それとふと思ったのですが、模造品とはいえダークライダーの必殺技耐えるキリト達って地味に凄くないですか?
……それはさておきどうぞ!
「……ん? ここは?」
気が付くとユイは、たった一人荒れ果てた平野に佇んでいた。結晶に触れてから間もなくの出来事で、彼女はただ戸惑いを浮かべている。
「さっきまで遺跡にいたはずじゃ……まさか幻覚?」
何が起きたのか分からず、辺りをあちこちと見渡してしまう、すると彼女は、ある気配を感じていた。
「えっ……これって!?」
反射的に後ろを振り返るとそこには――金色の鎧をまとった謎の怪人集団がこちらへと近づいている。どの個体も三つ槍を持ち、それをユイに向かって差し向けていた。
「この怪人達は確か……高杉さんを追っかけた時の!」
ユイにとっては目の前の怪人達に見覚えがあるようである。それはキリトと共にアキバにて、とある事情から高杉を追いかけていた時だった。彼が怪しげな二人組と対峙した時に現れたのがこの怪人達である。
彼らの正体は機械兵士であるカッシーン。仮面ライダージオウにて登場した量産型の怪人だった。
いずれにしても、ユイにとって危機的な状況に間違いはない。
「逃げないと……ってうわぁ!?」
思わず逃げ出そうとするも、前方からもカッシーンに囲まれてしまう。前門の虎後門の狼のように、彼女は絶体絶命の窮地に陥ってしまった。
「だ、誰か……助けて!!」
ぎゅっと声を振り絞りながら、藁にもすがる気持ちで助けを求める。そしてカッシーンが一斉に攻めてきた――その時であった。
〈ジオウ! ギリギリスラッシュ!!〉
「ハァァァ!!」
謎の音声と共に、周りを強力な斬撃が襲い掛かる。カッシーンにも影響が出ており、一部の個体は戦闘不能にまで陥っていた。
「えっ……今のって?」
一変した状況が気になり、ユイは覚悟して前を向いている。するとそこには、全身が黒い謎の戦士が立っていた。
「大丈夫だったかい、君?」
「は、はい! 大丈夫です」
「良かった。ここは俺達に任せるから、君は逃げてて」
「俺達?」
謎の戦士はユイに話しかけて、彼女の無事を確認する。一方の本人は、その正体を知って内心驚きを隠せなかった。そう彼は――銅像にあった仮面ライダージオウなのである。仮面に付けられた「ライダー」と言う文字が、妙な存在感を放っていた。
「よし、行くぞみんな!!」
しかも彼だけではない。ジオウの呼びかけと共に、次々と平成仮面ライダー達が戦場へと乱入。各々が得意な戦闘スタイルでカッシーンの軍団に挑んでいた。
「はぁ! うぉりゃゃ!!」
徒手空拳の戦いを披露するクウガ。
「ハァァ!!」
音撃棒を用いて次々に打撃を加える響鬼。
「さぁ、ショータイムだ!」
〈チョーイイネ! スペシャル! サイコー!!〉
奇想天外な魔法でトリッキーに戦うウィザード。
「ここからは俺のステージだ!!」
〈オレンジスカッシュ!!〉
フルーツの力で相手を切り裂く鎧武。
どの戦士も個性豊かに戦い、次々とカッシーンを蹴散らしていた。
「凄い……アレがライダーの戦い方!」
目の前の光景を信じられず、目を丸くしているユイ。多様な戦い方に、次々と驚きを感じているようだ。
そんな彼女の元に、またも別のカッシーンが襲い掛かろうとした時である。
「「ハァァ!!」」
今度はジオウとは別の戦士が、ユイを囲うように守ってきた。戦士の正体は、メカニカルな外見が特徴のファイズと、パーカーを羽織った姿が特徴のゴーストである。
「あ、ありがとうございます!」
「何ィ、気にすんな」
「絶対に君を守って見せるからね!」
ユイはすぐにお礼を言うと、二人からはたわいのない言葉が返ってきた。すると彼らは、休む間もなくフォームチェンジを始めていく。
「さーて、一気に片づけるか!」
〈スタートアップ!〉
「命、燃やすぜ!!」
〈グレイトフル! 剣豪! 発見! 巨匠に王様! 侍! 坊主にスナイパー! ダーイ変化―!!〉
ファイズは腕にベルトのギアを装填して、一時的な高速状態になれるアクセルフォームに。ゴーストはベルトを変えて、十五人の偉人の力が使えるグレイトフル魂に。各々が状況に応じた姿へと変化していた。
そのまま彼らは戦いへと赴き、次々にカッシーンの大軍を薙ぎ払っていく。
「姿まで変えられるなんて……しかも強い!」
戦いを見守るユイも、彼らのかっこいい姿に注目を寄せている。しばらく戦いに見とれていると、再びジオウが彼女に話しかけてきた。
「これがライダーの力さ。誰かを守るために命を懸けて戦える、どんな困難にだって立ち向かえる戦士なんだよ」
「困難に立ち向かう戦士……」
「そう! 君にもその素質があるはずだ。だからこそ俺達は、この遺跡へ君を通したんだ」
「えっ? 素質ですか? それって……?」
彼の意味深な一言を聞き、ユイがそれを追求した時である。ふと意識が途絶えて、彼女はようやく現実へと戻ってきていた。
「ハッ!? 今のは……?」
「どうしたの、ユイちゃん?」
「何かヒントになるようなものが見えたの!?」
意識がふと戻ったユイは、遺跡にいたことを思い出している。周りには新八とフィリアがおり、彼らは心配そうに話しかけてきた。
「えっと……実はあるものが見えたんです。あの銅像達……いや仮面ライダー達が戦っていて、私のことを守ってくれたんです」
「ライダー達が?」
「そうです。それで私達をここに通してくれたのは、素質があるからだと……」
「素質? もしかしてユイちゃんが扉を開けられたのも、そのライダー達に認められたからなの?」
ユイは感じたままのことを、仲間達へ打ち明かしている。曖昧だがユイと平成仮面ライダーとの関連性が、薄っすらと見えていた。やはり結晶には彼らの力がこもっているのか?
より考察を深めようとしたが、そう余裕な時間は残されていない。
「ほぉー、面白いものを見つけているじゃないか」
「えっ!?」
「お前は……リュウガ!」
「いつの間に!?」
不穏な気配に気が付き、皆が後ろを振り返るとそこには――戦闘を終えたリュウガが立ちはだかっていた。不覚にも結晶の存在を知られてしまい、彼は徐々に戦闘態勢を整える。
「ちょいと暇を持て余してんだよ。戦うついでにそいつを渡してもらおうか!!」
〈sword bent!〉
カードを召喚機に装填して、彼は片手剣を右手に装着した。それを新八らに向けて差し出すと、ゆっくり距離を縮めていく。
「新八さん……」
「大丈夫だよ。ここは僕が相手するから、その隙に……」
不安がるユイに対して、新八は安心させるように説得する。そのまま彼も木刀を差し出して、戦闘態勢を見せていた。彼女と結晶を守るために、真剣な表情を浮かべると……予想外な展開に発展している。
「ハァァ!!」
「何!?」
「えっ!? フィリアさん!?」
なんと不意打ちを突くように、フィリアが片手剣を持ち、リュウガへと襲い掛かってきた。彼女も真剣な表情を崩さず、強気な態度で歯向かっていく。
「私だって一応戦えるんだから! 守ってばかりじゃいられないよ!!」
「フィリアさん……」
「ねぇ、二人共! 私が時間を稼いでいるうちに、結晶を持ってこの場から逃げて!!」
「わ、分かりました!!」
自らが囮役として果たし、ユイらを逃がすように手伝っていた。フィリアの想いを汲み取り、新八はユイを連れてその場を逃げ出している。ユイも託された結晶を持ち出して、大切に守っていた。
「待て!」
「させないよ!!」
後を追いかけようとするリュウガだが、フィリアはがむしゃらにも抵抗を続ける。互いの剣がチャンバラのようにぶつかり、拮抗とした状況を作り上げていた。
一方の新八とユイは、ひとまず出口へめがけて必死に足を走らせる。戦う仲間達もその様子に気が付くが、アナザーエターナルもまた彼らの不審な動きに気が付いていた。
「何故逃げる? いや待てよ……そういうことか! ならば!!」
訳アリだと察すると、咄嗟にあるガイアメモリを武器に装填していく。
〈キャリバー! マキシマムドライブ!!〉
「まさか必殺技か!?」
「そうはさせるか――!」
先ほどとは違う彼の動きに、より警戒心を強める銀時とキリト。アナザーエターナルの持つ聖剣には、電撃のようなエネルギーがまとわり、強力な力を蓄えていると思われている。
だがその狙いが銀時側へ向いていないことは、当の本人達も薄っすらと悟っていた。
「いや、待って銀さん! アイツが狙っているのって」
「……ハッ。そういうことかよ!」
彼の目線を追っていると、そこには逃げる新八とユイの姿が見えている。即座に仲間の危機へ気付くと、二人は真っ先に走り出していく。
その異変は他の仲間達にも影響している。
「ハァァ!」
「「フッ!!」」
ポセイドンの猛攻を耐えた神楽とアスナが、周りを見渡すと銀時らやユイらの動きを目にしていた。
「えっ、アッスー! アレを見るネ!」
「キリト君に銀さん? それとユイちゃんと新八君……って、待って!! これって……」
「やっぱりアル。すぐに向かうネ!!」
彼女達もアナザーエターナルの動きに気付くと、ポセイドンの戦いを放棄してユイらの方に足を速めていく。仲間達を守るためにも、四人は無我夢中で駆け寄っていた。
「このままくたばれ!! 僕の邪魔者共よ!!」
そしてアナザーエターナルは渾身の必殺技を解き放つ。眩いオーラをまとった斬撃の技、「キャリバースラッシュ」でユイらに致命的なダメージを負わせようとしていた。
「あっ、ユイちゃん!!」
「えっ!?」
こちらへと向かう斬撃を察した新八は、ユイを守るようにして彼女を全身で庇っていく。背を向けて傷つくことも覚悟で、守りの態勢に入っている。思わずユイも目を閉じるが……何も異変は起きていなかった。
「ん?」
「一体何が……?」
訳が分からずに彼らは目を開けて、現状を把握する。そこには、
「銀さん!? キリトさん!?」
「ママ!? 神楽さん!?」
銀時、キリト、アスナ、神楽の四人が武器を用いて斬撃を受け止めていた。銀時、キリト、アスナは剣や木刀を使い力づくで。神楽は傘を開いて、盾のように使用している。
「「「「ハァァァ!!」」」」
全身全霊で張り合った結果。見事に斬撃は軌道から逸れて、小さく分散して周りに落下。そのまま何事もなく消滅して、ユイらを守り切っている。
「クッ……」
だがしかし、その代償も大きかった。斬撃を逸らすと同時に、持てる力を全て出し切ってしまう。もはや立つことすらままならず、苦悶の表情を浮かべたまま、彼らはその場に倒れ込んでいる。
「えっ、みんな!?」
「しっかりしてください!! 大丈夫ですよね!? ねぇ!!」
ユイや新八が咄嗟に呼びかけるものの、彼らからの反応は返ってこない。次第に不安な気持ちが募り、二人には焦燥感が生まれていた。
一方のアナザーエターナルは、悪びれることなくユイらの元に近づいてくる。
「愚かな真似を。素直に力を渡しておけばよいのに」
ゆっくりと足を進めていた時、彼の進行を何者かが妨げてきた。
「ん? こやつは?」
ふと足元に目線を向けると、そこには銀時とキリトが残った力を振り絞り、彼の足を強く掴んでいる。しぶとくも最後までユイらを守ろうと試みていた。
「悪いがこちとらしぶとくてな……」
「絶対に行かせるかよ……」
苦しそうな小言を呟き、最後まで抵抗の姿勢を見せる。しかしそれは、ほんの気休め程度でしかなかった。
「邪魔だ。とっとと失せろ!」
アナザーエターナルはすぐに彼らを振り払い、仕舞いには足で全身を蹴り転がしている。良心の呵責など到底なく、もはや人としても見ていない。
「パパ!! 銀時さん!!」
「どんなに呼んでも無駄さ。お前のお仲間はもう戦うことすらできないからな。命があるだけありがたく思うんだな!!」
「お前……!!」
あまりの外道ぶりを見せる姿に、新八の怒りも限界に近づく。睨みつけるように抵抗心を露わにするが、それでも彼の態度は変わらない。
「さぁ、邪魔者は消えた! さっさと遺跡の力をこの僕に渡せ!! あのお仲間と同じになりたくなければな……」
手にしたガイアキャリバーの先端を差し向けて、嫌味な脅迫を仕掛けていく。徐々に距離を縮めながら、ユイらに恐怖を与えて冷静な判断を失わせようとしていた。
肝心の二人は精神を正常に保ちながら、今なお抵抗の意思を見せている。
「何を言おうが、お前の言う通りにはしないぞ!!」
「そうですよ……絶対に諦めませんから!!」
新八へ続くようにして、ユイも強く声を上げた――その時だった。
「ん? これは?」
アナザーエターナルはふと、突発的な予感を察している。それが気になり足を止めると、その予感は現実のものになっていた。
「遺跡の力は、私達が守り切って見せます!!」
力強く抵抗したユイに目線を向けると、なんと彼女の持っていた結晶が光りだしていく。彼女と共鳴するように変化した結晶は、この戦場にも大きな影響を与えている。
「何!? グワァ!?」
「何これ!? うわぁ!?」
瞬く間にダークライダー達の真横では、銀色のオーロラが出現。このオーロラによって、この場から強制的に退場させられてしまった。
「これは、まさか……うっ!?」
もちろんアナザーエターナルも、他のダークライダーと同じく強制退場させられる。
「はぁ!? これは……」
「消えただと」
「あのオーロラにか?」
「一体何が起こって……」
周りの敵が一斉に消え去り、戦っていた仲間達も困惑を示していた。一応きっかけを作ったとされるユイも、何が起きたのかさっぱり分かっていない。
「これは、結晶の力でしょうか?」
首を軽く傾げながら、彼女は手にした結晶を見つめていく。数分前に見た幻影と重なり合わせても分からず、より謎が深まったとも言える。
だがしかし、今の彼らにはもっと大事なことがあった。
「って、それよりも! 銀さん! 神楽ちゃん! しっかりして!!」
「パパやママも! 大丈夫ですよね!?」
気絶した仲間達を元に戻すことである。どれもダークライダー達の猛攻にやられており、傷ついた様子から必死な戦いだったと分かるだろう。
「近藤さん! それにお前らも!!」
「平気か? おい、返事しろ!!」
諦めずに戦いを続けていた土方や沖田も、近藤やリーファら女子達四人を起こそうとしている。
いずれにしても、彼らにとって悔いの残った戦いだった。突然起きた奇跡により最悪の事態は回避できたが……。
一方でオーロラにより退場させられたマッドネバーらは、いつの間にかALO星にある隠れアジトまで戻ってきている。
「おっと……って、一体何だったんだ。今のは?」
「いつの間にかアジトへ戻ってきているし。あの遺跡の力がアタシ達を退けたのかな?」
リュウガやソーサラーは戸惑いつつも、すぐに状況を把握していた。
「折角の戦いが台無しだな。どちらにしても、俺の有利に変わりは無かったが」
「あの男の絶望した顔も見て見たかったけどね。ところで総帥。次はどうすんだい? あのガキの始末もしてないし、遺跡の力も手にしてないんだから、次元遺跡に戻った方が良いんじゃないかい?」
ポセイドンやダークキバも同じようなことを呟く。すると後者はオベイロンに向かい、次なる指示を聞いていた。本来の目的も達成出来ず、引き返そうと彼女は提案している。
しかしオベイロンは、たった今別の目的が浮かんでいた。彼は変身を解き、表情を一変させて高笑いを発していく。
「フッ、ハハハハ!! これは実に面白いことになってきたな!!」
「って、どうしたのさ? 何かいいことでもあったのかい?」
ダークキバが再び聞くと、彼はにんまりとした表情で想いを発していく。
「あったさ! 恐らくだがあの結晶は、戦えないあのガキと共鳴を得ている! それだけでも充分な収穫さ!」
「ふっ、なるほどな。それにあいつらが遺跡の奥部に行けたのも、あのガキのおかげらしいからな」
「ってことは、あの女の子に秘密が隠されているのね」
オベイロンなりの解釈だが、結晶に秘められた力とユイとの繋がりに疑いをかけていた。この考え方はダークライダー達も納得して、大方は共感している。すると彼は真っ先に次の作戦に打って出ていた。
「そうと決まれば、新しい計画段階へと進むぞ!!」
「えっ? じゃもう遺跡に行かなくていいのかよ?」
「あの泥棒妖精はどうすんだい?」
「アヤツなどもうどうでもいい! それよりもあのガキだ! 遺跡の力と共鳴している分、僕が根こそぎ奪ってやるからな!!」
フィリアの抹消や遺跡への介入を中止して、本格的にユイを今後の組織の標的として定めている。もちろん結晶にも執着して、自身の計画性を強めていた。彼の表情はより不気味な笑みを浮かべていく。
「……まぁ、いいや。どうせ力が手に入るならどっちだっていい」
「そうね。じゃ念入りに計画を組み直さなきゃね」
「だな」
突然の路線変更に、ダークライダー達も特に異論は無い。あくまでも利害の一致で協力しており、力さえ手に入れば問題は無い。彼らも変身を解いて、独自に作戦を組み直していく。
銀時らとの邂逅で、最終目的へと近づいたマッドネバーの一味。ALO星の国家転覆及び、平成仮面ライダー達の力を手に入れるために躍起となっている。人々が知らない間に、常軌を逸した計画が物静かに進められていた。
そしてこちらは、必殺技を堪えた途端に気絶した銀時、キリト、アスナ、神楽の四人の一幕である。
「うぅ……ここは?」
「銀さん? 一体どうなったんだ、俺達は……」
「分からないネ。ここはどこアルか?」
「どこって言われても……」
彼らはふと目を覚ますと、辺りを隈なく確認していた。不穏そうな表情で様子を伺うも、近くには仲間はおらず、代わりに何の変哲もない工場がポツンと建っていた。
「ここって工場なの?」
「はぁ? 遺跡じゃねぇのか?」
「何でいきなり工場前にいるアルか!?」
「もしかして、俺達が見ているのは幻覚なのか……?」
ここに至るまでの経緯が分からず、つい戸惑いを浮かべている一行。さらなる困惑を深めていたが、キリトは早くも幻覚だと察している
慎重に場を見定めていた一行だが、咄嗟に工場前ではある異変が起き始めていた。
「おい、アレ見ろよ」
「アレ? えっ!?」
「あの戦士って……!?」
銀時の呼びかけと共に、次々と異変に気付く仲間達。彼らが偶然にも目にしたものは――数多の怪人達に挑み戦う、平成仮面ライダー達の姿である。
「ハァ! トウァ!」
慎重に武術を用いて戦うアギト。
「ウェェイ!!」
醒剣ブレイラウザーで相手に斬撃を与えるブレイド。
「ハッ、フッ!」
自慢の速さで格闘戦を展開するカブト。
「キバっていくぜ!!」
蹴り技を中心に攻めを続けるキバ。
「これで決めるよ!」
「あぁ、任せろ!」
〈サイクロン! マキシマムドライブ!〉
風の力を身にまとい、強力な蹴り技を与えるW
「タイマンはらしてもらうぜ!!」
〈ロケット! オン!!〉
頭突きや拳で型のはまらない戦いを展開するフォーゼ。
「行くぞ、ベルトさん!」
「OK! これで決めよう!」
〈ヒッサーツ! フルスロットル!!〉
超高速を展開して、連続して攻撃を与えるドライブ。
「勝利の法則は決まった!!」
〈ボルティックアタック! イェーイ!〉
兎と戦車の力を合わせて有利に戦うビルド。
その他にも平成仮面ライダー達は独自の戦闘スタイルで、戦いを展開していた。怪人達を圧倒する光景は、まさに圧巻と言えよう。
「す、凄い……」
「アレが平成ライダーの戦い方か」
「どれも奇抜アル」
「どっからあんな力が湧き出ているんだよ……」
キリトや神楽らも、次々と現れるライダーの戦いを目で追っている。銀時も口を開いたまま驚きの表情を浮かべていた。
数分前のことなど忘れて、皆がこの戦いに見とれていると、ある意外なライダーが彼らに話しかけてくる。
「決まってんだろ! 大切なもんを守るその気持ちだよ!」
「ん? アンタは……?」
「赤い戦士?」
威勢の良い声を聞き入れて、アスナらはその戦士に目線を向かせた。彼の正体は……平成仮面ライダーが一人、電王である。フォームはモモタロスが憑依したソードフォームだ。
「何!? 俺様を知らねぇのか、お前ら!!」
「知らないネ、誰アルか。おっさん」
「おっさんじゃねぇ! 電王だ! もしくはモモタロス様と呼べや!!」
出会い頭で彼は激しくも自己主張を始めている。神楽が適当に返すも、より反発しながら応対していた。
「って、随分と激しいライダーだな……」
キリトも引き気味に呟いている。
「威勢の良さはヅラに似ているがな」
「ヅラだと!? こちとら髪の毛なんて元から無ぇんだよ! 喧嘩売ってんのか!?」
「だから! そういうこと言ってんじゃないのよ!!」
さらには銀時からの例えには、電王も真に受けていた。攻め立てる彼の姿に、アスナもタジタジになって宥めている。
と会話が続く中で、電王は突然ある意味深な一言を発してきた。
「まぁ、それはいい。一応この際だ。お前等には一つ大切なことを教えてやろう」
「おい、なんだよ急に?」
「大切なこと?」
「そうだよ。まだ完璧とは言えないが、お前らやその仲間にも意思を貫く強さがあることは承知したぜ。今後次第だが、俺達の力を託しても悪くはなさそうだな」
どうやら銀時やキリトらの強さを認めているようで、最後には力の譲渡もちらつかせている。仮面で表情は分からないが、その様子は先ほどとは違って落ち着いていた。
「えっ!? それってどういうこと?」
「俺達に力を貸してくれるのか?」
「おい、もっと簡潔に説明しろよ!」
徐々に電王の伝えたいことが分かってくると、彼らは一斉に動揺してしまう。
さらなる説明を求めたその時である。
「おっと! 時機に分かるんだよ、それが! とにかくお前らは、自分がやるべきことに全力で取り組め!」
「おい、お前! うわぁ!?」
「これは……?」
そう言い残した電王が再び戦いへと戻った途端、場は眩い光に包まれてキリトらに襲い掛かってきた。彷徨う意識の中で垣間見えた、平成仮面ライダーとの邂逅。彼とのメッセージを汲み取り、彼らは再び現実の世界へと強制的に戻されてしまう。
果たして電王が伝えていた力の譲渡とは一体……?
そんな平成仮面ライダーとの邂逅は、彼らだけではなかった。
「うぅーん……ここは?」
「シリカ? アタシ達どうなって……」
「ナー……?」
同じく意識を彷徨っていたシリカやリズベットも、気が付くと工場付近にて目を覚ましている。辺りを見渡しつつも状況を確認するものの、まったく分かっていない。戸惑っているうちに、ふと仲間達の声が聞こえてきた。
「私達もいるわよ」
「シノンさん? リーファさん?」
「って、一体何があったの?」
近くには同じく目を覚ました、リーファとシノンが声をかけてくる。彼女達も自分らに何が起きたのかさっぱり分かっていなかった。
共に様子を伺いながら動きを止めていた時である。
「うわぁ!?」
「キャ!?」
「ナ!?」
突如爆発音が鳴り響き、四人は一斉に防御の姿勢を構えていた。警戒心を高めていると、彼女達の元にとある戦士が流れ込んでくる。
「えっ!? 龍騎さん?」
「エグゼイド!?」
その正体はシリカが銅像のイメージから見た龍騎と、リズベットがイメージで見たエグゼイド。
「オ、オーズ!?」
「ディケイドよね……?」
「なんでライダー達が……?」
さらにはリーファがイメージの中で目にしたオーズと、シノンがイメージで触れたディケイドの計四人の戦士が現れていた。彼らは各々の武器を用いて、怪人軍団へ果敢に挑み続けている。女子達の存在には気が付かず、四人間で会話が続いていく。
「絶対にこのまま負けるかよ!!」
「あぁ、俺達のゲームはまだ終わっていない!!」
しぶとさを意気込む龍騎やエグゼイドに、
「手が届く限り、俺達がその手を掴む!!」
「何度倒れようとも、立ち上がり戦う。それこそが俺達、仮面ライダーの使命だ!!」
それに同調するオーズとディケイド。誰一人として弱音を吐くことなく、何度追い込まれても諦めずに戦う意思を示していた。
この根気強さはシリカらにも少なからず影響を受けている。
「絶対に諦めない心……」
「ナー……」
「それこそがあのライダー達の強さなの?」
「今の私達にも言えることよね」
「そうだね……諦めないことが強さの証なのかもね」
自分が不覚にもダークライダーに負けてしまったこと。ギリギリの戦いを強いられていたこと。悔しさを交えつつも彼女達は、あの平成仮面ライダー達の諦めない姿に心を動かされていた。自分の戦いや失敗を見つめ直しつつ、間接的に背中を押されている。
そう無意識に勇気づけられた時であった。
「「ウッ!?」」
「「うわぁ!?」」
彼女達にも眩い光が襲い掛かり、意識が現実世界へと戻されている。僅かな時間の中で四人も、銀時やキリトらと同じく平成仮面ライダーの影響を受けていた。
「うぅ……」
「しっかりしてください、銀さん!」
「大丈夫ですよね、パパ!」
一方で現実世界の次元遺跡では、新八やユイらが倒れ込んだ仲間達へ必死に呼びかけを続けている。心配でたまらずに、無我夢中で声掛けに注ぎ込んでいた。
そんな最中で、土方と沖田の二人は冷静に状況を分析している。
「どうやらただ意識を失っているようだな」
「命に別条がないだけ不幸中の幸いですねぇ……」
神妙な表情で気を失っているだけと予見していた。ユイらと比べると落ち着きを取り戻しているようにも見える。
「後は目覚めてくれるだけだが……」
「きっと大丈夫ですよね。それに近藤さんは起きることが確定してやすから」
「なんでそんなことが分かるんだよ?」
「アレを見てくだせぇ」
すると彼らは、同じく気絶している近藤の姿にも注目を寄せていた。
「お妙さん……待ってくれ! 俺のハニー!!」
なんと彼は呑気にも、妙との交流を続ける幸せそうな夢に浸っている。明らかに他のメンバーと比べると、浮きまくっていた。
「……なんでこの状況で、一番場違いな夢見てんだよ」
「近藤さんだからですよ。あの人にとっちゃ、恋の方が一大事ですからね」
「せめて真面目な夢にしてくれ」
普段通りの様子には、土方や沖田も若干だが呆れている。酸っぱげな表情を共に浮かべていた。
それはさておき、いよいよ仲間達も現実へと戻りだしていく……。
圧倒的な力の前に、皆さんやられてしまいました。突然発生したオーロラによって、最悪の事態は回避できましたが、それでも悔いが残る戦いだったと思います。戦力差を埋めるには、まだ努力が足りないのでしょうか……。
しかし、彼らは絶対に諦めません! 必ずやマッドネバー達にリベンジを果たします!是非とも彼らのリベンジにも注目をしてください!
ちなみにですけど、今回ピックアップされたファイズとゴースト。この両作品の共通点が、後の展開のヒントになっているかもしれません。察しの良い方はお気づきでしょう。
次元遺跡篇も予定では後二訓。このまま次回の長篇である妖国動乱篇に持ち越します!
それと明日銀魂の映画に行ってきます!! 思いっきり楽しみです!!
次回予告
リズベット「なんでアタシ達、勝てなかったの……!」
フィリア「落ち込まないでよ! みんなは出来ることをしていたよ!」
ユイ「この結晶が皆さんを守ってくれたんですよ」
銀時「あのライダーの言う通りかもな」
沖田「急にどうしたんだよ」
リーファ「えっと、沖田さんにお礼を言おうと思って……」
????「あなた方にこの一件をお願いしてもよいでしょうか?」
次元遺跡篇九 新たなる道
天の道を行き、全てを司れ!