剣魂    作:トライアル

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万事屋の戦闘パートだけ文章量と内容とんでもないことになっているのでご注意を。


第百三十五訓 対峙Ⅱ:万事で繋がった者たち

 岩舟山の各地にて、繰り広げられているサイコギルドとの戦い。ユナが託してくれた希望を繋ぐ為にも、皆懸命になって戦いを続けている……。

 

「はぁぁ!」

「やぁ!」

 森林の奥地にて激しい戦いを繰り広げるのは、アンカーを相手取る桂、エリザベス、たまの三人。彼らは一斉に刀やプラカード、モップと言った自身の武器を巧みに使い、アンカーとの戦いを有利に進めている、

 なお、元より怪人の召喚頼みだったアンカーにとって、自らの戦闘力はほぼ皆無に等しかった。得手であるフルートランサーでどうにか桂達からの攻撃を防ぐも、ほぼ防戦一方な状況が続いていく。

「くっ……これがこの世界の侍の力!」

「ふっ、そうだな。貴様も覚えておくといい。侍とは勇者より魔王より上に位置する大魔王、四天王の一人だとな!」

「はぁ? それ、どういう意味?」

「要するにアナタには勝ち目が無いと言うことです」

[観念しろ!]

 桂は以前にたまから教えられたことを、そのままアンカーへとぶつけている。自分の信念を糧に戦うからこそ、絶対に負けないと強い自信を滾らせていた。無論それはたまとエリザベスも同じ想いである。

 皆真剣な表情でアンカーに睨みを利かす中、対する彼女は必死に打開策を練っていた。

「どうすれば……」

 苦悶の表情で無意識に足を後ろへと進めている。早々に勝ち目が無いと悟り、撤退を試みようとしていた……ちょうどその時である。

「アンカーよ。これを使え!」

 彼女の背後に仲間であるシャドームーンが現れて、不意にある球を投げつけていた。

「ん? ……これって令和の記憶?」

「そうだ。ただし作戦が失敗してな、ほんの僅かしか使えないぞ」

「はぁ!? なんで?」

「想定外のことが起きた。それだけだ……!」

 足元に落ちた球を拾い上げると、彼女は察し良く令和の記憶が詰まった球と予測。だがしかしその記憶はごく僅かしか無く、これだけでも作戦の失敗を物語っていた。後ろめたいのか早々に話を切り上げるシャドームーンに対して、アンカーは増々不誠実な彼に対して怒りを覚えている。

 そんな二人の会話を聞いて、桂側はシャドームーンにある既視感を覚えていた。

[桂さん。あの怪人って]

「あぁ、間違いない。クライン殿をこの世界へ送った元凶と見て間違いないな」

 そう。桂、エリザベス、たまの三人が、シャドームーンと遭遇するのはこれが初めてのことである。クラインからの情報を基に、目の前にいる銀色の怪人をサイコギルド並びにクライン達の因縁の相手と踏んでいた。一目で分かる威圧的な雰囲気に、三人はより一層警戒していく。

「俺はこれから作戦の立て直しに移る。お前はとっととこれを使って、この場を上手いこと立ち去れ!」

「ちょ、ちょっと!?」

 一方でシャドームーンは、自分の要件を伝え終えると、その場を立ち去ってしまう。瞬時に彼は気配を消しており、勝手に撤退戦を任されたアンカーの怒りは、とうとう頂点に達していた。

「なんなの、アイツ! ったく、これじゃ一回きりしか怪人を出せないじゃん!」

 そうつらつらと文句を吐きながらも、アンカーはフルートランサーの持ち手部分に口を近づけて、数時間前と同様に怪人を召喚する為の音楽を奏でていく。

「くっ……この音は」

「恐らくあの時と同じ」

 耳が痛くなるほどの不協和音が辺り一帯に響き渡り、桂達三人は思わず耳を塞いでいる。またも怪人が召喚されると察して、皆付近を警戒していた。

「行け、令和の怪人達!」

 そしてアンカーの演奏が終わると同時に、紫色の霧から複数の怪人達が出現する。

「キィィ!」

「ギフ……!」

「って、ほぼ下級な奴らしかいないじゃん」

 ところが、その召喚した怪人のほとんどが戦闘員のようなポジションであり、アンカーは余計にため息を吐いてしまう。

 出現したのは短剣を武器に戦う尖兵のような怪人シミーと、上半身を骨のようなパーツで覆っている悪魔のギフジュニア。さらには両腕に突き出た剣が武器の紫色の悪魔ギフテリアンの計三種類。どれも複数体召喚されている。

 各々の個体が異なる剣を装備しており、それを差し出しながら、桂達に狙いを定めて襲い掛かっていく。

「うぅぅ!!」

「ギフ!!」

「来ます!」

[戦闘態勢を整えるのだ!]

 奇声を発しながら突撃する戦闘員達に対して、桂達は早速臨戦態勢を整えていく。襲い掛かる戦闘員の大群にも真っ向から挑み、攻撃の手を緩めず全力で戦っていた。

「まぁ、良い。とりあえずアジトに戻らないと」

 一方でアンカーは戦闘員でも足止めできることを確信して、そそくさと場を離れようとしている。だがその時、

「やぁぁぁ!」

「えっ!?」

戦闘員の軍団をかき分けながら、桂がアンカーに突進していく。刀を握りしめて斬りかかろうとするも、アンカーも咄嗟に槍で彼の一刀を防いでいる。

 桂の不意打ちにはアンカー自身も想定外だった様子で、思わず戦々恐々としていた。彼女は険しい表情のまま、桂へと話しかけていく。

「アンタ……怪人達のことは良いの?」

「平気さ。最強の家政婦と俺の相棒が相手しているからな! それより俺は、貴様にどうしても確かめたいことがあってだな」

「確かめたいこと?」

「なぜ貴様のような子がサイコギルドなんかに入った? あのシャドームーンとかいう奴と随分そりが合わないようだな! そこまでして、あの組織にこだわる必要があるのか?」

 桂は意気揚々とした態度で、アンカーの本心を探ろうとしていた。彼女とシャドームーンの会話から、決して作戦や関係性や順風満帆に至っていないことを確信。アンカーやサイコギルドの目的を再度探ろうとしている。

 堂々と質問を繰り出す桂に対し、アンカーはやや感情的になって返答していた。

「くっ……当たり前でしょ! 私の願望を叶えるには、もうこれしか方法が残っていないからだよ! どんな手を使っても、私のいた世界を滅ぼしてやる! 後戻りなんて出来るわけがないじゃん!!」

「それは自分でも、本当の目的を見失っていることと同義ではないのか?」

「うるさい!! アンタに分かってたまるもんか! 最愛のお姉ちゃんを失い、勝手に悪者に仕立てられた私の気持ちなんか!!」

 桂の本質を突くような一言にも、アンカーはムキになって反論。全ては自分の抱える世界への憎しみの為。揺るぎない世界の破滅への決意を桂にぶつけていた。

 するとそれを聞いた桂は、フッと意味深に笑いかけている。

「そういうことか。ならば貴様は俺と似ているな……」

「えっ? どういう意味?」

 そのまま彼は自分の過去の姿とアンカーを照らし合わせて、自らの想いを話していた。

「俺とて尊敬していた先生を失い、何度この世界を滅ぼそうと思ったことか。だが……俺にも新しく守りたいものが出来たのだ。今は破壊ではない別の方法で、世界を変えられないか模索しているところだ」

 桂が語ったのはかつての攘夷浪士としての自分の姿。松陽先生を失い、過激派と揶揄され、天人を追い返す為ならどんな犠牲を厭わないほどに心が荒み切っていた。そんな彼も旧知の戦友や新たな知り合いと出会い、自らの行動を鑑みるようになり、現在は穏健派として新たな道を突き進んでいる。

 アンカーの世界を破滅させたい願望に対し、桂はかつての自分を思い出しながら、彼女への本音をぶつけていた。

「何も俺のことを真似ろとまでは言わない。だが憎しみや破壊の先には、何も残らないことを貴様自身もよく分かっているのではないか? 本当にやりたいことは世界の破壊ではなくて、ただ純粋に姉上と再会したい。たったそれだけのことではないのか?」

 年端もゆかないアンカーの雰囲気から、桂は彼女自身の本心が無理をしていると察する。サイコギルドの協力も世界を崩壊させたい気持ちも、結局はただ自分の気持ちと折り合いが付いていないだけだと思っていた。まだ完全な外道に染まっていない彼女ならば、自らを踏みとどまって改心出来るかもしれない。そう桂は僅かな希望を抱き始めている。

 だがしかし……アンカーは複雑そうな表情を浮かべたまま、自分の気持ちを押し殺すことしか出来ていなかった。

「無理だよ、そんなこと……」

「無理? なぜだ?」

「どこの世界線を覗いても、お姉ちゃんとは死に別れになっちゃうの……どこに行っても独りぼっち。お姉ちゃんと再会なんて出来ないんだよ」

 彼女はか細い声のまま吐き捨てると、その場をすぐに走り去ってしまう。どこか悲し気な雰囲気を醸し出していたが、同時に桂はアンカーの言い放った「世界線」や「死に別れ」という言葉にどこか違和感を抱いている。

「世界線に死に別れ……何を意味しているんだ?」

 首を傾げながら、その意味を深く考えようとしたところだったが、

[桂さん! ヘルプです!]

「分かった! 今行くぞ!!」

エリザベスから救援を求められてしまう。桂も即座にエリザベスとたまの元に向かい、戦闘員の軍団を蹴散らし始めていた。

 

 

 

 

 

「はぁぁぁ!!」

「ぐわぁぁぁ!!」

 たまは得手のモップから、隠し持っていた火炎放射器を発射。燃え盛る炎を戦闘員の大群に遺憾なく浴びせて、辺りを消し炭に変えていく。

 なお、火花が木々に移った場合でも、モップから水流を飛ばしてすぐに鎮火している。

「消火も完了です」

 

 

 

 

 

 

[桂さん!]

「おう、任せろ!」

 一方で戦闘員の大群や、ギフテリアンを相手にする桂とエリザベス。抜群のコンビネーションを見せており、エリザベスのプラカードをトランポリンのように使い、大きく空中へと飛び上がった桂は、

「くらえ!」

真下にいるギフテリアンに向かって、手始めにお得意の時限爆弾を投げつける。

〈ピピ!〉

 すぐにタイマーがゼロになると、連鎖的に爆発が起きて、煙が巻かれている隙に……

「はぁぁぁ!!」

垂直に落ちながらギフテリアンへしなやかな一刀を浴びせていく。

[おまけにこいつだ!]

 時を同じくしてエリザベスも、プラカードと刀の二刀流でギフテリアンへ切り刻む。怒涛の連続攻撃を受けたギフテリアンは、大きなダメージを受けたことでそのまま倒れ込み爆発していった。

「やったな、エリザべス」

[成功して良かったですよ、桂さん]

 互いの健闘を称えつつも、そのまま彼らは生き残ったシミ―やギフジュニアに狙いを付けて、戦闘員の大群との戦いを続けていく。

 多勢にも関わらず、三人は独自の戦闘スタイルで戦いを優勢に進めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方でこちらは、岩舟山の採石場付近。ここではエイジが変身した仮面ライダーノーチラスと、クライン、次郎長、平子が、シャドームーンの残したダミーのダークライダー軍団と相対していた。

「頑張れよ……」

 岩陰に隠れながら、源外も四人の健闘を祈っている。彼の近くには破壊されたユナもおり、彼女は依然として目を閉じたままであった。

 

「フッ! ヤァ!」

 ドラゴンマルガムから放つ火炎弾を、次々とかわす泥水平子。素早い身のこなしと華麗な剣術を活かして、回避を続けながら次々と接近攻撃を繰り出している。

「トウ!」

 とまたも刀を振るって斬りかかるも、

「ハァ!! 効かぬ……!」

ドラゴンマルガムは防御姿勢を構えずに、自らの上半身を覆う鱗のみで平子の攻撃を防ぎきっていた。唸り声を上げながら、そのまま平子に向かって睨みを利かせていく。

「チッ! また!」

 思うように攻撃が与えられず苦戦してしまう平子。だがしかし、彼女は先ほどの攻撃を与えた個所の鱗が綻び始めていることに、一瞬だが気付き始めている。

「ん……まさか?」

 その鱗の綻びをドラゴンマルガムに出来た弱点と察して、彼女は即座にある作戦を思いついていた。

「くらえ……!」

「フッ! トワァ!!」

 ドラゴンマルガムはそのまま至近距離から、またしても火炎弾を解き放つ。平子へ狙い撃ちをして、彼女を火だるまに仕立てようとするも、中々肝心の火炎弾は平子に被弾しない。

「無駄だ……!!」

 痺れを切らしたドラゴンマルガムは、一回り大きい火炎弾を彼女へ向けて発射していく。

「な!?」

 平子は火炎弾の大きさから到底回避することが出来ず、咄嗟に近くへあった大きな岩石の影に避難。しかし……火炎弾が岩石に被弾すると、辺り一帯を消し炭にして、岩石すらも燃やして灰化させていた。

「討伐成功……!」

 ドラゴンマルガムは自信満々に勝利を確信。平子ごと燃やしきったと思っていたが……

「とわぁぁぁぁ!!」

「何だと!?」

その目論見は大いに外れている。ふと上を見上げると、火炎弾からギリギリ回避した平子が、空中から奇襲を仕掛けてきたのだ。なお彼女の左手には、鋭利に尖った石ころが握りしめられている。

「ハァ!!」

 向う見ずに立ち向かう平子に、またしてもドラゴンマルガムは鱗のみで真っ向から攻撃を無効化しようと試みるも……

「かかりましたね! ヤァァァア!!」

それは平子にとっても把握済みであった。彼女は右手に構えた刀では無く、左手に持った石ころを先ほどの鱗の綻びにぶつけていくと……

〈カキーン!!〉

「う、鱗が!?」

なんとその鱗を中心に、付近の鱗も連鎖的に壊れてしまう。平子は鱗側の蓄積ダメージ量に一定の限界があると悟り、それを打破するべく、刀では無く鋭利な石ころで応戦し見事に成功している。

 体を覆う鱗の半分が、再程の奇襲で半壊されてしまい、ドラゴンマルガム側は戸惑ってしまう。その隙に乗じて、

「とどめです! はぁぁぁ!!」

平子は自慢の一刀をドラゴンマルガムへ向けて斬りかかっていく。防御力が大いに低下した彼にとって、この攻撃は致命的な一撃となり……

「ば、馬鹿な……」

〈ドカーン!!〉

そのまま前方に倒れ込み爆死してしまう。体内に入っていたレプリドラゴナロスのカードも、平子の一刀により、そのまま真っ二つに斬られている。

 爆風をバックに、平子は自身の勝利を誇らしげに噛み締めていた。

「よしっ! 綺麗な真っ赤なお花が咲きましたね!!」

 ドラゴンマルガムから発生した爆発を真っ赤なお花と揶揄する程に、彼女はこの勝利を嬉しがっている。

 

 

 

 

 

 

 

「おらよっと!」

 一方でこちらは仮面ライダーデモンズを相手取るクライン。デモンズから繰り出す徒手空拳な攻撃とリバイスラッシャーの斬撃に対して、クラインは得手の刀を振るって応戦。彼とほぼ互角の戦いを繰り出していく。

〈ADD……!〉

〈スコーピオン!〉

〈Dominate up!〉

〈スコーピオン! ゲノミクス!!〉

 するとデモンズはスコーピオンバイスタンプを取り出し、ベルトのLEDパネルに押印。ゲノミクスを発動し、デモンズの尻尾にサソリに似た尻尾を装備した。

「うぅ……そこだ!」

 唸り声を上げながらクラインへ向けて尻尾を叩きつけるも、

「って、その手はもう見切ってんだよ!」

彼はデノミクスを既に攻略し、攻撃をかわしつつ、デモンズの元へ近寄り連続した斬撃を繰り出していく。

「はぁぁぁ!」

「くはぁ!?」

 クラインの攻撃を押し切られる形で、後方に吹き飛ばされるデモンズ。自身の不利を察したのか、彼はさらなるゲノミクスを次々と発動している。

〈バッタ!〉

〈コンドル!〉

〈コモドドラゴン!〉

 今までにエイジが使っていたゲノミクスを全て発動させて、クラインを葬ろうと画策していく。

「おっ、良いぜ! このまま決着を付けようじゃねぇか!」

 一方のクラインも、何一つ怯んでいない。例えどんな力で来ようと、デモンズへ全力で立ち向かうと決めていた。

〈ゲノミクス!!〉

 そしてデモンズは、持っていたスタンプの力を全て解放したフルゲノミクスに変貌。コンドルの羽が背中に生えて、左手にコモドドラゴンを模したグローブ。右腕にリバイスラッシャーを装備。足はバッタのように特異な形へと変化し、引き続きスコーピオン型の尻尾も装備している。

 全身をあらゆる動物の能力を有した姿で、彼もこの戦いに決着を付けようとしていた。

「フッ!」

「行くぜ!」

 デモンズがコンドルの羽を使って空を飛ぶと、クラインも同じく赤色の透き通った羽を広げて空中へと飛翔。互いの剣と刀がぶつかり合い空中戦へと発展していった。デモンズは尻尾やグローブ、剣など持てる力を全て使いクラインへと攻撃し、対するクラインは刀で攻守を判断しながら的確に戦っていた。

 互角の張り合いが続く中で、先手を取った方が勝利へと近づく。一足早く仕掛けてきたのは、

「そこだ!」

「うわぁ!?」

クラインだった。彼は瞬時にデモンズの隙を見つけて、そのまま力強い一刀を浴びせていく。クラインの攻撃によりデモンズが怯んでいるところで、

「今だ! はぁぁぁ!!」

「何!?」

彼は一気に勝負を決めていた。刀をデモンズドライバーに押し付けながら、力一杯地面へ落下させようとしている。デモンズ自身も必死に抵抗するも、バランスを崩しており、中々体に力が入ってこない。

「これで最後だぁぁぁぁ!!」

 これを最初で最後の好機と捉えて、クラインは刀により自分自身の力を込めていく。なんとしても勝利を掴み取ると信じて……その願いはギリギリのところで届くことになる。

「はぁぁ!」

「ぐわぁぁぁぁ!!」

 そのままデモンズを押し切ると、彼は求心力を失ったまま地面へと落下。ベルトも半壊されており、バチバチと火花を散らしながら……

〈ドカーン!!〉

倒れこんでそのまま爆散。肝心のデモンズドライバーもボロボロになり、爆発と共に消し炭と化していた。

「よしっぁぁぁぁ!! 蜘蛛男に勝ったぜぇぇぇ!!」

 そしてクラインは、単身でダークライダーへ勝てたことに歓喜している。自分自身の成長を、今この場で大いに自覚していく。自分の果たすべきことを果たせて、彼は晴れ晴れとした笑顔を浮かべていたのだ。

 

 

 

 

 

 その傍らで戦うのは、仮面ライダーカリバー(ジャオウドラゴン)と戦う泥水次郎長。特殊な剣である闇黒剣月闇(あんこくけんくらやみ)から放つ衝撃波と、数多のワンダーブックから放つ奇想天外な技にも、次郎長は難なく戦いを自分のペースで進めていく。

〈ジャアクリード! ジャアクヘッジホック!〉

 カリバーは隠し持っていた黄緑色の本(ニードルヘッジホッグワンダーライドブック)を取り出し、闇黒剣月闇(あんこくけんくらやみ)へと読み込ませている。すると剣の先端から棘の付いたエネルギー体が複数体出現し、それを一気に次郎長へと差し向けていく。

「くらえ!」

「そう来たか……」

 次郎長は即座にカリバーの攻撃の意図をくみ取り、そのまま正々堂々と立ち向かう。

「はぁぁ! そこだ!」

 力強くも確かな刀裁きを見せ、次々と襲い掛かるエネルギー体を難なく撃破。さらには、

「お返しだ!!」

なんと仕留めそこなったエネルギー体を瞬時に握りしめて、間髪入れずにカリバーへ向けて投げつけてきた。

「くはぁ!?」

 カリバーの目の前でエネルギー体は爆発を起こし、彼の周りに少量の霧が覆われている。

 その隙を狙って、次郎長がさらに仕掛けていく。

「俺を仕留めようなんざ、数百年早ぇ! 仮面を洗って出直してきな!!」

 軽口を交えつつも、霧で怯んでいるカリバーに対して、次々と斬りかかっている。互いに同じ視界不良のはずだが、次郎長は長年で培った経験と勘で、的確な一撃を無駄なく繰り出していた。

「はぁぁ!!」

「うっ!?」

 そして渾身の一刀をカリバーへ繰り出すと、あろうことか彼のベルトに装着されているジャオウドラゴンワンダーライドブックにヒビが入ってしまう。思わぬ追撃を許してしまい、カリバーは段々と力が抜けていく。

「くっ……!」

 不味いと悟ったのか、カリバーは咄嗟にジャオウワンダーライドブックをベルトから取り出して、闇黒剣月闇(あんこくけんくらやみ)へ読み込ませていた。

〈必殺リード! ジャオウドラゴン!!〉

 力を失う前に次郎長を仕留める様子である。剣を構えながら、静かに狙いを次郎長へ定めている。

「ふっ。万策尽きたようだな。ここらで終わりにしようじゃねぇか……!」

 同じく次郎長も刀を構えつつ、カリバーへと狙いを定めていく。早くも自分の勝利を確信しており、一切手を抜かずにカリバーを葬ると決めている。

 互いに相手の動きを見定める中……強い横風が戦場に入り込んできたところで、

「行くぞ!!」

ほぼ同じタイミングで二人は動き出していた。刀や剣で相手の懐に目掛けて、大いに斬りかかっていく。

「「はぁぁぁぁ!!」」

 すれ違うように互いの一刀が決まると、流れ込むのは一瞬の静寂。だがもうこの時には、既に勝負が決まっていたのだ。

「くっ……ぐはぁ!!」

 唸り声を上げながら、地面へと倒れこむカリバー。既にジャオウドラゴンワンダーライドブックが限界を迎えており、大破と同時に〈ドカーン〉と爆発を起こしている。一騎打ちを制したのは、紛れもない次郎長であった。

「傀儡とて、所詮はただの偽物だ。そんな空っぽなお人形に、俺は負けやせんよ」

 真っ赤に燃え上がる爆発を眺めながら、次郎長は自身の想いを吐露している。意思も持たないただの偽物など、彼にとっては最初から眼中に無かったのだ。静かに勝利を噛み締めながら、彼は懐に隠していた煙管を手にして一服していく。

 

 

 

 

 

 

 

 そして……残り一体となった仮面ライダールシファーと戦うのは、エイジこと仮面ライダーノーチラス。ユナから託された力を振り絞りながら、懸命に戦いを続けている。

「フッ!」

「ハッ!!」

 ルシファーの持つ槍武器であるサウザンドジャッカーと、ノーチラスの片手剣が火花を散らしながらぶつかっていく。至近距離で互いを睨みつける中、ノーチラスは再度この戦いに自分自身のけじめを付けると強く誓っている。

〈ジャックライズ!〉

 するとルシファーはサウザンドジャッカーのレバーを引っ張って、ノーチラスのリミテッドゼロワンドライバーへ突き刺す。ライダモデルごと抽出し、ノーチラス自体を弱体化させようとしたが……

〈エラー!〉

「何!? な!?」

その目論見は失敗に終わっている。サウザンドジャッカーはエラーを起こし、耐え切れなくなったエネルギーがルシファー側に逆流。小さな爆発と共に、火花が辺りを舞っていく。

「無駄だ! この力は……ユナの最後の想いが込められているんだ! お前のような傀儡に、好きにされてたまるか!!」

 ノーチラスはルシファーに向かい、自身とユナの想いの強さを知らしめていた。彼女から託された特別な力だからこそ、ノーチラスはその意味を深く理解している。

 そして彼は早速、その力の一端を発動させていた。

〈ナイティングインパクト!!〉

 ノーチラスはリミテッドゼロワンドライバーを操作し、必殺技を発動。全身に赤いオーラを纏って、剣と盾を力強く構えていく。

〈パラダイスインパクト!!〉

 一方のルシファーもエデンドライバーを操作し、必殺技を発動。こちらは紫色のオーラを前身に纏って、サウザンドジャッカーをノーチラスに向かって差し向けていた。

 プログライズキーを経由して戦う二人の一騎打ち……互いに全身の力を滾らせていく。

「はぁぁぁ!!」

「うりゃぁぁぁ!!」

 そして間を置くことなく、そのまま相手へ向かって突き進む二人、ノーチラスは剣や盾、さらには両足の蹴りを多用して、攻めの姿勢を崩さずに相手へ次々と接近攻撃を繰り出す。一方のルシファーは、サウザンドジャッカーのみで攻守を使い分けていく。瞬時に判断しているが、ノーチラスの勢いに付いていけなくなっている。

「今だ!」

「な!? ぐはぁ!?」

 するとノーチラスは、一気に勝負へと繰り出していた。彼は左手に装備した盾をルシファーへと投げ飛ばし、彼の動きを拘束。身動きが取れなくなった彼に対し、とどめの必殺技を繰り出そうとしていく。

「ユナ……見ていてくれ。これが僕の……本当の強さだ!!」

 ノーチラスは一瞬だけ、ユナが近くに来たような感覚を味わっていた。きっと彼女は近くで見守っている。だからこそ、この因縁に蹴りを付けると強く誓っていたのだ。

〈ナイティングインパクト!!〉

「はぁぁぁぁ!!」

 リミテッドゼロワンドライバーを操作。全身を覆っていたオーラが全て、握りしめていた片手剣へと集まり、彼は力強く構えたまま……ルシファーへと向かっている。

「くっ!?」

 対するルシファーも対抗して必殺技を繰り出すも、

「もう遅い!!」

時すでに遅かった。ノーチラスは既にルシファーのベルト目掛けて斬りかかっており……

「これで終わりだぁぁ!」

持てる力を剣に集めてルシファーへとぶつけていたのである。

「何……!? ぐはぁぁぁ!!」

 ノーチラス渾身の必殺技を受けたルシファーは、ベルトを大破されたことで機能停止。そのまま倒れこむと、大きな爆発に巻き込まれていく。と同時にルシファーの動きを封じていた盾も、ノーチラスの手元へと戻ってきている。

 そう。ノーチラスは宣言通り、過去の自分の行いに蹴りを付けたのであった。

「勝てた……勝てたんだ」

 最初こそ実感の無かったノーチラスだったが、大破されたエデンドライバーを見て、ようやく勝利を痛感している。

「ユナ……ありがとう」

 と同時にこの力を託してくれたユナに、彼はボソッと感謝を伝えていた。仮面を介して彼は感涙に浸っている……。

 こうして四人の剣士は、傀儡となったダークライダー達を見事撃破したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして……岩舟山の森林の奥にて激闘を繰り広げるのは、金本の変身したクロスギーツと対峙する万事屋の面々である。クロスギーツの策略によって自身の武器を強奪された五人だったが、ユイのおかげで新たな力を手に入れて、今まさにその力を発揮している。

〈ハイパーブーストグランドビクトリー!!〉

 するとクロスギーツは、バックルのレバーを二回回してまたも特殊な技を発動。全身に黒いオーラを纏わせて、全ての能力を格段に上げるハイパーブーストグランドビクトリーを繰り出していた。

「うぉぉぉ! ハハハ! 力がみなぎってくるぜ! これならお前らとて、相手じゃないだろ!!」

 溢れる力を存分に感じたクロスギーツは、気分が良くなり余裕にも高笑いを繰り出す。手にしている武器、ギーツバスタークロスとクロスレイジングソードを握りしめて、近くにいたキリトへ斬りかかっていく。

「死ねねぇぇぇ!!」

 と高揚した気分のまま襲撃しようとした時である。

「その結論は……予測済みだ!」

「何!?」

 キリトはまったくもって動揺していない。それどころか堂々としており、彼は真剣な表情でそう呟くと、

「ふっ!」

「き、消えた!?」

瞬時に移動していた。どこに消えたか分からず困惑していたクロスギーツだったが、

「はぁぁぁ!」

「な、だはぁぁ!!」

キリトはクロスギーツの背後に出現している。彼が手にしているアタッシュカリバーとプログライズホッパーブレードで、力を込めた斬撃をクロスギーツに浴びせていく。

「くそっ! ちょこまかと動きやがって!!」

「はぁ!」

「また消えた!?」

 攻撃を与えようと後ろに振り返るクロスギーツだったが、キリトはまたしても姿を消している。一瞬で移動するキリトにやきもきしていると、今度は連続してクロスギーツに斬りかかっていた。

「はぁぁぁ!!」

「だはぁ!? ぐはぁ!? でゅふ!?」

 縦横無尽に斬りかかるキリトに、成す術もないクロスギーツ。キリトの瞬間移動に翻弄される中で、彼はクロスギーツに対してその手の内を明かしていた。

「これは仮面ライダーゼロツ―の力だ! あらゆる攻撃パターンを予測し、その最適解な行動を超高速で実行できるんだ!」

「はぁ!? 本物のチーターじゃねぇかぁぁ!」

 そう、この力はゼロツ―特有の予測演算。相手のあらゆる攻撃パターンを読み解き、攻守共に最適解な行動を瞬時に発動できる能力だ。要するに上手く活用すれば、一方的なワンサイドゲームを展開出来るのである。

 キリトはこの能力を上手く活かし、クロスギーツとの戦いでも上手く立ち回っていた。なおそれを聞いたクロスギーツ側は激高。やけになって、手にした二本の剣から次々と衝撃波を飛ばすも、

〈ドッキングライズ!〉

「ふっ!」

無論キリトは冷静に対処。瞬時に彼はアタッシュカリバーとプログライズホッパーブレードを繋げて、長刀状の武器へと変化。剣の先端に鋼で出来た鋭利なエネルギー状の刃を形成すると、それを盾代わりにして攻撃を一時的に防ぎ、

〈ゼロワン! メタルクラスタパワー!〉

〈アルティメットライズ!〉

「行くぞ! はぁぁぁ!」

アルヴドライバーを操作して、そのまま必殺技を発動。刃を形成したまま、剣に電撃を纏わせて、三回連続で相手に切り刻む「アルティメットストラッシュ」をクロスギーツに浴びせていく。

「くっ!?」

〈アルティメットストラッシュ!〉

 一回目の斬撃をクロスギーツが浴びた途端、画面一杯には専用のカットインが入り込む。そのままキリトは続けて二、三回目の斬撃を浴びせて、クロスギーツに大きなダメージを与えていた。

「はぁぁ!」

「ぐはぁぁ!!」

 力を込めた連撃を受け止めきることが出来ず、クロスギーツは思わず大ダメージを受けてしまう。

「ちっ! ……これがアイツらの手に入れた力か!!」

 地面に転がり込みながら、キリトらの得たライダーの力に脅威を示している。警戒心を高めながら、静かに逆転出来る一手を考えていた時。

「銀さん! 頼んだぞ!」

「おう、任せろ!!」

〈刃王! 必殺読破!!〉

「何!? ぐはぁ!?」

 またしても彼は襲撃を許してしまう。クロスギーツに向けて飛ばされたのは、星々のエフェクトを纏った衝撃波。またも地面に倒れ込み、再度立ち上がろうとすると……そこには、刃王剣十聖刃(はおうけんクロスセイバー)を手にした坂田銀時が立っていた。全知の聖剣を振るい、普段通りのがむしゃらな戦法で自由奔放に彼は戦いを挑んでいく。

「はぁ! ジョニーだがネッシーだが知らんが、落とし前はきっちり払ってもらうぜ!」

「貴様……いちいちムカつくんだよ!!」

「悪いが口の悪さは、俺達万事屋の専売特許でな……テメェの心をあざ笑うくらいお茶の子再々なんだよ! ガハハハ!」

「この……なんて男だ!!」

 変わらずに軽口を飛ばす銀時の姿勢に、クロスギーツは増々苛々を募らせていた。銀時の煽りとも言える嘲笑った顔には、クロスギーツも真に受けて瞬間的に怒りを沸騰させてしまう。銀時の戦い方のペースを上手く掴めず、彼は段々と自分の調子を取り乱していく。

 クロスギーツの動きに少しばかりの鈍りが見えたところで、

「そこだ!」

〈激土! 界時! 既読!〉

「何!? 既読!?」

銀時は真剣な表情へと切り替わる。刃王剣十聖刃(はおうけんクロスセイバー)の赤い紋章を操作し、聖剣に秘められた真の力を発動。内包されている十本の聖剣のうち、二本分の能力を解き放っていた。

〈激土!〉

「くらえ!!」

「たはぁぁぁ!」

 まずは土豪剣激土(どごうけんげきど)を召喚し、クロスギーツに向け土の力をまとった斬撃を浴びせていく。さらには、

〈界時!〉

「おらよっと!」

「ぐはぁ!」

時国剣界時(じこくけんかいじ)も召喚し、刃王剣十聖刃(はおうけんクロスセイバー)と合わせた二刀流で次々と剣を振るっていく。

 銀時の猛攻を受けて、クロスギーツは思わず怯んでしまう。

「この……って、何!? 体が……」

 さらには時国剣界時(じこくけんかいじ)の追加効果として、一定の間のみ相手の動きを止めることに成功。隙だらけなクロスギーツに対して、銀時はすかさず好機としてとっておきの必殺技を発動していた。

「よしっ、ならこれだ!」

〈セイバー! スーパーヒーロー戦記パワー!〉

 アルヴドライバーを操作して、セイバーに隠された必殺技を発動。仮面ライダーのみならず、スーパー戦隊の力を加えた強力な光球を、目の前に作り出していた。

〈スーパーヒーロー必殺撃!!〉

「アニバーサリーの力を食らいやがれ!」

 そして銀時の背後に現れた仮面ライダー1号とアカレンジャーの幻影をバックに、その光球をクロスギーツへ向けて解き放っていく。

「おりゃぁぁぁぁ!!」

「くっ、くわぁぁあ!!」

 まるで野球ボールをバットで飛ばすような素振りで、光球をクロスギーツへ向けて投げつけていく銀時。当然動きを封じられた彼にとっては……ただ黙って被弾するしか無かった。ヒーローとしての力を込めた必殺技を受けて、彼はさらなる大ダメージを受けてしまう。

〈ヒーローイズフォーエバー!!〉

「ハァ! どんなもんよ! まぁ、どうせなら、スーパーヒーローと言うからには、ライダーや戦隊だけじゃ物足りねぇ。ここは悟空やナルト、一護に出久などを加えたジャンプヒーロー戦記ワンダーライドブックにアップデート……」

「しないアル。東映側がきっとNG出すネ」

「ワフフ……」

 必殺技が見事に決まり、さらに自信を付けて行く銀時。調子に乗って自分の願望をつらつらと述べるも、近くにいた神楽と定春からツッコミを入れられてしまう。

 出鼻をくじかれたものの、流れは確実に万事屋側へと向かっている。そう確信して、彼は新たな仲間に役目を任していた。

「まぁ、それは一旦置いといて……いけぇ! 神楽! 定春!」

「オーケーアル!」

「ワン!」

 それは神楽と定春である。神楽は黒いローラーの付いた武器、ローリングバイスタンプを。対する定春は斧型の武器であるオーインバスター50を装備。彼女らは原典のリバイとバイス同様に、抜群のコンビネーションを活かしてクロスギーツに立ち向かっていた。

「ほわちゃぁぁ!」

「ワフ!!」

「くっ……これしき!」

 神楽、定春共に得意な接近戦を展開しており、自慢の怪力を活かして有利に戦いを進めていく。徒手空拳に加えて、ローリングバイスタンプのローラー攻撃と、オーインバスター50の斬撃を次々とクロスギーツに浴びせていく。

「チッ! ならこれでどうだ!!」

 一方のクロスギーツも負けじと、必殺技を繰り出す。二本の剣から放つ衝撃波をX状にて相手へぶつける「レイジングバスタースラッシュ」を発動していた。

「ハハ! 死ねぇぇ!」

 しゃかりきに自分を鼓舞しながら解き放つ渾身の一撃。しかし神楽側には、この必殺技を利用するある作戦を思いついていた。

「今アルよ、定春!」

「ワン!」

〈リバイ、バイス! アルティメイトパワー!〉

 すると神楽はアルヴドライバーを操作し、再度アルティメットリバイとアルティメットバイスの力を解放。彼らが保有する磁場の能力を発動し、神楽と定春は同じN極の力を宿していく。

「はぁぁ!」

 そのまま神楽は大きく飛び上がり、クロスギーツの背後へ回り込む。神楽、クロスギーツ、定春と横一列に展開される中、彼の放った衝撃波に大きな異変が起きていた。

「何!? 止まった……!?」

 そう。衝撃波は定春の目の前で突然停止している。これは神楽と定春のN極が互いに作用したことで、空気中の磁場が反発し、衝撃波にも影響を及ぼしているのだ。何が起きたのかさっぱり分かっていないクロスギーツが困惑するうちに、

「今ネ!」

神楽は瞬時にN極からS極の力に変更している。すると衝撃波は磁場に影響されたせいで、クロスギーツの元まで戻ってきてしまう。

「はぁ!? ちょ、ちょっと待て……ぎぁぁぁぁ!!」

 そのまま彼は衝撃波をまともに食らってしまい、連鎖して起きた大きな爆発に巻き込まれてしまった。策士策に溺れる言葉の通り、自分の攻撃でそのまま自滅へと追い込まれている。これもアルティメットリバイ、アルティメットバイスの力を活用した二人ならではの作戦勝ちであった。

「今アルよ、定春!」

「ワン!」

〈リバイ、バイス! ボルケーノ、バリッドパワー!!〉

 そのまま彼女らは引き続きアルヴドライバーを操作して、間髪入れずに必殺技を発動。神楽はリバイ(ボルケーノレックス)の炎の力を。定春はバイス(バリッドレックス)の氷の力を宿していく。

〈ボルケーノフェスティバル!!〉

 その必殺音声と同時に、神楽達はそれぞれの属性を纏った拳や腕を、クロスギーツへ向けて浴びせている。

「はぁぁぁぁ!!」

「わふふふ!!」

「だはぁ! ぐふ! ぐはぁぁぁ!!」

 最高温度の灼熱の拳と最低温度の零下の拳。寒暖差のある彼女らの拳を受け続けて、クロスギーツはまたしても大きなダメージを負ってしまった。そのまま数分前と同じく、地面に転がり込んでしまう。

「このやろ……! 俺に地味な嫌がらせをしやがって!!」

「いやいや。まだまだこんなんじゃ足りないアル! フライドチキンの皮をお釈迦にされた罪は重いアルよ!」

「お前、まだそのこと言ってんのかよ!!」

 一方的な攻撃で再度怒りを覚えるクロスギーツだったが、同時に彼は神楽の食べ物への執念深さも身に染みて恐怖を感じている。先ほどの銀時の戦い方と言い、キリトらの新たな仲間の底力に、上手いこと立ち回れていなかった。

 と万事屋側に追い風が吹き続ける中、神楽と定春は次にアスナへバトンタッチしていく。

「アッスー! このまま行くネ!」

「ワン!」

「任して! 神楽ちゃん! 定春!!」

 アスナは真剣そうな表情で、手にしたギーツバスターQB9を握りしめている。片手剣状のブレードモードにしたまま、クロスギーツへと攻撃を仕掛けていく。

「はぁぁ!」

「ふっ!」

 彼女は青い羽で常時空中状態を保ちつつ、縦横無尽にクロスギーツへ斬撃を与えている。一方のクロスギーツも、二本の長剣で攻守を使い分けながら、今度こそ優勢を取れるように踏ん張っていた。

「ったく、流石は閃光の剣士様だぜぇ! 殺し甲斐があるってもんよ!」

「悪いけど……アナタの思い通りにはならないわよ! この仮面ライダーギーツⅨの力で、アナタの野望ごとねじ伏せてみせるわ!」

 アスナにこそ優勢を取れると息巻いていくクロスギーツ。対するアスナは真っ向から彼に反抗していく。互いに言いようもない闘争心を滾らせている……。

「はぁぁ!!」

「くっ!?」

 するとクロスギーツはアスナの腹部を咄嗟に蹴り上げて、強制的な怯みを与え、そのまま神楽の時と同様に二本の剣の衝撃波「レイジングバスタースラッシュ」を発動した。今度こそ葬れると内心で勝利を確信した時である。

「シッー……」

 アスナは余裕そうな表情となり、人差し指に口を近づけていく。

「何!?」

 その途端になんと、衝撃波はアスナの目の前で停止している。これもギーツⅨの能力の一つであり、言葉に神秘的な力を与える言霊のような技だった。衝撃波が停止しているうちに、

〈ブーストチャージ!〉

「やぁぁぁ!」

〈ブーストタクティカルビクトリー!!〉

「ぐはぁぁぁ!!」

アスナはギーツバスターQB9を操作して、クロスギーツと同じ衝撃波を解き放っていく。そのまま力技で押し返しており、二倍の威力となった衝撃波をクロスギーツは成す術無く被弾してしまう。惜しくも神楽の時と同じ反撃を受けていた。

「ふっ! やぁ!」

 さらにアスナはクロスギーツの付近に青い板状の足場を作り、縦横無尽に彼へ切り刻む。クロスギーツが反撃しようにもアスナは瞬時に移動し、中々攻撃が繰り出せずにいた。

「はぁぁ!」

「ぐはぁぁ!」

 そして渾身の一刀を浴びてしまい、クロスギーツは森林の奥へと吹き飛ばされる。これにより多くの木々が破壊されてしまったが、

〈ゴーン!!〉

突如鳴った鐘の音により木々は何事も無く元通りに戻っていた。これもギーツⅨの能力、創世の力である。

「何だ……!? って、体が!?」

 さらには木々の修復と同時に、クロスギーツの両手が木々の枝と同化しており、身動きが取れない状態となっていた。この事態も勿論アスナにとっては計算内である。

「さぁ、これで終わりよ! キリト君やみんなを苦しめた分……百倍にして返してあげるわ!」

〈ギーツ! ワンネスパワー!〉

〈ワンネスビクトリー!〉

 アスナは勝機を見出しており、アルヴドライバーを操作して、このまま必殺技を発動。人々の想いを力に変える特殊なギーツの姿、ギーツワンネスの力を解放していく。

「な、なんだ!?」

 するとクロスギーツの前に、七つのエンブレムが出現する。インプ、ウンディーネ、サラマンダー、ノーム、レプラコーン、スプリガンのALOの種族を模したカラフルなエンブレムだが、これらは全てアスナにとって大切な仲間に関係したエンブレムであった。

「みんな……力を貸して!」

 そう。そのどれもがスリーピングナイツと関係のあるエンブレムである。元の世界で懸命に生きたユウキやその仲間達を思い浮かべながら、彼女はギーツバスターQB9を握りしめたまま、そのエンブレムを潜り抜けていく。

「はぁぁぁぁぁ!!」

「ぐ、ぐはぁぁっぁあ!!」

 多くの想いを剣に宿した渾身の一撃を、クロスギーツに向けてぶつけている。想いが増したことでその威力は格段に上がっており、彼にとっては大きなダメージを負わせていた。

「そこ!」

「ぐはぁ!」

 そして追撃と言わんばかりに、アスナは振り返った途端、しなやかな一刀をクロスギーツに浴びせていく。その余波で木々から解放されたものの、彼は正反対な方向へと吹き飛ばされる。ギーツⅨとギーツワンネスの能力をふんだんに使ったアスナ側に、見事軍配が上がっていた。

「新八君! 今がチャンスよ!」

「はい! アスナさん!」

 その勢いのままに、アスナは新八へとバトンタッチ。彼はガッチャードの武器であるエクスガッチャリバーを手にしており、こちらへ吹き飛ばされているクロスギーツに対し……

「はぁぁ!」

「ぐはぁ!」

まずは確実な一刀を与えている。彼が地面へと落下した直後に、そのまま容赦なく剣を振るっていく。

「とう! どうですか? 僕ら万事屋の力は!」

「……ふざけた奴らばかりで反吐が出るわ!」

「ふっ……まだまだこんなものじゃないですよ!!」

 余裕そうな表情を浮かべる新八の問いに対して、クロスギーツは反射的に激高。散々神経を逆なでされたことで、彼の怒りはとっくにピークを越えていた。そんな雰囲気などまったく影響されず、新八はさらなる攻撃を仕掛けていく。

「はぁぁ!」

「ふっ、とう!」

 クロスギーツから繰り出される斬撃を難なくかわしていき、新八はあるカードをアルヴドライバーから取り出していた。

〈テンフォートレス!!〉

「力を貸してください!」

「フォートレス!!」

 それは10と書かれたケミーカード。レベルナンバー10と言われている強力なケミーの一体、テンフォートレスに協力を仰いでいく。彼もすんなりと了承し、新八はそのカードをエクスガッチャリバーに差し込んでいた。

〈テンフォートレス! エクストラッシュ!〉

「いけぇぇぇ!」

「フォート!」

「な、なんだっこれは!? ぐはぁ!!」

 新八はエクスガッチャリバーから衝撃波を飛ばすと、それは無数の砲弾に変化。クロスギーツの周りを自由自在に舞い、任意のタイミングで接触し、次々と大規模な爆発を起こしていく。

 ケミーの奇想天外な技を受けて、さらに追い込まれるクロスギーツ。新八は攻撃の手を緩めることなく、さらに別へのケミーへの協力を仰いでいた。

「アッパレブシドーさん! スケボーズさん! お願いします!」

「アッパレ!」

「スケボー!」

 次に新八が取り出したのは、二枚のカード。武将のような姿を持つケミー、アッパレブシドー。並びにスケボーのケミー、スケボーズの力を借りようとしている。

 彼はそのままアルヴドライバーを操作して、数時間前のユナと同じあることをしていた。

〈ガッチャード! レインボーパワー!!〉

「はぁ!」

〈アッパレスケボー! ヒャーウィーゴー!!〉

 そう。レインボーガッチャードの力で、ケミー同士で変身した姿、ガッチャブラザーズを召喚。侍とスケボーの力を宿した赤色の戦士、アッパレスケボーを呼び出していた。

「何!? ライダーを呼びだしただと!?」

 これにはクロス―ギーツも想定外のようで、大きく驚嘆している。一方で新八は彼の反応を気にすることなく、アッパレスケボーに共闘を持ちかけていく。

「お二方、宜しくお願いします!」

「アッパレ!」

「スケボー!」

 威勢よく了承すると、アッパレスケボーは剣弓両用の武器であるガッチャートルネードを装備。新八に合わせて、クロスギーツに斬撃を主軸とした攻撃を仕掛けていく。

「はぁ!」

「アッパレ!」

「スケボー!」

「ぐはぁ! 似たような声しやがって!!」

 息の合った二人のコンビネーションに押されつつあるクロスギーツ。仕舞いにはアッパレスケボーの声にまで苛立ちを覚える始末である。

「今です!」

「アッパレ!」

「スケボー!」

〈レインボーフィーバー!〉

 そう彼が怯んでいる隙に新八は必殺技を発動。アッパレスケボーと共に剣を構えて、

「「はぁぁ!!」」

共に気合を込めた衝撃波を解き放つ。二つの衝撃波は上手いこと組み合わさって、虹色の竜巻へと変化していた。

「何だと!? ぐはぁ! だはぁ!!」

 それに巻き込まれたクロスギーツは、竜巻の中で七色の余波にぶつかり続け、連続したダメージを負わされてしまう。新八とアッパレスケボーの作戦が上手く重なり合った瞬間であった。

「やりましたね、アッパレスケボーさん!」

「アッパレ!」

「スケボー!」

 作戦の成功を称えて、互いに固い握手を交わす二人。するとアッパレスケボーはガッチャの合図と共に、本来のカードへと戻っていた。ケミーの力を活かした新八の作戦勝ちである。

「さぁ、このまま行きましょう! ユイちゃん!」

「はいです! 任してください!」

 そしてクロスギーツが竜巻から解放されると同時に、新八はユイへとバトンタッチ。レジェンドライドマグナムとレジェンドカメンライザーの二丁拳銃で、懸命にクロスギーツへと立ち向かっていく。

「はぁぁ!」

「くっ!? って、今度はガキか! 俺様を舐めやがって!」

「ガキじゃありません! 私も立派な万事屋の一員です!」

 二丁の銃を巧みに使い、次々と銃撃攻撃を繰り出すユイ。一方のクロスギーツは、子供相手にも容赦なく斬撃を繰り出し応戦していく。互いに一歩も引かない状況が続く中、ユイは切り札とも言えるレジェンドライダーケミーカードをアルヴドライバーから取り出す。

「アナタにはこれが効果的ですね!」

〈クウガライダーズ! リバイスライダーズ! ゼッツライダーズ!〉

「さぁ、伝説の始まりです!」

 彼女はレジェンドライドマグナムに三枚のカードを装填。そのまま引き金を引くと、自身の目の前に三人の仮面ライダーが召喚されていた。

「何!? またライダー召喚か!?」

 新八の時と同様に、援軍とも言える仮面ライダーの登場は、クロスギーツ自身も辟易と感じていく。

 現れたのはクワガタを模した古代の赤き戦士、仮面ライダークウガ。コウモリの力を持つ白き正義の戦士、仮面ライダーライブ。あらゆる能力を持ったカプセムを使い分ける緑と赤の戦士、仮面ライダーゼッツの三体である。

「クウガさん! ライブさん! ゼッツさん! 宜しくお願いします!」

 ユイが協力を仰ぐと、三体のライダーは無言のまま頼もしく頷く。そして早速クロスギーツに向けて、必殺技を解き放っていく。

「おりゃぁぁ!!」

〈ヒッサツ承認! バット! ジャスティスフィニッシュ!!〉

〈ゴゴゴゴージャス!〉

「だはぁ! ぐふぉ!」

 クウガの右足に炎の力を宿す飛び蹴り技、マイティキック。並びにライブの武器ツーサイドライバーから放たれる光の弾丸を受けて、クロスギーツはまたしても追い詰められてしまう。しかし、まだ攻撃は終わっていない。

〈インパクト! バニッシュ!! ゼゼゼゼッツ!!〉

「何だと!? この数字は!?」

 ゼッツは自慢の必殺技であるインパクトバニッシュを発動。クロスギーツの真横に、7の数字が二つ浮き出たところで、

「はぁぁぁ!!」

「ぐはぁぁぁ!!」

〈ゴゴゴゴージャス!!〉

勢いよく飛び上がり大きく蹴り上げていく。7の数字がもう一つ増えて、「777」とラッキーセブンのように並んだところで、クロスギーツは黄金色の爆発に巻き込まれていった。

 ユイが召喚したライダーに防戦一方になってしまう。

「皆さん、ありがとうございました!」

 ユイがお礼を伝えると、三人のライダーは光の粒子となり消えている。すると彼女は、さらなるカードを取り出していた。

「続いてこれです!」

〈レジエンド! ゴーストムゲンパワー!〉

〈ファイナルケミーライズ! ゴゴゴゴージャス!! ゴースト! ムゲン魂!!〉

〈ムゲン! ゴゴゴ! ゴゴゴ! ゴゴゴ! ゴッド! ゴースト!!〉

 そのカードはゴースト(ムゲン魂)のレジェンドライダーケミーカード。力の一端を解放すると、召喚……ではなく、なんとユイ自身が仮面ライダーゴースト(ムゲン魂)へと姿そのものを変えていたのだ。白く神秘的な外観を持ち、背丈もオリジナルと同じ高さに変化し、外見から見ると本物の仮面ライダーと見て差し支えない。

「何!? 今度は変身だと……!?」

 次から次へと繰り出される数多の手札に、クロスギーツは増々逆上している。

 一方でユイ……いや、ゴージャスゴースト(ムゲン魂)は授かった力の責任を重く感じつつも、この力を清く正しく使うことを強く誓っていく。

「私だって……戦えるんです! 命、燃やします!!」

〈イノチ! ダイカイガン!!〉

 すると彼女は、ハンマー型の武器であるガンガンセイバー(ハンマーモード)を取り出す。オリジナルのゴーストと同じ「愛」の感情を爆発させて、必殺技を発動している。

「ラブボンバーです! はぁぁぁ!!」

「何!? だはぁ!!」

〈ゴゴゴ! ゴージャス!!〉

 ゴージャスゴースト(ムゲン魂)は、手にしたハンマーを回転させて、白いエネルギーを纏ったまま、力任せにクロスギーツへとぶつけていく。剣を構えて耐え切ろうにも防ぎきることが出来ず、またしても彼はダメージを受けて地面に倒れこんでしまった。

 さらにユイは追撃を行っていく。

「次にこれです!」

〈レジエンド! ガヴ! マスターパワー!〉

〈ファイナルケミーライズ! ゴゴゴゴージャス!! ガヴ! マスターモード!!〉

〈マスターブースト!!〉

 彼女はガヴ(マスターモード)のレジェンドライダーケミーカードを取り出す。力の一端を解放し、今度は紫色の戦士であるゴージャスガヴ(マスターモード)へと姿を変化させていた。

「はぁぁぁぁ!!」

「速いだと!? ぐはぁ!? ぐふぅ!?」

 ゴージャスガヴ(マスターモード)は、自身の能力である高速移動を発動させて、縦横無尽にクロスギーツへと蹴りかかっていく。動きに翻弄されて、彼に隙が出来ているうちに、

「今です! はぁ!」

「ぐはぁぁ!!」

〈ゴゴゴゴージャス!!〉

彼女は赤い大剣であるガヴガブレイドを手に取り、クロスギーツへ渾身の一刀を浴びせている。その直後に彼女は、元の姿へと戻っていた。

 この不意打ちを受けて、地面へと倒れこむクロスギーツ。すると同時に黒いオーラは消滅しており、自身にかかっていたバフ能力が期限切れとなってしまう。万事屋が立て続けに繰り出した猛攻によって、彼は必要以上に追い詰められていた。

「くぅ……ライダーの力を持っているのに、何故勝てない!」

 中々勝てる戦いが無く、恨み言を吐くクロスギーツに対し、ユイ、キリト、銀時が真剣な表情で彼に反論していく。

「それはあなたが自分の為にしか使っていないからです!」

「何だと!?」

「大切な仲間を守りたい……その一心があるから、俺達はここまで戦ってこれたんだ!」

「言っただろ? テメェのチンケな術で、こいつらが折れるわけないってな!」

 三人の熱意に新八、アスナ、神楽、定春も頷いている。自分や仲間を信じて大切なものを守るために全力で戦ってきた万事屋と、人の命を弄び自らの業から逃亡を続けるクロスギーツ……いや、金本敦。例え同じような仮面ライダーの力を与えられてもなお、明確な違いが浮き彫りとなっていた。

 対するクロスギーツだが……正論を言われてもまったく受け入れようとしていない。

「うるさい! うるさい! だったらこいつで全てを滅ぼしてやる!!」

〈ダークネスブーストタイム!! クロスギーツビクトリー!!〉

 地団駄を起こしながら、彼は最終手段に打って出ていた。クロスギーツバックルのスロットルレバーを二回引き、大技であるクロスギーツビクトリーを発動。ありったけの力を二本の剣に集めて、それを一斉に万事屋へ向けて解き放とうとしていく。

「俺達も行くぞ!」

「おうネ!」

「分かったわ!」

「はい!」

 一方の万事屋側も、クロスギーツに対抗する必殺技を次々と発動していた。

〈ゼロツ―ビックバン!〉

「はぁぁぁ!!」

〈刃王! 必殺読破!!〉

「銀河大爆発!!」

〈リバイ、バイス! ギファードフィニッシュ!〉

「ホワチャァァ!」

「ワフフフ!!」

〈ダイナマイトブーストタイム!〉

「ブーストナインビクトリー!!」

〈レインボーフィーバー!!〉

「やぁぁぁ!!」

〈レジェンドファイナルアタックライド! レレレレジェンド!!〉

「強化! ゴージャスディメンションキックです!!」

 キリト、銀時、神楽、アスナ、新八、ユイの順に、皆狙いをクロスギーツに定めていく。そう。彼らは一斉にクロスギーツに向けて、とっておきのライダーキックをお見舞いしようとしていたのだ。令和ライダーの最強フォーム最大の一撃を、揃って繰り出していく。

 皆真剣そうな表情で標的を狙う中……タイミングよく飛び上がっていた。

「「「「「「はぁぁぁ!!」」」」」」

 キリトは02の表記を纏った飛び蹴り。銀時は青く煌めくエネルギーを纏った飛び蹴り。神楽と定春は異なる磁力を纏った飛び蹴り。アスナは青いオーラを纏った飛び蹴り。新八は虹色のエネルギーを纏った飛び蹴り。ユイはゴージャスな宝石のエネルギーを纏った飛び蹴り。それぞれが異なるライダーキックを放ち、クロスギーツに向かって繰り出していく。

「食らうかぁぁぁぁ!!」

 一方のクロスギーツは集めたエネルギーで、自身の巨大な幻影を作り出し、六人と一匹の勢いを強制的に抑え込もうとしていく。そのまま命ごと仕留めようと企てていたが……

「「「「「「やぁぁ!!」」」」」」

「な、う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

覚悟の決まった六人と一匹の前ではただの付け焼き刃でしか無かった。幻影は成すすべなく破壊されて、そのまま実体に向けて強力なキックが次々と炸裂していく。と同時に奪ったはずの武器が奪還されていき、地面に着地すると同時に、銀時やキリトらは自分の大切な武器である聖剣や木刀を抱きかかえている。見事取り返すことに成功していた。

 万事屋全員の必殺技が無事決まったところで、

「ワフ! ワフ! ワフ! ワフフフ!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

定春がオリジナルのバイスと同じく「321」の掛け声で、相手の爆散を伝えていく。クロスギーツは完膚なきまでにやられており、大きな爆発に巻き込まれていた。彼は強制的に変身を解除されてしまい、そのままぐったりと地面に倒れこんでいく。

「勝ったんだな……」

「あぁ、なんとかな」

 銀時やキリトらもようやく勝利できたことを確信。武器も取り戻せて、皆一安心した表情を浮かべていた。

 長きに渡る戦いは、正しき力の使い道を得た万事屋側の勝利で幕が降ろされたのである。




刀唱時代篇ルール
 IDコアを破壊されると、仮面ライダーに関する一切の記憶が消滅する。

 ということで、如何でしたでしょうか? 全員分の決着がこの回で着きました。どの戦いも熱いバトルが描けたと思います。
 ピックアップすると、まずは桂とアンカーの対比。アンカーは自分のいた世界を壊したいと歪んだ欲望を暴走させておりますが、そんな彼女を桂が諭します。桂自身も初期は過激派の攘夷浪士でしたが、紆余曲折あり穏健派に代わった経緯がある為、アンカーとの戦いは彼が最適と考えました。果たして桂との邂逅は、アンカーにどのような変化をもたらすのでしょうか。
 そして傀儡のダークライダー達との戦いでは、もちろん仮面ライダーノーチラスが大活躍! 自分の迷いを振り切り戦う姿は、エイジ自身の成長にも繋がっていると思います! 後はさり気なく戦っておりますが、自身の戦闘経験だけでダークライダーや怪人と互角に戦う次郎長と平子、クラインってかなり強いですよね。
 さらには金本が変身したクロスギーツには、令和ライダーの力を借りた銀時、キリト達が大活躍! 最強フォームだけじゃなく、スーパーヒーロー戦記やギーツワンネス等の映画限定フォームの力も盛り込んでおります! 個人的にはあらゆる最強フォームにゴージャスライドしたユイちゃんが最強格だと思います笑
 ボコボコにされている金本ですが……本編での所業を考えたら、これくらいやられても妥当かと思います笑

 さて、刀唱時代篇も残すは後二話です!(予定) と言いたいところですが、来週は少し忙しいので本編の更新は再来週になりそうです。







次回予告

キリト「もう終わりだ。ジョニーブラック」
銀時「いい加減観念しやがれ」

ジョニーこと金本の末路?

源外「後はお前さんが決めろ」
エイジ「僕は……」

エイジの決断

刀唱時代篇九 想いの彼方

掴め! 最高のガッチャ!!
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