

 推し活というワードに疑問を覚える新八だが、次に上がった写真でその理由が判明した。

ユウキ『見てよ、浜〇さんのグッズ! 可愛いでしょ!』

「それ〇田さんじゃねぇよぉぉ! 限りなく似ている人口生命体だよ!」

 上がったのは、浜〇雅○のぬいぐるみ……ではなく、彼に似た某人口生命体○1号のぬいぐるみを笑顔で抱きしめるユウキの写真である。ボケなのか本気なのかは不明だが、彼女はこのぬいぐるみを○田雅○と思って可愛がっている様子だ。この想定外の写真により、大小問わず皆衝撃を受けている。

「なるほど……ユッキーはゴリラ系男子が好きなのね」

「あの、アスナさん。違いますからね! その理屈ならユッキーさん。近藤さんとゴリラ原作者が好きってなりますからね!!」

 アスナだけは真面目に真に受けて、誤った解釈をしていたのだが……。

 こうしてユウキによる告白騒動は、ひとまず幕を下ろしていた。

 

 

 

 

 

 

 その後も、時間が許す限り、ユウキとのチャットを楽しんだ一行。新八は帰宅の時間となり恒道館へと戻り、銀時やユイらも眠くなり途中で離脱。チャットの終盤では、アスナとユウキがマンツーマンで会話を楽しんでいた。

 そんな中、地球の江戸の方ではもう遅い時間となり、キリの良いタイミングでチャットを終わらせようとした時。

 

ユウキ『あっ、そうだ! アッスーに最後に伝えたいことがあったんだ!』

アスナ『伝えたいこと?』

 ユウキは最後に大切なことを、アスナへ話してきた。

ユウキ『もう情報解禁されたんだけど、地球で行われるALO星と地球の交流ハロウィンパーティーに僕らも行くことになったから!』

アスナ『えっ、本当に!?』

ユウキ『うん! 仕事で来るから、自由な時間が取れるかはまだ分からないけど、絶対にアッスーには会いにいくよ!』

 

 それは、地球で行われるALO星との交流ハロウィンパーティーについてである。どうやらユウキらスリーピングナイツも、護衛役として地球を訪れるらしく、そこでアスナら万事屋にも会うと約束していた。

 予想もしていなかった吉報に、アスナも嬉しさを感じている。

ユウキ『楽しみに待っていてね!』

アスナ『もちろんよ、ユッキー! 地球に来るのを待っているわ!』

 こうして二人は、最後に別れの挨拶を交わしてチャットを終えていた。

 最後に伝えられた地球来訪のサプライズ発表には、アスナの眠気も吹き飛ぶくらい、嬉しい情報だった。

「ユッキー、地球に来るんだ~! 楽しみ!」

 彼女の言っていたハロウィンパーティーまで、後数十日。アスナはユウキが地球に来た時を思い、どんなおもてなしをするか今から考え始めている。

「待っているからね、ユッキー!」

 ユウキとの再会を心待ちにして、彼女も布団に入り、眠りへと付いていた。

 

 一方でALO星にいるユウキも、アスナと同じ思いである。

「アッスーに会えるの。楽しみだな~」

 彼女もハロウィンパーティーを心待ちにしていた。




 日常回でも遂にユウキことユッキーが初参戦! アスナとチャットを楽しむくらいまで仲良しになりました! そんな彼女は仲間と一緒に、地球で開催されるハロウィンイベントに来ることに。このハロウィン回、秋晴の日常回篇の終盤で行われる予定です。
なお、ユッキーはダ〇ンタウ〇が推しだそうです。
 因みに今回の話、昔好きだった某番組の内容を模しております。気付いた方はいますでしょうか笑
 あとこの話を構成している時(2019年くらい)はナイナ〇の〇村さんは未婚だったのですが、今調べたら結婚していて……まぁ、細かいことは気にしないでください笑








次回予告

キリト「ごめん。お妙さん。ぶつかっちゃって」

妙「良いのよ、全然。けがも無いから安心して」

九兵衛「あっ、アレは! お妙ちゃんとキリト君の不倫……!?」

銀時「いや、違うだろ。ただぶつかっただけだろ」

九兵衛「次回! 週刊記者はどこに隠れているか分からない」







おまけ

 それはユウキとのチャットを、万事屋全員で楽しんでいた時だった。

ユウキ『そういえば、僕やシウネー宛に最近変なメールが来るんだよね』
アスナ『変なメール?』

 ユウキからの悩み事で、所持しているパソコンに不可解なメールが届くとのこと。シウネーも被害を受けており、彼女はメールの一部画像をチャットに張り付けていた。
?『何か困りごとのようだな。だが君の苦しみも、俺の手にかかればたやすく解決できることを約束しよう』
「なんだこのメール?」
「詐欺メールの一種でしょうか?」
 上から目線なメールの内容に、キリトやユイは不信感を覚えている。
 だが一方で、銀時や新八らにはメールの雰囲気からある人物を頭に思い浮かべていた。
「あの、銀さん。これって」
「おいおい。嫌な予感がするが、まさか当たっているのか?」
 出来るならそんな心配は杞憂であってほしいが……残念ながら次に送られた画像で確信を得てしまう。

桂『攘夷志士になって、一緒に幸せになりませんか? 実際に志士になって幸せを掴んだトラック運転手Kさんの声が届いております。』
K(クライン)『攘夷志士になったら、立派な侍道を掴めるぜ!』
桂『アナタの攘夷、諦めないで!』
「やっぱりアイツじゃねぇかぁぁ!! 何やってんだよ!! ユッキーさん達が迷惑しているでしょうが!!」
 そう。メールの送り主は、もしかしなくても桂とクラインである。新八も被害を受けた攘夷党の迷惑メールが内容を変えて、再度世に解き放たれていたのだ。
「うわあ、ヅラクラアルか」
「まさかここまで悪化していたとは……」
 神楽やキリトも攘夷党のやり方に苦言を呈している。一方でアスナは、静かに怒りを抑え込みながら、ユウキに対してメッセージを送っていた。

アスナ『大丈夫よ、ユッキー。今、万事屋でその詐欺メールの犯人追いかけているから、始末したら報告するね』
ユウキ『本当に!? ありがとう! 頼りになるね、アッスー!』

 すると彼女は、銀時に向かってある提案をする。
「銀さん……明日、桂さんとクラインって呼べる?」
「本当に始末するのかよ」
 どうやらメッセージ内に書かれた通り、二人を容赦なく始末するつもりだった。実際に行われたかは不明ではある……。
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