魔法戦記リリカルなのはWarriorS   作:雲色の銀

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第13話 虐殺の魔爪

 夕陽も殆どが沈み、暗い夜空に星々が煌めき始めた。

 人質となっていたスバルを無事に取り戻し、これで遠慮なく戦える。ソラト達はタイプゼロ・サードにデバイスを構え追い詰めていた。

 

「相棒、私達も行くよ!」

〔はい〕

「マッハキャリバー、セットアップ!」

 

 ソラトの後ろでは、解放されたスバルが首から下げた青いクリスタル型のデバイスを取り出して起動させた。すぐに活発な私服が普段のローラーブーツと篭手型デバイスを装備したバリアジャケットの姿へと変わる。

 スバルも戦線に加わり、3対1となる。サードがいかに新型の戦闘機人とはいえ、分が悪いのは明白だ。

 

「人間2体ならまだしも、機人1人追加か……」

 

 しかし、サードは焦ることなくガントレットを装備していない左手を高く掲げ、指をパチンと鳴らした。

 すると拠点にしていた小屋が轟音をあげ、木っ端微塵に吹き飛んだ。更に、残骸から何かがこちらに向かって猛スピードで突進してくる。鈍いメタリックカラーのボディに、金色の長く鋭い角を頭に備えている。太い腕には角と同じ色の爪が3本。その姿は、さながら二足歩行のサイだ。

 

「セカンド姉さんにはこの玩具で遊んでてもらう」

 

 サードは集団戦になった時のために予め新型のガジェットを用意していたのだった。

 ネオガジェット・タイプCの赤いアイカメラがスバルを敵として認定した。

 

「わっ!?」

 

 素早い突進攻撃を、ローラーブーツによる加速で避けるスバル。そのまま追い掛けっこ状態になり、ソラト達からどんどん距離を離されてしまう。

 

「スバル!?」

「余所見してる余裕があんのか? 人間!」

 

 ネオガジェットとの戦闘を強いられてしまったスバルを心配するソラト。そこへ、サードが容赦なく襲い掛かる。

 

「くっ! エド兄!」

「人間の攻撃が当たるかよ!」

 

 マサカーネイルでの突きを大剣の腹で受けとめ、動きが止まった瞬間にエドワードが狙撃する。攻撃を予測していたサードはバックステップで急いでソラトから離れ、魔力弾を回避した。

 相変わらず人間を見下している様子を見せるサード。機械であることがそんなに良いのか、ソラトにはその理由が分からなかった。

 

「何でそこまで機械であることに拘るんだ!」

 

 大剣をサード目がけて横薙ぎに斬り掛かるが、屈んで避けられてしまう。即座に鋭い爪が胸へと突き立てられそうになる。

 

〔Holy raid〕

 

 その瞬間、ソラトがサードの目の前から姿を消した。対象を失った爪は空を切り、サードの視界には消えた目標の代わりに、遠くからこちらへ照準を合わせたエドワードの姿が入った。

 

「こっちだ!」

 

 加えて、短距離移動魔法"ホーリーレイド"で背後に回ったソラトがセラフィムを振り下ろした。

 だが、サードは未だに慌てる素振りすら見せず、右腕の装甲で大剣の刃を受ける。

 

〔Forte burst〕

 

 同時に、サードの背後から藍色の射撃魔法が放たれた。マサカーネイルはセラフィムを受け止めているので、防御に使えない。

 

「っはぁ!」

 

 サードは地面を強く踏み鳴らす。すると真下から衝撃波が起こり、サード自身を真上に吹き飛ばした。

 

「なっ、うわっ!?」

「ソラト!」

 

 今度はサードがその場にいなくなったことで、エドワードの射撃はソラトへ命中してしまう。コンビネーションを破られ、倒れるソラトに対しサードは元いた場所に着地し余裕の笑みを浮かべた。

 

「人間は弱くて不完全だ」

 

 サードはエドワードへと標的を変え、カタカタと爪を鳴らしながら特攻していった。エドワードも魔力弾を連射して迎え撃つが、右腕に全て弾かれてしまう。

 

「機械のような正確さ、頑丈さ、そして冷徹さが欠けている!」

「くっ!」

 

 魔爪を大きく広げ、狙撃手を引き裂こうと腕を降ろす。エドワードは訓練で身につけた軽いフットワークで避け、勢い余った爪は地面に突き刺さった。

 敵の武器はガントレットのみ。それさえ封じれば後は頭を打ち抜き昏倒させ、捕縛すればよいはずだった。

 

「このまま大人しく……!?」

 

 しかし、奇妙なことがまたもや起こった。突き刺さった爪から地面を伝い、エドワードに向けて衝撃波が放たれたのだ。予想外の攻撃に、防御する間もなくエドワードは吹き飛ばされてしまう。

 最初にソラトが奇襲をかけた時、ソラトと挟み撃ちを掛けたエドワードが狙撃した時、そして今。三度衝撃波が起きている。

 

「そうか、貴様のインヒューレントスキルが分かった」

 

 地面を転がり、すぐに起き上がったエドワードは今までの現象を冷静に分析し、サードに1つの答えを出した。

 "先天固有技能(インヒューレントスキル)"。魔力ではない別のエネルギーを使用する能力のことで、主に戦闘機人が生み出された時に保有する。

 タイプゼロ・セカンド──スバルのIS"振動破砕(しんどうはさい)"は四肢からの振動エネルギーにより、共振現象を発生させて対象を粉砕する技術である。

 

「お前のISは、打撃を与えた箇所から衝撃波を引き起こす能力」

 

 衝撃波が起きる直前、サードは地面を直接攻撃していた。最初と2度目は足で踏みつけ、3度目はマサカーネイルで突き刺している。そして、衝撃波はサードが攻撃を加えた箇所から狙った場所へと発生している。

 膝を付いた状態でブレイブアサルトを再度構えて推理するエドワードに、サードは称賛の拍手を送った。

 

「ハハハッ、当たりだ! 俺の"衝撃破砕(しょうげきはさい)"を当てるなんて、お前人間にしては賢いなっ!」

 

 サードは笑いながら、右手の裏拳で後ろから迫る大剣を受ける。その時、衝撃が刄から柄へ伝わり、ソラトの手からセラフィムが弾き飛ばされた。

 

「うあっ!?」

「けど、終わりだ人間共」

 

 宙を回転する大剣をサードが掴み、落下の慣性に従いながら元の持ち主を斬り裂いた。

 

 

◇◆◇

 

 

 スバルはソラト達の戦いを気にしながら、ネオガジェットから逃げていた。見かけの通りネオガジェットは一直線に突進してくる。今も岩にぶつかったが、長い角と頑丈な体で逆に岩を粉々に砕いてしまう。

 

「このまま逃げてても仕方ない!」

 

 速度は驚異的だが、カーブが利かないのが弱点だった。よって、スバルはウイングロードを使い縦横無尽に走り、翻弄していたのだ。

 しかし、敵は疲れを知らない機械獣。いくら逃げ回ったところで勝機はない。

 

「よし、一か八か! 行くよ、相棒!」

〔やってみましょう〕

 

 スバルはネオガジェットの目の前で立ち止まり、相手とは逆方向へ一直線に走り出した。

 当然、ネオガジェットもスバルを捕捉して猛突進する。マッハキャリバーもアクセル全開で走っているが、速度は五分五分。

 

「いくよっ! せーのっ!!」

 

 スバルの合図でキャリバーは急ブレーキを掛け、草原に跡を付けながら止まる。対するネオガジェットは急ブレーキなど掛けれず、止まる気配がない。

 

「でりゃああああああ!!」

 

 スバルはそれを待っていたかのようにカートリッジをロードし、リボルバーナックルのギアを回転させる。そして突進してきたネオガジェットの角を見切って躱し、装甲が弱い首の間接部へ拳を強く叩きつけた。

 敵の移動スピードもあり、威力を増した必殺拳は装甲を貫き、頭を飛ばすことに成功した。バチバチと千切られた首から漏電しつつも、ぎこちない動きで残った武器である腕を振り回すネオガジェット。

 

〔Divine buster〕

「一撃必倒!」

 

 スバルは両腕で魔力スフィアを練り上げると、左拳で保持しながら中身が丸出しの首へ押し込む。

 

「ディバインバスタァァァァァー!!」

 

 トドメに右拳でスフィアを殴り、水色の砲撃魔法をネオガジェットへ向けて思い切り叩き込んだ。至近距離から砲撃魔法を食らったネオガジェットは、内部から破壊し尽くされ爆発を起こしたのだった。

 

「はぁ、はぁ……やった!」

 

 憧れの人物の影響を受けて編み出した砲撃魔法。それで上手く敵を倒せ、スバルは歓喜した。

 彼女が浮かべた笑みは、機械らしさを微塵も感じさせない、明るいものだった。

 

 

◇◆◇

 

 

 サードによって斬り伏せられたソラトは、斬り傷から"衝撃波砕"による衝撃波を受けて吹き飛ばされた。

 斬撃をまともに受けたためにダメージが大きく、意識が飛びかけている。

 

「この程度でくたばったのか。弱いな」

「ソラト!? 貴様っ!」

 

 エドワードは怒りを露にし、サードを狙い撃つ。だが、マサカーネイルの装甲に阻まれ決定打を与えられない。

 

「焦るな。次はどうせお前だ!」

 

 サードはセラフィムを投げ捨ると、爪を地面に叩き付けてエドワードへ衝撃波を放つ。サードの攻撃を避けつつ距離を取り狙撃するエドワードだが、近距離戦はあまり得意ではない。

 

「君は、機械がいいのか……」

 

 ソラトの弱った声が聞こえる。サードが振り向くと、ダメージが抜けないソラトが拾ったセラフィムを支えにして必死に立ち上がっていた。白いバリアジャケットが血の赤で染まっていく。

 

「君は感情のない機械がそんなにいいのか……」

「チッ、くどいんだよ!」

 

 ソラトの疑問に嫌気が刺し、サードはマサカーネイルでソラトの体を引き裂いた。虐殺の魔爪は少年の皮膚を更に抉り、傷口から鮮血を吹き出させる。

 ソラトは痛みでよろけるが、足を踏張り倒れずにいられた。歯を食いしばり、激痛を堪えてサードを睨む。

 

「人間はやっぱ覚えが悪いな! 機械に感情なんていらないんだよ! セカンド姉さんのような不良品に感化されすぎたな!」

 

 サードは爪に付いた血を払い、その先端をソラトへ突き刺そうと構える。

 人間の手に落ちて感情なんて持ち合わせた不良品の姉と、それを助けに来て死んでいく不完全で愚かな人間を嘲笑う。

 

「感情のない機械がいいのか」

 

 ソラトの頭に残る疑問。しかし、その答えは彼の中で既に出ていた。

 スバルの弟だと言ったサードも、人間らしさを手にすることが出来ると信じていた。だから、ソラトはサードに疑問を投げ掛け続けた。ところがサードは聞く耳を持たず、感情を不要なものと斬り捨てる。

 

「なら、お前はスバルを」

 

 ソラトの脳裏に色んな表情のスバルが浮かぶ。

 出会ったばかりの自分に寂しそうだと言って、優しく手を差し伸べてくれたスバル。

 大好きな人が離れるんじゃないかと恐れながらも、信じて機械であることを証したスバル。

 想いが通じ、涙を流しながら喜んだスバル。

 戦闘機人であるはずの彼女は誰より人間らしかった。そんな彼女に救われたソラトにとって、サードの言い分は絶対に許せないことだった。

 

「僕の大好きな人の全てを否定するっていうのか!!」

 

 咄嗟の反応で、ソラトはサードの攻撃をセラフィムで受ける。衝撃波を放たれる前に魔爪を弾き、空いた腹部を蹴り飛ばす。

 コイツにだけは負けてはいけない。ソラトは激情し、セラフィムを構え直した。

 

「セラフィム、フォルムツヴァイ!」

〔Wing form〕

 

 ソラトの声に反応したセラフィムから、電子音声と共に薬莢が2発飛ぶ。すると、ベルカ式の特徴である三角形の魔法陣が発生し、青緑色の魔力に覆われたソラトの足が数センチ宙を浮いた。セラフィムの刀身からは排出口が出現し、魔力エネルギーによる蒸気を噴出する。

 これがセラフィムの第二形態(フォルムツヴァイ)"ウイングフォルム"である。

 

「な、何をしたんだっ!?」

「スバルがいなかったら、僕だって今頃どうなっていたか分からない!」

 

 サードが爪を振り下ろすが、ソラトは浮いたまま滑るように移動して避ける。まるでスケートでもしているかのような動きだ。

 敵への警戒を忘れず、ソラトは軽々とサードの背後を取る。ホバーの付いた剣は振り抜きやすく、サードが避ける前に背中を弾き飛ばした。

 

「ぐおっ!? テメェ、人間の分際で!」

 

 サードは見下していた人間から受けた一撃に激怒し、ガントレットの装甲部にある銃口から射撃を連射した。

 

「スバルは人間だ! 不良品なんかじゃない!」

「……ああ、ギンガだって!」

 

 流れるようにスライドし、サードの射撃を受け流す。射撃の精度が低いため、サードの攻撃はソラトにまるで命中しない。

 エドワードもソラトに共感しながら、弾丸を打ち落として弟分の道を作る。

 

「こんな、人間なんかに!」

 

 見下していたはずの人間に押されている。その事実がサードを焦らせた。今まで感じたことのない恐ろしさを知り、サードは慌てて爪をソラトへ横薙ぎに振った。

 

〔Grand cross〕

 

 ソラトは爪を体に擦らせながらも避け、真上にセラフィムを構えた。サードから受けた斬り傷からは血が止まらないが、サードに勝つことだけを考えて意識を保っている。

 

「グランドォォォォッ!」

「ちぃっ!」

 

 縦一閃に大剣を振り下ろし、サードを真っ二つに斬り裂こうとした。しかし、斬撃は虐殺の魔爪の装甲を砕きつつも防がれてしまう。

 衝撃破砕は生身でも使用可能なIS。隙を突いて拳1つで衝撃波を加えれば、ボロボロのソラトは墜ちるだろう。サードの計算は間違っていなかった。ソラトの攻撃がこの一振りで終わりだと思い込んでいたこと以外は。

 

「クロスゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

 ソラトは大剣を振り下ろした状態から即座に斜め上へ少し上げ、今度は横一閃に振り切ったのだ。進行方向にホバーを噴出させ、体をスライド回転させているので斬撃の速度と威力は通常時よりも跳ね上がっている。

 第二撃が来ることを全く予想していなかったサードは、ソラトの渾身の一撃をその身に受けてしまう。

 

「バカな、人間ごときに俺がぁぁぁぁ!?」

 

 サードは信じられないという叫びを上げながら機械の体を宙へ舞わせ、十字の軌跡と共に爆散したのだった。

 

「スバルの人間らしい感情が僕を救ったんだ。そんなスバルだから、僕は好きになったんだ……絶対に、人間が劣っているなんてこと、ない……」

 

 スバルが間違っていないことを証言しながら、致命傷を負っているソラトも意識を手放した。

 

「ソラト!」

 

 倒れる騎士の体を支えたのは、猛スピードで走ってきたスバルだった。スバルはソラトの叫びを聞き、感動の涙を流していた。

 

「ソラト、ありがとう」

 

 自分のために傷付きながらも戦ったソラトを、スバル優しく抱き締めた。

 その傍では、エドワードがサードの残骸に近付いていた。これが散々有能だと語っていた機械の末路か。エドワードは嘲笑しながらサードを見下ろす。

 

「完全な機械だろうと、それを造るのは不完全な人間だ」

 

 そう呟き、物言わぬサードの頭部を拾った。

 

 

◇◆◇

 

 

 マラネロの研究室。既に3杯目のカップラーメンを作りながら、マラネロは一連の出来事をモニターで眺めていた。

 

「サードが負けたか」

「そのようだな」

 

 マラネロの背後から別の人間の声がする。薄暗くて顔は見えないが、よく見るとマラネロに剣先を向けていた。

 

「俺にとっては好都合だ。もう少しでアイツがソラトを殺しそうだったからな」

 

 明らかな敵意と殺意を紅い瞳に秘めている。怒りの言葉にも構わず、マラネロはカップラーメンの蓋を開けた。

 

「まぁまぁ、君も食べるかね?」

「いらん」

 

 背中に剣を向けられているにも関わらずラーメンを啜り、挙げ句に相手に勧める始末。少年はつくづく、この科学者がイカれていることを思い知る。

 

「彼の戦闘データが手に入ったからいいじゃないか」

「そういう問題じゃ……もういい」

 

 全く動じないマラネロに呆れ、少年は持っていた大剣を赤いクリスタルへと戻した。

 

「戦いの場を用意している、と言ったら?」

 

 不満そうにしていた少年がピクリと反応する。マラネロが自分の興味を持たせることを言うのは珍しいことだった。

 

「何処だ」

 

 マラネロの予想通り少年が話に食い付いた。狂った科学者は眼鏡を光らせ、ニヤリと笑い一言呟いた。

 

「グリトニル・リゾート」

 

 

◇◆◇

 

 

 サード襲来の翌日。エドワードが拾ったサードの頭部は時空管理局本部で調査されることとなった。

 しかし、深刻なダメージを負っていたとはいえ非殺傷性の構築が甘く、多くの情報を持っていたであろうタイプゼロ・サードを破壊してしまったこと。更に独断行動を責められ、ソラトとエドワードはそれぞれ減俸と1週間の謹慎処分となった。

 最も、深い傷を追ったソラトは1週間以上の入院生活を余儀なくされたが。

 

「もう、ソラト無茶しすぎだよ」

「あはは、ごめん。心配かけて」

 

 病室で、見舞いに来たスバルに叱られるソラト。苦笑しながら謝るが、後悔はなかった。例え死ぬことになっても、スバルを否定され傷付けられて黙っている訳にはいかなかったのだ。

 

「でも、私のために叫んでくれたのは嬉しかったよ」

「えっ、聞いてたの!? あ、あれはその! えーと……!」

 

 はにかんで頷くスバルに、ソラトは今更ながら恥ずかしさが込み上げてきた。

 冷静になって思い返せば、あの時の叫びは告白のようなものだった。まだ早い上、しっかりしたシチュエーションでの告白をしたかったソラトは上手い弁明の言葉を思いつかず、顔を真っ赤にして慌てふためく。

 

「ありがと、ソラト。私も大好きだよ」

 

 スバルは頬を染めて再度礼を言い、ソラトにキスをした。

 彼女の大胆な行為に、ソラトは思考回路が追い付かず目を点にしていた。つまり、スバルはあの時の告白を受け入れたということだ。

 

「え、あ、こんな僕でいいの?」

「うん! 私はソラトがいいの!」

 

 イマイチ自信のないソラトに、スバルはとびきりの笑顔で返す。自分を何処までも明るく照らしてくれる、そんな彼女に照れながら頭を掻くソラト。病室の中、甘い空気が2人を包む。そして、どちらからともなくまた口付けを交わした。

 それから、次こそは邪魔が入らないようにと結ばれたばかりの若いカップルは早速次のデートプランを立てるのだった。

 

 

 

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