「か、めんラ、イダー…?」
初めて聞く単語だ。でも、なんでだろう。なんだか懐かしい。
『ちゃっちゃと片付けるからよ、少しだけ待っててくれ』
火のエルへ視線を戻し、2号は対峙する。
『いくぞ、トォーッ!』
2号はその場を飛び上がり、パンチを繰り出す。エルは腕を十字にクロスさせて、ガードモーションをする。
『パンチと、見せかけてぇ!!』
2号は空中で体勢を変えた。
『ライダァァァァチョップッ!!』
バキィッ!とした音と共に、エルが後ずさる。それでも、エルの腕はなんともないようだった。
『ほぉ、私も甘く見られたモノだな』
『コイツは挨拶代わりだ、よっ!!』
続け様に2号はパンチやキックを繰り出していく。
「すごいあのエルがおされている…、ハッ!」
2号とエルの戦いを見ていた翔一は、それまで動けなかった身体が自由になっている事に気がついた。
「身体が動かせる! …でも、今のオレじゃ…」
翔一は変身出来ない自分の手を見つめる。
「翔一くん!!」
聞き慣れた声に振り向くと、真魚がそこにいた。
「勝手に駆け出して、ようやく見つけたよ?!」
「真魚ちゃん、ダメだ。ココに来ちゃ!」
「…え? なんで?」
状況を飲み込めていない真魚は不思議な顔をしている。
『おいおい! 真魚ちゃんもここに来たのか!!』
エルと戦闘中の2号がこちらを振り返らないまま、叫んだ。
「え? だ、誰? !!!」
真魚も2号と戦っているエルに気がついたらしい。
「説明は後でするから、とりあえずここは逃げよう」
この場にいても、一文字の足手まといになる、そう思った翔一は真魚を連れ出そうと試みる。
『そーしてくれると助かる!』
「すみません、一文字さん、ここは任せます!」
「え? い、一文字さん?!」
驚く真魚の手を取り、翔一は走り出す。
「ちょっと、翔一くん! どこに行くのー!」
二人が走り去ったのを確認し、2号は安堵した。
『…うし。ようやく本領発揮できそうだな、改めて行くぞ!』
エルは2号ではなく、走り去った二人の方角を見ていた。
『面白い。…アギトの連れは、いいニエとなってくれそうだな…』
『なに? 贄だと?』
『………』
2号の話を聞かず、エルは思い耽っているようだった。見かねた2号は必殺技の行動へ移る。
『トォォォォォーッ!!』
エルのいる方向へ飛び上がり、キックの姿勢で突撃する。
『ライダーキィィィッック!!!!』
キックが着弾する瞬間、エルの姿が残像のように消えていく。
『!?』
エルのいた場所に地面が深く抉れる程の破壊力を放ったが、全く手応えがなかった。
『貴様の相手をするのは、またの機会にな…』
言葉をつぶやいたエルは完全に消えた。
『くそっ!』
その場に立ちすくむ2号だった。