ハイスクールD×D-魔法漢女に拉致された偽物が歩む道ー   作:マッシュ

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7話

生徒会室からオカルト研究部へとやって来た俺は、眠そうにしているリアス・グレモリーに対価の紅茶を淹れていた。

 

「ありがと…」

 

「眠そうだが…大丈夫かね?

生徒会長も心配していたぞ」

 

俺の淹れた紅茶を一口飲んで、ホッと一息つくリアス・グレモリー。

かなりお疲れのようだ。

 

「そうなの?まあ、大した事はないのよ。

ただ、私の使い魔が偶然にも堕天使と複数の神父を見たそうなの。

最近は駒王町に潜んでいるされている魔法少女を名乗る正体不明の集団の捜索に追われて、そっちの警戒が緩くなっていたのよ。

おかげで、いろいろと調べるのが遅れてしまって徹夜しちゃったの。

一応、この後にソーナや上の方にも報告はつもりよ」

 

「ほう……今度は堕天使に神父か。

君も大変だな」

 

正体不明の魔法少女にバリバリ心当たりのある俺だったが、素知らぬ顔で彼女を労った。

知り合いの変態達がすみません。

 

「まあ、土地の管理と上への報告も人間界で留学する為の条件だもの。

しょうがないわ」

 

日本に留学するために土地の管理と何かあった時の報告義務とは……悪魔の世界は意外と厳しいようだ。

 

「なるほど…では、私はこれ以上君に負担を描けないように、失礼しよう。

何かあったら相談してくるといい」

 

「……ええ。考えが纏まったら、貴方に相談に行くわ」

 

疲れた様子の彼女を背にオカルト研究部の部室を出た。

 

堕天使に神父か……敵対勢力らしいし、学生で悪魔の彼女には大変だろう。

…よし!

 

俺は急いで仕事を終わらせ、自宅へと帰った。

 

 

 

 

翌朝、子作りを所望する黒歌の誘惑を振り払って学校へとやって来た俺は、昼の時間に持参した水筒を持って三年の教室のある三階の廊下に来ていた。

もちろん、用事があるのはリアス・グレモリーだ。

 

「エミヤさん。こんにちわ」

 

「いつも、お疲れ様です」

 

「部室の壁の修理を有難うございます」

 

廊下を歩いていると、何度か会話や世話をしたことのある生徒達に声を掛けられる。

生徒達に挨拶や礼を言われる……こういう時に仕事のやりがいを感じるんだ。

心をほっこりさせながら、生徒達に言葉を返してリアス・グレモリーの教室に向かう。

 

すると……。

 

「おーエミヤ先生、いいところに来ましたね。

俺達の議題に加わってくださいよ」

 

首からカメラをぶら下げた小柄な青年に呼び止められる。

彼の名前は福本(ふくもと) 育郎(いくろう)

三年を代表する問題児の一人である。

写真部の部長であり、人数だけで実績のない写真部を救った事がある。

救った当初は喜ぶ彼らを見て喜んでいた俺だったのだが……。

 

「すまんな、これから用事があるので……お前たちの会話には参加できない。

ちなみに……どんな議題に私を参加させるつもりだったのかね?」

 

「女の部位で、王道的な所以外で萌えるところはどこか?

というフェチな話です」

 

《変態三人組》の一人である松田の師匠で、

とんでもない盗撮魔だったことを知り、後悔したのは記憶に新しい。

もちろん、盗撮を知った俺は彼等の事を生徒会に報告し、写真部は社会奉仕や反省文などのペナルティを課せられたと聞く。

 

「やっぱり、わきですよね!わき。

もう、夏とかムワッとメスの香りを漂わせて最高じゃないですか!!

……嗅いだ事ないけど」

 

「君はいい加減にしないと、そろそろ捕まるぞ」

 

彼の変態談義によって俺まで変態だと思われる事を恐れた俺は、彼に一言だけ注意して早々に立ち去った。

まったく、この学園には変態や変人が沢山いて困る。

生徒会長の話では霊能力者や魔物使いまで居るらしいからな。

そういう関係もあるんだろうと自分に言い聞かせながら、俺はリアス・グレモリーの教室へとやって来た。

 

「あらあら、エミヤさん。

どうかしましたか?」

 

教室の前で目的の人物を探して視線をさまよわせ得ていると、姫島 朱乃が俺の存在に気づいてわざわざ俺の元へとやって来た。

大和撫子な彼女に癒されながら、俺は彼女に用件を伝える事にした。

 

「リアス・グレモリーは居るかね?」

 

「あら?リアスに用ですの?」

 

「ああ、昨日は相当疲れていた様子だったからな。

例の対価で、疲れに効くお茶を持ってきた」

 

「まあ、そうだったんですか。

ですが…残念ながらリアスは今、席を外していますの」

 

「了解した。では、この水筒を渡しておいてくれないだろうか?」

 

「わかりました。

わざわざ、有難うございます」

 

アポなしで来た俺から水筒を快く受け取ってくれた彼女に感謝しつつ、水筒の返却は何時でも構わない事を伝えた俺は、そのまま仕事へと戻った。

 

 

 

 

仕事に戻った俺は、グラウンドに生えた雑草や転がる石の駆除を開始する。

この時期は新入部員の入った運動部が夏の大会に向けて活発に活動する時期だ。

自主的にやってくれる生徒達も居るが彼等が少しでも練習時間を取れるように頑張らねば。

 

………。

 

気合を入れて、草をひたすら毟って石の撤去に数時間を費やした頃。

終業のベルが鳴った。

これからグラウンドを使う運動部が出てくる時間だ。

 

俺は彼らの邪魔にならないように急いで4袋分のゴミを担いで学校の裏へと移動を開始する。

ゴミを指定の場所へと置き、持ってきたハンカチで汗をぬぐっていると人がやって来る気配を掴んだ。

 

「数は一人か……」

 

まるで達人の様だと自分でも思いながら、こちらに向かってくる気配に気を配る。

生徒だとは思うが、ここは悪魔も通う学園。

何があっても不思議ではない。

 

そんな事を思って、向かってくる気配に視線を向けていると《変態三人組》の一人。

兵藤一誠が姿を現した。

 

彼がスケベな事以外で姿を現すのは珍しい。

しかも、つい数日前の彼からは想像もつかない程の真剣な表情だ。

一体、俺に何の用があるのだろうか?

 

「エミヤさん……少し、時間を貰ってもいいですか?」

 

「ああ、構わんよ。

ここでは落ち着いて話も出来ないから、話は生徒指導室でいいかね?

今なら特別にお茶を淹れよう」

 

「え?いいんですか?」

 

俺の提案に呆気にとられ、呆けた表情を見せる兵藤。

まあ、普段から俺は彼に注意や説教しかしてないからな。

彼の反応は仕方がないのかもしれない。

 

「早く行くぞ。

君が珍しく、私に相談を持ち掛けたのだ。

親身になるのは当たり前だ」

 

「ありがとうございます!!」

 

頭を下げる兵藤の肩を軽く叩いて、男二人で生徒指導室へと向かった。

 

 

 

 

生徒指導室にたどり着いた俺達は何時もの対面する形で席へ座った。

机の上にはもちろん俺が淹れたことで最上級の味が引き出された緑茶の入った湯呑が置いてある。

彼は俺のお茶を美味しそうに飲みながらホッと一息つくと、俺に相談内容を話し始めた。

 

「実は俺、初めて出来た彼女と明日デートするんですが…。

俺にとっては人生初めてになる女子との初デートなんです。

それで…大人のエミヤさんにどうすればいいのか聞きたくて……。」

 

「………」

 

スケベで元気いっぱいの彼からは考えられない弱気な姿と、童貞で二次元が恋人だった俺には何とも言えない相談で思考が一瞬止まる俺。

正直、知らない。

生身の女の子とデートしたことない俺には未知の領域だ。

ギャルゲやエロゲの知識が現実に役に立つとは思えないし……。

 

そもそもだ、相手の趣味を知らないとデートプランを立てようがないのではないだろうか?

悩める兵藤の為に頭を必死に回転させた俺は、彼のデートプランの為に持久戦覚悟で一つ一つ、確認をとっていく事にした。

 

「兵藤、デートについて相談を受ける前に教えて欲しい。

彼女の趣味は知っているか?」

 

「え?……あー、すみません。

まだ、俺達は付き合ったばかりで……俺は彼女の趣味とか、何も知らないんです」

 

申し訳なさそうに話す兵藤だが、俺はそれどころではない。

ゲームでもクエストに挑む際は出現するモンスターを調べて、武器や防具を揃えるのは常識だ。

相手の情報を知らないで突撃するのは自殺行為!!

これは難易度が、かなり跳ね上がったぞ!

 

こうなったら……!!

 

「…わかった。

ならば、インターネットで色々なデートスポットを調べよう。

高校生と思われる口コミや掲示板の書き込みを見れば役に立つはずだ」

 

助けて!!Goo〇le先生!!!

 

この後、俺達童貞は先生のお力を借りて必死に高校生らしいデートプランを構築した。

長時間、スマホとデートコースをメモするノートにかじりつきながらも彼の相談を乗り切った俺は、確かな達成感を胸に抱えて、フラフラと体を揺らしながら自宅へと帰宅した。

 

何時もよりも遅い時間に帰って来た俺は黒歌に小言を言われてしまうが、最後は仙術で疲れた体を癒してくれた。

その後、急いで夕食を作った俺は彼女に今日の出来事を話した。

彼女は兵藤の話をする俺に『シロウらしいにゃ』と、呆れながらも最後まで話を聞いてくれた。

 

休み明けの彼の報告が楽しみだ。

 

 

 

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