「お兄さん…誰…?」
うおっ!?何だこの金髪美幼女!?(驚愕)
あっぶぇ!危うくロリコンになるとこだった。(8割方なってる)しかし何でこんなところにこんな可愛い子がいるんだ?俺が水晶玉で見ていた時はこんな子居なかった筈だ。だとしたら迷子か、まずは怖がらせないように目線を合わせよう。
「俺は鬼童丸、鬼という種族だ。君は?」
「私は…フラン、フランドール・スカーレット。吸血鬼」
「吸血鬼…ということはここの子か」
なんだ、迷子じゃなかったのか。安心したが同時に少し不憫に思う。館の全勢力が戦っているんだ、この子はそれを怖いと思ったのだろう。だから自分の部屋から出てきた、みんなの様子を見に。だとしたら尚更部屋に戻るべきだ。
「部屋は何処だ?俺が一緒について行こう」
「部屋…部屋…一人…ぼっちで…閉じ込められて…」
いきなり話がヘビーになったな、ブツブツ言い出したし。とりあえず懐にある飴ちゃんでも与えてみるか。
「どうした?飴でも舐めるか?」
「飴…舐める…」
ちっちゃいお手手で俺の持っている飴を掴んでゆっくり口に運ぶフラン。可愛いなぁあぁあ!フランちゃん!
「美味いか?」
「うん…甘くて美味しい…」
少し元気が戻ったようだ。とりあえず話を聞くか…幻想郷の相談窓口とは俺のことだからな、使いっ走りとも言われてるが。
「何があったんだ、無理はしなくていいが話してみないか」
「でも…お兄さんに迷惑かけちゃう…」
「あのなぁ…子供は迷惑かけるのが仕事なんだよ、だから全力で言いたいこと、溜め込んでたこと吐き出しちまえ」
少し俺の素が出てしまったがこれは紛れもない俺の本心だ、俺が子供の頃は親も兄弟も居ない中で一人で戦って生き残ってきた。だから偉そうに子供がどうこうと言えないが、辛そうなフランが昔の俺と少し被ったんだ、もうほっとけないだろ。
「じゃあ…聞いてくれる…?」
「あぁ、ドンと来い」
「あのね───」
フランが語ってくれたことは俺の想定していたものよりもっと過酷なものだった。自分を産んだ親にさえ疎まれて、地下室に入れられ。出ようと思えば出られたが姉がそれを許してくれなかった、そして400年以上もの時間が経ち今に至るらしい。
「どうしたらいいかな、お兄さん」
「難しいな…ただ仲直りするだけではこれは駄目だ。フランもそう思ってるだろ?」
「うん、私はみんなに認められたい。紅魔館のメンバーの一員として」
「ならばいい方法がある、少し荒療治になるがな」
「本当!?」
「あぁ、だがその前にひとついいか?」
「なに?」
「俺のことお兄ちゃんって呼んでくれないか?…兄弟が居ないから憧れてたんだ」
「うん!わかった!お兄ちゃん!」
「よし、じゃあやるか!」
俺が考えたのはこんな作戦だ、とりあえず能力と狂気を最大まで高めてからコントロールする。一見馬鹿みたいな作戦に思えるがこの作戦には俺の能力が不可避なのだ。ひとまずやってみよう。
「とりあえず最大限まで狂気を出してみてくれ」
「う、うん…怖いけどお兄ちゃんが止めてくれるから頑張る!
…ゥ、ヴァァァァア!!ギャハハハハ!!イクよォ!!お兄ちゃン!!」
「よしこい」
「キュッとしてドカーン!!」
その瞬間右手に激痛と喪失感が走る、そして背後が爆発し俺は吹き飛ばされた。
「ァ、ゴメーンお兄ちゃン、能力だケじゃなくテこれモ使っチャった」
そう言うフランの左手にあるのは杖のような剣のような形容しがたい形をした燃え盛る武器だった。
「コレレーヴァテインっていうンだァ、これをお兄ちゃンの背中の空間とフランまデの距離を破壊しテ爆発させたんダァ。凄いでショ」
「あぁ、凄いな。その年で能力の応用までするとは」
俺は右手の激痛を耐えながらフランの狂気に集中する。とりあえずこれを可視化出来れば…よし、出来そうだ…出来た!…って凄い容量のデカさだ!よし、お兄ちゃん頑張っちゃうぞぉ!
まずここで俺の能力の紹介をしておこうと思う、俺の能力は「視る程度の能力」これで案外ショボイなって思ったやつ、窓際行って…ピチュれ(理不尽)
この能力、簡単に言うと可視化してしまえば大概のことは出来てしまうのだ。存在が不透明なものでも触れる、斬れる、殴れる、消せる、縛れる、殺すことすら可能という問答無用で相手を同じ土俵に持ち込める反則技だ。あともうひとつはおまけみたいな能力だが一度見たとこに一瞬で移動可能だ。あんまり使わないけど、旅の楽しみ減るし。
もちろんダメダメなところもある、存在が薄ければ薄いほど見る時に精神力と集中力を使う、概念レベルの不安定なものを見たり触れたりする時は寝込む。後は見えたとしても力がなけりゃ意味が無いってとこかな、ひ弱な人間が持ってもただの豚に真珠だ。
今回はフランの人格にまで出るほど色濃く出てるから余裕で消せるな(強者の風格)パパっとやって、終わりっ!
「フラン、ちょっと痛いぞ」
「エッ?」
俺は地面を蹴りフランの正面に移動した、そして指をデコピンの形にし…フランのおでこを打った。それにより全ての狂気が吹き飛んでいくのが見える。
「いたっ!」
「よし、もう大丈夫だぞ」
「ふぇ?」
不思議そうな顔をするフラン、見れば先程のキチ顔から真っ当な可愛い幼女フェイスに早変わりしてる。よし大成功だな。
「あっ、お、お兄ちゃんごめんなさい…ごめんなさい…右腕が…」
「こんなもん唾つけとけば治る、それより早速能力の試験だ。能力を発動してみろ」
「うん!ふんぬっ!…あれ?全然狂気が出てこない…」
「だから言ったろう?もう全部吹っ飛ばしたって」
「ほ、本当だ、良かった、良かったよぅ…」
嬉しそうに泣くフランの頭を撫でる、少し気持ち良さそうに目を細めながら泣くその姿はただの何処にでもいる幼女だった。
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「…ということがあったの」
「フラン、良く頑張ったのね…」
「別に貴方の為じゃないよ」
「それでも、フランが嬉しそうなら私も嬉しいわ…」
「ふ、フン!!」
まだフランは素直になれないようだが一応は報告して認めてもらえたようだ。良かった良かった。
「貴方にもお礼を言っておくわね、えっと…」
「俺の名前は鬼童丸という、あと俺にお礼は不要と言っておこう。最後まで諦めず頑張ったのはフランだ、俺がしたことといえばデコピンぐらいだからな」
本当に幼女のデコにデコピンしただけなんで、お礼とか恐れ多いです。
「そう…でもこの子の姉としてお礼ぐらいはさせて欲しいわ」
「なら……二人っきりで話してみないか?フランとレミリアさん」
「え、えぇ!無理だよぉ!今でも何話せばいいか分からないのに!」
「私はいいわよ」
「フランは無理なの!」
「フラン、言いたかったこと恨み辛み全てぶつけてみないか?この場に俺が居ると言いにくいだろう」
「そ、そうだけど」
「もし何かあって怒られて追い出されたら俺の家に来ればいい、いつでも戸はあいてる」
「追い出さないわよ…そんなことで…」
「じゃ、じゃあ頑張ってみようか…な?」
「そうか、なら表に出てくる。何かあれば言いにきてくれ」
俺はそそくさと部屋から出ていく、鬼童丸はクールに去るぜ…でもどこに行こうか…とりあえず紅魔館を回ってみるか…あっ、忘れてた
「鬼童丸、私のこと忘れてるでしょ」
ギクゥ!ゆ、紫さんじゃないですかー!!さっき全然動かないし喋らないから置物みたいになっていた紫さんじゃないですかー!
「紫のことは忘れていないぞ、本当だ」
「別にいいわよ、さっきも私だけ一言も喋ってなかったし。部屋から出ることになっても仕方ないわよね」
「紫、機嫌を直してくれ。紫からそんな態度を取られたら俺は悲しい」
「ふ、ふーん鬼童丸は私が機嫌悪いと悲しいの?」
「あぁ、哀しい」
「それなら直すわ!仕方ないわね!」
「流石紫だ」
チョロい、可愛い。流石紫ちゃん、幻想郷の妖怪の賢者様ここにありって感じだな(適当)
「とりあえずあの姉妹が話終わるまでこの紅魔館を回ろう」
「そうね、もう異変は解決したし。私達はやることなくなっちゃったから」
そう言って紫と共に紅魔館を歩く、姉妹の仲が今より良くなっていくことを望みながら。