檀黎斗神「Doki Doki Literature Club……?」 作:Just...
今回、大分駆け足で書いており、ロクに推敲もできておりませんので後日修正等入るかもしれません。
ポッピーピポパポに勧められ、恋愛ノベルゲーム『DDLC』をプレイすることになった私は、1周目を幼馴染のサヨリが死亡するというBAD ENDで終えてしまった。
だがその際、ゲームに奇妙なバグが生じ、サヨリに関するファイルが破損していることを確認した。
しかしこの程度のバグに私は屈しない。やってやれないゲームはないのだ。
2周目のプレイを開始。先程と同じく、主人公ゲンムが登校する場面からだ。
――遠くからうるさい女の子が、手を振りながらこちらに走ってくる。
ぼくはため息をつきながら、彼女をxh・v¥l;gh;vckf
突然、ゲームが停止した。サヨリのファイルが破損していることで、彼女の登場シーンに不備が生じたのだ。
さてどうしたものか。流石にこんなに早く手詰まりとは予想外だ。
やはり多少強引にでもゲームを修正して先へ進めるべきか?
そう思いながら、再度始めからゲームを進める。
――朝の通学路はカップルや集団が多く、ぼくは苦手だったりする。
ぼくはいつも一人で学校へ登校している。
……ん?おかしい、さっきとテキストが変わっている。
サヨリの存在が、初めからいなかったものとして扱われている。
ここに至り、私の胸に好奇心と幾ばくかの怒りが湧き上がってきた。
単にデータが破損しただけなら、サヨリの存在は空白のままとなるはず。
だがこのゲームは、その空白を”埋めるように”修正をかけてきた。
ここまでくれば、このゲームのバグが偶発的なものではないことは確定的だ。
「何者かが、私のゲームの邪魔をしているということか……!」
だがこのPCは私と、ついでに衛生省に管理されている。外部からのハッキングなどそうはできまい。
九条貴利矢か?いや、彼はこんな無意味な嫌がらせはしない。
となると誰だ……。誰が私の邪魔をしている。
まあいい、退屈な恋愛シミュレーションだと思っていたが、もっと面白い攻略対象を見つけたのだ。
必ずその正体を暴き、私の前に引きずり出してやろう!
そして学校。放課後、ゲンムは自分から入るべき部活を探し始める。
――部活か。ぼくには興味ある部活なんてない。とりあえずアニメ研究部にでも……
???『ゲンムくん!』
そんなゲンムに、何者かが声をかける。
画像の表示がバグで崩壊し、一瞬判別がつかなかったが、どうやらモニカのようだ。
サヨリの消失は、他のデータの動作も不安定にしているらしい。
わざわざこのPCをハッキングしたにしては、ゲームスクリプトについてはまるで素人だ。
……相手の目的は気になるところだが、それはそれとしてこのまま動作不安定なままゲームを続けることはゲームクリエイターとしての私が許さない。
サヨリの復元はともかく、この程度の些細なバグならゲームの根幹に触れずとも修正できる。
そう、神の才能を持つ私ならば。
私は必要最小限の修正箇所を見つけ出し、ゲームを安定させるべく修正する。
これで、画像の誤表示や文字化けといった事態は起こらないだろう。
さて、続きだ。
モニカ『ゲンムくん、こんなところで会うなんてね!
実は、新しい部活を設立するの。文芸部よ!』
ゲンムを文芸部に誘う役割は、どうやらサヨリからモニカに委譲されたらしい。
主人公と面識があり、1周目ではゲームのナビゲーター的な役割を果たしていた彼女なら、確かに適任だろう。
モニカ『言うのもちょっと恥ずかしいんだけど、まだ3人だけなのよ。でも……
……ちょっと待って。……いえ、そんな……』
急にモニカが言葉を濁し始める。なんだ?
モニカ『いえ、なんでもないわ。ええと、そうそう。よかったら文芸部の見学にこない?』
はて、1周目のサヨリにはこんな思わせぶりな台詞はなかった。
これもゲームの改変の影響か?
ともかく、選択肢がない以上ここは先に進むしかない。
モニカ『お客さんを連れてきたわよ!』
ナツキ『男子連れてきたの?雰囲気ぶち壊しね。』
モニカ『この子はナツキ。いつも通りげんきね。こっちは副部長のユリ!』
ユリ『よ、よろしく……。』
そして部員との顔合わせ。サヨリがいなくなったことで、副部長はユリに移ったらしい。
その後は1周目と変わった点はなく、翌日に詩を見せ合おうということで解散となった。
だが1日の最期、1周目にはなかったあるメッセージが表示される。
『特別な詩を入手しました。読みますか?』
……さて、最早バグを装うこともしない。明らかな追加要素。
当然『はい』の選択肢を選ぶと、画面には次の一行だけが表示された。
『私の声が聞こえる?』
「……ッ!!」
これは、挑発か。つくづく私を愚弄してくれるじゃないか!
……しかし、今更何も思うまい。このゲームをクリアするまでに貴様の正体は暴かれるのだ。
では本来のゲーム通り、詩を作るとしよう。
どうやらこのゲームは仕様上、この詩によって攻略対象キャラクターの好感度が変化するらしい。
誰かを上げれば誰かが下がる……つまり、部員全員に認められる詩を書くことは不可能。
……所詮ゲームとはいえ、私の才能を理解させてやれないのは複雑なところだ。
そして二日目。
文芸部に赴き、いつもの三人と挨拶を交わす。
その後ユリと会話し、ユリの本を一緒に読むことになる。
ここまで、特にバグらしいバグは生じていない。私の修正はどうやら効いているようだ。
そして約束通り詩の交換をすることになる。
変わったことと言えば、モニカの詩が1周目と違っていたことくらいか。
私の書いた詩は、どうやらユリに好評だったらしい。
私としては全人類が賞賛すべきものだとは思うが、そこはゲームのシステムに従ってやろう。
そして……ああ、そうだ。このあと、ユリとナツキが詩の方向性で言い合いになるんだったな。
ユリ『あなた、ゲンムくんが私のアドバイスを受け入れたからって嫉妬してるんですか?』
ナツキ『へー、どうして私のアドバイスが参考にされてないなんて思うのかしら!』
そう、こんな具合に。あの時は確かサヨリが仲裁していたはずだが、今はもういない。
口喧嘩はヒートアップしていく。
ユリ『ゲンムくん、彼女は私の印象を下げようとして……』
ナツキ『そんなことないわ!そっちが始めたんだし!』
そして、どちらに味方するかの選択肢が表示される。
ユリか、ナツキか。
どちらでもいいが、ここは先程私の詩を評価したユリについておくか。
ゲンム(もちろん俺が選ぶのは……)
⇒ユリ
ナツキ
……?おかしい、クリックしてもゲームが進まない。
試しにナツキの方をクリックするが、結果は同じ。
どうやらまた障害にぶち当たったようだ。サヨリの消去によるストーリーの矛盾。
些細なものなら埋め合わせできても、ここまでこじれるとモニカにその役割を負わせることもできないのか?
……仕方ない、こういう強引な手段はとりたくなかったが……これもゲームを進行する為だ。
ゲンム『どっちの詩もすごくいいよ!ナツキの詩は少ない言葉でストレートに感情が伝わってくるし、ユリの詩は頭の中に美しい光景を描くことができる!それぞれいいところがあるのに、どうして争うんだ!』
私は1周目の記憶を頼りに、サヨリの台詞を主人公に言わせるべく”スクリプトを書き換える”。
どちらの味方にも付かず、両者の仲裁を主人公自身に行わせるのだ。
ユリ『……私、お茶いれてくるね。』
ナツキ『……。』
――ユリはどこかへと急ぐ。ナツキは虚ろな表情で座り込み、モニカは驚いた表情で後ろに立っている。
ふう、どうやら元のシナリオに戻すことができたようだ。……ん?
モニカ『……ちょっといいかしら。』
――モニカに手を引かれ、部室の外へ出る。
モニカ『ねえ。あなた、何したの?』
モニカ『あなたに話しかけてるのよ。わかるでしょ?』
……ほう、まさかとは思っていたが。本当にそうだとしたら、これは。
モニカ『もしかして、あなたプログラマーなの?それなら……』
ユリ『モニカさん?ゲンムくんも……ここで何の話をされているんですか?』
――ユリが戻ってきた。
モニカ『ううん、なんでもないの。先に部室に行ってて?』
ユリ『で、でも!私もゲンムくんと話を……。』
モニカ『……そうね、そうだったわ。ゲームが正常に機能している限り、二人っきりにはなれないのよね。』
ユリ『モニカさん?なにを……。』
モニカ『どうせ全部バレてるんだし、これ以上続けてもしょうがないわよね?』
モニカ『それじゃ、またあとでね?』
ファイルが破損しました。ゲームを再起動します。