ハイスクールD×D-魔法漢女に拉致された偽物が歩む道ー   作:マッシュ

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※頑張れ、フリード君!!は三人称となります。


頑張れ、フリード君!!

フリード・セルゼン

かつて、教会の上司達に将来を期待された天才エクソシスト。

しかし、任務を遂行する度に彼の心は歪んでいき、天才エクソシストは悪魔よりも恐ろしい残虐な性格へと変貌する。

ある日、彼は重大な任務でターゲットである悪魔のみならず、それにかかわった人間を拷問にかけて殺すという事件を引き起こした。

 

これにより、フリード・セルゼンは教会から追放され《はぐれエクソシスト》となる。

 

そんな彼は、己の楽しみである悪魔殺しを続ける為、堕天使の配下となって日本へと渡った。

だが、日本に来た彼を待っていたのはとんでもない不幸であった。

 

白髪頭の魔術師には薬物使用の疑いを掛けられボコられた挙句に警察に連行され、復讐を試みるも顔面に蹴りを入れられて一瞬でボロ雑巾。

だが、混乱する戦場をコッソリと逃げる事に成功していた。

実にしぶとい少年である。

 

「許さねぇ…ぜってぇに許さねぇぞ。

クソ白髪」

 

少年は、より強い増悪の炎を燃やしながら裏路地を歩く。

もはや、彼の復讐を止める者は誰もいない…と、思われたその時だった。

 

「おー、やっぱりだ。

おいてめぇら、この白髪のガキが九条の旦那が探していた神父君じゃないか?」

 

三人の男達がフリードの居る裏路地へとやって来た。

口ぶりから察するに、フリードの情報を知っているようだ。

二人の男達の真ん中に居る髭の男がフリードを見てパイプを吸いながらニヤ付いている

 

「へい。特徴も一致していますし、間違いはないかと。

ですが親分……」

 

「親分じゃねぇ!!先生か社長だっつてんだろ、この野郎!!

殺すぞ!!!」

 

「すみません!!社長!!」

 

フリードから見て右の男の言葉に激怒する髭の男。

持っていたパイプを地面に叩きつけ、右の男の胸倉を掴む。

社長と呼ばせているが、どこをどう見ても立派な極道である。

 

「で?その社長さんが俺様に何のようでありんすか?

俺っちは今、チョー忙しいんでござんすよ。

ジャパニーズ極道には用がないんで帰ってチョンマゲ」

 

目の前の極道に構っている時間はないと、彼らを追い払う為に持っていた拳銃を懐からチラつかせる。

極道とはいえ、平和な日本で活動する生温い組織ならこれで逃げ出すはず。

だが、目の前の極道達は逃げ出さなかった。

 

そう、彼等は普通の極道ではなかった。

 

「九条の旦那に比べればハジキなんざ、怖くねぇんだよ!!!」

 

「そんな豆鉄砲がなんぼのもんじゃい!!」

 

「あの人のせいで、何人が病院(精神科)に送られたと思ってやがる!!」

 

彼等はとんでもない恐怖を乗り越えて、極道を脱却した元極道だった。

もはや、恐ろしいモノなど魔法漢女以外にはないと自負している。

 

「…よく見たらテメェ、いい顔してるじゃねぇか。

おい、コイツを拘束しろ」

 

『ヘイ!!』

 

手慣れた動きで、フリードの関節を決めて地面に叩きつける男達。

 

「おい!!神父である俺様に手を出してただで済むと思うなよ!!」

 

硬いアスファルトに押さえつけられ、身動きが取れなくなり悪態をつくフリード。

だが、そんなフリードを見て社長と呼ばれた髭の男はニヤリと笑った。

 

「おー、イキがいいねぇ……。

神父が何?神様が俺達にバチでも与えるってか?

舐めんじゃねぇぞクソガキ!!こちとら神や魔王よりも恐ろしい、大魔神共を見てんだよ!!

ラブ&ピースされてんだよ!!!」

 

よほど、恐ろしい目にあったのだろう血を吐くような社長の叫びが裏路地に轟いた。

 

「よぅし、お前を旦那に突き出すのは止めだ。

コイツをタイに連れて行け」

 

タイという単語にビクッと体を一瞬震わせる二人の男。

目の前の髭の男は一体何を企んでいるのだろうか?

てっきり、海の底に沈められるのではないかと思っていたフリードは疑問の表情を浮かべていた。

 

「お?不思議そうな顔をしているな……。

実はおじさん、とってもクリーン(・・・・)なアイドル事務所を経営している犬金っていうんだけどね。

君……背も小さいし、イケメン君だからアイドルになりなさい」

 

「は?」

 

「聞こえなかったの?ウチの事務所でアイドルやれって言ってんだよ」

 

フリードは男の言っている、意味が理解できなかった。

何故に自分がタイでアイドルをしなくてはならないのだろうか?

 

「タイに行けば、警察に追われなく(・・・・・)なるし、アイドルになれば金も稼げる。

ウチの劇場は地下だから、君の身元もバレる事は絶対(・・)にないから安心しなさい」

 

「……アンタに一体何の得がある?」

 

「嫌なに、最近は銀髪のアイドルが流行ってるじゃん?

ウチにも欲しいんだよ、銀髪のアイドルが……。

何なら警察に行くか?今なら大魔神がラブ&ピースを教えてくれるぞ?」

 

「……」

 

髭の男の考えはまるで読めなかったが、自分がタイでアイドルをすると言えば、ひとまずはタイへ逃げられる事を理解したフリード。

彼はニヤリと笑い、タイに行く事を了承した。

 

勿論、フリードはタイでアイドル活動をするつもりなど微塵もない。

適当な所で男達を撒いて、逃げ出せばいいと考えて居るのだ。

 

「よし!小僧を車に乗せろ!!

タイへ直行だ!!!」

 

男達に車に乗せられ、空港へと向かうフリード。

タイへ向かう道中……髭の男の部下達の対応は非常に優しかった。

 

 

 

 

数日後…彼はタイの病院で手術を受けた

ようやく彼は間違いに気づいたのだ。

 

タイに来たのはアイドル活動をするのではなく、アイドルになる為の手術を行う為だったのだと。

 

 

 

 

手術と治療魔法の合わせ技により、最速で手術を終えたフリードは芸能プロダクション《犬金企画》就職した。

そして、彼は自身の捜索が続く駒王町に戻って来た。

 

彼の表情は暗い。

当然だ、彼の失ったものはあまりにも大きい。

もはや逃げる気力もない。

彼は車の窓から見える青い空をずっと眺めていた。

 

「ほら、着いたぞ」

 

彼を乗せた車が犬金企画のビルの前で止まり、外に出る様に促されるフリード。

彼は道中優しく接してくれた部下の男に従い外に出た。

 

そして、外に出た彼に集まる視線。

黒塗りの車から現れた銀髪美少女(・・・)の登場に道を歩いていた老若男女、全員が彼に視線を向けて頬を赤く染めている。

中には、彼を捜索している警察隊と思われる警官達も含まれていた。

 

その光景に瞳がさらに死んでいくフリード。

 

「さて…行こうか可児 那由多(かに なゆた)ちゃん

先輩も君が来るのを楽しみにしているよ。

そうそう、先輩達の挨拶が済んだらアイドルトレーニングが待っているから気を引き締めてね?

分からない事があったら、一緒に基礎を鍛えなおす事になった先輩達が教えてくれるから」

 

フリード改め、銀髪美少女となった那由多ちゃん。

彼女の未来は暗い暗雲が立ち込めていた。

 




那由多ちゃん容姿が気になった読者様は《妹さえいればいい》を検索してください。
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