幻想郷で嫁探しする鬼の話   作:社畜マークII

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銀魂のあの話めちゃくちゃ好きなんですよね


酒は飲んでも呑まれるな・後日譚

朝日が自分の意識を呼び覚ますのを感じる。

えっと昨日はあのままレミリアと二人でゆったりと飲み続けて…その後どうしたんだっけ。先にレミリアが酔いつぶれて、俺が部屋まで送ったんだ。咲夜さんはレミリアに飲まされ続けてとっくにダウンしてたからな、俺しか運ぶ人が居なかった。それから…

 

「う…ん…ふわぁ…」

 

何か聞こえた気がする、高飛車でカリスマ増し増しの合法ロリ主のような声が。いや、まさかね?そんな、ねぇ?カタカタと震えながら俺は自分の腰まで覆っている布団を少し剥いだ。

 

「………」

 

バッチリ目が合った。裸の紅魔館の主とバッチリ目が合ってしまった。俺は何事も無かったかのように布団を被せ、そして二度寝をしようと目を閉じ、布団に身を任せた。

 

「ちょっと待ちなさい」

 

「これは夢だ」

 

「いや、落ち着きなさい。何も無かったから」

 

「…ほんとか?」

 

「ええ、私、少し寝るときに脱ぎ癖があって」

 

ぁあぁぁぁあ!!よかったぁあぁぁぁあ!!もう!それならそれで早く言いなさいよ!!レミリアちゃんったら!!(冷静さを欠いた発言)

 

「そうかそれは良かった…あとそれなら早く服を着てくれないか」

 

「あら、中々初心な反応するのね」

 

「うるさい、服を着ろ」

 

「わかってるわよ…」

 

はぁ…心臓に悪いわ。いや、でも誰も部屋に入ってこなかっただけマシだな。フランとか咲夜さんのどっちかが入ってきたら終わりだった。

 

 

「お嬢様…お着替えの手伝い、を…」

 

「お姉様、今日能力の練習するから手伝っ」

 

 

フルコンボだドン!(絶望)

 

 

「咲夜、これは誤解…」

 

「死ね」

 

==============================================

 

 

「うっ、ぐすっぐすっ…お兄ちゃんがお姉様に寝取られた…」

 

「フラン!?誤解だって言ってるじゃない!あとそんな言葉どこで覚えてきたの!?」

 

「咲夜、レミリアも言ってる通り誤解なんだ」

 

「……………」

 

阿鼻叫喚、まさにそんな言葉が相応しいだろうな。フランは最初ギャン泣きし始め、咲夜は俺に何百本というナイフを突き刺した。今はフランは静かに泣いていて、咲夜はナイフが手持ちに無くなってはいるが殺意と侮蔑をこちらに向け続けている。

 

「そもそも俺はそんな無責任なことはしないし、何かしてしまったとしても必ず責任は取るつもりだ。まだ付き合いが浅いから信用は出来ないと思うがそこだけは信じてくれないか…?」

 

「…別にレミリアお嬢様が誤解だと言った時点で疑ってはいません、ただの八つ当たりです」

 

「フランもお兄ちゃんを信じても大丈夫かな…?」

 

「あぁ、大丈夫だぞ。不安にさせてしまってすまなかった」

 

「とりあえずこれで一件落着ね、朝ご飯にしましょう」

 

「元はといえばお姉様のせいだよね、紅魔館の主なら自分の足で自分の部屋に帰りなよ」

 

「グッ…思いのほか鬼童丸と飲むのが楽しかったから…」

 

「ていうか私はお酒飲めないから昨日お兄ちゃんとちょっとしか話せてないのにお姉様ズルくない?」

 

「ウッ…流石私の妹ね、痛いとこを突いてくるわ…」

 

「男は皆、狼なのですよお嬢様!気をつけてください!」

 

「わかってる、わかってる」

 

そう言って適当な返事をするレミリア、しかし綺麗な肌だったな…ロリコンになるところだった。かつてないほどに危機感を感じた瞬間だったが、どうにか切り抜けられた嬉しさでスキップしそうになる俺だった。

 

 

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「鬼童丸様ー!」

 

「鬼童丸、やけに来るのが遅かったねぇ」

 

「ちょっといろいろあってな」

 

紫や幽々子はもう帰ったようだがこの二人は泊まっていったようだ。まあこの二人は完全に酔いつぶれてたしな、仕方ないね。

 

「ええ、ほんとにいろいろ、ね?」

 

そう言って俺の肩から顔を出すレミリア、何この人距離感近づきスギィ!いきなりの急接近に俺の心臓はバクバクだ、正直離れて欲しい、心臓に悪いから。

 

「鬼童丸、まさかアンタ…」

 

「鬼童丸様…嘘、ですよね…」

 

にとりは目を見開いて驚き、文は目からハイライトが無くなっている。にとりのリアクションはともかく文は怖すぎないか…?俺、別に君の恋人じゃないよ…?何で浮気した男のような気持ちにならなければいけないんだ。

 

「違う、レミリアを部屋に送った後疲れてその場で寝ただけだ」

 

「ほんとですか?」

 

「あぁ、朝に咲夜に見つかって酷い目にあったがな」

 

ほんと鬼じゃなきゃ死んでたぞあれ、ていうか殺す気だったなナイフ全部使ってたし。

 

「あら、すぐバレちゃったわね」

 

当たり前だ、何で好き好んで友人に嘘を信じ込まさねばならないんだ。

 

 

朝ご飯はベーコンやらパンなど洋食中心でとても美味しかった。トロトロのオムレツが熱々で出てきたときは歓声を上げそうになったな。

 

「咲夜は本当に料理が上手いな」

 

「お褒めに預かり光栄です」

 

光栄って顔してねぇよ!何で俺と喋るときだけ咲夜ってそんな無表情なの?やっぱめちゃくちゃ嫌われとるやんけ…(悲哀)

 

「ふふん、咲夜は私の自慢のメイドだもの、当然じゃない」

 

「お姉様が褒められたわけじゃないのに…」

 

そう言って呆れたような目で姉を見るフラン、姉妹間で遠慮が無くなっているようで何よりだ。

 

「そういえば鬼童丸」

 

「なんだレミリア」

 

「貴方って何処に住んでいるの?」

 

「決まった住居は無いな、フラフラ幻想郷を彷徨っている」

 

 

「ならここに住みなさいよ」

 

 

「ここというのは、紅魔館か?」

 

「ええ、部屋はかなり余っているし」

 

正直かなり迷う提案だな、毎日このレベルの料理が出てくるのは魅力的だ。しかし俺は自由にこの幻想郷を歩き回る方が性にあってる、そういう思いもある、だから

 

「魅力的ではあるが辞退させてもらおう」

 

「あら、どうして?」

 

「俺はここに住んだとしても帰ってくる日の方が少ないと思う、変に気を遣わせるよりかはただの客としてここに来る方がお互い気が楽だろう」

 

「まあ…それもそうね」

 

納得してくれたようだ、まだ不満は残っているようだが。それにフランにも俺以外と自主的に関わって欲しいからな、俺が居るとその妨げになる気がする。

 

「でも遠慮はせずに住みたくなったら言ってくれても良いのよ?妹を救った上に、私の裸を見た相手だもの。私も援助を惜しまないわ」

 

食卓の空気が凍る、咲夜は額に青筋を浮かべこちらを真顔で見つめてくる。フランはレミリアに対しドン引きしてる、他にも三者三様の反応をしながらも咲夜以外の全員がレミリアを咎めるような目で見てる。

 

「そういう心臓に悪いことを言わないでくれ」

 

「あら、あながちこの考えは間違いでもないのよ?」

 

そう言ってこちらに近づいてくるレミリア。ただでさえ顔がいいんだから余りこっちに来るなぁ!

 

「スカーレット家の家訓で裸を見せた相手は殺すか婿にするというものがあるのよ。古臭い考えだけどね」

 

「えっ」

 

「そんな焦った顔をしなくていいわよ、ただこれからもこの館に来てくれたらそれでいいわ。フランにも会いに来て欲しいし」

 

それただの脅迫じゃねぇか!定期的に会いにこないと殺すってことだろ!

 

「私個人としても会いたいしね…」

 

「ああ、わかった。約束しよう」

 

「あら本当?ありがとう」

 

「礼には及ばない、俺もまたレミリアと酒を飲みたいと思っているしな」

 

まあレミリアと酒を飲むのは楽しいから別にここに通うのは悪くない、酒と一緒に豆知識を教えてくれたり意外と博識なのか魔法のことを聞かせてくれるから喋ってて飽きない。そんな貴重な相手との出会いは大切にするのが一番だ。鬼はみんなガヤガヤうるさいからな。

 

「…なんかお姉様とお兄ちゃんめっちゃ仲良くなってない?」

 

フランがジト目でこっちに視線を向けてくる、こんな表情も出来たのかこの子。

 

「そりゃあ一晩語り明かせば、ねぇ?」

 

「まあそうだな」

 

「むぅぅ!ずるいずるい!フランもお兄ちゃんと一晩お喋りしたいー!!」

 

駄々をこねるように腕をくるくる振り回しレミリアに突撃するフラン。レミリアは困ったような表情を浮かべつつ妹に絡まれて嬉しいのかニヤついてる。レミリアはレミリアでちょっと歪んでるよな。(失礼)

 

「じゃあフラン今日は俺と遊ぶか?」

 

「えっ!良いの!?」

 

「あぁ、基本俺は暇だからな」

 

「やったー!!」

 

とりあえず文とにとりには帰ってもらうか、俺の為にここに残ってもらうのは少し心苦しいからな。

 

 

そういえば、何か忘れてる気がするんだよな…なんだっけ?

 

=============================================

 

 

「鬼童丸、鬼童丸、鬼童丸」

 

鬼は想い人の名前を呟く、愛おしそうに、憎々しそうに、様々な感情を込めたその言葉は風に乗って掻き消える。

 

「私はお前が大好きだったんだ、かっこよくて、優しくて、卑怯な人間を叩きのめしてくれて。いつでも私達の憧れの存在だった。けど幻想郷に来てからお前は変わった、ただ優しいだけのボンクラになっちまった」

 

泣きそうな顔で、怒りに狂った顔で、その鬼は歩き続ける。目的地など無いというのに。

 

「大好きだからこそ殺す、殺してやる。そうでもしないとお前はあの頃に戻らないから、その過程で私が死んだとしても本望だ」

 

 

 

「だから待っていろ、私の今までの想いの密度を教えてやる」

 

 

 

そう言って鬼は嗤う、それは何に対してか。本人すら理解は出来ていないのだろう。だが確かにその鬼は覚悟を決めた目をしていた。

 

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