真っ白な世界。
目蓋を閉じて横たわる自分が見える。その近くには白い服を着た青年が、自分を見下ろす。顔だけぼんやりとして、ちゃんと見えない。
(なんだ…?)
『津上翔一。…起きなさい。あなたはここに来てはいけません』
エルのように脳に直接聞こえる声だが、優しく聞こえる。前に聞いた事のある声だ。
(でも、誰だろう?)
『…いいですか。このままでは、あなたやあなたの仲間が守り続けてきたヒトの命が奪われてしまう。それを防ぐ為にも再び立ち上がらねばなりません』
(………そうだ、もう一度あの力を!)
翔一は目を見開き、すぐに起き上がる。立ち上がった時には、目の前の青年がアギトの姿をしていた。
『そう、それでいい…』
白い光が辺りを覆う。一瞬だけ、目の前のアギトの顔が見たことのある青年の顔に見えた。
光が消えると、そこは先程、自分が吹き飛ばされた広場だった。幸いにも攻撃は外れてくれたらしい。
「夢…だったのか…」
『翔一、大丈夫か?』
2号が駆け寄る。
「はい。一文字さん、オレも戦います」
ゆっくりと立ち上がり、翔一はなにかを理解したかのように深く息を吸い込む。そのまま両呼吸を整え、腰に手をあてた。すると、それまで現れなかった変身ベルトが出現した。ゆっくりと右手を前方にスライドさせていく。
「変身ッ!!」
叫びと同時に両手でベルトの腰部分にあるボタンを叩く。ベルトから放たれる光。光が収まるとそこには、アギトの姿になった翔一がいた。
「はーっ」
どうしてこの姿になれなかったのか、自分でセーブしていたつもりはない。
でも、大事な人を守りたい、そんな気持ちを人一倍思ったからなのかもしれない、そんな気がした。
『翔一、変身出来るようになったんだな』
『はい!』
二人のライダーが怪人達と対峙する。
『アギトに変わったといって!』
アクィラの光弾が先程よりも、多く迫ってくる。アギトは華麗に攻撃を避けていく。
『ハッ、ホッ!』
『どうして一発も当たらない!?』
飛んできた光弾を見ないで避けるアギトに、アクィラも混乱気味だ。すぐにアギトはストームフォームへフォームチェンジをする。すぐにベルトのオルタリングからロッドを出現させ、展開したロッドはストームハルバードとなった。
『ハァァァァァァッ!』
飛来する光弾を両断しながら、攻撃を捌いていく。徐々に突風が巻き起こり始める。
『ヤァァァァァッ!!』
アギトはストームハルバードから小さな竜巻を発生させると、その風の弾丸を
アクィラ目がけて放った。
『グゥッ! 翼に穴が!』
アクィラの白い翼にぽっかりと空洞が出来て、体勢を崩す。
『今だ! ウオオオオオッッッ!』
アギトは手に持ったストームハルバードを更に回転させる。そして、渾身の一撃で超特大のハルバードスピンを放った。
『グォォォッ!!!!』
アクィラは空中で大爆発を起こした。