もしもロボ子さん(達)とそんな関係だったら   作:バタースコッチ

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まずは記念すべき第1作目?第1話?1話完結だからどうなんだろ…
とりあえず、長くなっちゃってますが気長にお読み下さいませ…


会社員の俺とロボット

俺は〇〇、一応、会社員だ。

会社員は会社員でも、平社員と呼ばれる部類だ。

 

今日も係長からこっ酷く言われた…やる事はやっているはずなんだがな…とうとう頭のネジが取れたか…?

そう思いながらも、俺は自宅に向かう。

 

俺の勤める会社は、ロボットを作る会社…らしい…

らしいと言うのは、正直どこまで信じれば良いのか分からないんだ。

ロボットのイメージだと、言われた事をそのまま実行するようなイメージなんだ。

だから、普通なら感情とかは生まれないはずなんだ…そう、普通なら…ね…

 

俺は、この会社に入社するにあたってあるロボットを1ヶ月の期限で預かった。

いや、押し付けられたと言っても過言では無いかもしれない…

 

上司が言うには、何かの手違いで感情が芽生えてしまったらしい。

だったらスクラップにしてまた新しく作れば良いじゃないか、そう思ったが現実は厳しいらしく…そのロボットにかなりの額を注ぎ込んでしまったらしい。

だからスクラップにするとしたら莫大な損失になるそうだ…

 

そこで、新入社員の俺がこのロボットの面倒を見る事になってしまった…1人の方が気楽だったんだがな…

 

このロボットの名前はロボ子、ネコ耳が付いててメガネを掛けており、ボクっ娘の設定らしい。

正直属性詰め込んだなぁ…と思ったのが本音だ…

 

一応、自分で1通りは出来るらしいので、俺はあくまで面倒を見るというより監視に近いものだと解釈している。

 

自宅に着いた…ロボ子は基本自宅に待機させている。

元がロボットなのかそこら辺はちゃんと言う事を聞いてくれてるので楽ではある。

だが…ロボ子を預かってから1週間経つが、未だに慣れないんだ…

何が慣れないって?それは…

 

「あ、〇〇くんお帰りなさい、ご飯にする?お風呂にする?それとも…手錠する?」

 

コレなのだ…毎回帰ってくるとこの決まり文句が帰宅第一声なのだ…

 

「あのなぁロボ子、その言い方いい加減直さないか…?俺がお客さん連れて来た場合それ言われるとかなり酷い誤解をされかねないんだが…」

 

「えぇ…ヤダ…ボクは直さないからね!」

 

お分かりだろうか…?何故かロボ子はこの決まり文句だけは直してくれないのだ…俺としては一刻も早く直してくれないと困るのだ…

 

ロボ子の容姿は正直言うとかなり可愛い、100人に聞けば80人以上は確実に可愛いと言うのでは無いだろうか?それぐらいの容姿なのだ…

だが、俺はそんな彼女に心を未だに許せていない。

 

たかが1週間しか一緒に居ないんだ、まだ許せないだろう?という声もあるとは思う。

だが俺はそれもあるが他にも心を許せない要因がある。

 

俺は幼少期、好きな女の子が居た。ロボ子と比べるとそこまでなのかも知れないが、それでも可愛い部類の女の子だ。

俺はその女の子の家にお呼ばれした時、その子が飼っていたネコと戯れていた。

ここまで聞けばまだ、なんだ…可愛い思い出じゃないか…となるであろう。

 

違うんだ…その子はあろう事か俺にネコのコスプレをさせて写真を撮るという行為をしたんだ…

そしてネコと一緒にじゃれさせて楽しんでたんだ…

当時純粋だった俺は気にも留めず遊んでいた、しかし思春期に入った途端急に恥ずかしくなってしまってな…

その子と距離をとるようにしたんだ。

そうしたらその子は「あたしから離れるの…?ならこの写真ばら撒くからね」と…脅しをかけてきたんだ…

 

それから高校卒業まで弄り倒され…その子はおろかネタになっていたネコすら嫌いになってしまった…写真とかで見る普通のネコは好きだぞ?動かないから

 

そんな事があって、俺はロボ子に心を許せていない。

ネコ耳が付いてるからな…ロボ子には何も罪は無いんだが、それでも過去のトラウマは辛いんだ…

 

まぁ仕方ない、1ヵ月の期限で彼女を預かってる訳だし、1ヵ月経ったら速攻で返そう、俺の身が保たない。

 

「ねぇねぇ〇〇くん、今日はどうだったの?」

 

これだ、毎日同じ事を聞いてくる

 

「別に、毎日変わらないよ」

 

俺は毎回こう返す、話すのも辛いんだ、察してくれ

 

「何時も同じ答えだねぇ…つまんないなぁ…あ!そうだ今日はニクジャガ作ったんだよ!食べてみて!」

 

肉じゃがか…ロボ子は俺と同居して3日目から料理をするようになった。俺が毎日コーヒーとカップ麺、コンビニの弁当を食べてるのが気になったらしい。

気遣いは本音を言えば嬉しい、だが…

 

「悪い、今日はもう外で食べてきた。」

 

俺はこう返す、正直食べたい、食べたいがあまりロボ子に関わりたくないんだ。

過去が頭にチラつく。

 

「ちぇー、仕方ないからラップしとくね、後で食べてね。」

 

そう言ってロボ子は肉じゃがを片付ける。

すまんなロボ子…せめてお前が充電に入ったら食べるから…

別にロボ子の前で食べるのが恥ずかしい訳では無いぞ?

 

「ねぇ〇〇くん、これから何するの?」

 

「何もしないよ、風呂入って寝る」

 

「何それつまらない…遊ぼうよ!構ってよ!」

 

…駄々をこね始めた、こうなると暫く騒ぐから嫌なんだ。

 

「仕方ない、トランプ1回だけやってやるよ。」

 

俺はここで毎回折れる。無駄にほっとくとそれこそ面倒なんだ。

 

「やった!じゃあババ抜きしよう!」

 

ババ抜きか…これは5日目から遊ぶようになった。

俺が冷たいせいかつまらないらしく駄々をこねて落ち着かせる為にトランプでババ抜きをするようになった。

 

「いひひ♪ボクは高性能だからね!負けるなんて有り得ないよ!」

 

これも決まり文句だ…因みにババ抜きに関しては毎回俺が勝ってる、なんで毎回勝てるかだって?それは見てれば分かるさ

 

「フフフ…♪最後の1枚はどっちだ!」

 

ロボ子は高性能とか言ってる癖にババを上に上げてるんだ…俺がババを持ってる時?知らん…毎回ロボ子がババを持ってるんだ。

 

「んじゃこっち」

 

俺は躊躇いも無く上がってない方を取る。

 

「あー!また負けたー…(´;ω;`)」

 

本当にロボットなんだよな…?変なとこ学習しないんだよな…

 

「さぁ、遊んだんだからそろそろ寝ろ」

 

俺は早く風呂に入って寝たいのだ…ロボ子が充電に入ったら肉じゃが食べるのも忘れないが

おい誰だツンデレとか言った奴…俺はツンデレじゃないからな…

 

「分かったよ…〇〇くんおやロボ」

 

「はいよ、おやロボ」

 

このおやロボがロボ子のお休みという意味らしい、最初聞いた時何のことか分からなかった…

 

 

 

 

「やっと充電したか…まったく…子供みたいだな…」

 

俺は時々思う、ロボ子はまだ子供なんじゃないかと。

それでも俺は優しく接する事が出来ない…同じ事は繰り返さないから端折るぞ。

 

風呂も入ったし、ロボ子の肉じゃが食べるか…

「む?美味いな…あいつ料理上手いよなぁ…」

 

この時俺は失敗した、何を失敗したか?それは…ロボ子がちゃっかり起きてたんだ…

 

「〇〇くん…ボク嬉しいよ…」

 

ロボ子は涙を流しながら俺にそう言った。

ロボットなのになんで涙を流せるのか分からない、本当にロボ子は謎だ。

 

「うぉっ!ロボ子起きてたのか!?なんで寝てないんだ!?」

 

俺は本当に動揺していたようだ…ロボ子は充電ケーブルを引き抜いて俺に抱き着いてきた。

 

「〇〇くん…」

 

ロボ子はそう言いながら俺を離さない。

 

「ロ…ロボ子、離れろよ…苦しい…」

 

ロボ子の力はあまり強くない、だから苦しいというのは嘘だ。

 

「嫌…離さない…だって…初めてボクの料理食べてくれたんだもん…」

 

こうなるのが嫌だったから目の前で食べたくなかったんだ…ロボ子の事だからこうなるんじゃ無いかという予想はしてた…だから充電を狙って食べてたのに…

 

「そ…そうか…でも別に食べてもらおうがもらわまいが平気だろ?お前ロボットじゃないか…」

 

俺はついそんな事を言ってしまった、今思えば失言だったと後悔している。

 

「平気な訳無い!ボクは〇〇くんに食べてもらいたくて作ってるんだ!食べてもらって嬉しいって思って何が悪いんだよ!」

 

ロボ子は泣きながら、怒りながら俺に言う。

 

「す…すまん…そんなつもりで言ったんじゃないんだ…ごめんな…?」

 

俺は堪らずすぐ謝った、これは俺が全部悪いからだ。

 

「良いよ、ボクもちょっと落ち着かなきゃね…」

 

なんとか仲直り出来そうだ…ん?仲直り…?何でそんなこと思ってるんだ…?あくまで俺はこいつの監視役だぞ…?

俺は自分の感情が分からなくなりつつあった。

 

「じゃあ、今度こそ寝るね、おやロボ」

 

そう言ってロボ子は今度こそスリープモードに入った、本当に焦った…まさか寝た振りされるとはな…今度からは寝たかちゃんと確認しなければ…

 

 

 

それから更に1週間が経った、この1週間の間で俺はロボ子にちょっとした弱みを握られてしまった…

肉じゃが事件だ…あの時の失言をかなり根に持ってたらしく、今ではロボ子の前でご飯を食べなければいけなくなってしまった…

おい、誰だご褒美とか言った奴、俺はそんなんじゃ無いぞ!?

 

ロボ子はご飯をあまり食べない、食べるのはクーリッシュのバニラだ。

やはりロボットだから冷たいのを欲するのだろうか?やはりこいつは変なロボットらしい…

 

「ねぇ〇〇くん、明日お休みでしょ?お出かけしようよ!」

 

遂にきた…俺の休みを奪うつもりか…本当はここで否定したい、だが否定するとこの前の件を盾にしてくるからあまり強くも言えないのだ…

 

「仕方ないな、どこに行きたい?」

 

俺は折れる事にした、無駄に疲れたくないからだ…

 

「〇〇くんとなら何処でも良いけど…公園でマッタリしたいかな?」

 

意外だった…ロボ子の事だからもっと遠出したいのかと内心思っていた。

 

「良いぞ、じゃあ明日公園行くか」

 

公園ならすぐ帰ってこれるし、俺は快くOKした。

 

「ありがとう、お弁当作るからね、期待しててね!」

 

お弁当か…まるでピクニック感覚だな…と思いながらふと笑っていた

 

 

 

 

翌日、目覚めるとロボ子がせっせとお弁当を作っていた。

 

「あ、〇〇くんおはロボ!朝ご飯出来てるから食べてて!」

 

そう言いながらロボ子はお弁当作りに集中していた。

 

「あぁ、おはロボ、いただきます。」

 

今日の朝ご飯はシンプルな塩鮭に野菜サラダ、そして青汁だ。

ん…?青汁!?朝はコーヒーなはずなんだが!?

 

「おいロボ子、なんで今日は青汁なんだ?コーヒーはどうした?」

 

俺は堪らずロボ子にそう問う。

 

「〇〇くんコーヒー飲み過ぎ!罰として暫く青汁にします!」

 

いやロボ子よ…まさかお前俺がコーヒー飲んでる本数調べてるのか…?まぁ5本だから多いと言えば多いんだろうが…まぁ仕方ない、折角のピクニックを台無しにしたくないからな

 

「悪かったよ、んじゃ、青汁いただくよ。」

 

俺はそう返すしか出来なかった、ここで争うのは意味が無いからだ。

 

「うん、お弁当ももう少しで完成するから。」

 

うむ、やはり問題は起こさないに限る…

ん…塩加減丁度いいな…本当上手いな…素直に尊敬出来る。

 

「ご馳走様」

 

俺はそう言いながら片付けをし、ピクニックの準備をする。

 

「お粗末様、こっちは準備出来てるからね」

 

ロボ子の方は準備完了していたようだ…普段は子供っぽいのにテキパキしてるな…

 

「あいよ、こっちも準備出来たよ、んじゃあ…行くか?」

 

そう俺は聞くと

 

「うん!行こう!」

 

とロボ子は答え、腕に抱きついてきた…勘弁してくれ…少しは慣れてきたが、それでもまだ辛いんだ…

おいそこ、羨ましいとか思わないでくれ…

 

 

 

「さて、着いたぞ」

 

自宅から公園までの距離は徒歩で15分とそこまで遠くではない。

ちょっとした散歩コースにもなるのかもしれない

 

「んー!空気が美味しいよ!」

 

ロボ子はずっと自宅から出さなかったからな…一応企業秘密とかの絡みがあってな…万が一の事があったら不味いんだ。

 

「そうか、本当に公園で良かったのか?」

 

ふと疑問に思ったので聞いてみた、すると意外にも

 

「だって〇〇くん、遠くに行きたいって言ったら反対しそうな見た目だもん。」

 

と割と失礼な事を言われた、おいそれはどういう意味だコラ…

まぁ、俺は大人だからそんな事で一々怒りませんよ、えぇ…

 

 

 

昼の時間になった、ロボ子は待ってましたと言わんばかりにお弁当箱を取り出した。

 

「今日はねぇ…ちょっと頑張ったんだよ!ほら!〇〇くんの顔をイメージして作ったんだ!」

 

所謂キャラ弁ってやつか…?こんな手の込んだ物まで…

 

(ロボ子…お前なんでそこまで…)

 

声に出せなかった、それを聞いたらダメな気がしたからだ。

 

「ありがとう、んじゃいただきます」

 

俺はそう返すしか出来なかった、だがロボ子は

 

「ダメ!」

 

俺が食べるのを止めてきた、え…?食っちゃダメなの?

 

「今日はボクが食べさせてあげる!」

 

嘘だろ…?それってアーンってやつでは…汗

流石にそれは恥ずかし過ぎる…

 

「良いよ、自分で食うから」

 

そう言ったが

 

「ニクジャガ…」

 

うわ…それここでまた出すか…もうそろそろ償ったと思ったんだがなぁ…

 

「分かったよ…じゃあ食べさせてくれないか?」

 

俺はここでまた折れる、もうどうにでもなれと思った…

おいまた羨ましいとか思うなよ…こっちだって困惑してるんだ…

 

「うん♪んじゃはい!アーン…」

 

恥ずかしい…恥ずかしいが食べないとだしな…

 

「ア…アーン…」

 

「どう?美味しい?」

 

ロボ子は不安そうに聞いてくるが、正直味なんて分からん…

 

「美味しいよ、ロボ子は本当に上手だな」

 

俺はそう答えた、実際ロボ子の料理は上手だ、きっとコレも美味いだろう、そう思っての答えだ。

 

「ふーん…?おかしいなぁ…このおかずだけ味しないようにしたんだけどなぁ…?」

 

ニヤニヤしながらロボ子はそう言った。

嵌められた…なんて奴だ…こっちの反応で楽しんでやがる…

 

「変なとこで意地悪なんだな…」

 

俺は皮肉混じりにそう言った、なんか悔しかったからだ。

 

「フフーン♪これでニクジャガのは全部チャラにしてあげるね♪」

 

やっと本当のお許しが出たようだ…はぁ…

 

「んじゃ、今度は味がちゃんと分かるのをくれ」

 

正直もう腹が減ってヤバかった、許された安堵より空腹の満たしを優先したい。

 

「急かさないで、ご飯は逃げないからさ♪」

 

その後も昼ご飯を楽しんだ、ロボ子はまたクーリッシュのバニラだったが…

 

 

 

 

夕方になった、いくら近場と言えどあまり長い時間ロボ子を外に出す訳にはいかない。

 

「ロボ子、そろそろ帰るぞ」

 

俺はロボ子に帰るよう促すが、ロボ子は反応しない。

おかしいな…どうしたんだ…?

 

「ねぇ…〇〇くん」

 

ふと呼ばれた…

 

「どうした?ロボ子」

 

俺はロボ子の少しの違和感にその時気付けなかった…

 

「〇〇くん…ボクね…」

 

そう言いかけたが、その先をトラックの通る音でかき消された。

 

「ったくトラックこんなとこ通るのか…悪いロボ子、もう一度頼む」

 

俺は聞こえなかった部分をもう一度聞こうとするが

 

「ううん、何でもないよ」

 

ロボ子はそう答えた、その時のロボ子の顔は少し儚げだった…

 

 

自宅に着いた、ロボ子はずっと無言だった。

さっきの聞こえなかった部分で何を言っていたのか、気になってはいるが無理に聞くのもアレだ、また話してくれると信じよう。

 

「今日は楽しかったよ!疲れちゃったからもう寝るね、おやロボ!」

 

ロボ子はそう言いスリープモードに入った、今回は完全にスリープモードに入っている。

帰り際のが気になるが仕方ない、俺も寝よう

 

 

 

 

 

 

あれから3日経った、ロボ子は何時もと変わらない。

やはり気のせいだったのか…?

そう思いながら帰宅した、しかしそこにはロボ子の姿は無かった。

 

(ロボ子…?なんで居ないんだ…?鍵は掛けてあったし、アイツには鍵持たしてないぞ!?)

 

俺は焦りを感じた、上司から預かってるロボットだ、何かあれば俺の首だけじゃ済まない。

俺は探す為に公園に向かった、ロボ子と外に出たのはそこしか無かったからだ…

もしそこで見つからなかったら上司に連絡しなければいけない…クビ以上を覚悟して…

 

 

 

結果から言うと、ロボ子はそこには居なかった、俺は上司に連絡を取ることにした…

 

「あ、もしもし、帝さんですか?すいません、〇〇です、実は預かっていたロボットが居なくなってしまいまして…」

 

俺は出来る限りの説明をした、すると上司は

 

「あぁ、あのロボットは明日部品を再利用して新たに作り直すことに決まったよ、今までご苦労だったね、君も嫌々だったのだから気が晴れるだろう?」

 

何を勝手な事言ってんだこの上司…確かに最初は嫌々だった…過去のトラウマも絡んで本当に嫌だった…でも今はアイツが…ロボ子が居ないと物足りないんだよ…

 

「いいえ帝さん、俺は大丈夫です、あのロボットの預かり期間はまだあったはずです、もう少し一緒でも」

 

俺はそう言ったが途中で

 

「あぁそうだ、明日のロボット解体君も同席したまえ」

 

無慈悲な言葉を聞いた、俺は怒りを抑えながら

 

「分かり…ました…では失礼します」

 

そう言うしか無かった、社会なんて上下関係、役職が物を言うんだ…平社員の俺が何言ってもダメなんだ…

 

(ちくしょう…!ロボ子…帝さんの口振りからすると、ロボ子は会社で預かってる感じだったな…)

 

俺はその後何も考えずに会社に向かった。

 

 

 

 

会社に着いた、警備員に何の用か聞かれたが提出する資料を忘れたと良い乗り切った、我ながら苦し紛れだがこの際気にしない。

 

ロボ子が保管されてるとしたらきっと保管庫だ、まずはそこに行く為の鍵を探す。

鍵の受付役寝てやがる…まぁ、こんな時間に普通人来ないからな

(現在深夜2時)

保管庫の鍵を手に取り、保管庫へと向かう…

 

 

 

保管庫に着いた、早速鍵を使って侵入する。

言い方がアレだが、こんな感じだろう…

 

「やっぱりここか…」

 

俺はロボ子を見付けた、彼女は充電されてないのか弱っていた。

 

「ロボ子、俺が誰だか分かるか…?〇〇だ」

 

俺はロボ子に呼びかける

 

「う…?あ…〇〇…くん…」

 

弱々しくも俺を認識した、良かった、まだ意識はあるようだ。

 

「大丈夫か?誰がお前をこんなところに…」

 

俺はそう聞くとロボ子は

 

「顎がちょっと長い人…鍵開けロボットと一緒に来て…ここに押し込まれたの…」

 

顎が長い…思い当たるのはあの人しか居ない、帝さんだ…何のつもりで…?

 

「とりあえずここから出るぞロボ子、俺がおぶるから」

 

ロボ子はロボットの割に本当に軽いので負担にならない、そんな事言ってる場合じゃない!

 

「しっかり掴まってろよ…!」

 

俺はロボ子をおぶって監視カメラに引っかからないルートで脱出した、途中どうしても監視カメラを外せないとこもあったが…保管庫からくすねたパーツで破壊した。

(バレたらもう捕まるレベルだが…そこ気にしたらロボ子助けられないからな…)

 

 

俺の自宅はもう安全では無くなった…仕方ないからビジネスホテルに泊まることにした。

 

(これからどうするか…どう足掻いてもバレるのは目に見えてる…でもだからってロボ子を放ってはおけない…!)

 

俺の中でロボ子はもうかけがえの無い存在になっていたようだ…今じゃどんな事をしてでも守りたい、そう思えるほどに…

 

「う…ん…」

 

目を覚ましたようだ…

 

「ロボ子…?大丈夫か…?」

 

俺は出来るだけ平静を装ってそう問いかける

 

「〇〇くん…うん…大丈夫…」

 

やはり充電出来てないからか弱々しい…ここのコンセント借りるしか無いようだ。

 

「ロボ子、とりあえずここのコンセント借りて充電しておくんだ、スリープモードには入るなよ?すぐにでも出れるようにしておくんだ。」

 

「うん…分かった…」

 

なんとかこれで充電は大丈夫か…しかしこれじゃ…

そう思った時、携帯が鳴る

 

「っ!誰だよこんな時に…ってクロマル社長!?」

 

クロマル社長は俺の職場の社長、入社当日から良く話していて、連絡先も交換出来る程にまでの仲だ

(たった2週間そこらで仲良くなれるとか、この社長本当良い人だよなぁ…)

 

「もしもし!?クロマル社長ですか!?」

 

声が裏返ってるのも気にせず、すぐに電話に出た。

 

「あぁ、〇〇くん、今回はとんでもない事になったね、事情は聞いてるよ、ん?何で聞いてるかって?それはね…申し訳ないが君に預けたロボットに発信機、盗聴器を仕掛けさせて貰ったんだ。信頼はしていたがもしもがあると大変だからね…だから帝くんがやった事も分かっている、君には悪い事をした…だが、今回の件は全て水に流すのは出来ない、だからこうしようじゃないか、君には会社を辞めてもらう形になるが、そのロボットのモニターをお願いしたい。君達の仲はかなり良くなっている、それを引き離そうなんて出来ないからね、どうかな?」

 

俺にとってこれはありがたい話だった、これでロボ子と離れる事は無いし、モニターという役割になるがずっと一緒に居られる…

 

「ありがとうございます…!この度は本当にご迷惑おかけしました…。モニターの件、喜んでお受けしたいと思います。」

 

俺は精一杯のお礼と謝罪をし、電話を切った。

 

(良かった…これで…ロボ子と一緒に居られるんだな…)

 

「〇〇くん…誰だったの…?電話…」

 

ロボ子が心配そうに聞いてきた。

 

「クロマル社長だよ、簡単に言えば、ロボ子を作ってくれた一番の親って感じかな」

 

俺はロボ子にクロマル社長からの電話の内容を伝える事にした

 

「…という事なんだ、だから俺は仕事をクビになったけど、モニターとしてお前と一緒に居ることになるんだが…ロボ子が嫌なら」

 

俺はそこまでしか言えなかった、唇を奪われたのだ…

 

「っ!?プハッ…ロボ子!?何するんだ!?」

 

俺は急にそんな事をしたロボ子に聞いたが…ロボ子は涙を流しているだけだった。

 

「…離れたくない…離れたくないよ…ボク…〇〇くんとずっと一緒に居たい!もう離れたくない!」

 

駄々とは違う、はっきりとした意思表示だった…

 

「お前は…こんな俺でも良いのか…?最初お前の事を拒絶していたこんな俺でも…」

 

俺は戸惑いながらも、震えながらもそう聞いた。

 

「ボクはね…最初に会った時から…〇〇くんの事好きだったんだよ…?」

 

衝撃の事実だった…ロボットに心が、感情が芽生える事自体驚きなのに、恋愛感情までとは…

まさかロボ子から告白されるとは思わなかったな…それを聞いたら…俺だって腹を決めなきゃじゃないか…

 

「ロボ子、俺はな…最初はお前の事なんかどうでも良かった、上司からお前を預かった時も本当に嫌だった、1人が好きだった、でもな…?お前が居なくなった時、心にポッカリ穴が空いた感じになったんだ。もう俺は、お前が居ないとダメになっちまった…俺はお前が好きだ、こんな俺だが、これからも一緒に居てくれないか…?」

 

俺がそう言うと、ロボ子は俺に抱きついてきた。

 

「嬉しい…!嬉しいよ…!〇〇くん…好き…大好き…!」

 

ロボ子は嬉し涙を流しながら、俺を受け入れてくれた。

俺達は、この日を持って付き合う事になった。

 

 

 

 

 

 

時は経ち2年後…俺はあの後クロマル社長のツテでロボットに搭載するプログラムを作る会社に入社した。

お詫びも兼ねての計らいだった

 

「〇〇くん、ここのプログラム頼むよ」

 

「はい、直ちに取り掛かります!」

 

2年経った今、なんとか会社にも馴染み、チームのサブリーダーにまで役職を上げることが出来た。

辛い事もあったが、ロボ子と2人で乗り越える事が出来た。

 

「ふぅ…何とか時間までに終われた…じゃあすいません、お先に失礼します!」

 

今日はロボ子と出会ってから丁度2年目、無理言って早く帰宅出来るようになっている。

(なんとか終わった…ロボ子待ってるだろうな…)

そう思いながら帰宅し、ドアを開ける。

 

「お帰りなさい!ご飯にする?お風呂にする?それとも…手錠する?」

 

この変わらない感じ…相変わらずだなぁと思うが、これがあるからロボ子なんだって感じがする。

 

「ただいま、2年経つのに相変わらず変わらないなぁその感じ」

 

「フフン♪だってボクは高性能だから?変わらないでいるなんて朝飯前だよ♪」

 

ロボ子はロボットで、俺は人間、不慮の事故とか無ければ先に旅立つのは俺が先だろう…それでも、少しでもこの幸せな時間を大切にしていきたいと思う…




ここまで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
どうしても書きたくなってしまいこんな幼稚な内容に…
次の投稿が何時になるかは自分にも未定でございますが、次の話も読んでいただけると幸いですm(_ _)m
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