FINAL FANTASY Ⅵ~偽レニア~ 作:ひきがやもとまち
なお、お詫びの印として番外編のオマケ話に『ケフカ君とウーマロ君は我慢が苦手』と言うのを最後に掲載させてもらってます。
フィガロ城の主であるエドガー王から許可をもらって城内を探索し終えた後、セレニアは城の東側にある塔の特別な一室にあるベッドの上で女の子座りしながら困り果てていた。
ーーーシリアスで重い空気で交わされる会話の内容に、全く付いていけてなかったからである・・・・・・。
「帝国・・・私は帝国の兵士・・・」
「・・・だった。帝国にあやつられてたウソの姿。
でも今は違う」
「よく・・・・・・わからない。どうしていいか。頭が・・・・・・痛いわ」
ーー城内見学が終わってから玉座の間に戻ってきた直後、城を訪ねてきた帝国からの使者ケフカとエドガーとの話し合いを運悪く立ち聞きしてしまってからティナは、やや精神が不安定になってしまっている。それは素人であるセレニアにも理解できるほど明確に表に現れていた。
現れているのだが、しかしーーー。
(そもそも帝国って、なんじゃい)
・・・異世界転移一日かそこらの地球出身者には、この世界に関する知識などまったく存在していなかったので本気で何言えばいいのかよく分かっていなかった。
考えてみたら、ナルシェからフィガロ城まではウーマロに運ばれてきたから早かったし、到着する少し前から日射病と闘うので忙しかったしで、転移先の世界に関する基礎知識を養う時間的余裕が全く与えられないまま、現在に至っている限定的記憶喪失少女セレニア。
自分のことは思い出せないけど地球のことは分かる。ただし、異世界に関してはズブの素人。・・・ようするにこの場において只一人、本気で何も知らされてない関係者が一人混じってしまっていたわけなのだった。
(うーん・・・慰めようにも『帝国』っていうのがよく分かりませんからねー。
銀河帝国だって新旧二つで全然中身違ってましたし、アバロン帝国みたいに世界平和のため領土拡張を続けまくってた帝国皇帝もいるわけですからねー・・・・・・ゲームでは)
RPGっぽい世界観の異世界なのでゲームを基準に考えてみたら余計に迷うだけだった。現代日本のオタクにとって帝国とは、夢とロマンと混沌あふれる不思議国家体制なのですよ。
しかし、このままだと話が進んでいても自分が役立たずすぎる。張れるほどの見栄はないが、せめて今晩のディナー代ぐらいは払っておかなければ放り出されかねんと、セレニアは多少強引にでも気分転換になりそうなネタを何とか捻り出せないものかとない知恵を必死に振り絞っていた。
・・・傍目にはボンヤリしながら黙り込んでる風にしか見えない身体的特徴の持ち主だったけれども、それはオリジナルのせいであって自分のせいではない。
残りカス風情に過剰な義務と責任を求めるのはやめましょう。いえ、やめてください。マジ無理ですんで。
(えーと、えーと、話逸らしに都合のいいネタ、都合のいいネタ・・・・・・そうだ!)
運良く適当なのを思いだした彼女は早速それを使うことにする。他に手だてがないときには思い付いたのを使う。バカの考え休むに似たり。
自分如きでも頑張って考えれば最良の解決手段が思いつけるなどという精神論を、セレニアは微塵も信じていない悪い子です。
「・・・・・・・・・」
「これからは自分の意志を持てって事さ。
今はあまり深く考えない事。道はいずれ見えてくるーーー」
パンッ!!!!
「「・・・(ビクゥッ!?)」」
突然に柏手を打ったセレニアに不意を付かれて、思わずビクッと驚かされてしまいながら振り向いてくれた二人に対しセレニアは、人付きのする笑顔を作って好意的に笑いかけるとこう言ったのだ。
「自己紹介!」
「「・・・は?」」
「自己紹介をしましょう! そういえば私たち正式にはまだやってませんでしたから!」
ーーと。
・・・さもナイスアイデアだと言わんばかりの笑顔を浮かべるセレニアに、ロックたちはやや困り顔だ。
「自己紹介って、言ってもなぁ・・・」
「え、えぇ・・・」
後頭部をかくロックと、少しうつむきがちになるティナ。
それもそのはず、この部屋に到着したとき一応すませたつもりになっていたからだ。
しかし、セレニアの認識は彼らとは微妙に異なっていた。
「私たちは互いが互いのことを、自分以外を通してしか知りませんからね。どうせだったら自分のことは自分で相手にお伝えしてみたいとは思われませんか?」
「・・・まぁ、気持ちは分からなくもないけど・・・」
「それにロックさん、この部屋に案内してくれたときに何か言い掛けてたじゃないですか。あれの続きを聞かせてくださいませんか?
私としてはドロボウとトレジャーハンターとの違いについてロックさんがどういうポリシーを持っているのかという事を聞いてみたいのです」
「うぅ~ん・・・・・・」
ロックは近い過去の自分を思い出しながらも、やや困るしかない。
何故なら彼にとって自己紹介は『紹介する過去を持っている自分がすべき事』ではあっても、『記憶を失っていて話したくても話すことが出来ない少女にさせる事』ではなかったから。
相手が知っていて当たり前なことを、自分だけが知らないと言うのは辛いものなのだ。そしてそのことを意識して自覚させられる行為は傷ついてしまうものなのである。
その事実を彼は自分の亡き恋人との関係で知っていたから、自分はしてもティナには強制しないつもりでいたのだが。
「・・・それは・・・私も少しだけ、やってみたいかも・・・」
「ティナ・・・?」
意外なことに食いついてきた相手は記憶喪失の少女ティナだった。
ロックは困惑したが、ティナはセレニアの発した言葉の持つ意味に気付いていたのだ。
『ロックさんがどういうポリシーを持っているのかという事を聞いてみたいのです』
言葉の締めくくりとして付け足すように添えられた一文。これが彼女の本当に伝えたかったことなのだろうと、行動を縛る余計な知識やしがらみがなく、何も知らないティナは本能的に直感で悟ることが出来たから。
セレニアはオリジナルには絶対不可能な、ニッコリ笑って朗らかな笑顔をたたえると共にティナの選択を絶賛した。
「さすがはティナさん! よく分かってらっしゃいますね!(ぶっちゃけ動機とかは何でもいいのですが)ではまず、言い出しっぺの私から。
ーーセレニアです。自分に関する記憶がないみたいですので、出身地とか年齢とか本名とか色々と分からないことだらけの子供です。ぶっちゃけセレニアって言うのも本名なのか別のナニカの名前なのかも分かりません。
でも、一般的知識はあるみたいなので完全な記憶喪失って訳でもなさそうですし、半端者ってところでしょう。以上! 終わります」
・・・ものすごく元気のいい記憶喪失少女の『半端にしか覚えてないから分かることしか分からない無能者』アピールだった。
『中身がない者ほど見栄えをよくして取り繕う』という警句を恥ずかしげもなく実践できてしまうあたりにセレニアという少女の本質はあるのかも知れなかった。
ようするに、『終わりよければたぶん良し! 後は知らん!』
・・・オリジナルの残りカス少女には、カスしか残ってないので誇りもない・・・。
「・・・名前も覚えてないって・・・セレニアって言うのは名前じゃない可能性もあるってことなのか?」
「はい、そうみたいですね。とは言え、覚えている範囲では『セレニア』と言う名前が一番違和感なく使えるみたいですから、たぶん名前として使っていても大丈夫でしょうきっと」
「けど・・・」
「思い出したら本名の方もお伝えしますから、そう心配そうなお顔をされないでください。大丈夫です、どっちで呼ばれても違和感なくお返事できるように訓練しておくつもりでいますから何とかなりますよ、きっと。ダメならダメでそのとき考えてみるつもりでいますしね」
「・・・・・・・・・」
「あ。それから言い忘れていましたけど、私って動物たちの話す言葉が時々だけ解る能力があるみたいです。炭鉱都市っぽい場所でも言いましたけどね、精度についてとか滅茶苦茶半端なものだって事はいまいち伝わり切れてないと思いましたので今お伝えしておきたいと思います。
たとえばーーーーーーーー」
『ウ・・・ウガーーーーーーーーーーッッ!!!!』
「・・・・・・今の雄叫びが雪男さんなりの自己紹介で、『オレ、力すごい!』との事だと解るときがある程度です・・・」
「そ、それは確かに・・・・・・」
半端だった。たとえようもなく中途半端すぎる能力だった。
いや、そもそもそれって本当に翻訳できてるのか?ってぐらいには信用していいのかどうかよく分からん精度の能力モドキでしかない、セレニアの特殊コマンド紹介でした。
「ちなみにですが、ずっと雪男さん呼びのままでは可哀想でしたので『ウーマロ』さんと呼ぶことにしてみました。特に意味はないのですが、なんか呼ばれる当人が気に入ったらしいので・・・」
『ウッガーーーーーーーッ!! ウッホ、ウッホ♪ ウッホッホ♪』
「・・・・・・ほらね? このように大喜びで呼ばれたがるので私には他にどうすることも出来ずに成り行きで・・・」
「わかった。わかったから、その救いを求める目で俺の方だけを見つけてくる癖はやめろ。罪悪感で胃が押しつぶされて死んでしまいそうになるから・・・」
しょうもないやり取り。先ほどまでの重い空気は雲散霧消し、代わって和やかな空気が溢れ出す。
ーー余談ですが、ウーマロさんはフィガロ城見学の際は一人で適当にどこかへ行ってたみたいです。何しろ我慢強い性格ではまったないですからねぇ~。
本能で動くタイプでもあるので、なに考えてるのかはさっぱり分からないけど、怒らせない限りは安心安全であることはセレニアからエドガーを通じて場内全体に通達がいっていたので問題なかったみたいです。皆やり過ごしました。触らぬ雪男に祟りなしですーー。
突然、クスリ、と。誰かがカワイらしい仕草で吹き出す音が聞こえたりもするが、二人は気付かずやり過ごしてあげる。これが男のマナー。セレニアも元男になった後だろうと、自覚してないから健在です。
「クスクスクス・・・・・・あ、ごめんなさい。次は私の番だよね。ロックはさんざんやってきてるから」
「う」
確かに。この場にいる中では最多自己紹介数を誇るトレジャーハンターの色男に今更語らなければ解ってもらえないことなど、話したいけど話したくない亡き恋人レイチェルとの悲しい記憶と、ドロボウとトレジャーハンターがどう違うかぐらいしか思いつかない。
レイチェルのことを言うわけにはいかないし、言いたくもない彼としてはトレジャーハンターに対するこだわりしか話す内容が思いつかず、その内容がティナの自己紹介より優先されるべきものだと思いこめるほど自分の仕事に誇りは持てない。
だって、基本的には盗みだし。守るべき女の子の方が大事だし、優先順位は上に設定しておくのが彼にとっての常識だし。
・・・変なところでフィガロ国王エドガーと共通点を持っているロック。
性質は違うがお互い気が合う間柄であり続けていられるのは、根が女好きという点で一致しているから・・・なのかもしれない。もしかしたらだけれども。
「じゃあ、私ね。ーー私は・・・名前はティナ。
・・・ごめんなさい、今はそれしか思い出せないの・・・」
「ティナ・・・」
ロックは彼女の悲しげに歪む顔を見つめ、自分の心が軋む音を確かに聞いた気がした。
こうなることは解っていた。だからこそ彼はティナに悲しい思いをさせないため守り抜く決意を固めていたのに! それなのに・・・!!
「・・・けどーーー」
・・・え?
意外にも続きがあったティナの言葉に、ロックは目をぱちくりしながら驚きとともに見つめ返して、自分とセレニア。二人を等分に眺めやりながら揺れる瞳に不安をいっぱいに抱え込みながら。
ティナはそれでも二人の目を見つめて、己の口から決意を言葉として世界に示そうと最大限の勇気を振り絞る。
「知っていきたいと思ってる・・・自分のことを。少しずつでいいから、思い出していく努力をしたいと思ってる・・・」
「たぶん、それは辛いことやイヤなことも一緒になって思い出すことに繋がるんだろうなって、わかってはいるから怖いけど・・・それでも今の私は私のことを知りたいと思ってる。思い出したいと心のどこかでは怯えながら願ってる・・・」
「きっと私は二人に対して迷惑をかけてしまう・・・私が使える不思議な力のせいで、二人まで巻き込んでしまうのは悪いことだ、いけない事だっていうのもわかってはいるの・・・」
「・・・でも、それでも私は二人に手伝って欲しいと思ってる。私の勝手な思い出探しを一緒にしてほしいと願ってしまってる・・・。悪いのに、ダメなのに・・・それでも私は二人と一緒にいたいと思ってしまってる・・・。
だって・・・この世界で目覚めたばかりの私にはまだ、セレニアとロックの二人だけしかいないんだもの・・・」
「ティナ・・・・・・」
ロックは悲しげに歪むティナの瞳を、先ほどとは別の想いを込めて見つめていた。
それはーー罪悪感だ。自分は知らず知らずのうちにティナのことをレイチェルと『全く同じ存在』として認識していたことに気づかされていた。本人の口から誤解について指摘を受け、気付かされていた。
考えてみれば当然のことで、ティナはティナであってレイチェルではない。記憶喪失という状態は同じであっても、全く同じ対応をして全く同じ感情を抱いてくれるかどうかなんて分からないし、分かるわけがない。
なぜならロックはティナのことを知らない。名前以外は何も知らない。知る術もない。
自分でも自分のことを知らない女の子として、0から付き合いを始めなければいけない相手だったのに、レイチェルを知っている自分は『何も知らない相手であるティナを知ったつもりになっていた』のだ!
「・・・・・・あつかましいお願いかもしれないけど・・・二人とも、私の記憶が戻るまで、それまでの間だけでもいいから一緒について来てください。私の思い出探しを手伝ってください。お願いします」
ペコリと、頭を下げるティナを見てロックは慌てる。慌てざるを得ない。
本来なら自分の方が謝らなければならない一瞬を先を越されて謝罪のタイミングを逸してしまった! どうしよう!?
「ーーはい、ティナさん。私はあなたの思い出探しを、喜んでお手伝いさせていただきます。
弱っちい上に無能なので足手まといかお荷物になることぐらいしか出来ないかも知れませんけど、こんな私でもよければ私なりに出来ることをしてみたいと思いました」
「ありがとう、セレニア・・・そして・・・私をよろしくお願いします」
「承りました。私なりにが上限ですが、頑張ります」
二人の少女が互いに想いを伝え合っているシーンを見せられたロックは「あ」と、ようやく理解する。セレニアの言葉の真意を。この自己紹介というやり取りの目的を。
最初に彼女は言っていたではないか。
『自分が』トレジャーハンターについて『どういうポリシーを持っているのかという事を聞いてみたい』と。
(そうか・・・。互いが互いに自分のことを教えあうだけが自己紹介じゃないんだ。
自分が自分をどう思っているか、これから自分が何をしていきたいのか。願いや想いを伝え合うのも自己紹介における一つの形だったのか!)
そう。それがロックの至った答えであり、効率主義者のセレニアが思いついた自己紹介しあう口実であり目的。
もとより互いの情報は他人を通してでも手に入れられるし、記憶喪失の人間が話す情報なんて信憑性はほとんど存在していない。本人がウソを付いていようといなかろうと、覚えてないことを思い出しただけでは他人の思惑による関与の可能性を否定できないからだ。
本当だと思いこまされている可能性は常にある。真実だとして続きがあるかも知れないし、ウソを付かれてないだけかもしれない。
だから情報自体に価値はない。価値のないもののやり取りそのものには意味がない。
ーーならば無意味で無価値なものには付加価値をつけよう、見出そう。
無駄なものを「無駄だから」と捨ててしまうのは日本人だから『もったいない』。せっかくだから有効利用してしまおうという、セレニアなりのコミュニケーション活用法。・・・この子、性格いいのか悪いのか・・・微妙です。
「・・・ところでティナさん。あなたの思い出探しをお手伝いする代わりと言ってはなんなのですがね。ーー助けてもらえませんか? なんか神官長のお婆さんがいた部屋で小さい女の子から聞いた『けっこん』の話がいたく気に入ったらしくて、さっきから服を脱がされかけてまして・・・ちょ、やめ、う!く、はぅ・・・っ!!」
「・・・ごめんなさい、セレニア。今の私の力だとそれは無理そうなの・・・可哀想だけどその・・・がんばって?」
「は、薄情者ーーーーーーーーっ!?」
「アハハハッ!」
バカバカしさここに極まれりだ。今まで抱え込んでいた諸々を自覚させられ落ち込んでる前で、自覚させてきた張本人たちは気にもせずにピンチを迎えてしまっている。
ーーもしかしたら世界は自分よりもずっとシンプルで、単純明快にできてるのかもしれない。難しく考えていたのは自分の方かも知れない。
一時の気の迷いかも知れないけど、ロックはそう思っていた。そう思わずにはいられなかった。
だって、ほら。こんなにも自分が落ち込んでた悲しい過去が悲しいまま、笑って思い出せる今この時があるのだから。
(ああ、レイチェル・・・出来るなら君と一緒にこの時を。この気分を味わいたかったぜーー)
「ぎゃーーーーーっ!?」
『ウゴーーーーーッ!!』
すぽーーーーーーっん!!!
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「・・・・・・へ?」
はたと我に返るロック。
目の前には雪男に服脱がされてパンツ一丁になってる幼女(認識の上では未だ男。この後気付いて絶叫しますが余談です)。
パンツ姿で羽交い締めにされてる幼子を、優しげな笑顔と瞳で見つめる成人男性。職業トレジャーハンター、世間的にはドロボウ。年齢25才、独身。
・・・・・・そして、そんな二人を等分に眺めながら静かな瞳で、本当に無言のまま見つめてくる一人の無垢で清楚な少女。本人は知らないけど年齢18才。わりかし恋に恋するタイプの乙女。
ーーー色々どうしようもないほど窮地になってるロックだった!
「ち、違うぞティナ!? お、俺はロリコンじゃないんだ! 信じてくれ!!」
「・・・・・・」
「ちょ、ティナさん? どうして俺だけ部屋の外へ追い出そうとしているのかな? まだ俺の自己紹介終わってないんですけど?
ドロボウとトレジャーハンターは同じように思われがちだけど大違いであって、その理由は・・・」
「・・・・・・ロック」
「は、はい」
「・・・・・・・・・・・・しばらく部屋に入ってきちゃ、ダメ・・・。覗いても・・・ダメだから・・・」
「・・・・・・はい・・・・・・」
こうして、夜に起こるフィガロ城大火災までの時間をノンビリと有意義に過ごしていた三人と一匹でありましたとさ。めでたしめでたし?
つづく
おまけ『ケフカ君とウーマロ君は我慢が苦手』
ケフカ「まったくエドガーめ! こんな場所にチンケな城を建てやがって。偵察に派遣された私の身にもなってみやがれ! ほれ、クツの砂」
兵士たち『ハッ! 綺麗になりました!』
ケフカ「ヒャーッハッハ! ・・・・・・つまらん! ほら、行くぞ! グズグズするな!」
フィガロ兵「あ、ケフカさま。今日はいったい何の・・・・・・いえ、それより何より今この門を通られるのは危ないですので止めておいた方が・・・・・・」
ケフカ「どけ!!」
ドン! バン!!
・・・・・・ずずーーーーーーん・・・・・・
ケフカたち『へ?』
ウーマロ「ウゴ?」
ケフカ「な、なんだ貴様は! こんなちっぽけな国の人間が皇帝直属の魔導士であるケフカさまを高い位置から見下ろしてくるなど無礼ではないか! 上から見下ろしていいのは目上にたつ人間にだけ許されている神聖な行為なんだからな!?」
ウーマロ「ウ・・・?」
ケフカ「ええい、いいからそこを退け! 俺サマは頭の悪そうな体力バカと、人の言うことを素直に聞くいい子ちゃんぶった奴が大嫌いなのだ! 腹立たしい!!」
ウーマロ「ウ・・・ウー・・・・・・」
ケフカ「ええい! いいからそこを退け! 退けと言うのだ、このデカブツ! 俺サマの行く手と視界をさえぎるんじゃねぇーっ!!!」
ウーマロ「ウガーーーーーーーッ(激怒・切れやすい数え始めてから4歳児)!!!!」
ドッシーーーーーーーン!!!
希に飛び出すウーマロの『体当たり』攻撃が発動した! 効果は抜群だ!
ケフカは遠くのお空まで飛んでいって星になった!!
ケフカ「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
兵士たち『け、ケフカさまーーーーーーーーーーっ!?』
ウーマロ「・・・ウゴ?」
注:この後、ケフカは帝国兵士たちの手によって低調に砂から掘り出してもらえました。
『尚、この件に関してフィガロ側は一切のコメントを返しておらず「知らない、わからない、触らぬ神の祟りにでも触れちゃったんじゃない?」と繰り返しており、帝国当局の対応が今後の帝国とフィガロ王国との関係を左右するものと思われます』:帝国新聞