邪神系女子のワンピ生活   作:菅野アスカ

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七星剣

「…これを、ですか?」

「はい。気のせいかもしれませんが…妙な力を放っているような気がしたのです」

「まあ、確かに妙な力は持ってますね」

「そうなのですか。…それだけならいいのですが…………あなたは、この島に伝わる伝説を知っていますか?」

「伝説、ですか。ええと、宝石のように美しい剣がある、という話なら噂で聞きました」

噂って言うか、前世知識だけど。

 

「…それは、正しい話ではありません」

「そうなんですか?」

知ってるけど、一応言っておく。

 

「正しい話は、こうです。

『その昔、アスカの国の三人の王子たちは、ひとりの美しい巫女に恋をした。そして奪いあい、戦いにまで発展してしまった。

王子たちは王家に伝わる七星剣をめぐり、争いはますますひどくなり、人々の苦しみと憎しみを吸い、七星剣は妖刀となってしまった。

すると、闇が支配する世界となり、人々が苦しむこととなってしまい、巫女は七星剣の憎しみを一身に受け止め自らの命を捧げた。

巫女の死によって王子達は悔い、神々から与えられた3つの宝玉で七星剣の力を封じた』。そして、100年に1度の赤き月の夜、七星剣は復活すると言われており、その力を封じるために、その夜は、宝玉を用いて儀式をすることになっているのです。私は1度、あの古城で、七星剣を見たことがあるのですが…その宝石からは、どうも七星剣と似通った力を感じるのです」

「七星剣と、似通った力?」

何それ気になる。

 

「はい。…赤き月の夜は、明日。何かあるのではと思ってしまったのです」

「そうなんですか。…………じゃあ、見に行ってみます」

「え?何をですか?」

「七星剣を。気になるので」

「…え?えええええ!?」

「しいっ。みんな起きちゃいますよ」

「で、ですが!!七星剣とその宝石が接触することで何かあったら…」

「何かあったら、遠慮なく私の責任にしてください!!」

私はそう言うと、トラペゾヘドロンに銀の鍵を差し込んで3回回し、叫んだ。

 

「シャンタク鳥!!」

 

すぐにシャンタク鳥が現れた。

 

「私をあの城まで運んで!!」

シャンタク鳥はうなづき、私を足でつかんで舞い上がった。

 

 

 

 

 

 

 

「…七星剣、どこにあるんだろう?」

城についたはいいものの、どこに七星剣が保管されているのかがわからない。

 

あの映画、言っちゃなんだけど、そこまで出来が良くなくて、ざっくりした内容とキャラの外見と七星剣の見た目しか覚えてないんだよね。元々どこに七星剣があったのかとか、覚えてない。

 

「普通に考えたら、宝物庫なんだろうけど…」

呪いの品を宝物庫に放置、というのは考えにくい。

 

「…とりあえず、それらしいところ片っ端から見てみますか」

 

~探索中~

 

「……う~ん、見つからないなあ………ひゃあ!?」

宝物庫、武器庫、玉座の間などを探索しても見つけられず、一縷の望みを託して、絨毯の下に隠されていた、地下へつながっているらしき階段に近寄ったその瞬間、輝くトラペゾヘドロンが、普段の黒い光とは全く異なる、虹色の光を放ち始めた。「キイン、キイン」という、「何か」に共鳴しているかのような音もする。

 

「ひょっとして…ここ、当たり?」

恐々と、階段をのぞき込む。

 

よくよく耳を澄ませると、かすかに、トラペゾヘドロンが発しているのと同じ音がする。

虹色の光は見えないけれど、それはたぶん距離の関係だろう。音から察するに、ここから500mは余裕で離れているだろうから。

 

「…行ってみよう」

そっと、足を踏み出した。

 

~移動中~

 

階段はそれほど長くなく、代わりに、階段降りた先にあった道は、複雑に枝分かれしていたけど、正しい道であればトラペゾヘドロンの光と音が増すから、迷わなかった。

 

「……あった」

 

剣がある。盾がある。槍がある。

たぶん、ここにあるのは、国宝とかなのだろう。どれもこれも埃を被ってはいるけれど、とても美しい。中には宝石がはまっているものまである。

 

その中央に、ひときわ目立つ剣が一振り鎮座していた。

 

黒と金の鞘。

銀色の握り。

金の柄頭と鍔。

柄頭からたれた赤い紐。

鞘に収まっているから、刀身は見えないけれど、間違いない。

七星剣だ。

 

「やっぱり」

トラペゾヘドロンと共鳴していたのは、七星剣だった。

 

近寄るにつれ、音と光が強くなる。まるで、トラペゾヘドロンと七星剣が、出会うことを待ち望んでいたかのように。

 

乗っ取られるんじゃないかと思うと手に取るのが怖くて、正面で立ち止まる。

すると。

 

「!?」

七星剣から、黒い霧のようなものが飛び出したかと思うと…最高潮に達していた虹色の光に、かき消された。

 

「今のって、ひょっとして…」

七星剣が吸ってしまった、人々の負の念だったのだろうか?

 

なら…もう、七星剣は、妖刀ではなくなった?

 

恐る恐る、手に取ってみる。…何も起こらない。

それでもなんだか抜刀するのが怖くて、しばらく眺めていたけど、トラペゾヘドロンと七星剣が発する音が、まるで私を急かすかのように大きくなっていったため、七星剣を抜いた。

 

「……ああ…」

映画と同じ…否、あれよりも神々しい光を纏った、緑の刀身が現れた。

 

虹色の光も、あの音も、もう止んでいた。

代わりに室内を照らすのは、七星剣が纏う優しい光。

これでもう大丈夫。そんな気がした。

 

…あれ、なんか上が騒がしいな。

………ひょっとして、マヤさん、みんな起こしちゃった?




元は聖剣だし、こういうのもいいかなあと思って…
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