今回は次元遺跡篇の二話目です。空川町にある遺跡に向かった銀さんやキリト達に待ち受けるモノとは? 是非お楽しみください。
カマシスギ都市伝説の放送から一夜が明けた頃。万事屋一行は番組内で取り上げた謎の遺跡が気になり,ロケ地となった空川町へ向かうことにした。
組織との関連性が疑われる次元遺跡の存在,目撃される謎の少女と銀色の怪人。サイコギルドの手がかりを見つけるべく,彼らは躍起となっている。
現在は事前に呼びかけたシリカやリズベットら女子四人と合流して,空川町へと向かう普通列車「イスルギ号」に乗車していた。しばしば一時間弱の電車旅である。
「おぉー! 江戸からどんどん離れていきますね!」
「そうアルナ! 電車で行くなんて,もの凄く久しぶりアルよ!」
窓際に座るユイや神楽は,遠くから見える江戸の町並みを見て,テンションを上げていた。目つきをキラキラとさせて,好奇心旺盛に眺めている。
ちなみに電車の席順だが,向かい合わせの二人座席にキリト,ユイ,神楽,アスナの四人が着席。通路を跨いだ横の座席には,銀時と新八が座っている。そして二人の前方にある向かい合わせの座席には,シリカ,リズベット,リーファ,シノンが着席していた。(もちろんピナも同行している)
仲間達で席を固めて,ワイワイと会話を交わしていく。
「そういえば,キリトさん達が江戸を離れるのって初めてでしたっけ?」
「そうだな。そんなに無かったし」
「強いて言うなら,バスで鶏卵場に行ったくらいかしら? でも大人数で行くのは,これが初めてかもしれないわ」
新八からの質問に,キリトやアスナは過去を振り返りながら返答していた。彼らの言った通り,キリトらが江戸を離れるのはこれが初めてだという。故に皆が,遠出には期待と不安を寄せ合っていた。
「何かサイコギルドに関する手がかりが見つかるといいアルナ!」
「そうですね。でももし,戦うことになったら……」
「気にするなや。いざと言う時は相手するだけだ。そもそもコイツらだって,百華や九兵衛とかに稽古つけてんだろ? だったら,大丈夫じゃないのか?」
万が一起きるかもしれない戦闘に杞憂するユイだが,銀時からは軽く一蹴をされている。しっかりと武器も所持している上に、日々修行に励む者もいる為、特に心配していなかった。キリト達の強さを信頼しているらしいが……。
すると早速、シリカらも声を上げてくる。
「負けて堪るものですか!!」
「ほら、見てみろ。こいつらだってやる気が出て――アレ?」
意気揚々と負けん気を露わにしたと思いきや、それはまったくの誤解である。女子達が集まる席を覗くと、
「「「「最初はグー! じゃんけんポン!! ポン!!」」」」
四人共に互いを睨みつけて、真剣にじゃんけん勝負へと挑んでいた。「ハァー」とピナだけはため息を吐いて、呆れかえっていたが。
「あーもう! 全然勝敗が付かないんだけど!!」
「なんで今日に限って、あいこ続きなのかしら……」
中々勝敗の付かない展開に、憤りを口にするリズベットとシノン。
「絶対に勝って、お兄ちゃんと一緒に宇野をするんだから!」
「いえいえ、ババ抜きです! ターンアップですよ!」
対してリーファやシリカは、再びじゃんけんへの意欲を高めていく。
どうやら女子達はキリトと遊ぶカードゲームについて、出発直後から言い争っていた。彼女達にとっては真剣な悩みだが、傍から見ればどうでもいい争いである。
「「「「せーのっ!!」」」」
「いやいや、ちょっと待てや!! 何をお前等は緊張感無しで、じゃんけんしてんだよ!! どうせキリト絡みだろ!? キリト案件だろ?」
我慢が出来なくなり、銀時はツッコミ混じりで介入した。だが案の定、女子達からは文句が返ってくる。
「うっさいわね、銀さん! 邪魔しないでちょうだいよ!」
「そうですよ! 銀時さんにはまったく関係ない話ですからね!!」
「そんなはっきりと言わなくてもいいだろ!! オメェらいちいちリアクションが迫真過ぎるんだよ! つーかじゃんけんって、これで何回目だよ!?」
不機嫌そうな表情で言われても、倍返しの如くツッコミで返す。ここ最近ではよく見る一対四の構図である。仲間達も介入しづらい雰囲気だ。
「てか、銀さん。僕のツッコミの仕事取らないでくださいよ」
「そういえば、新八。全然ツッコミしてないアルナ。何をさぼってんだよ、ゴラァ!」
「って、何で神楽ちゃんが怒るの!? それほぼ八つ当たりだよね!?」
ツッコミの役目を取られて、思わず嘆きを口にする新八。そんな彼に神楽は、辛辣な言葉を投げかけている。こちらも相変わらずの応酬だった。
一方でじゃんけんの発端となったキリト本人はと言うと、
「まぁ、元気なのは良い事だよな」
「そうですね、パパ!」
「いや、アンタが原因って気付いてないでしょ」
やはり鈍感なせいで何も気付いていない。呑気な一言を呟き、女子達のじゃんけんを見守っている。あまりの察しの悪さに、新八も投げやりでツッコミをしていた。
何はともあれ客車内は、楽しい雰囲気に満ち溢れている。その後のじゃんけんも、あっさりと勝敗が付いていた。
じゃんけんの結果だが、今回はシリカとリズベットに軍配が上がる。勝敗を元にして彼女達は、席替えを行っていた。神楽とユイのいた席に勝者の二人が座り、代わりに神楽達がリーファらのいる座席に座っている。
気持ちを改めて一行は、約束通り持ってきていたカードゲームに勤しんでいた。
「ドロー2です!」
「ドロー2ね」
「ドロー4アル!」
「……って、また私!? みんなどれだけ、切り札を持っているのよ!」
面白みのないカードばかりを引くせいか、またも窮地に陥るリーファ。先ほどのじゃんけんと言い、今回ばかりは運が悪い。宇野のルールに乗っとり、山札を増やし続けていた。
一方でトランプを使用して、ババ抜きを行っているのはキリト、アスナ、シリカ、リズの四人。彼らの勝負の様子を、横から銀時、新八、ピナが観戦している。
「キリトさん。絶対にジョッカーを持っていますよね?」
「さぁ、どうかな?」
「その顔は持っていますね!!」
シリカは早速、キリトのジョッカー持ちを疑っていたが。そう手札を引いていくうちに、リズベットはアスナにある事を話していた。
「そういえば、アスナ。一つ思ったことを聞いてもいい?」
「どうしたのよ、リズ?」
「この世界へ来てから、怪我ってした事ある?」
「怪我? うーん……そんなにないわよ。料理している時に、指を切ったくらいよ」
彼女から挙げられたのは、怪我の話題である。たわいなく言葉を返したものの、リズベットは独特な考え方をぶつけていた。
「なんかさ……違和感覚えない? この姿で怪我するのって」
「――そうね。言いたいことは大体分かるわ」
「でしょ! アタシだって何度も鍛冶中に怪我してんだからね! 出血して絆創膏を張る度に、どうもジレンマに陥っちゃうのよ!」
若干共感されると同時に、まくし立てるように声を荒げていく。このマニアックとも言える話題に、銀時や新八はあまりピンと来ていない。
「どうしたんだ、急に。言ってることさっぱり分かんねぇぞ」
「だからー! 前にも言ったことあるけど、この姿はアバターなのよ! 本来の仕様とは違うから、どうもむず痒く感じるの! アンタ達には分からないかもしれないけど」
「いやでも、なんとなくは分かりますよ」
どうやらリズベット曰く、アバターのまま怪我や出血をすることに納得していない。微妙な反応だが、新八やアスナらも少しは共感している。けれでも共感しづらい悩みであった。
「とにかく! 最近は特に違和感を覚えて仕方ないのよ! 仲間や月姉に言っても、全然共感してくれないし」
「まぁまぁ、リズさん。落ち着いてくださいよ」
「そうだって。細かいこと気にしたって、変わるわけがないんだから」
強く訴えかける彼女に、シリカやキリトがそっと宥めている。二人もこの意見に、少しばかり共感していた。
そうやり取りしていた時である。
「ハハハ! 随分と健気なお悩みじゃないか!」
「そうそう。って、この声は!?」
近場から聞き馴染みのある男性の声が聞こえてきた。後ろを振り返ると、そこにいたのは――
「なんだよ、てめぇらまで乗っていたのかよ」
「し、真選組の皆さん!?」
真選組に属する近藤と土方だった。共に私服用の和服を着用しており、任務ではなく休暇で来ている事が伺える。いずれにしても一行は、ただならぬ面倒さを察してしまう。
「おいおい、お前等までいるのかよ。こりゃ幸先悪い始まり方だな」
「やかましいわ。それはこっちの台詞だ!」
特に銀時は早くも嫌味を口にしていた。土方との仲の悪さは、相変わらず健在である。
「ていうか、近藤さんや土方さんもまさか遺跡に向かう予定なの?」
「あぁ? ……まぁ、そうだな。休暇ついでに興味が湧いて、行ってみることにしたんだよ」
続いてアスナからの質問に、土方は事細かに返答した。やはり真選組の目的地も、空川町にある謎の遺跡のようである。興味本位と括っているが、近藤だけは別の目的があった。
「その通りだ! きっとあの遺跡には、男らしさを磨く秘訣が眠っているに違いない! それを見つければ、絶対にお妙さんと結ばれるはずだ!」
「おい、ゴリラ。願望ダダ漏れだぞ」
「ていうか半分は、アンタの妄想じゃないですか!!」
ほぼ決めつけではあるが、彼の願望の行きつく先は結局妙絡みである。何度やられても絶対に恋を諦めない、近藤のしぶとさが滲み出ていた。
「相変わらずお妙さんの愛情が凄まじいです……」
「ナー……」
「流石はゴリラストーカー。本当に警察組織の局長なの?」
一向にくじけない姿には、付き合いの長いはずのシリカやリズベットらも再び気を引かせている。共に苦い表情のまま、ゴミを見るような視線を向けていた。
すると近藤本人は、即座に反論してくる。
「何を言ってるんだ! これでも俺達は市民の味方だ! 幾らでも頼ってくれと、初対面の時から言っていたじゃないか!」
「どこの誰がストーカーに頼るのよ!! いいから離れなさいよ!!」
顔を近づけて自己主張をしてきた為に、リズベットは思わず彼を押し倒している。幾ら言われようとも、近藤への印象が変わることは無い。真選組自体を、つい鬱陶しく感じていた。
「ったく、近藤さんも懲りねぇな。これ以上真選組の評判を落とすなよ」
「いやいや。土方さんも人のこと言えてないからね!」
「具じゃ無くて、周りにマヨネーズを付けるんだ……」
と軽口を叩いていた土方も、マヨネーズまみれになったおにぎりを口にしているが。こちらも彼の偏食ぶりには慣れず、つい気を引かせていた。キリトやアスナが冷静にツッコミを入れている。
そう会話するうちに、銀時はある事に気が付いていた。
「アレ、オメェら? 沖田はついてきていないのか?」
「ん? いや一緒に来たはずだが……」
「そういえば、どこ行きやがった」
それは沖田の存在だが、例に漏れず彼も来ているという。辺りを見渡しても姿は見えないが、実はもうこの車両内に彼はいる。
「あー! また負けた!」
「ギリギリ危なかったアル」
「またまた勝っちゃいましたね!」
「今回も手札の運が良かったってことね」
一方で宇野を続けていたユイらは、すでに決着が付いていた。先乗りした順からユイ、シノン、神楽、リーファと抜けている。結局引き運に恵まれなかったリーファが、最下位となってしまった。
「本当にこのゲーム運ゲーね! 次こそは勝つんだから!」
「同じくネ! 一番乗りを目指すアルネ、リッフー!」
同じくビリ争いを続けた神楽と共に、彼女は再び一抜けへの意欲を高めていく。やる気に満ちた表情を浮かべて、決意を新たにした時である。
「まぁまぁ、落ち着いてくだせぇ。これで一息ついてくだせぇよ」
「おっ、差し入れアルか!」
「気が利くじゃない。ありがとうね!」
どこからともなく、飴玉の差し入れが目の前に現れた。反射的に二人が飴玉を手にすると、その包装紙に書かれていたのは目を疑う一言である。
〈騙されたな、バーカ〉
「「えっ!?」」
と気が付いた時にはもう遅い。
〈バホンー!!〉
「か、神楽!?」
「大丈夫ですか、リーファさん!?」
突然にして飴玉が大爆発、中に詰まっていた白い粉がリーファと神楽の顔に襲い掛かっていた。幸いにも近くにいたユイやシノンは無事であるが。
「「プホォ!」」
共に白い粉を被った二人は、口からも粉を吹き出していく。気が付けば顔面の大半が、粉まみれに包まれていた。
こんな悪戯を仕掛けるのは、二人の知る限りあの男しか浮かんでこない。その予感は現実のものとなる。
「おやおや。お二方とも、粉まみれがお似合いですねぇ」
不敵な笑みを浮かべたまま煽るのは、もちろん沖田総悟であった。密かに宇野勝負を観戦していた彼は、有無を言わさず敗者に別ゲームと言う名の仕打ちを与えている。結局はいつものいじりであるが。
突発的に起きた仕掛けに、当然女子達が許すわけもなく――
「てめぇ!! やりやがったナ、コノヤロー!!」
「なんてことしてくれたのよ!? このドS!!」
怒りを露わにした鬼の形相で沖田に差し迫っていく。車内にも関わらず沖田は逃げ出しており、跡を二人が追いかける混沌とした光景に変貌していた。
「って、銀さん! 沖田さんがまた!」
「おい、何やってんだよオメェ。神楽もリーファも、いいから落ち着け!」
車内での迷惑をかけまいと、即座に銀時が止めようとするものの……
「そこネ!」
「ハァァ!」
「って、グハァァ!!」
「ぎ、銀さん!?」
誤って彼が仕返しを受けてしまう。神楽らは粉のせいで視界が狭まり、目の前にいた銀時を沖田だと勘違いしている。強烈な拳が、彼の顔面に会心の一撃を叩き込む。
「結局俺がオチ役かよ……」
そう言い残してから、銀時は気を失ってしまう。
暫しのカードゲームを楽しんでいた一行であるが、真選組の介入により一変。沖田の悪戯等を受けて、場はグダグダとした雰囲気に変わり果てていた。
空川町への到着は後もう少しである。
「おい、ドS!! この落とし前はきっちり付けるアルよ!!」
「絶対にアンタのこと、許さないんだからね!!」
「へいへい。お好きにどうぞでさぁ」
別れ際にも関わらず、一段と沖田に怒りをぶつける神楽とリーファ。これまでの所業を受けてきた分、彼への印象は最悪を通り越して嫌悪に近かった。
二人の文句を聞き流して、沖田を含む真選組の三人は空川駅を跡にしている。
「おい、総悟。少しばかりは自重しろと……」
「そんな気はねぇですよ。チャイナ娘とブラコン妖精をいじるのが、俺の最近のトレンドなんでねぇ」
「そんなトレンド一回も聞いたこと無いが……」
「まぁまぁ、ひとまず遺跡の方へ向かいましょうや」
土方からの注意も聞き入れることなく、何事も無かったかのように場を進めている。納得はしないまま、近藤らは山付近へと向かっていく。
一方で現在万事屋一行がいるのは、空川町の駅の入場口前。規模は小さく素朴な田舎町の駅を彷彿とさせるが、無人ではなく有人で切符のやり取りを行っている。一風変わった駅舎であった。
とそれはさておき、乗車して真選組と別れてもなお、神楽とリーファの怒りは収まらない。一応付着した粉はタオルで取れたが、それでも気は収まらず悪化している。
「あのドS、油断も隙もないアル!!」
「その通りよ! あんな人がこの世界の沖田総司なんて、絶対に認めたくないんだから!」
「落ち着けって、二人共。気にしすぎたって体に毒なんだし」
「そうだぞ。オメェらの嫌がる様子を、沖田は楽しんでいるだからな。すぐに忘れることが一番だよ」
怒りを散らす二人に、キリトや銀時が自分なりにフォローを入れてきた。気にしすぎないよう言葉を加えると、神楽らの気は次第に収まっていく。
「そ、そうね……怒ったって仕方ないし」
「ひとまず忘れるアルか……」
「そうだって! さぁ、気を取り直して遺跡へ向かいましょう!」
冷静さを戻したところで、アスナが食い気味に場を仕切ってきた。雰囲気を入れ替えて、ここからは本題の遺跡捜査への意識を高めていく。
「よし、じゃみんな! 準備は良いか?」
「もちろんです!」
「こっちもよ!」
「そんじゃ、出発するかー」
「「「オー!!」」」
キリトや銀時が今一度仲間達を確認して、一行はようやく動き出した。古風な民家通りを突き進み、こちらも山辺付近へと向かっている。
それから数分後。山の入り口付近へ到着すると、ここから先は補装されてない山道を登ることになる。幸いにも遺跡までの距離はそう遠くは無いが。
歩道と山道の境に差し掛かろうとした時。ユイはふと近くにあった、物珍しいものを見かけていた。
「ん? アレは何でしょうか?」
「アレ? 電話ボックスのこと?」
彼女が指を指した方向に皆が目線を向けると、そこには古びた電話ボックスがぽつんと置かれている。銀時らにとっては何の変哲もない光景であるが。
「電話ボックス? また随分珍しいものが置いてあるわね」
「そうアルか? こんなのかぶき町だとゴロゴロ見かけるアルよ」
「そういえば……神楽の言う通りね」
神楽からの指摘を聞いて、思わず納得するリズベットとシノン。彼女達のみならず、何故かSAOキャラだけが、電話ボックスにピンと来ていない。銀時も彼らの違和感に気付いている。
「その反応だと、お前等の世界にはまったくないのか?」
「一応あるけど、あんまり見ないかな……。使う人も全然いないし」
「だからこそ、珍しいんですよ! 電話ボックスなんて、私初めて見ましたから!」
やはり予想通り、キリト達にとって電話ボックスは希少な存在らしい。ユイの驚き様から察しが付くだろう。
世界観からの違いのギャップには、銀時ら三人も若干衝撃を受けている。
「妙な時代錯誤を感じるアル……これがジェネレーションギャップネ!?」
「いや、そんな真に受けなくていいから! 何を今更当たり前のように驚いているんですか!?」
特に神楽だけは、大袈裟にも驚嘆としていた。新八からも激しくツッコミを入れられる。
「……とりあえず、電話ボックスは置いといて先に行くぞ」
「はいです! 山道へレッツゴーです!」
と話を切り上げて雰囲気を戻すと、いよいよ山道へと足を踏み入れていく。
だがこの時の彼らは思ってもいないだろう。この電話ボックスが後に大きな役目を果たすことに……
山道へと入った一行は、水で湿った地面に気を付けつつ、慎重に奥部へと登り進んでいた。天候は晴れから曇りへと変わり、気温も徐々に寒気を帯びていく。山の天気は変わりやすいと言うが、今のところは雨の降る気配は無い。
和やかな会話を交わしながら進むこと早数分。遂に目的の遺跡が見え始めていた。
「あっ! あの遺跡じゃないですか?」
「ナー?」
「おっと! いよいよ中に入れるアルか?」
シリカやピナの一声を聞いて、次々と気付き始める仲間達。皆速足となり、遺跡方面まで突き進む。木々を潜り抜けていき、遂に念願の遺跡へと辿り着いていた。
「着いた――って、えっ!?」
「こ、これって……」
だがしかし、そこには予想外の光景が広がっている。リーファやアスナに続いて、一行は何とも言えない表情へと変わっていた。
何故ならば、遺跡には大勢の観光客が押し寄せていたからである。
「えー、次の観光客の方々どうぞー!」
遺跡の入り口付近では、村の若者達が観光客の整理を行っていた。人数制限を設けているらしく、慎重に場を整えている。それでも行列はズラーと続いているが。
同じく昨日の番組に影響された人々だと思われるが、まさかここまで多いとは予想外ではある。
「こんなに来ている人が多いのか……」
「これではいつ入れるのやら……」
「まだまだ先になりそうね……」
キリト、ユイ、シノンと次々に思ったことを口にしていた。あまりの盛況ぶりに、思わず絶句をしてしまう。同じく仲間達も言葉を詰まらせていた。
「この行列……まるで某鬼を斬るアニメの」
「いや、言わせませんよ。そもそもこのネタ、本家でやると思うから安易に言うのは危ないですよ」
「チッ! 投稿者の未視聴が仇となったか」
「余計なこと、言わなくていいですから! むしろよくネタに出来ましたね!!」
一方で銀時だけは、メタを含めておふざけに走っていたが。すかさず新八からは、冷静なツッコミが降りかかってくる。いずれにしろ銀時らも、遺跡の行列には圧巻されていた。
「ど、どうするアルか?」
「遺跡の捜査は最悪後回しにしても良いけど、テレビで言っていたサイコギルドの手がかりだけは何としても掴まないとね……」
予想外の事態が起きて、一旦今後の予定について整理するアスナら。行列の様子から遺跡捜査を抜きにしても、サイコギルドの手がかりだけは知りたい考え方であった。
そう思っていた時、願ってもいない展開が降りかかる。
「おい、アレが昨日言っていた槍の少女か」
「銀色の怪人もいるぞ」
近くにいた観光客が、証拠を匂わせる一言を発していた。これを聞いた万事屋一行は、すぐに警戒心を露わにしていく。
「おい、マジかよ!? 本当にいたのか!?」
「もう近くにいるんですか!?」
驚いた表情のまま、注意深く辺りを見渡している。中には武器を構える者もおり、緊迫とした雰囲気へ染め上がっていた。
サイコギルドらしき人物を探し続けていると……新八は早速その真相に気付いてしまう。
「あの、皆さん……もしかしてあの人達じゃないですか?」
「おっ、新八! もう見つけたアルか?」
「一体どこにいるんだ!?」
「ほら、あそこです……」
何故か浮かない顔をする新八を気にせず、神楽やキリトらは彼の指を指した方角に目を寄せていく。そこで目にしたのは、またもや予想外の光景である。
「ご唱和ください、我の名をー! 〇ルトラマンZ! いくよ、ウインダ〇!」
「ウィンガー!」
「怪獣かかってこい―!」
その林内にいたのは、某特撮番組のヒーローごっこをする健気な少年少女達。お面のみならずダンボールで格好を再現しており、ごっこ遊びにしてはかなり本気であった。
傍から見ると微笑ましい子供達の一幕だが、万事屋側からすれば期待外れの一言である。一瞬だがほとんどの仲間が理解できずにいた。
「おい……なんだよアレは」
「銀色の怪人と槍の少女じゃないですか。目撃されているって言う……」
「う、嘘よね? これが真実じゃないわよね」
残念とも言える展開に、まだまだ信じ切れていない一行。しばらく体を固まらせていると、またも観光客の会話が聞こえてきた。
「昨日のテレビの情報、やっぱりあの子達らしいよ」
「マジか。てっきり天人が正体だと思っていたぜ」
「あの爺さんが大袈裟にしたんだろ。都市伝説なんてそんなもんよ」
疑っていた事実を確信させる一言。これにより一行は、遺跡とサイコギルドは無関係であると存分に分からされていた。
「って、結局そんなオチじゃねぇか!!」
「来ただけ損だったアルかぁぁ!!」
理解すると同時に、肩を外したようにツッコミを吐く銀時と神楽。どうにもできない気持ちを、大声で解消させていく。もちろん他の仲間達も、この真実に拍子抜けをしていた。
「これじゃ有益もへったくれも無いわね……」
「消化不良にも程があるわよ……」
シノン、アスナと次々に小言を発していく。仲間達も同じ心境で気持ちを萎えさせていた。その表情も暗く落ち込んでいるように見える。
遺跡は行列、折角の情報は的外れ。骨折り損のくたびれ儲けにも限度があった。落ち込み続けるのと同時に、一行は真剣にこれからのことを悩み始める。
「どうする、銀さん? 多分だけど当ては外れていると思うが……」
「目撃例も違っていたし、このまま帰った方が良いんじゃないの?」
「はぁー、結局帰宅オチかよ。折角遠くまで来たし、遺跡以外の場所で観光でもするか?」
「でもどこがあるアルか、こんな田舎町。私だったらさっさと帰って、ドラマの再放送でも見たいアル」
話し合いを続けているが、まったく方向性が決まらない。肝心の目的がブレて、数時間前のやる気など消えかけている。やるせない気持ちが漂い、場には重い空気がのしかかった。
そう悩み続けているうちに、一行の元にはとある少女が近づいてくる。
「ん? あの子は誰でしょうか?」
「あの子?」
ユイがすぐに彼女の気配に気が付いて、リーファらにもその存在を知らせていた。再び視線を変えるとそこには――おぼつかない足で歩く珍しい格好の少女がいた。
「えっ? 本当に誰だ?」
「私達と同じ年くらいの子よね?」
見るからに弱っている姿を見て、つい心配を浮かべている。すると彼女は顔を上げ、かすれた声で助けを求めていく。
「ハァ……助けて……」
そう言い残すと力尽きてしまい、その場に倒れてしまった。
「って、おい! しっかりしろ!」
「だ、大丈夫ですか!?」
少女の安否を気遣って、ぞろぞろと駆け寄る銀時達。幸いにも気絶しているだけであるが、より彼女の容体を心配していた。応急処置を施して、彼女が目を覚ますまで手助けしていく。
「う、うーん……ハッ! こ、ここは……」
「あっ、ようやく目覚めましたよ!」
「良かったわ……とりあえず一安心ね」
気絶していた少女がようやく気を戻して、安堵の表情を浮かべる新八やアスナら。仲間達も彼女の目覚めを知って、心を落ち着かせていた。
肝心の少女からすれば、何が起きているのかさっぱり分かっていない。
「えっと、アナタ達は? てか、ここはどこなの?」
次々と出てくる彼女からの質問に、近くにいたキリトが応対していく。
「まぁ、当然の反応だよな。ひとまず説明する前に、君の名前を教えてもらえるかな?」
「名前? 私は……フィリアね」
「フィリアさんですか?」
さり気なく名前を聞いてみると、彼女はフィリアと言うらしい。背丈も小さく、雰囲気はどこか十代っぽく見える。黒髪ショートヘアーに青く輝く目。服装はこれまた独特であり、短めのチョッキを羽織って、体中にはサスペンダーのようなベルトが巻かれている。シャツやパンツもやけに短く、肌の露出度も高い。履いていたブーツも左右でサイズが異なり、見慣れない服装から天人と言っても違和感は無い。
そんなフィリアだが、彼女の容姿はSAOのゲーム版に登場したオリキャラのフィリアと酷似している。もちろん別人ではあり、本編の時系列から来たキリト達も、フィリアとはまったく接点が無い。もどかしくもこれが、初めての出会いなのである。
精々裏事情を知っているのは、万事屋の三人しかいない。
「ていうか、アイツ。SAOのゲーム版に登場していたヤツだよな」
「本編外からの登場アルか……どう迎い入れて良いのか分からないアル」
「おふざけは控えめにしてくださよ。真面目な空気なんですから!」
万が一を考えて、新八は入念に二人へ注意を加えている。場の雰囲気を壊さない為にも、慎重に進めていた。
すると彼女も、ゆっくりとキリトらへ話しかけてくる。
「あの……私も聞きたいことがたくさんあって」
「あぁ、そうだよな。こっちも自己紹介しておくか。俺はキリトで、左からはアスナ、ユイ、銀さん、新八、神楽で――」
「いや、あのそっちも大事かもしれないけど……私が聞きたいのは場所の方だって!」
「場所?」
「そう! ここって一体どこなの? 見るからにALO星じゃない気がするけど……」
呑気にも自己紹介を促したキリトを遮って、フィリアは一番気にしていた場所について聞いていた。会話の最中で聞こえてきたのは、最近よく聞くようになったALO星である。
「ALO星って確か、前にキリトが紹介した星のことよね?」
「そうだな。ってことは、君はALO星の天人ってことか?」
彼らの反応から天人と問われて、彼女はようやく自分の立場を理解していく。
「天人……? じゃやっぱり別の星じゃん。はぁー。あの遺跡、行くべきじゃなかったのかな?」
「遺跡? そこに行ってアナタはこの森に流れ着いたってこと?」
「そうなるね。次元遺跡って場所なんだけど、そこが摩訶不思議でね。トラップも多くて灯りも少ないから、逃げ出すのにも苦労しちゃってさ」
簡略的にここへ来た経緯を呟いたものの、一行にはどうしても聞き捨てならない一言があった。
「えっ? 今なんて言った?」
「はい? だから次元遺跡って場所に行って、色々酷い目にあったって」
「そ、それですよ! フィリアさんは次元遺跡へ行ったんですか!」
「ナー!?」
そう、次元遺跡の存在である。フィリアの情報を介して、一行はようやく真実に辿り着こうとしていた。特にシリカら女子達は、人が変わったようにフィリアへ詳しく問い詰めてようとする。
「そ、そんなに食いつくことなの?」
「だってすっごく興味があったし! 色々と貴重な情報が仕入れられるかもしれないでしょ!」
「情報? もしかして、マッドネバーのこと?」
「マッドネバー……って誰それ?」
がつがつと迫ってくる女子達に、フィリアは苦笑いで対応していく。周りの子達が遺跡へ興味を持っていることだけは、よく理解していた。それでも話があまり噛み合わず、今にも誤解が広まりそうな雰囲気である。
とその場に銀時とキリトが止めに入って来た。
「おいおい、そこまでだ。色々と混乱するから、話をまとめてくれ」
「とりあえずお互いの話を聞っこか」
女子達を落ち着かせながら、それぞれ詳しい話が出来るようにまとめていく。ここぞという時のリーダーシップを発揮していた。
それからは数十分と時間を費やして、次元遺跡のことやキリト達の境遇や追っている組織について、互いに詳しく説明していた。
「なるほどね。キリト達は別世界の人間で、その元凶の組織を追っているってことか」
「その通りです!」
「一応言っておくが、まだ関連性が分かった訳じゃないからな。可能性としてあるだけだからな」
説明が終わっても、念のために銀時は補足を加えている。フィリアが理解したのは、キリト達が別世界の人間であること。彼らと因縁のあるサイコギルドを追っていることだった。
「こちらもALO星のことについてだいぶ分かりましたね!」
「話を聞く感じだと、アタシ達のよく知るALOとだいぶ似通っているわね」
「なんだか親近感が沸くね」
一方でシリカやリズベットら女子達も、フィリアから詳しい事情を聴いている。薄っすらと話に聞いていたALO星が、自分達の知るALOと変わらないことに驚きを受けていたが。
しかし星の発展と同じくして、密かに暗躍する謎の組織には並々ならぬ嫌悪感を示していた。
「でも怪しげな奴等が蔓延っているなんて、穏やかな話じゃないアルナ」
「そうだよね。クーデターが起きる程、悪い国じゃないと私は思うわ」
神楽、リーファ共にふとした不安を呟いている。どちらも浮かない表情で、今後の行く末について心配していた。
そのマッドネバーと言われる組織は、キリトやユイには少しばかり心当たりがある。
「ねぇ、キリト君。その組織って、前に話した人達と関係しているのかしら?」
「アレもALO星絡みだったからな。高杉さんとも関わっていたはずだし、同じだとしても違和感は無いな」
以前にも地下都市アキバで巻き込まれた高杉との一件。そこで二人は、謎の組織と邂逅を果たしていた。沖田からはクーデターの可能性も聞かされており、増々情報の信憑性が強まっている。
何か大きな出来事が動き始めようとしている一方で、ユイは引き続きフィリアに質問を投げかけていく。
「つまりフィリアさんは、マッドネバーから次元遺跡を守るため、勇敢に侵入したってことですか?」
「あっと……まぁ半分正解かな。本当は興味本位だったけどね……ハハハ」
てっきり正義感から勇敢に行動したと思い込んでいたが、フィリア本人はただ単に興味があって潜入しただけである。ちゃっかりと本音を織り交ぜながら、誤魔化し気味に返答をしていた。
「さり気なく否定しましたね」
「興味本位で行くとか、自由奔放すぎだろ。初めてお持ち帰りされた女子大生かよ」
「ちょっとそこの二人! 変な例えしないでよ! 私が勘違いされるでしょうが!!」
感じたままに発する銀時や新八に我慢できず、フィリアは型を外したようにツッコミで返していく。今回ばかりは意味を理解して、耳に行き届いていたようである。
とそれはさておいて、彼女はふと我に返ると、今後の行動について悩み始めていた。
「しっかし地球まで飛ばされたけど、この後どうしようかな……」
行く宛ても分からずに、より考えを煮詰まらせていく。いざとならば宇宙船なりでALO星には帰れるが、それだとやはり味気足りない。何より危険な目に会おうとも、遺跡の全貌が気になる好奇心が今なお勝っているからだ。マッドネバーの動向も気になる分、やはり遺跡を放ってはおけない。
悩み続ける彼女を見て、キリトはそっとある提案を促してきた。
「なぁ、フィリア。もしもう一度行ける勇気があるなら、俺達も次元遺跡へ連れていくことは出来ないか?」
「えっ? 急にどうしたの?」
「だって悪い奴等に宝が狙われているなら、放っておけないもんな。俺達も協力したいって思っているし。良いよな、みんな?」
それは善意からの協力である。目的はやや変わってしまうが、敵対勢力がある以上は彼らも遺跡を気にかけていた。守りたいという気持ちが、少しばかり芽生え始めているという。
もちろんキリトのみならず、仲間達も同じ想いではある。
「えぇ、もちろんよ」
「ここまで来て放ってはおけないもの!」
「旅は道連れ世は情けですから!」
彼の言葉に続いて、アスナ、シノン、シリカと次々に声を上げていく。彼女に同情しつつも、その純粋な気持ちに共感をしている。
「引き下がるわけにもいかないし、やってやるか」
「マッドネバーだが納豆ネバネバだが知らんが、私達で叩き潰してやるネ!」
「快く協力させてもらいますよ!」
無論万事屋一行も同じであり、こちらも意気揚々と想いを発してきた。場にいた一行が皆、フィリアに協力を持ち掛けていく。
「本当に信じていいんだね?」
「あぁ、任せろ。仲間の力があれば、きっと守れるからさ」
「だから心配しないでください、フィリアさん!」
十人と一匹の頼れる返答を聞き、フィリア本人にも気持ちの変化が起きている。親し気な彼らへ信頼を持ちたいと。不安要素を大きかったものの、それでも直感から万事屋一行を信じることにした。
「分かったよ。でも絶対に気を付けてね。マッドネバーの強さは計り知れないと思うから」
「大丈夫ですよ! 私達にはとっても強いパパやママ、銀時さんや神楽さんと言った仲間がいるんですから!」
「それならいいんだけど……」
一応注意は加えたものの、それでもなお不安は拭えない。自分が味わった恐怖に加えて、マッドネバーの未知数な戦力に恐れていたからだ。
とここでユイは、フィリアへ次元遺跡への行き方について聞いてくる。
「ところで次元遺跡にはどうやって行くんですか?」
「それが凄く複雑でね……まず扉の前に立って、専用の呪文を唱えるの。そしてゾロ目の時間帯に扉を開けば、遺跡へ行けるんだよ」
「その呪文ってどう言うの?」
「確か……クウアギリュファブレヒヒカブデンキバディ、ダブオーフォウィガイドラゴーエグビルジオだった気がする」
「な、長い!」
「よく覚えていたわね」
呪文の全貌が明かされると同時に、思わず気を引かしてしまうリズベットとリーファら。覚えづらそうな呪文に、仲間達もつい面倒くささを感じている。
「如何にもALOに無さそうな呪文ね」
「行くにはタイミングが重要な気がするな」
その複雑そうな仕掛けには、キリトやアスナも頭を悩ませてしまう。
一方の銀時らは、薄っすらと呪文の意味について理解を深めている。
「その呪文って、やっぱ主役の平成ライダーじゃ……」
「いや、銀さん。ツッコむのは野暮ですよ」
「素直に心へしまっておくネ」
銀時のみならず新八や神楽も気が付いていたが、真っ先に止められてしまう。そう、呪文の正体は全主役級平成ライダーの名前が関係していたからだ。
それはさておき、一行にとってまず必要なのは遺跡へ向かう為の経路である。
「だからこの近くに、扉ってない?」
「扉ね。近くにあったかな……」
フィリアに言われてこれまでの道を思い起こすキリトだが、真っ先にユイがある場所を思い出していた。
「あっ、ありますよ! 電話ボックスなら!」
「あぁ、そうか! あそこまで戻れば、大丈夫だよな」
「意外なところで役に立ちましたね!」
そう、山の入り口付近に置かれた電話ボックスだ。見た感じ開閉式になっており、侵入しても最適だと判断している。残る条件は時間の把握のみであった。
「後は時間の把握アルナ」
「そうだな……おい、爺さん。今何時か分かるか?」
「はい? 時間かぁ。ワシの時計だと、十三時五十五分を示しておるぞ」
偶然近くにいた老人に聞いてみると、現在の時刻は二時前である。下りまでは遠くないので、目的の時間通りには間に合いそうだ。
「という事は、十四時十四分十四秒までに電話ボックスへ行けばいいのね」
「歩いても間に合うし、気楽に行こうじゃねぇか」
「そうアルナ」
と今後の予定を立て始めていた――その時である。
〈ドーン!〉
「えっ、爆発!?」
「電話ボックスの方から聞こえてきましたよ!」
不意にも電話ボックス付近から、爆発したような音が響いてきた。一行はもちろん気が付いており、次第に不穏な雰囲気を察していく。
「おいおい、いきなり不穏だぞ! まさか爆破とかされてねぇよな?」
「と、とりあえず行ってみようよ!」
「フィリアさんも一緒に!」
「うん。分かった!」
居ても経ってもいられずに、一行は即座に電話ボックスまで走り出していた。フィリアも連れていき、軽やかに山道を下っていく。
いよいよ動き出した事態。果たして一行の前に立ちはだかる者とは一体……?
今回よりサプライズゲストであるフィリアが参戦!! 実は彼女の枠、本来は別のキャラが務める予定でした。フェアリーダンス編で活躍したレコンか、番外編製作を記念してアルゴ等、誰にするのかかなり悩みました。しかし遺跡や宝探しが絡む事から、トレジャーハンター要素を持つフィリアに決まったのです。
ちなみに僕自身はゲーム版を持っておらず、彼女の口調や性格はネットの情報や実況動画から参考にしました。もし間違っている部分があれば、指摘していただけると有難いです。
さてさて、次回よりいよいよ敵と衝突か!? あのダークライダー達が、立ちはだかります! その姿は如何に……
それと報告ですが、ツイッターを始めました。今後はツイートから、投稿日や制作近況、並び小ネタについて話して行きたいです。もしやってる方がいらっしゃいましたら、フォローをよろしくお願いします! では、また次回。
次回予告!
土方「こいつら、中々の手練れか……?」
シリカ「アナタ達が追っ手なんですね!」
フィリア「アイツ等が私を狙って……」
??「アナタ達じゃ敵わないわよ。この力の前では」
??「「変身!!」」
キリト「変身した!?」
リュウガ「これからは俺が最強だ!」
ダークキバ「有り難く思いなさい、絶滅タイムよ!」
銀時「クッ……!」
次元遺跡篇三 漆黒ライダー
戦わなければ生き残れない!