ソードアート・オンライン 昏睡の万能剣士   作:六道聖

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第2話 突然の再開

5人全員が座りなおしたのを確認した後に、まずキリトの状況確認から始まった。

 

「えっとリュウとアスナは現実世界では幼馴染で、お互いにSAOをやってることは知らなかったってことでいいんだよな?」

「ああ、その通りだ」

「うん・・・」

「アスナさんどうかしたんですか?リュウさんとせっかく会えたのに元気がないように見えますけど?」

「ああ、それは俺も気になってたんだ。リュウと再会した瞬間のアスナは嬉しさというより戸惑ってるように見えたんだが?」

「アーちゃん、話せることだけでも話せないか?ここで聞いたことはもちろん外部へは漏らさないからサ」

「それは・・・」

 

アスナの元気がないことを心配するシリカとそのことに疑問を覚えるキリトとアルゴの質問にアスナは言葉が続かないでいた。

だからこそ俺はその後に続く言葉を口にした。

 

「それは俺に原因があるんだよ。な、アスナ」

「っ!リュウくん・・・」

 

アスナは今にもまた泣きだしそうな顔でこちらを見上げてきたため、ただ優しく頭を撫でてやった。

 

「お前に原因って喧嘩でもしたのか?」

「いや、そうじゃない。喧嘩とかじゃなくて、俺がここ(SAO)にいることが原因なんだよ」

「は?お前がここにいるのが原因ってなんだよ?」

「おいおいリー坊・・・もうちょっとわかりやすく言ってくレ」

「俺は本当ならここにはいないんだよ。今は意識不明で病院にいるはずだからな」

「「「え?」」」

 

原因を聞いた3人は当然意味がわからないだろう。

突然自分が原因でアスナが元気がなくて、自分は意識不明なんて言われてもなんて返していいかわからない。

 

「ちょ、ちょっと待て。意識不明?じゃあお前はナーヴギアを付けずにここにいるってことだよな?」

「そうだな。手術が終わった後にわざわざナーヴギアを付けるほど俺の母さんはおかしくないな」

「手術か・・・。リー坊、事故か何かカ?」

「ああ、おそらく脇見か居眠りのどっちかだろうな」

「そんな・・・」

 

俺を挟んでアスナと反対側に座っているシリカもショックを受けていて、また無意識だと思うが俺の服の裾を震える手で握っていた。

その手を安心させるために握ってやり、考えに浸っているキリトのためにも話を続けた。

 

「話を続けるな?キリトはどうして俺がこの場にいられるのか考えてるんだろ?」

「あ、ああ。常識的に考えたとしても無理だろ?」

「そうだな。ところでキリト、お前は転生みたいなことありえると思うか?」

「転生ってあれだろ?漫画やアニメである異世界転生みたいなのだろ?」

「わかりやすいのはそれだな。俺はそれに近い状態らしい」

 

これは俺にここのことを依頼してきた女神から聞いたことだ。完全な転生や転移ではなく、夢を見ているというわけでもないらしくナーヴギアを着けて閉じ込められているキリトやアスナと同じでSAO内で死んでしまうと現実でも死んでしまうらしい。

 

そのことをしっかりと伝え、自分がチート能力持ちだということも伝えた。

もちろん俺の状態は絶対に外に漏らさないようにとアルゴにも念を押した。

 

「それにしてもリー坊はよくその女神っていう奴の依頼を受けたな。オレっちだったらもっと情報を聞き出してから飲むか決めるけどナ」

「だろうな。だけど俺は今後の人生を天秤に掛けられてたんだ、それなら危険かもしれないが生きられる方を選ぶ」

「俺だって同じ立場になったらリュウと同じだとは思うが、騙されるかもとか考えなかったのか、明らかに胡散臭いだろ?」

「確かに騙そうとしてるんじゃないかとは疑ったさ、でもやっぱりそれ以上にまだ生きたい気持ちのほうが強かったんだ。たとえ騙されてチート能力を貰えなかったとしてもそれは騙された俺が悪いんだ、生きる権利を貰えただけでも儲けものだと思わないか?」

「それはそうだけどな・・・」

 

キリトが言いたいことはわかる。

キリトとはβの時はおすすめの宿の場所を教えるために話しただけだった。それでもキリトにとっては力のなかった俺は守ってやりたいと思えたんだろう。だからこんなにも心配をしてくれている。

 

「キリト心配してくれるのは嬉しい。だけどここで死なないかぎり俺は生きていられる、だから心配するな。どうしても心配・不安になるっていうなら俺の頼みを聞いてくれ」

「わかった、で頼みって何だ?」

 

前々から信頼できる人に頼もうとしていたことをキリトに頼むことにした俺は順番にちゃんとした。それはこのSAOで生き抜いていくため、クリアをするために必要なことだと俺は考えていた。

 

そしてキリトへの頼みごとというのがこれだ

 

・可能な限り攻略最前線に行くこと

・アスナに戦い方を教え、しばらく一緒に攻略していくこと

・命を落としかねない行動は極力しないこと

・何かあったら必ず相談すること

 

この4つを提示すると当然ながら横から反論があった。

横から、そうアスナとシリカだ。

 

俺はβ時代に圏外出ていたキリトだからこそアスナを預け、自分の命を守れる程度の力を手にしておいてほしいそう思っていた。

 

「いや、嫌だよリュウくん!!SAO(ここ)だったとしても会えたことには変わりないのにまた離ればなれは嫌!!」

「私もアスナさんと同じです!せっかく会えたのにあんまりですよ!」

「お、おい2人とも落ち着けって」

「キー坊の言うとおりだ、オレっちもアーちゃんとシーちゃんと気持ちは同じだぞ。でも最後まで話は聞いたほうがいいゾ?」

 

アスナはまた泣き顔になりながらシリカはすごく怒ってますと言わんばかりに手を強く握ってきた。

でもキリトとアルゴの言うとおりちゃんと話は最後まで聞いてほしい、まだ話は続いているんだから。

 

「俺だってアスナと会えたのに離れて行動するのは辛いんだ、でも理由があるんだよ」

「リュウ、もしかして攻略組の戦力が関係してるのか?」

「なるほどそういうことか、さすがリー坊自分のことより他人のことをちゃんと気にしてるんだナ」

「褒めてないだろ、アルゴ」

 

にゃハハハそんなことないサ、と誤魔化しつつ話を続けるように促してきた。

話を戻そう、さっきキリトが言った攻略組の戦力それはその攻略組が弱い人ばかりだからではない。βテスターだったり別のMMORPGをやっていたやつが攻略組にいるだろうから戦力としては申し分ないだろう。でもここはβテストではない、真の戦場というべきだろう。自分の命を掛けた真の戦場、少しでも戦える人を増やして死者を減らさないといずれ崩壊する。

 

俺は知り合いが死ぬのを見たくない。

アルゴは情報屋だから例外を除けば外に出て戦闘することはないだろう、だがアスナたちは俺と一緒にいればいずれモンスターやPKと対峙することになる。それに階層が上がれば敵は強くなる、他の人を優先して守るのが難しくなる。守れなかったと後悔なんてしたくない。

 

そのことを伝えると理解はしているが納得がいかない表情をアスナはしていた。

 

「俺がアスナと一緒にしばらく行動するとしてお前はどうするんだ?」

「俺はシリカに戦い方を教えるのと、街での戦力探しだ。戦えるが圏外に行かない奴を見つけたら説得しようと思う」

「じゃあオレっちはそういうやつがいないか情報を集めてリー坊にリークしてやるヨ」

「悪いな、助かる」

 

俺の状態や今後の話をしていたらいつの間にかかなりの時間がたったらしく、外はすっかり暗くなっていた。

アルゴは街にすでに宿をとっていて明日から情報を集めるからと帰っていったが、宿を決めていなかったキリトとアスナを俺とシリカのいる農家に泊めることにした。ここは普通の農家と違い空き部屋が2部屋あり、両方確保していたため男部屋女部屋として分かれて寝ることにした。

 

やっとデスゲーム1日目が終わりを告げる、つまりこれからデスゲームが始まるということを心に刻み、俺たちは眠りについた。

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