剣魂    作:トライアル

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お久しぶりです! では、キバットさん。どうぞ!

キバット「おうよ! みんな、知っているか? 北欧神話ってのは、文字通りノルウェーやデンマーク等で伝わった神話なんだ。幻想的な世界観で、多くの作品で作品性や固有名詞が引用されているんだぜ~。テイルズオブシリーズやソードアート・オンライン。仮面ライダー鎧武に魔進戦隊キラメイジャー。もしかすると、みんなが知っている作品にもモチーフがあるかもな。かく言う俺様キバットにも、実はモチーフが隠されているのかもしれないな!」
銀時「って、待てぇぇ!! なんでお前が前説しているんだよ!!」
キバット「ちょっとしたお遊びだよ。これからの剣魂は前置きにも注目してくれよ!」
銀時「って、待てごらぁぁ!!」

はい、ありがとうございました! と言うわけでお待たせいたしました。妖国動乱篇、間もなく開演致します! 妖精の国で起こる新たな騒乱に、是非心を躍らせてください!!


第六章 妖国動乱篇
第七十五訓 新曲開幕・狙われたユイ


 これはユウキ達が、四年ほど前に経験した出来事である。チームを結成してから、一年が経過しようとした時だ。

「うーん……結局不合格か」

「案外行けると思ったんだけどな……」

「現実は厳しいみたいですね」

 思い通りの結果を得られず、強く憤りを感じるユウキらスリーピングナイツの六人。各々が暗い表情でため息を吐き、理想と現実の狭間に悩まされている。

 チームを結成してから彼らは、騎士団への全員合格を目指して必要な勉学や実技に力を注ぎ込んでいた。騎士団の試験は毎年開催されており、募集人数もそれなりに多いためか、半年に一度大規模な試験が行われる。そこでの採用をユウキらは狙っていたが……想いとは裏腹に努力の成果は上手く実らない。

 試験会場を後にしつつ、重たい雰囲気のまま会話は続いていく。

「やっぱりチームとなると、難易度が高くなるのでしょうか?」

「そうだね。全員に極端なバラつきがあったら、合格点にすら届かないからね……」

 シウネーのふとした疑問にノリが返答する。彼女が言う通りユウキらはチーム採用を希望しているので、筆記や実技と言った試験も全員の評価が対象だ。故に誰か一人でも及第点に届かなければ、試験自体が失格となってしまう。この仕組みがあるためか、チームでの参加は不向きとも言える。

 もはや残酷とも言える現実に打ちのめされて、六人はなんとも言えない気持ちに包まれてしまう。

「また半年まで待たないといけないとは……」

「まだまだ遠い道のりです……」

 腕組をしながら打開策を考えるテッチや、顔を俯かせて気持ちを沈めてしまうタルケン。その反応は異なるが、一貫しているのはこれからの目標に揺らぎが生じていること。彼らだけではなく、場にいた全員が同じ想いであった。

「なぁユウキ、これからどうする?」

 重い空気に耐えられなくなり、ジュンは思わずユウキに答えを促している。すると彼女は一度顔を上向かせてから、前を向いてある決意を声に乗せてきた。

「こうなったら、徹底的に弱点克服しよ!!」

「はい?」

「弱点克服ですか?」

 突如として飛び出た提案に、仲間達は困惑気味に反応している。彼女はうじうじと結果を引きずらず、今後チームとしてすべき最適な方法を思いついていた。自信満々とした表情で、どんよりとした場の空気を打ち破り、仲間達にその内容を熱弁していく。

「そゆこと! シウネーとタルケンはサポートだけじゃなく、実戦練習をもっと積んで戦闘面を強化すること! ジュンとノリは実戦よりも筆記に力を入れないと! テッチはどっちも平均並みだから、さらに強化すれば大丈夫!」

 仲間達それぞれの長所や短所を織り交ぜながら、的確なアドバイスをスラスラと提案。すると彼女は、優しい表情で心に抱えていたとある気持ちを吐露している。

「かく言う僕も筆記の結果はギリギリだったから、もっと勉強を積まないとね。得意な要素を生かして、苦手なところはみんなで克服しよ! 大丈夫だよ。僕達六人が力を合わせれば、不可能なことなんてないんだから! 絶対に夢を実現しようよ! まだまだ僕達の挑戦は始まったばっかりだからさ!」

 一つ一つの言葉に想いを含ませて、ユウキは皆に屈託のない笑顔を見せていた。その真意は仲間を心の底から信頼しており、彼らと共に騎士団を目指す決意から来ている。巡り巡って出会った運命的な仲間達。今は自身の夢以上に大切な存在だと感じていた。

 チームとして士気を高める熱意に、場にいた仲間達も大いに影響される。

「そうだな。ここで落ち込んでいても、何も変わらないしな」

「今は私達の出来ることをやった方がいいですね」

 自身の課題点を言われて、ふと気持ちが楽になるジュンとタルケン。

「ふぅー、なんか吹っ切れたわ。アタシももっと頑張らないとな」

「みんなで助け合って、今度こそ試験に通ろう!」

 同じくノリやテッチも、モヤモヤした気持ちから抜け出している。皆が今の自分の結果を逃げずに受け止めて、新たな糧にしようと考えていた。ユウキの鶴の一声により、チームの雰囲気は普段通りの活気さを取り戻している。

(やっぱり僕達のチームは、こうじゃなくちゃ……!)

 この光景を見て、本人も思わず一安心していた。一方でシウネーは、ユウキのリーダー性を見て感激している。

「やっぱりユウキは凄いですね……」

「ん? どうしたの、シウネー?」

「いいえ、何でも無いですよ」

 思わず小声で呟き、彼女にも聞かれそうになったが、反射的に誤魔化している。本音を知られることに、若干だが照れているのだろうか?

 とそれはさておきチームの士気が高まったところで、ユウキは再度声をかけていく。

「よしっ! それじゃ、次に向けて頑張ろう!!」

 六人で円陣を作り、彼女は中央に手を添えていく。すると瞬く間に仲間達も次々に手を差し出してきた。六人全員の手が合わさったところで、

「「「「「「オー!!」」」」」」

高らかに心を一つにした掛け声を上げていく。かくしてスリーピングナイツは、また新たな門出を迎えたのである。

 

 

 

 

 

 

 それからというのも、彼女らは血の滲むような修業に明け暮れた。一日の大半を実技や勉学の時間につぎ込み、一か月ごとに計画的な目標を掲げている。

 その最中では目標の達成が不十分だったり、チーム内で亀裂が起きてしまったり、仲直りに時間がかかってしまったり、思わぬ通りすがりの旅人に修業を付けてもらったりと、波乱万丈な日々を彼らは過ごしていく。

 一部の知り合いからは否定的な意見を言われたが、誰一人として諦めることは無かった。戦闘経験を重ねるにつれて、六人には各々の目標が出来たからである。ALO星を守りたい、大切な仲間を守れるようになりたい、この六人で偉業を成し遂げたい。それぞれの強い気持ちが重なり、彼らはさらに絆を強めていく。

 そして時は過ぎて……落選から半年後。再び試験に臨んだユウキらスリーピングナイツは、培った努力を余すことなく発揮して、無事に全員が合格を勝ち取ることが出来た。悲願の達成には、六人全員が大いに感極まって喜びを分かち合っている。その後の研修期間でも実力を着々と身に着けていき、正式な加入から約二年が経った現在では、全員が姫様の護衛や潜入調査と言う最重要な任務もこなすほど立派な騎士団へと成長した。

 これも仲間の絆と続けてきた努力のおかげであろう。現状に満足せず、彼らの挑戦は今もなお続いている。

 

 

 

 

 

 

 そんな彼女達がたった今対峙しているのは……クーデター直前のオベイロン率いるマッドネバーの大群であった。

「ハァァァ!!」

 襲い掛かる戦闘員の大群にも、怯むことなく蹴散らすのはチームリーダーであるユウキ。原典と同じく愛用する刀剣、マクアフィテルを振るって戦闘を行っている。

「こんなものなの? 怪人達の力は!」

 幾ら大勢で攻めようとも、彼女の余裕な表情は崩れない。短剣を扱うライオトルーパー、素手で戦う屑ヤミー、長槍で襲い掛かるグール……その大半がユウキになす術なく倒されていた。彼女にとって、戦闘員はもう敵ですらない。

「ユウキ! ここの怪人達は私に任して、貴方は首謀者の元へ向かって!」

「了解! 頼りにしているよ、シウネー!」

「……お任せください!」

 ちょうど近くにいたシウネーは、ユウキの役割を引き継ぎ、彼女にはオベイロンと戦うよう指示を加える。柔軟にその指示へと応じて、ユウキはオベイロンことアナザーエターナルの元まで駆けていく。二人の強い信頼が垣間見えた一幕である。

「さぁ、次の相手はこの私です!!」

 一方のシウネーはより真剣な表情となり、無数の怪人軍団へと果敢に立ち向かう。これまでに培った経験や教訓を武器にして、勝利を手繰り寄せると決めていた。

「はぁぁ!! セイ!」

「ウッ!」

「ガラァ!」

 自身の得手である杖を用いて、相手に打撃や一突きを与えていく。その威力は絶大であり、装甲を纏っているライオトルーパーでさえも粉砕することが出来る。隙あらば備えていた魔法を発動させて、体力の回復や一時的な能力の上昇に応用していく。

 彼女の地道な攻撃で、周りの戦闘員達は瞬く間に倒されていった。

「私のこと……甘く見ない方が良いですよ」

 近くにいる残党達にも、シウネーは挑発気味な言葉をかけている。依然として余裕はあり、むしろ現状から勝利を内心で確信した。その挑発に乗せられるかのように、一般怪人や戦闘員が彼女に襲い掛かっていく。無論シウネーは、それらをまた一掃していくのだ。

「はぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 そして仲間達も右往左往に分散して、戦闘員や一般怪人達と雌雄を決している。

「くらえぇぇぇ!!」

 その内の一人であるジュンは、大剣を振り回して辺り一面を巻き込んでいく。小柄な体格に似つかわしくない、豪快な戦いを彼は得意としている。

「邪魔だ! どきやがれ!」

 咄嗟にまた攻撃態勢を整えるが、一瞬の間に彼は周りに仲間がいないか確認した。しっかりと状況判別も行っている。

 そんな彼の辺りに蔓延る戦闘員は、カッシーンと緑色の体色をした不気味な宇宙生命体ワームのサナギ体だ。

「てりゃぁぁ!!」

 勢いよく声を上げながら、まずは大剣を軽く一振り。その後は近くの壁を利用して、上空から相手に飛び掛かっていく。

「ダラァ!?」

「いけぇぇ!!」

 ちょうど群れているところに飛び掛かり、ジュンはワームらに斬撃を浴びせている。この連続攻撃に耐えられなくなったワームは、ひとたび緑色の爆発を引き起こして無惨にも散っていった。

「ヘヘーン、どうよ! チョロい奴らだったぜ」

 多数の怪人を倒したことで、その喜びを強く噛み締めるジュン。すると彼の元に、新たな敵が乱入していく。

(strike bent!)

「ハァァ!!」

「おっと!?」

 突如として放たれた邪悪な炎。嫌な気配を察して彼は即座に炎を回避している。

「なんだ!?」

 もちろん乱入者の正体は、ダークライダーの一人である仮面ライダーリュウガだ。

「浮かれるのも大概にしろ。僕には叶わないんだから」

(sword bent!)

 早速彼は武器であるドラグセイバーを召喚。躊躇いなくジュンに襲い掛かっていく。

「お前が幹部ってところか! だったら返り討ちにしてやるよ!」

 彼もリュウガの立ち位置をすでに見抜き、より強く気を引き締めている。大剣を三度構えなおして、真っ向からリュウガと一線を交えていた。

「はぁぁ!!」

「やぁぁ!! ……中々やるな。だが僕には及ばない!」

 互いの剣がぶつかり合い、刀身からは激しい火花が散っている。このままこう着状態が続くと思いきや、ここでリュウガはとある一手を仕掛けていく。

〈adobent!〉

「うわぁ!? 何だ!?」

 不意打ちの如く何かがジュンに襲い掛かり、彼は怯んでしまった。ふと上を見上げると、そこにはリュウガの召喚獣であるドラグブラッカーが浮遊している。

「ハハ、僕の相棒さ。さぁ、やっつけるといい」

 意気揚々とした態度で、リュウガはドラグブラッカーに指示を加えていく。このままジュンへ追い打ちをかけようとしたが、

「させるかよ! おらよっと!!」

「アイツ!? 飛び掛かっただと!?」

ジュンもそう簡単にはやられない。彼は大剣を殴り捨てると、ドラグブラッカーの首元へ目掛けて飛び掛かる。必死にしがみつきながら、力づくでドラグブラッカーを動かそうとしていた。

「何をしている! いいからガキを振り下ろせ!」

 予想外の行動には、リュウガ、ドラグブラッカー共に困惑して判断が鈍ってしまう。その隙をついて、ようやくジュンも動いた。

「いけぇぇ!!」

「な、なぁぁぁ!?」

 彼は力づくで首元を動かして、暴れまわるドラグブラッカーを利用。その場にいた怪人を一掃した後、リュウガをも巻き込んで体当たりしていく。無論リュウガ自身も回避することはままならず、もろに攻撃を受けてしまう。

「今だ! よっと、はぁぁぁ!!」

 一瞬の隙を見逃さずに、ジュンは一旦地上へと戻り、置いていた大剣に手をかける。彼らが怯んでいるうちに、このままとどめを刺そうとしていた。

「させるか! やぁっ!」

 だがしかし、一歩及ばずにリュウガが攻撃態勢を立て直す。またも互いの剣がぶつかり、結局振り出しへ戻ることとなった。

「小癪なガキめ! 手酷いことしやがって!」

「そっくりそのままお返しするよ! テロリストなんかには言われたくないね!」

「黙れ!」

 劣勢へと追い込まれて怒り心頭のリュウガに対して、一杯食わしたことに達成感を見せるジュン。戦いのペースを慎重に見極め、剣使い同士の戦いは続く……

 

 

 

 

「私も負けてられません! はぁぁ!!」

 一方のタルケンは、仲間達と同じく戦闘員らを相手にしている。彼の周りにいるのは屑ヤミーやカッシーンに加えて、同じく槍を使うバグスターウイルス。歪なオレンジの仮面を付けた人型の戦闘員だ。ランサーとして戦うタルケンにとっては、負けられない戦いであろう。

「セイハァ!」

「ビー!?」

 慎重かつ的確な突きを用いて、彼は堅実な攻撃を続けていく。動きは遅いが一つ一つの攻撃が強く、相手は無意識のまま倒されてしまう。かく言うバグスターウイルスも、タルケンの戦闘リズムに崩されてしまい、次々と槍に突かれて消滅してしまった。

「よしっ、やった!」

 自身の戦闘が上手くいき、つい嬉しく感じている。そんな彼の元に、さらなる槍使いが戦いを挑んでいく。

「はぁぁ!!」

「えっ、何!?」

 突然の殺意に気付き、タルケンはすぐに槍で防御姿勢を構える。そんな彼の目の前には、仮面ライダーポセイドンが近寄っていた。

「お前も強いのか? だったら俺と戦え!」

「一体何なのですか! まさかアナタが、この組織の幹部……?」

「そうでも言っておこうか」

 至近距離で言葉を交わしていた二人だが、タルケンが瞬時に相手へ蹴りを入れて、互いに距離を離していく。

 すると間髪入れずに、ポセイドンがさらなる攻撃を仕掛けている。

「くらえ……!」

 発動したのは長槍から解き放つ青い衝撃波。威力を最大にまで上げて、タルケンに致命的なダメージを与えようとしていた。

「うわぁ!? って、おっ!?」

 事態をすぐには飲み込めず、回避しようとするタルケンだったが、焦りからか何もないところで躓いてしまう。さらには槍まで手放す始末であった。

 だがこの失敗が功を奏しており、衝撃波は彼を素通りして、

〈バーン!!〉

「イィィィ!!」

ちょうど後ろにいた怪人の群れに被弾。巻き込まれた怪人達は爆発を連鎖して、そのまま消滅してしまった。

 さらには手放した槍はポセイドンの真横を素通りして、彼の後ろにいたカッシーンの頭部に突き刺さってしまう。

「機能停止……」

〈バーン!!〉

 手痛い攻撃を受けたカッシーンは、ゆっくりと倒れ込み爆散。周りにいた戦闘員もついでに道ずれとなった。

 一つのトラブルをきっかけに、タルケンは思わぬ漁夫の利を得ることとなる。

「ほぉ……中々の腕っ節だな。ヒョロガキにしちゃ、大したもんよ」

「いやこれは……まぐれと言うか? 奇跡というか?」

「能書きは良い。俺と戦え!!」

「って、待ってください!! 私の武器がまだ!!」

 この豪運とも捉えられる強さは、ポセイドンも強い興味を示していた。思わぬ展開にタルケン自身も困惑しながら逃げ回っている。その後やっと武器を回収して、ようやくポセイドンとの一騎打ちを展開していく。

「戦え……!」

「そう言われなくても戦いますよ! 私達がアルンの平和を守るのですから!!」

 

 

 

 

 時を同じくしてノリも、根気強く戦闘員や怪人を相手取る。彼女の周りにはライオトルーパーのみならず、化け狐に酷似した魔化魍忍群と呼ばれる奇妙な怪人も混ざっていた。

「へぇー、面白い奴らもいるじゃないの。でもアタシの敵じゃないわ!」

 四面楚歌の如く周りを囲まれるも、心境に変わりはない。一段と意気込んでから、武器であるハンマーを持ち次々と殴りかかっていく。ノリの戦い方はジュンと同じく攻撃派で、ハンマーを用いた打撃攻撃を得意としている。また無暗に攻撃はせず、相手の急所ラインを直感で判断。分析力を生かした戦法で敵に立ち向かうのだ。

「ほらぁ! そこ、そこ! いっけぇ!」

「ギィィ!?」

「ウッ!」

 現に魔化魍忍群との戦いでは、狐の仮面に覆われた頭部へ集中攻撃。相手の隙を作り出し、さらなる連続攻撃を与えていく。

 その甲斐もあってか、周りにいた戦闘員軍団は瞬く間に壊滅してしまった。

「ざっとこんなものよ!」

 分析通りの攻撃が成功して、嬉しさからガッツポーズをしている。そう軽い余韻に浸っていると、さらなる脅威が忍び寄っていく。

「それはどうかしらね? はぁぁ!!」

「ん? おっと!?」

 不意打ちの如く現れたのは、緑色の紋章。謎の殺気を感じ取り、ノリは間一髪で紋章と重なり合わずに回避していた。無論紋章を差し向けた相手は……ダークキバである。

「チッ! 勘が良いお嬢ちゃんね!」

 間一髪で回避されて、ダークキバは不愉快そうに捨て台詞を吐く。

「危ないじゃないの! って、アンタ……怪人じゃないわね?」

 一方のノリはすぐに状況を読み込み、彼女の正体を見切っている。

「その通りね。はぁ!」

「また!? そうは行かないよ!」

 会話を交わすことなく、またしてもダークキバから紋章が飛ばされていく。ノリは紋章の仕掛けを知らないが、何か裏があると思い慎重にそれをかわしている。

「ハッ!」

「逃がさないわよ!」

 と何度も紋章を飛ばすうちに、ようやくピタリと動きが止まっていた。

「素早かったお嬢ちゃんね。しっかりと私が痛めつけてあげないと……!」

 彼女は紋章にノリが囚われていると思い、ゆっくりと近づく。無抵抗のままに攻撃を与えようとした――その時である。

「はぁ? 何これ、ハンマー?」

 紋章に封じられていたのはノリではなく、彼女の持っていたハンマーだ。これにはダークキバも困惑して、思わず辺りを見渡している。すると、

「アタシはここよ!」

上を見上げた瞬間に彼女が目の前へと近づいていた。そうノリは、自身の羽を広げてこの窮地を脱していたのである。

「はぁぁぁ!!」

「ぶほぉぉ!?」

 勢いに乗っかったままノリは、拳を握りしめてダークキバに殴りかかっていく。ゼロ距離からのパンチを防げずに、彼女は遠くへと吹き飛ばされてしまった。

「もう仕掛けは分かった! これでもう遠慮なく闘えるってね!」

 一方のノリは、自身の直感が当たり嬉しく感じている。紋章の仕掛けも分かり、この戦いの勝利を確信していた。

「コノヤロー……よくも!」

 そして激高したダークキバは、背後にいた怪人や戦闘員へ指示を加えていく。一斉にノリへ襲い掛かるよう向かわせるが、彼女の自信に揺らぎは無い。

「はぁぁぁ!!」

 調子を崩すことなく、ハンマーを使って怪人の大群へ殴りかかっていく。ノリも全身全霊で、必死に勝利を引き込もうとしているのだ。

 

 

 

 

 そしてテッチも一風変わった戦い方を披露している。

「ふぁぁぁぁ!!」

「まったく、貴方も面白い妖精ね!」

 彼は初っ端から、ダークライダーである仮面ライダーソーサラーと戦いを展開していた。ソーサラーの長斧に対して、彼はメイスや盾を振るって攻守を見極めながら戦っている。

 無論彼らの周りにはまだ戦闘員や怪人がうじゃうじゃとおり、戦闘員ではソーサラーの使役するグールやライオトルーパーが乱立していた。

 当然テッチも適宜彼らからの襲撃を受けていたが、

「邪魔だ! どけ!!」

「ギィー!!」

「ウゥー!」

ものともせずに攻撃を倍にして返している。防御力に優れている彼は自慢の耐久力を生かして、相手に不意打ちを与えるカウンター戦法を得意としていた。つまり周りに幾ら戦闘員がいようが、自身の戦い方に影響は無いのである。

 戦闘員の数が減り始めたのを察して、再びテッチはソーサラーと交戦していく。

「はぁぁぁぁ!!」

「ハハハ! 面白いねぇ! でも私には勝てないよ!」

「ウッ!」

 すかさずメイスをぶつけるが、またしてもソーサラーの持つ斧で相殺されてしまう。さらには蹴りまで入れられて、つい動きを止められている。その隙にソーサラーが動く。

〈ルパッチマジックタッチゴー! チョーイイネ、ブリザード! ナウ!〉

「ハァァ!!」

「くっ……これは氷魔法か!?」

 彼女は指輪の魔法を発動。掌から冷気を放つ氷魔法を、テッチの足元へと浴びせていた。瞬く間に彼の足元は凍ってしまう。

「くっ……動けん」

「これで終わりね。はぁぁ!」

 行動を封印したことで、勝利を確信するソーサラー。大きく飛び上がり、さらなる魔法を発動しようとしたが……

「そう簡単にやられてたまるか! おぉぉぉぉぉ!!」

テッチはそう易々と諦めていない。全身の力を両足に集中させて、この危機を脱しようとしていた。そして、

〈バキンッ!〉

「何だと!?」

間一髪で足元に蔓延っていた氷を砕いている。テッチの粘り強さには、ソーサラーも気を引かせていた。

「ドリャァァァ!」

「ナッ……ぐっぷ!!」

 無我夢中で彼は、氷をまとった回し蹴りをソーサラーへと浴びせていく。不意の攻撃に対処しきれず、モロに蹴りを受けてしまい地面に叩きつけられていた。

「フッ……なめてもらっちゃ困るな!」

 完全に氷の呪縛から解放されたテッチは、今一度武器を握りしめて、力強く檄を飛ばす。しかしソーサラーには到底伝わらず、怒りを買うだけだった。

「へぇー、面白いじゃないの。より一層、痛め甲斐があるわね!!」

 必死に怒りを抑えながら、こちらも武器である斧を構えなおしていく。生き残った怪人軍団と共に、多勢でテッチに襲い掛かっていた。

「いくらでも来い!」

 どんなに敵が増えようとも、彼の意気込みに変わりはない。無数の怪人や戦闘員を薙ぎ払いながら、ソーサラーとの交戦は続く。

 

 

 

 

「はぁ! セイ! はぁ!!」

 一方でアナザーエターナルの元まで近づいていたユウキは、彼の周りにいた怪人の群れを余すことなく倒しきっていた。戦闘員のどころか一般の怪人でも、もう彼女の敵ではない。

「さぁ、残すはアンタだけだよ!」

 勢いを付けた彼女はじっと真剣な表情を浮かべて、アナザーエターナルに刀剣を差し向けていく。数の暴力が効かなくなり、ここでアナザーエターナルはとある刺客を繰り出す。

「流石は騎士団のトップ……ならば、行け! アリエス・ゾディアーツよ!」

「フッ。この僕に任せろ」

 姿を現したのは羊に似た容姿を持つ怪人、アリエス・ゾディアーツ。星座を模した怪人で、中でも牡羊座は強力な力を持つホロスコープスの一種。いわば幹部級の実力を持ち合わせているのだ。

「さぁ、行け」

 彼は早速体内のエネルギーから、漆黒の戦闘員を作り出す。忍者に似た風貌を持つダスタードだ。忍者刀を持ちながら彼らは、大勢でユウキに襲い掛かろうとする。

「また戦闘員? まったく……いい加減にしてよね!」

 こちらへと向かうダスタード及び戦闘員に対して、彼女はやや呆れを感じていた。それでもなお油断は禁物である。気を引き締め直して、確実に倒しきると決めていた。

「はぁぁ!」

「うぅぅ……!」

 身軽さを武器にするダスタードでも、ユウキにはその動きがすぐに読まれてしまう。

「何度だって同じだよ! セイヤァァ!!」

 彼女は素早い剣裁きに加えて、羽を使用した速度調節で柔軟な戦闘に対応。一つ一つの攻撃に力を込めて、次々とダスタードに斬りかかっていく。

「はぁ! これで最後!!」

「くぅぅぅ!!」

 そして数分も経たないうちに、十体ほどいたダスタードを倒しきってしまった。残るは幹部級のアリエス・ゾディアーツのみである。

「中々だな。しかし余はどうかな?」

 意気揚々と呟くと、彼は杖型の武器であるコッペリウスで早速攻撃を仕掛けていく。自身の生体エネルギーを操り、金色に輝く砲弾を幾つも作り出していた。

「何!?」

「くらえ! 被弾しろ!」

 そしてそれらを、一斉にユウキへ向けて投げつけている。大量のエネルギーの塊が辺り一面に飛び散り、連鎖するように爆発していった。

「これでもう、あの女はやられただろうな」

 爆発の規模を信じて、ユウキを葬れたと確信したアリエス。だがしかし、その予想は的外れとなる。

「えいやぁぁ!」

「はぁ!? 何だと!?」

 吹き荒れる爆風の中から、果敢に姿を見せたのはもちろんユウキだ。あの爆撃の中でも、彼女は上手く回避しており、一度も被弾することなく危機を脱している。奇跡的な顛末に、アリエスも思わず動揺を拡げていく。

「この、当たれ! 当たるがいい!!」

「もう効かないよ、僕には!!」

 今一度砲弾を投げつけるが、策を見切ったユウキには何一つとして効いていない。上手く回避しつつ、アリエスとの距離を縮めていく。

「さぁ、終わりだよ!」

 そしてユウキは、勝ちを信じてこのまま技を決めている。まずはみねうちの如くアリエスに斬りかかり、そこから本気の斬撃を幾度にも渡って浴びせるのだ。

「ハァァァァ!!」

「グハァァ!!」

 相手に攻撃する手段すら与えない。まさに必殺技とも言うべき代物であろう。素早い連撃の前にはアリエスもなす術がなく、

「うぅ……」

〈バーン!!〉

力尽きてそのまま爆散してしまった。ユウキの真の強さが垣間見えた一戦とも言えよう。

「フッ、どんなもんよ!」

 強い相手を倒せたことに、本人もご満悦の様子である。

 一方のアナザーエターナルは、ユウキらの強さを目にして激震が走っていた。

「ホロスコープスをほぼ一撃だと!? チッ……少し見誤ったか」

 幹部級とされるアリエス・ゾディアーツが倒されたことで、騎士団の底力を痛感している。気が付けば戦闘員はほぼ壊滅。一般の怪人も、大半がシウネーらによって倒されていたのだ。この実力の差から、騎士団をこのクーデターで一番の邪魔者だと捉えている。

「やはり奴らはミラーワールドへ拘束するだけじゃ足りん! さらなる辺境の地へ飛ばしてやるか……」

 しばらく動けないように策を講じる中で、ふとユウキが話しかけてきた。

「さてと、次はアンタの番……と言っても僕らの勝ちだね」

「勝ちだと……!?」

 そう言われて辺りを見渡すと、そこには手を上げて戦闘を中断するダークライダーの姿が見えている。スリーピングナイツの制圧が成功した証でもあった。あっという間に勝敗が付いている。

「怪人達はもう一掃しましたよ」

「もう観念しろ!」

 シウネーやジュンもアナザーエターナルへ降伏を促す。窮地であることを理解した彼は、これからすべきことを内心で考え付く。

「どうする? 正直に白状するかい? それとも僕らと戦うかい?」

「……仕方ない。白状しよう」

 ユウキにも催促された途端に、彼も手を上げて現状を受け入れることにした。ユウキらはまだ信用しきっておらず、さらに警戒心を強めていく。その最中でも彼らの話には、しっかりと耳を傾けている。

「まず言っておこう。もうすでに、前線部隊がそれぞれの領地に向かっている。そこから制圧して、アルンを落とすのが僕の計画さ」

 アナザーエターナルことオベイロンが語った情報は、前線部隊の存在だ。まったく別の怪人が、それぞれの領地へと進行をしているという。

 この情報を聞いたユウキらは驚きつつも、真っ先に他の部隊にも情報を伝達していく。

「みんな、報告だよ! 敵の先兵が、領地に向かっているみたい! 侵入を絶対に防がないと!」

 魔法の一種であるテレパシーを用いて、すぐに戦力を分散するように伝えていた。この調子で彼を問い詰めようとした――その時である。

「ん?」

 シウネーはユウキの近くにあった光の反射から、謎の人影が映ったのを見かけていた。

「ユウキ、危ない!」

「ん? うわぁぁ!?」

「ユウキ!」

 すぐに彼女へ警告をするも、時すでに遅い。光からは白い体色をしたヤゴ型のミラーモンスター、シアゴーストが襲い掛かっていた。

「ラァァ!」

「また怪人? まだ生き残っていたの!?」

 ユウキは刀剣を振るい、一度シアゴーストを薙ぎ払う。新たな怪人の乱入により困惑していると、アナザーエターナルは突如として笑い始めていた。

「フハハハハ! まんまと騙されたな、騎士団共! 貴様らが戦った怪人共は、ただの出来損ない……いわゆる囮だったのだよ!」

「何だと!?」

「あの数で囮……?」

 突然明かされた真実を聞き、ユウキら六人は動揺して耳を疑ってしまう。今まで戦っていた怪人はいわば前衛部隊であり、本当の怪人部隊は別にいると言うのだ。

「そうだ、フッ!」

「うわぁ!」

 真実を知った途端に動きの鈍ったジュンらに、リュウガらダークライダーが不意打ちを加えていく。あっという間に形勢は逆転。スリーピングナイツ側が劣勢へと陥ってしまった。

「大丈夫!?」

「なんとかな……」

 一旦は六人全員が集まり、アジトの出口前に集まっている。突然の襲撃にも備えて、辺りを隈なく注視していた。

 一方のダークライダー達も、アナザーエターナルの元に集結している。

「本当の怪人軍団は、このアジトの奥に隠れていたのさ」

「折角だし見せてあげるわ。出てらっしゃい、最強の精鋭たちを!」

 彼らは証言通りに、密かに身を潜めていた怪人軍団をユウキらに見せつけていた。奥の扉が開き、魑魅魍魎とした怪人の数々が出てきている。

「ギィィ!!」

「ウ~!」

 ライオトルーパーやグール、魔化魍忍群といったユウキらも戦った戦闘員。バッファローロードやソードロイミュードと言った一般怪人達。さらにはゴ・ガドル・バやレオイマジンと言った幹部級の怪人も、オベイロンの手によって復元されている。

 その数は戦闘員を含めて、前衛部隊よりも遥かに上回っていた。

「まだこんなに居やがったのかよ……!」

「流石に数が多すぎます……」

 怪人達の数々を目にしていき、シウネーらの困惑はより強くなっていく。精神及び体力も擦り減らしている中で、この数の敵を相手にするのは流石に難しいだろう。

 皆がマッドネバーに圧倒される中、ユウキは冷静に考えてこの危機を回避しようとしている。

「……撤退しよう!」

「ユウキ?」

「これ以上の戦闘は危険だよ! 態勢を整え直すために退避しよう!」

 彼女が辿り着いた答えは撤退であった。このままでは勝てる見込みがないと踏んでおり、一度体制を立て直すべきだと括っている。

「分かった。そうしよう!」

「うん」

 仲間達もユウキの意見に賛同しており、このまま出口へと逃げ込もうとしていた。だがしかし、

「ドラァ!!」

「うわぁ!?」

「そうはさせるか。取り囲め、ドラグブラッカー!」

ドラグブラッカーによってその行く手を阻まれてしまう。思うように動けず悪戦苦闘しているユウキらに、アナザーエターナルはとある一手を繰り出そうとしている。

「ちょうどいい! 僕のとっておきの攻撃を食らうがいい!!」

 彼は一本のガイアメモリを取り出して、それをガイアキャリバーへと装填していく。

〈オンライン! マキシマムドライブ!!〉

 接続をまとった聖剣を振りかざして、狙いをユウキらに定めていく。

「サイバー空間へと封じてやる! いけぇぇぇ!!」

 そのまま彼は聖剣から青白いオーラを放出。ユウキら目掛けて一直線に投げつけている。

「危ない!」

「うわぁ!」

「えっ!」

 オーラに一早く気付いたジュンとタルケンは、近くにいたユウキとシウネーを押し倒す。そしてテッチとノリは自身の盾とハンマーを使い、オーラを防ぎ跳ね返そうとしていた。

「ちょっと、みんな!?」

 力一杯に抑え込もうとするも、オーラはより一層強くなっていく。そして遂には、四人を覆うほどの穴を作り出していく。その穴からは猛烈な風が吹き荒れて、タルケンらを吸い込もうとしている。

「くっ……うわぁ!!」

「す、吸い込まれる……!」

「この……ここで!」

「ユウキ! シウネー! 早く逃げて! アタシ達は……絶対にも戻るから!!」

 各々の武器を地面に突き刺し、必死に抵抗するももう限界が来ていた。四人はユウキらに励ましの言葉をかけると――

「「「「あぁぁぁぁぁ!!」」」」

穴に吸い込まれて姿を消してしまう。穴自体も消滅してしまい、アナザーエターナルの目論見通り、スリーピングナイツの幽閉に成功していた。

「みんな!!」

「そんな……」

 仲間が姿を消したことにより、ユウキとシウネーは強いショックを受けてしまう。状況を上手く読めずに、ただただ別れを悲しむことしか出来なかった。

 悲哀に溢れる二人とは対照的に、アナザーエターナルは策が成功したことにただならぬ喜びを感じている。

「アハァァァ!! 見たか、この僕の力を! 二人取り逃したが、これでスリーピングナイツは機能停止だぁ! もう僕を邪魔する者など誰もいない!!」

 不気味な笑い声を高らかに発しながら、挑発するような罵倒を続けていた。もちろんユウキはこの挑発に我慢がならず、怒りの感情を高ぶらせていく。

「よくも……よくもみんなを!!」

「ユウキ! 待って!!」

 シウネーに止められようとするも、ユウキは止まらずに走り出す。刀剣を強く握りしめて、感情に狂ったまま攻撃しようとする。

「ハァァァ!!」

「フッ!」

 次々と攻撃を繰り出すユウキに、アナザーエターナルはガイアキャリバーを用いてその攻撃を防いでいく。余裕を持っていたのは後者だったが、

「セイ!!」

「何!?」

隙を付かれた瞬間にガイアキャリバーが遠くへと吹き飛ばされている。丸腰となったところで、ユウキが渾身の一撃を決めに行く。

「くらぇぇぇぇ!!」

「ダハァァ!!」

 刀剣で強く切り刻んだ途端、彼の体からは携帯していたガイアメモリの一部が飛び出す。それにも関わらず、アナザーエターナルは過剰な反応を見せていた。

「痛い! 痛い! 貫通した! これ絶対に体貫通しているよぉ!!」

 自身の体が傷ついたと思い込み、変身しているにも関わらず痛みを訴えている。この様子には、ダークライダー達も呆れを感じていた。

「また始まった。アイツのリアクション芸」

「変身しているのに貫通しているわけないでしょ」

「まったくめんどくさいご主人さまだ」

「そんなんだから、愛想つかされるのよ」

 彼を心配などせず、ただただ無駄口を叩いている。過剰な反応は何度も見ているらしく、その度にオベイロンの文句を呟くのが通例となっていた。

 一方でユウキらは、彼の体から飛び出たガイアメモリに興味を示している。

「これは……」

「よしっ!」

 何に使えるのかは分からないが、ひとまずは回収することにした。数本のガイアメモリと、そのメモリを入れるメモリスロットを奪取すると、

「いまのうちに逃げよう!」

「……はい!」

ユウキとシウネーはそそくさと一旦アジトを後にしている。

「逃がすな! 追え! 徹底的に追え!!」

「ハハー」

 一方のアナザーエターナルは、一部のメモリを強奪されたことに激怒。冷静さを失って、感情的に近くへいた戦闘員へ命令している。

 ユウキらを追跡するために、数名のライオトルーパーとカッシーンが向かっていた。

「もうじき追手も来るはず! 急ぐよ、シウネー!」

「分かっています!」

 アジトを抜け出してもなお、二人は走り続ける。その最中ではガイアメモリとスロットを、所持していた手拭いに包んでいた。

 いなくなったジュンらのこともあったが、今は彼らの言葉を信じて進むしかない。洞窟を潜り抜けて、緑に生い茂った森の中へ入っている。

「ユウキ……皆さんは」

「大丈夫だよ!」

「えっ?」

「僕の仲間は、こんな簡単にやられたりなんかしないよ! きっと戻って来るから! 絶対に……!」

 心配するシウネーをユウキが強く鼓舞していく。仲間を信じる気持ちが、彼女の心を強く動かしていた。底抜けのない明るさに感化されて、シウネーも気を明るく取り戻している。

「ユウキ……私もそう信じて――」

 と自分の本音をユウキに伝えようとした時だった。

「うわぁ!?」

「えっ?」

 ユウキは足元を滑らせてしまい、崖に落っこちてしまう。幸いにも底は浅く、大した怪我は無かった。

「大丈夫ですか、ユウキ!?」

「平気だよ! 落っこちただけだから! シウネーは早くアルンに戻って!」

「で、ですが……ユウキまで捕まったら」

「そう簡単にはやられないよ! 追手も来るはずだから、ここは僕に任して!」

 助けようとするシウネーだったが、追手のことも考えてユウキが先へ行くように促している。

「分かりました。ユウキを信じます……!」

 彼女もその言葉を信じて、一足先に走り出していた。こうしてスリーピングナイツの面々は、互いの言葉を信じて一度離れ離れとなってしまう。それでもなお、絶対に仲間の無事を信じているのだ。

「とは言ったものの、これからどうしようか? 戦闘員を誘い込んで、一気に仕留めようかな? でも近くにぴったりの場所なんてあったっけ?」

 一人となったユウキは、戦闘員の効率良い倒し方を考えている。倒すのは簡単なものの、体力を無駄に使うので、若干めんどくさく感じているのだ。

「何か危機を乗り越えられるメモリとかあるかな? ん? これは……?」

 起死回生の一手になると思い、奪取したガイアメモリを眺めていると、一つのメモリを彼女は発見する。

〈ラビット!〉

「ラビット? ウサギのメモリかな?」

 見つけたのはRの文字が刻まれたラビットメモリ。興味深く眺めていると、ラビットメモリが強く輝き出していた。

「うわぁ!? 何!?」

 ユウキが困惑しているうちに、メモリは浮遊していき……なんと彼女の体内へと入ってしまう。

「うぅ……!」

 途端にユウキは気分が悪くなり、ゆっくりと倒れ込んでしまった。そして体に著しい変化をもたらしていく……。

 

 

 

 

「おい、アイツはいたか?」

「こちらは見つけられなかったぞ」

「もうすでに森を出ているのかもな」

「広範囲に渡って、くまなく探すぞ」

 ユウキの近くでは、すでにライオトルーパーが彼女の捜索に当たっている。どうやら見つけることが出来ず、より遠くのエリアへと彼らは出向いていた。

 肝心の彼女は未だに崖の下にいるのだが……見つけられないのは、とある理由が絡んでいる。

「うーん……何が起こったんだ?」

 数分の間気絶していたユウキは、ようやく気を取り戻していた。起き上がって見えたのは、メモリを包んでいた手拭いである。

「アレ? メモリってこんな大きかったっけ? ていうか、手拭いもデカくなってない?」

 目の前の光景が信じられずに、彼女の違和感は強くなっていく。

「いや、待てよ。僕が小さくなったのか?」

 手探りに状況を確認してみると。自身の体が小さくなったことを悟る。さらに気絶する前に、体内へと入ったメモリも要因だと括っていた。それらを踏まえて、まずは自分の容姿を確認してみる。近くにあった水たまりに、顔を映してみると……

「って、なんじゃこりゃぁぁぁ!!」

なんとそこには、ウサギとなった自分の姿が映されていた。そうユウキは、ラビットメモリの作用になって本物のウサギに変身したのである。その外見はかつて、キリトとアスナが親交を深めたきっかけでもあるラグーラビットとも瓜二つだ。体色は赤と紫であり、背中には縮小化したマクアフィテルが備え付けられている。

 いずれにしても、突然のウサギ化は本人にとっても衝撃的であろう。

「う、兎!? 僕、妖精ですら無くなっているよ!! どうしてこんなことに……?」

 困惑しつつも彼女は一度冷静となり、自身の行動を振り返ってみる。すぐに体内に入ったラビットメモリが原因だと予測していた。

「あっ、このメモリの影響ってこと? ていうか、どうやって元に戻るのー!!」

 当然元に戻る方法も分からず、しばらくはこのウサギの姿で行動するしかない。しかも不運なことに、シウネーを先にアルンへ向かわせたため、近くにはこの事態を理解してくれそうな仲間すらいない。

「どうしよう。シウネーはもうアルンに向かっちゃったし、ジュン達も呼び戻せないし……ちょっと不味いかも」

 もはや絶体絶命の窮地。思わぬトラップにハマり、打開策を必死に考える中で、とある策を彼女は思いつく。

「そうだ! 通信魔法を使えばいいじゃん! これで助けを呼べば……って?」

 他の部隊との連絡時に使用した通信魔法で助けを求めようとしたが――何故か上手く発動しない。これもウサギになった影響なのだろうか?

「なんで繋がらないの!? さっきまで出来てたのにー!!」

 最後の希望とも言える連絡先も絶たれてしまい、本当に自分の力でこの状況を乗り切るしかなくなった。度重なるトラブルにより、ユウキの精神はより擦り減らされてしまう。

「不幸なこと重なりすぎだよ……今日の運勢最悪だったっけ?」

 ついつい不幸を誰かのせいにしたくなり、今朝の占いを思い起こすほどである。どうにか気持ちを発散したいところだが、ここはグッと我慢して前に進むしかなかった。

「とにかく! シウネーの元に急がないと! きっと僕の事情も理解して……」

 と今後の方針について考え直していた時である。

「ん? アイツらは……!」

 ふと横を見てみると、そこには夜兎と辰羅が二人ずつ、さらには怪人が数名と立ち並んでいた。彼女は直感から、この四人がダークライダーの変身者だと予測している。その直感はもちろん当たっているのだが……。

「何を話しているんだ?」

 彼らの会話内容が気になり、ユウキは可能な限り近づこうと試みる。ガイアメモリをしっかりと手拭いに詰めて、首元に背負ったまま。

「まったく。なんで僕達が誘拐部隊をやらされるんだよ」

「案外信用無いのかもねー。一応私達部外者だし」

「本当は戦いに参加したかったが、これも仕方ないだろう」

「さっさとあの女をとっ捕まえて、すぐに星へ戻ってきましょう」

 四人は乗り気でない作戦を行うようで、態度や口調からも嫌々やっている感が見られる。それでも命令通り、とある女の誘拐を実施するようだが。

「何を話しているんだ? まさか! 姫様を捕まえようとしているのか!」

 断片的に話を聞いていたユウキは、女の正体を姫様であるフレイアだと予見をしている。残念ながらその推測は外れているのだが……本人は自分の判断に自信を持っていた。

 それはさておき、早速辰羅達は行動に移している。

「さぁ、地球へ向かうわよ」

〈ルパッチマジックタッチゴー! テレポート! ナウ!〉

 辰羅の一人である宇堵は、腹部に付けたベルトに指輪をかざす。テレポートの魔法で標的のいる地球へ向かおうとしていた。

「そうはさせないよ!」

 瞬間移動する際に、ユウキもその魔法にあやかって、辰羅達と同じく地球へ移動することになる。彼女がその真実に気付くのは、無論地球に降り立った時だ。

 果たしてウサギと化したユウキの運命や如何に。彼女の少し変わった冒険が幕を開ける……。

 

 

 

 

 一方でシウネーも、態勢を整えるために一度アルンへ戻ろうと企てる。今は木々の中に身を潜めながら、森への脱出を試みていたが……周りにはオベイロンの手先であるカッシーンがうじゃうじゃと彼女を探し回っていた。

「この近くにいるはずだ! 何としても捕まえろ!」

「騎士団を封じるなど奇跡的なのだ! このチャンスを無駄にするな!」

 互いに声を掛け合いながら、必死に森の中を駆け回っていく。

シウネーは上手く死角を利用して、見つからないように息を潜めている。

(どうしましょう……ユウキとは上手く分かれましたが、ここが見つかるのも時間の問題。もう戦って逃げ出すしか方法は無いのでしょうか……)

 危機的な状況を目の当たりにして、つい不安そうな表情を浮かべてしまう。仲間の大半はメモリによって封じられ、ユウキとも全滅を避けるために別々の行動を取ることとなった。もはや近くに仲間などいないこの状況。より多くの時間を仲間と共に過ごしてきたシウネーにとっては、心細いことこの上無いだろう。

(絶対にみんなは戻ってくるはずです……! それまでは私が頑張らないと!)

 強い責任感を心に宿しながら、彼女は真摯に決意を高めていく。ユウキや仲間と再会するまでは、自分が姫様や街を守ると誓っていた――その時である。

「見つけたぞ……!」

「えっ? まさか……」

 ふと後ろを振り返ると、そこには三体のカッシーンがシウネーに近づいていた。槍を構えながら、彼女を一網打尽にしようと企てている。逃げ場のないシウネーにとっては、まさに絶体絶命の状況と言えよう。

「オベイロン様の為に、お前も消えてもらうぞ!」

「いいえ……私は最後まで戦います! 絶対に諦めたりなんかしません!」

「無意味なことを。さっさと消えろ!!」

 三体は勢いよく襲い掛かり、シウネーも杖で抵抗しようとする。だがその時……思わぬ男がこの現場に居合わせていた。

「おい。そこのガラクタ野郎」

 突如として聞こえてきたのは、渋く低い男の声。何者か分からずに、カッシーンは動きを止めてしまう。すると、

「あぁ? ぐはぁ!?」

「何!?」

一体のカッシーンが不意打ちを受けてしまい、その場に倒れ込んでしまった。あまりの急展開に、カッシーンもといシウネーすらも戸惑いを見せている。

 辺りを見渡すと、そこには一人の男が佇んでいた。

「消えるのはてめぇらの方だ」

「な……うわぁぁ!!」

 男は手にした刀を振るい、カッシーンへ向けて斬撃を浴びせていく。何度も攻撃を与えているうちに、場にいたカッシーンは全て倒れ込み爆散してしまった。

 シウネーにとっては思わぬ助け舟だったであろう。

「えっ? 助けてくれたのですか?」

「何ぃ、勘違いするな。気に入らねぇから、ぶっ倒しただけだ」

 男はぶっきらぼうな態度のまま、彼女の問いに返していく。

「あ、ありがとうございます。貴方は一体……?」

「大したもんじゃねぇよ、ただのテロリストさ」

「テロリスト……?」

 男の言った言葉に、シウネーはどこか違和感を覚えてしまう。雰囲気といい顔といい、そう言われても納得をしていたからだ。

 それもそのはず。この男の正体は……鬼兵隊が総督、高杉晋助なのだから。危険な出会いは、彼女の一筋の希望になるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 一方でこちらは、地球にある江戸はかぶき町。日々波乱が起こるこの場所で、今日もまた様々な人間や天人、妖精達が何気のない日常を過ごしている。

 新八の実家でもある恒道館の道場では、とある稽古が執り行われていた。

「「はぁ、はぁ……」」

「ふぅー」

「ケホッ」

 息を荒くしながら一度体を休めているのは、シリカ、リズベット、リーファ、シノンの四人とピナ。彼女達は休む暇を惜しんで、過酷な稽古に明け暮れていた。無論その理由は、マッドネバーのダークライダー達にリベンジを果たす為である。敗北時に受けた悔しさをバネにして、急ピッチで戦闘の実力を高めていく。

 そんな彼女達の稽古相手に、柳生九兵衛と月詠の二人が付き添っていた。共に四人とも親交が深く、手加減無しに本気で対峙している。

「みんな、一旦休憩にするか?」

「そろそろ限界じゃろ。無理はせずに」

 疲れ切っているシリカらを心配して、休憩を促した九兵衛達だが――依然として彼女達のやる気はさらに高まっていた。

「いえ……まだやらせてください!」

「これくらいで、へばったりはしないわよ!」

 そう言ってシリカとリズベットは、ゆっくりと立ち上がっている。呼吸を無理やり整えると、真剣な表情で各々の武器を構えていく。

「私も同じよ……!」

「全然まだやれるんだから!!」

 二人に引き続きシノンやリーファも同じく立ち上がる。どんなに疲弊していても、今回ばかりはやる気のボルテージが格段に上がっているようだ。ブレーキなんてものともせずに、闘志を加速し続けている。

「ナ……!」

 もちろんピナも同じだ。

 そんなリズベットらの想いを汲み取って、九兵衛や月詠もその想いに応えようとする。

「分かった。ならばもう一度、稽古を執り行おうではないか」

「その分主らも、全力でぶつかってこい!」

「「「「はい!!」」」」

 共に限界値を越える覚悟で、この稽古に臨んでいた。シリカとピナとリーファは九兵衛を。リズベットとシノンは月詠を相手に再び戦闘が展開されていく。

 激しくぶつかり合う稽古に、たまたま見に来ていた妙もその勢いに圧倒されている。

「あらあら、みんな頑張っているわね。今まで以上に本気を感じるわ」

 数か月の間でもシリカ達の様子を見ており、その成長ぶりにはかなり驚かされていた。

「あっ、そうだわ。折角だから卵焼きでも作ろうかしら。きっと疲労回復してくれるに違いないわね」

 そんな妙だがふとした閃きで、卵焼きの差し入れを思いつく。早速調理室へと向かうが、リーファらは何も気が付いていない。知らぬが仏とかまさにこのことなのだろう……

 こうして恒道館での稽古はさらに続く。

 

 

 

 

 その一方、対照的に和やかな日常を過ごすのはユイと新八。二人は最近流行のファンタジー小説を目当てに、近場の本屋へと訪れていた。

「やったね、ユイちゃん。ようやく目当ての本をゲット出来て」

「はいです! 今から読むのが楽しみですよ!!」

 予定通りに小説を購入出来て、彼女は嬉しさから満面の笑みを浮かべている。幸せそうな姿に、新八もつい微笑ましく感じていた。余韻に浸ったまま退店して、このまま帰路につく。

「オールマイティセイバー……一体どんな物語なのでしょうか?」

「どうやら色んな剣士が活躍する小説みたいだね。いわゆるヒーロー系なのかな?」

「もしかすると、この剣士さんも仮面ライダーかもしれませんね!」

「フフ、もしかしたらそうかもね」

 ユイはついつい表紙をチラ見しながら、小説の中身に期待を膨らませていた。その表紙にはヒーローのような赤い竜の剣士が描かれており、彼女の知る仮面ライダーとも違和感がまるでない。新八も冗談気味にユイの解釈を受け入れている。

 たわいない会話を交わしながらしばらく歩いていると、途端にユイの表情は曇り始める。神妙な面持ちとなり、彼女は新八にある悩みを吐露してきた。

「新八さん。私ずっと気になっていたことがあって……」

「ん? どうしたの、ユイちゃん?」

「次元遺跡の扉のことです。なんで私にだけ反応したのでしょうか?」

 悩みの正体は、つい最近体験した次元遺跡での出来事である。遺跡の最奥部には平成仮面ライダーの銅像と記憶が祀られていたが、扉の前には厳重な仕掛けがあり簡単には通ることが出来ない。フィリア、リズベット、近藤、沖田と試すも失敗が続いたが、何故かユイだけが扉に反応して開くことが出来た。

 この一件以来ユイは、その仕掛けの線引きが気になって仕方が無いのである。それを聞いた新八は、率直な考えを彼女に返していく。

「なるほどね。僕も分からないけど、きっとユイちゃんの素直な気持ちがライダー達にも伝わったんじゃないかな? 勝手な解釈だけどね」

「そうですか。出来れば明るい理由が良いんですけどね」

「大丈夫だよ。そう思い詰めることは無いって」

「新八さん……ありがとうございます!」

 無用な不安は与えずに、前向きな理由があると促している。励ましを含めた言葉に、ユイも少しだけ安心感を覚えていた。一応だが不安な要素は取り除かれたようである。

 気持ちを切り替えて街中を進んでいくと、今度は電気屋の前を通りかかっていた。

「あっ、新八さん! テレビにお通さんが映っていますよ!」

「えっ、本当!? 本当だ!? お通ちゃん!!」

 電気屋の前にはブラウン管テレビが並んでおり、そこではちょうど寺門通のライブ映像が流れている。お通の大ファンである新八は、早速テレビのライブ映像に食いついていた。

「流石は熱狂的ファンですね!」

 ユイも出会った当初から新八のお通好きは知っており、彼の狂喜乱舞な豹変ぶりもまったく驚いていない。

「放送コードがなんぼのもんじゃい~!」

 興奮のあまりお得意のオタ芸を披露しても、ユイにはとってはもう想定の範囲内である。これも慣れの一種なのだろうか? 彼が落ち着くまではしばらくこの場に留まろうとしたが……ふとユイは妙な気配を察していく。

「えっ? 何この気配……」

 顔色を途端に変えて、彼女は警戒心を強くする。周りをキョロキョロと見渡しながら気配の正体を探すも、何一つ感じ取れない。気のせいだと思いきや、ユイは鏡に映る奇妙な影の存在に気が付いていた。

「まさか!? 新八さん! 避けてください!!」

「ん?」

 と咄嗟に新八へ注意を促していた時である。

「うわぁぁ!?」

「新八さん!?」

 テレビの画面から突然、不可思議な物体が飛び出してきた。急な出来事に新八は驚きつつも、咄嗟に体を避けて接触だけは回避している。

「大丈夫ですか!?」

 心配してユイも駆け寄るも、新八に怪我や異変は無い。

「何とか……って、アレは?」

「怪人? まさかマッドネバーの?」

 そして二人は飛び出してきた物体の正体を、まじまじと凝視した。白い体色に覆われた全身と、機械のような固い外骨格。その正体はミラーモンスターの一種、シアゴースト。恐らくだが、マッドネバーの先兵と言っても過言ではないだろう。

「ギィィ!」

 奇妙な鳴き声を上げながら、周りに不快感を与えていく。

 マッドネバーの脅威が地球にも……いや万事屋にも牙を剝き始めていた。




 いかがでしたでしょうか? 長篇の一発目は。まずは別人とはいえ、スリーピングナイツの強さは圧巻でしたね! ダークライダーの特性をすぐに分析して、相手の有利な状況すら完封する働き。流石は騎士団に選ばれただけありますね!
 そんな彼らを卑劣な手で貶めたアナザーエターナルことオベイロン。正々堂々と戦わずに、数で頼る様は情けないと思います。
 さらにユウキにも動きがありました! 予告で出ていた紫色のウサギ、その正体はガイアメモリで変身させられた彼女だったのです。ウサギに変身したユウキは、ふとしたトラブルでALO星から地球に移動してしまいます。ということは、万事屋とも出会うのかもしれませんね! ホロスコープスを単独で撃破するユウキ、強くないですか?
 仲間達はオンラインメモリのせいで、サイバー空間に囚われてしまいましたが……きっと戻ってきます! 信じて待っていてください。
 もう一つ今後この作品では結構な数の怪人が出てきますが、あまり知らない方もいると思います。その場合名前は気にせず、怪人A、怪人Bと判別する方がいいかもしれません。もし興味があれば、設定集随時記載するのでよろしくお願いします!

次回予告

レオイマジン「お前らはもう逃げられないということだ」

ユイ「このウサギさんが、私達を助けてくれたんです」

アスナ「このウサギの色、どこかで見た覚えが……」

リュウガ「ほぉう。ここが万事屋か」

神楽「なんでこいつがいるアルか!?」

銀時「なんでもいいから、撒いてくれや!」

キリト「どこまで追いかけてくるんだよ!」

新八「おぃぃぃぃ!! なんだよ、このふざけたメモリは!?」

妖国動乱篇二 マッドネバー再来襲!

全てを破壊し、全てを繋げ――






教えて、銀八先生―!

銀八「はーい、突然の銀八先生ですー。読者から来そうな質問について答えるぞ。つーか、剣魂だと初めてじゃねぇ? ではペンネーム、キバットバットⅤⅢ世からの質問―。銀魂世界にあるALO星の騎士団システムが気になります。銀八先生、教えてくださいと。俺もそんなに詳しくないから簡潔に言うと、ほぼ公務員と一緒だよ。姫様を守るだけじゃなくて王族全体を守る必要があるから、それこそ一年ごとに人員を入れ替えたり増やしたりしなきゃダメだろ? だから毎年採用試験を行っているそうだ。ちなみに何度も受験していいが、その間は定職に付けないので、大抵の奴は四年でギブアップするそうだぞ。後はチームでの採用なんて個人と比べたらぐんと難易度が高くなるから、こっちの世界のスリーピング・ナイツが如何に凄いか分かるだろ? と言うわけで、投稿者のトライアル。まったく関係ないが、お前はさっさと就活体験記でも書いてろ」
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