ハイスクールD×D-魔法漢女に拉致された偽物が歩む道ー 作:マッシュ
大徳寺達に少年神父を引き渡した俺とアーシアは現在、我が家で茶をすすっていた。
何故、アーシアが我が家に居るのかと言うと、彼女が住み込みで働く予定だった教会は警察によって家宅捜査が行われているからだ。
そして、最近街でうろついている神父たちの所持品チェック等が並行して行われる様になった。
お陰で、違法神父は危険物所持と銃刀法違反の罪で次々と逮捕された。
この調子ならば、アーシアもすぐに教会に戻る事も出来るだろう。
「にゃ~」
ふくれっ面の我が家の黒猫を一撫でして、夕飯の準備に取り掛かる。
1
翌日の朝。
俺が、朝食の準備をしているとトテトテと足音を立てながらアーシアが居間へとやって来た。
お朝はあまり強くないのか、日本と祖国の時差に慣れていないのか?
彼女の目は少しだけトロンとしており、まだ眠たそうだ。
「もう少し寝ていてもいいんだぞ?」
「いいえ…エミヤさんのお手伝いをしまふぅ」
一宿一飯の恩というヤツだろうか?
外国人なのに日本人よりも礼儀正しくて、彼女には本当に感心させられる。
だが、その調子だとケガの恐れがある為、俺は彼女に顔を洗ってくるように薦めるのだった。
顔を洗って来たアーシアに朝食の準備を手伝ってもらった後、二人と一匹で朝食を食べた俺達はそれぞれの予定について話し合った。
「私はこれから仕事に向かうが…アーシアはどうするのかね?」
「そうですね……しばらくご厄介になるのと思いますので、ご迷惑でなければこのまま家のお手伝いをしようと思っています」
「そうか、それは非常に助かる。
それと、君が望むのならこのまま下宿して貰っても構わない。
部屋は無駄に余っているのでね」
「にゃ!?」
俺の言葉に《マジか!?》と言わんばかりの表情を見せる猫の姿をしたままの黒歌。
猫の姿は窮屈なのかも知れないが後で猫缶を上げるので彼女の為に耐えてもらおう。
「本当なら買い出しもしたいのですが……」
「ふむ…日本語が分からないか……。」
「…すみません」
「気にする事はない。
今日、日本語を勉強する為の教材をそろえよう」
「え!?悪いですよ!!」
俺の言葉に焦って辞めてもらうように声を出すアーシア。
「子供が遠慮する必要は何処にもない。
もし…どうしても気になると言うのなら、私が困っている時に助けてくれればそれで充分だ」
「むぅ…分かりました」
俺の提案に渋々納得したのか、彼女は諦めた様に了承した。
そうさ、子供が遠慮する必要なんかない。
色々学んで、将来の糧にしてくれればいい。
俺は残った皿の後片付けをアーシアにお願いし、学園へと向かったのだった。
2
学園に出勤し、いつものように業務をこなす俺。
本日も、元気な生徒達の姿をモチベーションに頑張っていたのだが……。
ふと、思ったのだ。
アーシアの学校は大丈夫なのかと。
実年齢はまだ聞いて居ないが、恐らくは中学生~高校生くらいだと思われる。
下宿先の教会があんな事になってしまったから、学校を休まざるを得ないのは仕方がないが……。
帰ったら彼女の身柄を一時的に保護している者として学校側に連絡しておこう。
確実に連絡を入れなかった事について怒られると思うが、そこは自分が悪い。
誠心誠意の謝罪をして、許してもらおう。
仕事を早急に終わらせ、休み時間を利用し、テレビの音をBGMに用務員室で謝罪の為の原稿を作成していると…。
『昨夜、違法薬物使用の疑いと銃刀法違反で数日前に逮捕された自称神父の少年が駒王警察署から脱走しました。
少年は薬物反応を見る為の尿検査を行う際に共犯者と思われる人物が少年を逃亡させる為にトイレの壁を破壊した事が原因とみられています。
少年達の所在は不明で、現在は警察が血眼になって捜索しております』
テレビから思いがけないニュースが流れ、自然と原稿制作の手が止まる。
少年神父とは恐らく、大徳寺達に引き渡した彼の事だろう。
まさか、仲間に壁を破壊させて逃亡するとは……。
最近の少年達のぶっ飛び具合に戦慄しながら、彼らの早い再逮捕と更生を心から祈った。
3
謝罪文を完成させ、残った仕事を定時までに終了させた俺は、オカルト研究部のある旧校舎へと向かった。
部室に入ると、オカ研の部員が勢ぞろいして、何かを話し合っていた。
来るタイミングを間違えてしまったか?
部員たちは話を中断し、乱入者である俺に視線が集中する。
「丁度よかったわ。
貴方にも力を貸して欲しいの」
「立っているのも何ですから、こちらにどうぞ」
部長であるリアス・グレモリーの言葉を合図に姫島朱乃にソファーに座るように促される。
尋常ではない雰囲気を感じ取った俺は、彼女達に抵抗する事なく、ソファーへと着席した。
「それで?私に力を貸して欲しいと言う事だが…どういった状況なのかね?」
「じつは、今から数時間前に堕天使から連絡があったの」
「なに?」
リアス・グレモリーの真剣な声色で聞こえた堕天使と言う言葉に思わず、眉を顰める俺。
連絡をわざわざしてくるとは、蘇った兵藤をもう一度殺す為の罠か?
「『アーシア・アルジェントを返しなさい』と言う要求と要求に従わなかった場合は指定の時間に学園へ総攻撃を仕掛けるらしいの。
正直、このアーシアさんには心当たりがなく、これからやって来る堕天使達の対処に頭を悩ませていたのよ。
そこで、傭兵をやっていた貴方の意見を参考に聞きたいのだけど……」
「すまん!」
「え?」
色々と心当たりがあった俺は、彼女達にアーシアの事を正直に話す事にした。
自分のやらかした事に後悔はないが、生徒達にかなりの迷惑を掛けていた事を知って心が潰れそうだよ!!
言い訳も脚色も一切なく、俺は大徳寺達の事以外はすべてを話した。
そして、しばしの沈黙が部室を支配して……リアス・グレモリーがゆっくりと口を開く。
「お人好しと言えばいいのか、シロウらしいと言えばいいのか……」
「…怒らないのかね?
私のせいでかなりの迷惑を掛けたと自覚しているのだが……」
「別に気にしていないわ。
彼等の侵入を許した時点で何かが起こると思っていたし、堕天使達にとって重要な人物であるアーシアさんの保護もしてくれた。
堕天使側の計画を潰してくれた事に感謝こそすれ、非難するつもりなんて一切ないの。
でも…本当に連絡だけはして頂戴」
「本当にすまない」
本当に申し訳ない。
危うく、生徒達に自分の失敗の尻拭いをさせてしまう所だったと、冷や汗を流す俺。
明日の放課後には、謝罪の意を込めて生徒会とオカ研にスイーツの差し入れを行う事を決めた。
4
堕天使と神父の集団を迎え撃つ為に、彼女達に協力する事になった俺はスマホを取り出し、断腸の思いで自宅の警護を大徳寺達に頼んだ。
『ふむ……ならばこちらからも君の勤める学園の生徒達を守る為に援軍を送ろう』
「いや、私達の繋がりは悪魔である生徒達に知られるのは不味い。
好意は嬉しいのだがこちらは私に任せて貰えないだろうか?」
『なるほど!確かに想定外の出来事で我々《魔法少女》の正体を子供である生徒達に知られたら不味いな!!
悪魔とはいえ、子供たちの夢を壊さないようにするナイスフォローだ!!』
いえ、子供たちの心を破壊しないようにする為です。
『では、我々《魔法少女》以外の増援を送ろう!!』
「ん?今、神父を捜索している警官隊を寄越してくれるのかね?」
『いや、剛三郎が優秀な刑事達を勧誘して秘密裏に結成した特殊部隊だ。
人数はまだ少ないが、裏事情に精通しており、そちらに送って貰えば助けになるはずだが…どうする?』
警察の特殊部隊か……。
大徳寺の話では魔法少女ではなく、裏事情に精通した人間らしい。
ここは、生徒達に被害が出ないように協力要請をしよう。
「頼む。
生徒達を守りたいんだ」
『HAHAHAHA!!任せたまえ!!
すぐに剛三郎に連絡しよう!!』
「……本当にありがとう。
お礼に、コスチュームに強化の魔術を施そう」
『本当かね!!?すぐに剛三郎に連絡しよう!!!』
この電話の数秒後、警察庁長官である九条剛三郎が秘密裏に作った特殊部隊が派遣される事が決定した。
簡単すぎる登場人物 魔法漢女編。
大徳寺(ミルたん)
ミルたんの変身前の姿を考えて居たら、声が同じであるという事で、オールマイトな感じの性格になりました。
容姿に関しては原作通りで、変更はありません。
九条 剛三郎(ミルたんオルタ)
本作に登場するパロネタのキャラで、警視総監。
モデルはハガレンのキング・ブラッドレイ。
変身時には眼帯を装着しております。
ムーン&サン。
ぶっちゃけ、名前が変わっただけで、こち亀の特殊刑事課の二人組。
以上です。