それと終盤の製作時間を確保出来なかった為、次回でホスト篇は完結とさせて頂きます。
前回までのあらすじ
ユイに顔がそっくりな女性、ペルソナ・ヴァベルが従者のストレアと共に、高天原を訪れていた。第二の夜の女王と呼ばれる彼女をもてなすべく、万事屋、真選組の面々、そしてリーファら女子達がホストに扮し、立ち向かうことになった。途中ペルソナの策にハマり、シノン、シリカ、近藤、アスナの四名が気絶やら戦意喪失やらで脱落。メンバーが減りながらも残った面々で奮闘し、ペルソナの内情や憧れの人……いや、機関車が判明していった。
現在は土方の提案した信号機ゲームを皆が行い、場を程よく盛り上げている。
「ほらほら、もう最後よ!」
「事故がもし起きたら、落ち込まないで~。まぁ自信過剰だと集中力なんて、大概散漫になっちゃうからね。事故だ~! 事故だ~! 忘れてると事故は起こるさー! ほらー!!」
ペルソナからの罰ゲームを受けている相手はキリト。彼はペルソナの提案で、きか〇しゃトーマスの有名な歌を熱唱させられている。歌い慣れていない曲に悪戦苦闘しながらも、どうにか「じこはおこるさ」を歌いきっていた。
「お疲れアル。KIRI」
「なんとかやりきったよ。それにしても、子供向けアニメにしては随分と刺激的な気が」
「そりゃきかんし〇トーマスだからでさぁ」
罰ゲームをやり切ったキリトを、神楽と沖田が労っている。一方でキリトは、「じこはおこるさ」の過激過ぎる歌詞に衝撃を受けていたが……。
今のところは脱落者も無く、順調に八人でペルソナやストレアをもてなしていた。
「ふぅ~。今日の高天原もすっごく楽しいですね!」
「そうね。新人ばかりで少し不安だったけど、中々やるじゃないアナタ達」
ペルソナ側も銀時達のもてなしを十分に楽しみ、素直な言葉で誉めたてている。彼女からの言葉を、銀時らはすんなりと受け止めていた。
「お褒めに預かり光栄でございます」
「高天原流のおもてなしがお気に召したのなら何よりでございます」
銀時、土方の二人がホストを代表して、ペルソナにお礼を伝えている。この調子のままペルソナをもてなそうとした銀時達であったが……ここでペルソナがあることを思いついていた。
「あっ、そうだわ。厨房を借りて良いかしら?」
「ちゅ、厨房!?」
「アナタ方に味わってほしいココアがあるのよ。あっ、覗かれると嫌だから、入ってきたら駄目よ」
「ペルソナ様の作るココアは格別なんですよ! そう滅多にないことなんですから!」
なんとホスト達に向けて、お手製のココアを振舞おうとしている。ストレア曰く稀なことらしく、彼女は銀時らのことを羨ましがっていたのだが……対照的に銀時らには緊張が走っていた。厨房には現在、妙とペルソナと瓜二つの顔を持つユイがいるからである。
「ぺ、ペルソナ様!」
「ちょっと待て! そこにはお前のドッペルゲンガーがいるんだ! 考え直せ!」
焦って新八や銀時がペルソナを呼び止めるも、彼女は一切応じない。ユイと遭遇すればペルソナがどんな反応をするか分からない為、一行はペルソナとユイの接触を協力避けていたのだ。そんな制止も虚しく、厨房にてペルソナとユイはとうとう鉢合わせしてしまう。
「ペ、ペルソナさん!?」
「えっ!? どうかされましたか?」
突然厨房に入ってきたペルソナに困惑するユイと妙。一方で案の定ペルソナは、ユイを目にして驚いた表情を浮かべている。
「おや、アナタは……」
自分と似た顔つきとすぐに把握し、じっくりとユイを眺めていると……ペルソナはふと昔の自分の夢を思い出していた。
「フフ。私にもアレを追いかけた夢があったわね……」
「夢?」
「なんでもないわ。ねぇ、少し厨房を借りても良いかしら?」
ペルソナの哀愁のある呟きにどこか違和感を覚えてしまうユイ。彼女の発した夢に少なからず興味を持ち始めたものの、ペルソナは強引に厨房を借りて、自家製のココアを作り始めていた。
「大丈夫かな。ユイにペルソナさん……」
「姉御がついているからきっと大丈夫ネ。揉めるような言葉も聞こえてきていないからナ」
一方でゲストルームにてペルソナを待ち続けるキリトらホスト達。彼らはペルソナとユイのやり取りを大いに心配していた。妙も付いているので、いざという時は仲介に入ってくれると思っていたが……それでも心配は一行に尽きない。
その一方で沖田はストレアに、ペルソナが作るココアについて詳しく聞いていた。
「ところでストレアさん。ペルソナ様はそんなにココアがお好きなんですかい?」
「えぇ、その通りですよ。彼女のココアを飲んだら、みんな昇天してしまうくらい幸せな気分になるんですから! 揉め事が起きた時には、ペルソナ様のココアでみーんな落ち着いちゃうんですよ!」
ストレアは元気よく、ペルソナが作るココアの魅力を熱弁している。状況が殺伐としているほど効果があるらしく、これまでに幾度も彼女達の窮地を救ってくれたものらしい。
ストレアの言い方に若干の違和感を覚えるが……そう感じていた新八と銀時はふと二人でその気持ちを共有していた。
「あの、銀さん。まさかとは思いますけど、姉上と同じ展開じゃないですよね?」
「んなことあるわけないだろ。そもそも妙の飲み物云々のくだりは、最初にやっただろうが。いくらなんでも同じネタで被るわけないだろ」
彼らはストレアの言った昇天と言う言葉が気になり、つい妙の作る料理を頭に思い浮かべている。数日前に見たダークマター風カクテルと同じものが出てくることを危惧していたが……その不安はまさに現実のものとなった。
「フフ。出来たわ。私お手製のブラックココアよ!」
厨房から嬉しそうな表情でペルソナがゲストルームに戻ってくる。人数分のココアをトレイに置いて持ってきたのだが……その見た目は妙の作るカクテルと同じくらい禍々しかったのだ。これを目にした銀時らホスト達は、青ざめた顔となり気を引かせてしまう。
「あの……ペルソナさん。これは?」
苦い表情でキリトが質問すると、ペルソナは自信満々な表情で返答した。
「だからブラックココアよ。私の星で採れる石炭を隠し味に使ったオリジナルココアね。愛しのドナルド様をイメージした自信作なのよ」
(おい! この女、俺達に石炭を飲ませる気だよ! アルハラならぬ、セキハラをしてきたよ!!)
「因みに食用の石炭だから、安心して飲んでちょうだい」
(そういう問題じゃねぇだろ!)
自身の作ったココアを自画自賛するペルソナに、銀時と土方が内心でツッコミを入れている。ココアに石炭が入っていると聞き、ホスト一行は皆ペルソナのココアに拒絶反応を起こしていた。
「あら? 飲みたくないの?」
「いやぁ~あまりにも珍しくて」
「普通に飲めば良いアルか?」
「そうですよ! こういう時はグイっと行っちゃってくださいな! ペルソナ様のココアは天人だろうと地球人だろうと気に入るはずですよ!」
新八や神楽は咄嗟に他愛の無いことをペルソナに返している。一方でストレアは中々ココアを飲もうとしないホスト一行に、自身の感想を交えながらココアを勧めていた。彼女がどんなに後押ししようとも、銀時らの拒絶反応は一切変わらないのだが……
「ど、どうすんだ。銀さん。ここは飲んだ方が良いのか?」
「バカ言ってんじゃねぇよ。もし飲んで文字通り全員昇天したら、ペルソナに敗北することになるんだぞ。これだけは避けなくては……!」
キリトと銀時は小声でペルソナのココアについて対策を考えていた。無暗に飲めば自滅することは目に見えており、飲まずにどうこの難局を乗り切るか二人は悩まされている。
無論他の仲間達も同じ想いではあったが、ここで新八はあることに気付いていた。
「あれ? そういえばユイちゃんと姉上って大丈夫なの?」
「あっ」
ペルソナのココア作りに恐らく同席していたはずのユイと妙の姿が一切見えないことに彼は気付く。ただ単に厨房の奥側にいると前向きに考えていたが……すると、ユイがスケッチブックを持って、ペルソナらに気付かれないよう厨房から姿を見せていた。
「えっ、ユイ?」
「どうしたんだ?」
ユイの気配を察して、銀時らが彼女のいる方角を見ると……彼女はスケッチブックをめくって、キリトらにあることを伝える。
[お妙さん、ペルソナさんのココアを飲んで昇天しました]
(ナ、ナレ死!?)
(既にやられてたぁぁぁ!!)
なんと既に妙はペルソナのココアにやられていることが判明。これにより、ペルソナのココアが見た目同様の生物兵器だと皆が確信する。あまりにも想定外の展開に、銀時と新八は内心で激しくツッコミを入れる。他の仲間達もこの事実に心を引かせていた。
さらにユイはスケッチブックをめくり続ける。
[お妙さんは私が看病しますので、皆さんはペルソナさんをどうにか止めてください!]
[それとお妙さんからの伝言で、花柄のマグカップをストレアさんに飲ませてほしいとのこと。絶対にと言っていました]
(いや、なんでストレアさん指定!? 姉上、私怨とか混ざってないですか!?)
筆談だけでユイは、新八らへ今後の行動について伝えていく。妙の看護や彼女からのメッセージなどを伝えたが……何故か妙はストレアに対して周到に狙い撃ちしていた。新八は内心で妙が身勝手な執念を燃やしていると察していたが……その予感は瞬く間に確信へと移り変わる。
[それとお妙さんからもう一つ伝言です]
[ストレアを血祭りにあげろ]
(おぃぃぃぃ! 最後の最後で私怨丸出しだよ、姉上! なんてしょうもないダイイングメッセージを書いてんだ!!)
ユイがめくったページには、なんと妙の血で書かれたであろうダイイングメッセージがスケッチブックにおどろおどろしく刻まれていた。確実にストレアへの妬みや嫉みを燃やしており、気絶しようとも道連れにする覚悟が感じている。あまりの執念深さに、新八らは揃って気を引かせていた。
と伝えたいことを伝え終えると、ユイは妙の看護の為にそそくさと厨房の奥に戻る。なお一連の伝言は、ストレア及びペルソナには一切気付かれていない。
「さぁ、誰から飲むの?」
「じゃんじゃん行っちゃってよ!」
ペルソナ、ストレア共に石炭入りココアをホスト達が飲むのを心待ちにしている。誤魔化す術も見つからずに、防戦一方となってしまった銀時達であったが……ここで沖田が率先して動き出していた。
「しゃあねぇ。ここは俺の出番ですかねぇ」
「お、沖田さん?」
「SOUGO。行けるのか?」
「えぇ。こう見えても俺は劇物のスペシャリストなんで、試飲なんてお手の物なんでさぁ」
毒への耐性があると自負し、強気にも石炭入りのココアに挑む覚悟を決めている。その表情も一際凛としていた。
「じゃ、いきまっせ」
彼は一呼吸を置いて、マグカップを手にし、そのままグイっとココアを口にする……はずだったが、
「はぁぁぁ!」
「「ふっ!!」」
沖田は急に眼の色を変えて、近くにいた神楽、リーファに向けて、ココアを無理やり二人へ浴びせようとしていた。だがしかし、沖田の行動を予測していた二人はそれを防ぎ、神楽達は揃って沖田の腕を力強く掴んでいる。
「はい?」
「えっ?」
「こ、この流れは……」
突然の沖田の行動にリズベットは困惑したものの、銀時、新八、土方、キリトの五人は、薄っすらと彼の行動を察していた。特にキリトは以前に沖田とチームを組んだかぶき町フレンドラリー篇の出来事と照らし合わせている。今回も例の如く、同じことが起きていると。
「チッ、気づかれていたか」
「当たり前よ! とうとう本性を現したわね!」
「オメェの考えていることなんて、お見通しアル! SOUGOの好きにはさせないネ」
「良いでっせ。止めるもんなら止めてみな。RIFUにGURA!」
そう。沖田は今回も神楽やリーファを道連れにしようとしていた。毒見役を二人に押し付けて、自分だけ助かろうとする魂胆である。当然リーファや神楽は同じことが起きぬように警戒心を高めており、先読みして彼の暴挙を防いでいた。力づくでココアを浴びせようとする沖田と、それを力一杯に防ぐ神楽とリーファ。ペルソナ、ストレアの期待をよそに、勝手に三人で内輪揉めが始まってしまう。
「おー! ペルソナ様のココアを巡って、ホスト達が争うなんて!」
「フフ。そんなに私のココアが飲みたかったのね。慌てなくても全員分あるのに」
「いや、どんだけポジティブ思考なんだよ。アンタら」
一方でストレアとペルソナは、沖田らの醜い争いを前向きに解釈している。てっきり三人が我先にココアを飲もうと先走っていると考えていた。能天気とも言える二人の呟きには、新八もボソッとツッコミを入れている。
「離しやがれ!」
「嫌アル!」
「アンタが飲みなさい!」
それでもなおのこと続く、沖田、神楽、リーファのココアの押し付け合い。硬直状態が続いていたちょうどその時……沖田は持っていたココア入りのマグカップを手放してしまい、それは大きく空中へと舞い上がっている。
「「「あっ」」」
三人はこの後のことを察し、その場から離れようとしたがもう遅かった。マグカップは勢いで逆さまにひっくり返され、中から溢れたココアがちょうど沖田、神楽、リーファの顔面に付着してしまう。そのどさくさに紛れて、三人は無意識にココアを口にしてしまい、そして……
「ま、不味い……」
「な、なにこの不味さ……」
「ダウンするアル……」
三人揃ってがっくりと気絶してしまった。
「な、なにやってんだ!! お前ら!!」
「ちょっと待って! 何を下らない内輪揉めで脱落してんだ! 起きやがれ!!」
予想通りに起きた最悪の展開に、新八と銀時は大いに焦ってしまう。すぐに神楽達の元へ駆け寄るも、まったく彼女らは起きる気配が無かった。
「やっぱりこうなったか……」
キリトもこの顛末には頭を抱える始末である。仲の悪さ故の自滅は、彼としても避けたかった様子だった。
「気絶するほどの不味さってどれだけなの……」
「もはや殺戮兵器だろ。あのココア」
一方でリズベットはキリトと様に苦い表情を浮かべて呟き、土方も冷静にボソッとツッコミを入れている。比較的なタフな印象のある沖田や神楽らを自滅させる辺り、ペルソナのココアが相当な劇物であると確信していた。
こうして沖田、神楽、リーファの三人が気絶扱いとなり、残るホストは銀時、キリト、新八、土方、リズベットの計五人のみとなってしまう。
「なんということでしょう、ペルソナ様。あまりの美味しさに、三人揃ってダウンしてしまいましたね」
「いっつもこうね。みんな倒れちゃうから、味の詳しい感想を聞けないのも考えものね」
「いや、どんなに解釈しても不味いの一択だろうが」
一方でストレアとペルソナは、三人の気絶を好意的に受け止めていた。てっきりあまりの美味さ故の反応と嬉しがっていたが……その実態は至って真逆である
いずれにしても、ここからは五人で誰一人欠けることなく、ペルソナやストレアを相手しなくてはいけないのだ。
「おい、どうするんだ? とうとうホストは俺達五人だけになっちまったぞ」
「あのココアをどうにかしない限り、アタシ達の自滅は免れないわよ……」
土方やリズベットも事態の深刻性を理解している。一方で新八らはこの状況の打開策を必死になって考えていたが、ここでユイが伝言したあるメッセージを新八は思い出した。
「どうすれば……あっ、姉上から伝言だ」
「伝言?」
「ストレアさんに指定で飲ませるマグカップのことですよ!」
「あぁ、アレか!」
そう。妙の指定したストレア用のマグカップを、事態を好転させるアイテムと彼は踏んでいる。劇物なココアに加えて妙の料理の腕が混ざれば……考えなくても恐ろしいことが起きるに違いないと皆考えていていたのだ。
「さて次は……」
「ペルソナ様。失礼ながらマグカップが空いたので、折角ですし一緒に飲みませんか?」
「えっ? アタシ達も?」
「ちょうどマグカップは七つ。人数分は揃っているかと思われます」
「ペルソナ様ともココアで乾杯したいしな!」
「是非一緒にやっていただけませんか?」
「これからの夜のひと時を楽しむ為にも」
銀時、新八、リズベット、キリト、土方の順に、ペルソナ達へココアを勧めていく。彼女達と共に乾杯をする大義名分が出来たことで、どさくさに紛れてストレアへ例のココアを飲ませようとしていた。
「そうね。それも一興だと思うわ」
「ペルソナ様のココアを頂けるなんて、アタシ感激ですよ!」
この提案に二人はすんなりと乗っかっている。特にストレアはペルソナのココアを飲めることに大変感激していた。
その一方で銀時らは、こっそりと小声で呟きながら互いに意思疎通を図る。
「よしっ! このままお前ら、飲むフリをしろよ」
「分かっているよ。ペルソナ諸共気絶させる魂胆ってことだろ?」
銀時、土方が呟くと、続けて新八、リズベット、キリトも続く。
「ペルソナさんはともかく、ストレアさんは姉上が何か仕掛けているはずだから、確実にダメージを与えられるはず!」
「でも良いの? 流石にお妙さん、毒とか仕込んでいないわよね?」
「それは無いと信じたいところだが……」
特にリズベットは妙の嫉妬心から、彼女が血迷ったことをしないか心配している。キリトは否定したものの……銀時ら三人は強ちこの意見に納得していた。
そう入念に作戦を立てつつ、いよいよその時が訪れる。
「それじゃ、これからも続く夜を祝して……乾杯!」
「「「「「「「乾杯!」」」」」」」
キリトが率先して乾杯の音頭を取りながら、全員でマグカップを上に掲げていく。そのまま口にしたが、銀時ら五人はあくまでも飲んだフリで誤魔化していた。
「我ながら良い出来ね」
(やっぱりペルソナさんには耐性があったか……)
(怯むな、新八! 本命はストレアだ! きっと何か変化が起きるはず……)
全員の予想通り、ペルソナはココアを飲んでもまったく異変が無い。自分の作ったココアの出来を自画自賛する始末である。
だが、全員の本命はストレアの方だ。五人としては少しの時間でも彼女が気絶してくれると有難かったのだが……するとストレアにある異変が起きている。
「ん? ストレア、どうしたのよ?」
彼女は急に顔を俯かせて、黙り込んでしまった。異変に気付いたペルソナが声をかけると……ストレアは急に顔を振り向かせていた。
「も」
「も?」
「もっとココアを持ってこいっての!!」
「……えっ?」
「ココアよ!」
なんと彼女の口調や態度が一変してしまう。ほんわかでしゃっかりとした雰囲気が、酒に酔い気性が荒くなっていた。まるで銀時らの知人である月詠と同じくらいの酒癖の悪さを発揮している。あまりの変貌ぶりに、ペルソナはおろか銀時らですら騒然としていた。
(で、泥酔してるぅぅぅぅ!?)
(気絶どころか新たな自分が覚醒しているじゃないですかぁぁぁぁ!!)
銀時と新八は内心で激しくツッコミを入れる。一方でリズベット、キリト、土方の三人はただただ困惑していた。
「よ、酔ってるの!?」
「おいおい、どういうことだ! これは!?」
「お妙さん、一体何を入れたんだ……?」
このきっかけを作った妙の仕込みにも彼らは気になっていたが……ここでユイがまたこっそりと、スケッチブックを持って厨房から姿を見せていた。
[お妙さんはマグカップにチュパカブラの血液、バハムートの皮、ヴァルキリーの羽を入れていました]
(おい! だからそれ入れるなって言ったもんだろうが!!)
(つーか、そんなゲテモノばっか入れたら、ストレアさんって酒乱になるの!? どういう原理!?)
どうやら妙は数日前に作った特製カクテルのレシピの材料を、そのままココアに入れたようである。近藤と同様にショックを与えようとしたものの……その行動は裏目に出てしまった。
泥酔状態となったストレアは、近くにいた銀時らにも矛先を向けていく。
「おい! 全然減ってねぇじゃないのよ、アナタ達のココア! もっとがぶがぶ飲みなさいっての!」
「いや俺達にはこれが十分というか……」
「遠慮しないで、飲めやぁぁぁ!」
するとストレアは声を荒げながら、近くにいた土方、リズベットの二人に接近。彼女らの持っていたマグカップを強奪し、二人の口に無理やり押し込ませていた。
「うぅ。えぇ……」
「ま、まず」
一滴でもペルソナのココアを口にした土方とリズベットは、その不味さに衝撃を受けて、倒れこんでしまう。一方でストレアの方は、
「どう。美味いでしょ……」
急に眠気が来て暴れるだけ暴れて眠ってしまった。幸せそうな寝顔を浮かべているものの、対照的に土方とリズベットは死んだような表情で気絶している。
「え……えぇぇぇえぇ!! TOSHI! RIZU!」
「お前らまで脱落するのかよ!」
「しっかりしろ、二人共!!」
新たに二名が脱落し、ただただ困惑するしかない新八、銀時、キリトの三人。ストレアを黙らせることに成功したものの、代わりに土方とリズベットがココアの犠牲になっていた。果たしてペルソナのおもてなしは、無事にこのまま終わることが出来るのだろうか。
今回はここまでです。最終的には決着は次回となりますね。今回はペルソナの作ったココアが大いに波乱を起こしました。今回だけでストレアを含めて七人が餌食となる始末。残りの男子メンバーで、ペルソナを満足させられるのでしょうか……