「フランは…貴方が憎いよ…絶対許さない」
「そうね…当たり前の事だわ…」
フランは私を憎むことは至極当然のことだ、両親とも言いたくないクズどもを殺すまで私は自らを鍛え続けた。
その間は言うまでもなくフランは地下室で一人、寂しかっただろう、辛かっただろう。
全てが終わった時、フランが狂気に飲まれた後だった。
結局私は怖かったのだろう、あんなに優しかったフランが豹変したことが。その後はフランが幸せになれる運命を辿り続け、今に至っている。フランにとっては私がしたことは何の慰めにもなりはしないだろう。だが私はフランが幸せならそれでいい、たとえそこに私が居なくても。
「フラン、貴方が望むのならこの首差し出してもいいわ」
私がそう言った瞬間フランの拳が右頬に突き刺さった。景色が凄まじいスピードで回転する、全力で殴られたようだ。
「何にも分かってない、何にも分かってないよお姉様」
鋭い目線をこちらに送るフラン、何のことを言っているんだ。できるだけ苦しめて殺すつもりか、だがそれがフランの望みならば仕方ない。
「フランを地下室に閉じ込めたことを許すつもりは無いよ、一生このことを心に刻んでフランは…私は生きていく。だから隣に居て見ててよ!あっさりと自分を超えていく優秀な妹の姿を!」
「…フラン」
「だから、生きろ!それが私がお姉様に望む罰!」
「私は…私は…まだ貴方の姉でいいの…?」
「むしろ私のお姉様がレミリア・スカーレット以外に務まるとでも思っているの?」
そう言ってフンっ!とそっぽ向くフラン。目の前がボヤける、もう耐えられなくなった私はフランに飛びついた。
「うわぁぁぁん!フラン〜!!ごべんねぇ〜!!!」
「うわっ!鼻水がついた!最悪!汚いから離れてお姉様!」
「ありがどう…ありがどう…フラン…」
「はぁ…しょうがないなあ…咲夜、居るんでしょ?」
さっきから破壊する為の目が現れているのに姿が見えないとこを見ると何かしらの魔道具でも使って姿を消していたのだろう。万が一私がお姉様を殺そうとした時、盾になれるように。
「はいっ…!ここに居ります…!フランお嬢様…!」
「咲夜も顔グチャグチャじゃない…」
「申し訳ありばぜん…」
なんかここまで泣かれるとこっちの居心地が悪い、速やかにお姉様を咲夜にパスしよう。今日はみんな疲れてるだろうしね。
「お姉様をお風呂に入れてきて、私はお兄ちゃんのとこに行ってくるから」
「かしこまりました、フランお嬢様」
「あ、あと咲夜」
「何でしょうか?」
「これから宜しくね、私頑張るから」
「はいっ!!」
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ぬわぁぁぁぁん疲れたもぉおおおおん!!(絶叫)クソ汚い野獣のような声を心の中で出しているが本当に今回は疲れた。あまりに消耗加減と割に合わないこの能力を使ってしまったことが第一の原因と、完全に嫁探しのことが頭から抜けていた己に絶望したことが第二の原因だ。
「鬼童丸?」
「ん?どうした紫」
「もしかして疲れてる?」
何故わかったんだ、紫ちゃん。このガチガチの表情で疲れてるかどうかわかるなんて…まさか能力者!?(疲労困憊による狂言)
「何で分かったんだ?」
「何でって言われたら分からないけど…何となく疲れてそうだなって思って」
「俺のことは何でもお見通しなんだな紫は」
妖怪の賢者の名は伊達では無いってことか…降参だよ…(敗北者)
「そんな事も無いわよ…もっと貴方のことを知りたくて仕方ない。放っておくと何処かに消えてしまいそうだもの…」
俺が何処かにねぇ、想像もつかないな。俺はこの幻想郷という地をかなり気に入ってる、ここに骨を埋めたいとまで思っている程だ。
「俺は何処にも行かないよ」
「鬼童丸…」
「なにお兄ちゃんとイチャイチャしてるのかな?えーっと、妖怪のおばさん?」
「誰がおばさんだクルルァ!!おばさんじゃなくてお姉さんでしょう!?」
めちゃくちゃ巻舌だな紫ちゃん。だがフランの一言は紫の地雷を踏み抜いていったからね、仕方ないね。
「こら、フラン。紫になんて事言うんだ、ただでさえ歳の事で悩んでるというのに」
「ぐふぅ!!(吐血)」
「ごめんなさい、えーっと紫お姉ちゃん?(嘲笑)」
「このガキ!(憤怒)」
フランがえらく攻撃的だな…あっ(察し)紫がレミリアをボコボコにしてたから怒ってるのか!(名推理)
「フラン、お姉さんが紫にやられたからといって悪口はいけないぞ」
「べ、別にそんなんじゃないもん!」
「ふーん…姉思いな妹ね」
「何笑ってるのかな?」
「あら?私は麗しい姉妹愛を微笑ましく思ってるだけよ?」
「ぐむっ…もう!お兄ちゃんが余計なこと言うから!」
「すまんすまん」
あら^〜、結構勘で言ったんだけどどうやら当たってたようだ。姉妹が仲良しなのはいいゾ^〜コレ。(百合豚)
「もうお姉さんとはいいのか?」
「うん、言いたいことは全部言ったしね」
「そうか…これから辛いこともあると思うが頑張れよ、いつでも俺を頼っていいからな」
「お兄ちゃん、どうしてそんなフランに優しくしてくれるの…?」
「フラン」
「なに?」
「誰かを助けるのに理由がいるのか?」
「……あぁ、もう反則だよ。こんなの、好きになるに決まってるじゃん…」
「俺もフランのこと好きだぞ」
「ねぇお兄ちゃん…」
「なんだ」
いきなりフランがこちらに飛んできた、俺は咄嗟のことに反応できずにそれを受けてしまう。
チュッ
「!?」
「まだ恋とかそんなの私には分からないけど、お兄ちゃんを好きなことは変わらないから。それだけっ!」
恥ずかしそうに逃げていくフラン。そしてこっちを振り返り、笑顔で
「ありがとう、お兄ちゃん!大好きだよ!」
ほっぺ…ほっぺに…ほぺぺぺぺぺ(思考回路ショート)
「鬼童丸」
「なっ、なんだ紫」
「避けられたわよね?」
「こ、子供がしたことだぞ…?」
あかんこれじゃ(社会的に)俺が死ぬぅ!(恐怖)はっ!(天啓)相手は400歳以上だぞ!これは合法だ!(最期の言葉)
「グゥゥウ…!姉妹で揃いも揃って私の邪魔して…!」
「ゆ、紫俺が悪かったからフランをそんな怒らないでやってくれ。あの子は外に出たばかりだしあまり常識がまだわかってなくて…」
「めちゃくちゃこっち意識してキスしてたわよ…確信犯よ…」
ヘタレなスキマ妖怪はいつ想い人に想いを伝えられるのか、自らの不甲斐なさと恋敵に対する嫉妬で燃え上がる紫であった。