火のエルは、他のエルが眠るカプセルの前にいた。
『おのれ、あと少しという所で忌々しいヤツらだ。 …我が半身よ、今こそ集うのだ!』
大きくちぎれた両腕をかかげ、天を仰ぐ。すると、カプセルにヒビが割れ、中からエルシリーズが飛び出した。そして、全てのエルシリーズは火のエルに飲み込まれていった。
『おおっ、力がみなぎっていく!』
ちぎれた腕もタコやイカのような触手が生え、再生していた。背中からは羽が生え、足は硬いゾウのような皮膚へと変貌している。水のエル、地のエル、風のエル、そして火のエル、四つの特徴を体に備え、エルはパワーアップした。
『これならば、ヤツらも一捻りよ!!』
『そうやって粋がってるとな、返り討ちに合うってのが、定番なんだよ!!』
威勢のいい2号の声に振り向くと、アギトも隣にいた。
『ここで決着をつけさせてもらう!!』
『来るがいい!!』
『ライダァァァァ、パァァァンチィ!!』
2号が得意のパンチで攻撃するが、胸元へ当たったものの、あまりの堅さにはじき返された。
『ってぇー!!』
『一文字さん!!』
着地はしたものの、2号は手をブルブルと振っている。
『この程度か、仮面ライダァァァァ!』
強化エルは触手をアギトへ叩きつける。
『ホッ、ハッ!!』
アギトは触手攻撃をいなしていく、だが強化エルの目が光った瞬間、アギトの胸が爆発した。
『ぐああああっ!!』
『翔一ィ!』
2号は、すぐに必殺の体勢を取る。
『チッ、トォォォッ!!』
2号は空中で通常よりも回転を多くしていく。
それはさながら、ヨーヨーのように回転していった。
『ライダァァァァかいてぇぇぇえん、キィィック!!!』
必殺の蹴り技が強化エルの胸元に着弾する。だが、またしてもはじき返されてしまう。
『人ならざるものよ、貴様から始末してくれる!』
『そうは、させない!』
グランドフォームからフレイムフォームへと切り替わったアギトが、フレイムセイバーを持って、乱入してきた。
『タァァァァ!!』
見事に強化エルの触手を両断するが、触手はすぐに再生してしまう。
『くそっ!』
『そう悔しがるなよ、翔一。…もう少しだ』
『…えっ?』
2号がアギトの耳元でささやく。
『翔一。すまないが、あと一回、俺に攻撃する時間をくれ』
2号には、なにか考えがあるらしい。
『わかりました、一文字さん。その隙に!』
『おう!』
『こそこそとしても無駄だ』
強化エルの光弾が迫ってくる。アギトはフレイムフォームからグランドフォームへ戻り、避け始めた。
『いくぞっ!』
強化エルの間合いにわざと飛び込む。そして、攻撃をさばいていく。
『グッ!! ガッ!!』
アギトからカウンターパンチを数発受け、怯む強化エル。
『よし、ここだ翔一ィ!』
2号のかけ声がすぐ後ろから飛んできた。
『ライダァァァ、まぁぁぁんじキィィィック!!』
高速回転しながら触手をはじき返していくと、2号は強化エルの胸へ直撃し、
ドリルのように肌が抉っていく。
『グゥゥゥ、この程度でぇぇぇ!』
『翔一、チャンスは今しかない! いくぞ!』
『はい!!』
二人のライダーは頷くと、同時のタイミングで天高くジャンプした。
『『トォォォッ!!』』
『タァァァァァァッ!!!』
『ライダァァァキィィィック!!!』
赤と金色の閃光が強化エルを貫いた。
エルの頭に天使の輪が出現する。
『…なん、だとォ!!』
エルだった何かが四分割に割れ、そして爆散した。次の瞬間、周囲のカプセルに誘爆が発生し、連鎖的に室内にも爆発が生じていく。
『いかん、ここは危ない! 真魚ちゃんを連れて脱出するぞ!』
『はいッ!』