もしもロボ子さん(達)とそんな関係だったら   作:バタースコッチ

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どもです、3つ投稿の2つ目でございます
相変わらずロボ子さんの話ではありませんが…
ですが、じゃあ何で投稿したか、もうご察しかもしれませんね
そう、今日はタイトルの通り、ロボ子さんの後輩さんの紫咲シオンちゃんの誕生日なのです
彼女は魔法が使えるらしく、今回のお話もそんな感じに仕上げてみました。
ただまぁ…魔法というのは詠唱がかなりの確率であるもの。
自分で書いてて恥ずかしくなっちゃったんですよね苦笑
まぁともあれ、もし良ければ読んで頂けると幸いです。
ではでは、ごゆるりと…m(_ _)m


想いは人を強くする by紫咲シオン

ここは魔法使い養成施設ホロワーツ

名前が何となーく似てる気がするのは気のせいだ…

ここでは日々魔法の勉強が行われている

ここに魔力を持った2人の少年少女が訪れる

2人に待ち受ける運命は…

 

 

 

 

 

「これより、魔法適性検査を始める。名前を呼ばれた者は速やかにこの水晶玉に手をあてるのだ!その色によって適性を判断する」

 

 

施設の人間に呼ばれ1人ずつ水晶玉に手をあてていった

今回の希望者は1000人を越えているらしい、例年は600人前後らしく今年は群を抜いて多い。

俺、○○と腐れ縁の紫咲シオンも、この1000人の中の2人だ

俺は両親を魔物に殺され、シオンの両親は魔物討伐の為日々あちこちに出ている。

俺の両親は至って普通の両親で、魔法とは縁が無かった

それなのに俺がここに居るのは…

 

 

「ねぇ○○、人多過ぎない?吹っ飛ばして良いよね?」

 

「バカ止めとけよ、入る前にアウトだぞ」

 

 

こいつ、シオンのお守りみたいなとこだ

シオンの両親は魔物討伐に出ているのはさっき説明したが、魔力がとても高いらしい。

その血があるのかシオンも小さい頃から魔法を使える、と言っても下級呪文を更に小さくしたような程度だ。

前にシオンと喧嘩した時下級呪文しか唱えられないのに中級呪文唱えた時は焦った、万が一成功しても魔力を上手く扱えないだろうから暴走して辺り一面焼け野原になっていたかもしれないからだ…

その時はどうしたか?慌てて土下座した、俺も命は惜しかった

 

 

「○○、まだ?いい加減待ちくたびれるんだけど」

 

「少しは落ち着けよシオン、魔法の修行は忍耐力も必要なんだから、これぐらい耐えろよ」

 

「あー…ぶっ飛ばしたい…」

 

 

シオンはまだお子様だから忍耐力が足らない、それを抑えるのが俺の役割みたいなとこだ

曰く、俺の魔力はそんなに高くなくても構わない、シオンを最低限抑えられれば良い。

 

 

「次!紫咲シオン!」

 

「お?シオン呼ばれたぞ」

 

「分かってるって、んじゃサクッと行ってくる」

 

 

シオンは水晶玉の目の前に立ち、手をあてた

すると、水晶玉は赤く光り輝いた

 

 

「ほぅ…貴様はなかなか魔力が高いようだな、そして炎魔法の呪文に特化しているようだな」

 

「ふっふーん!あたしは天才だから」

 

 

もう一度言う、シオンはお子様だ

だから今凄い調子に乗ってるがあれは素だ

施設の人の頭に怒りマークが見えてる気がするが、きっと気のせいだ…うん、気のせいだ…

 

 

「よし、下がれ…次!○○!」

 

 

俺も呼ばれた、さて…俺はどんな適性なんだか…

俺はシオンと違って普通の家庭で育っている、だから今まで魔法の呪文を唱えようとした事も無いし、魔導書を読んだ事も無い

 

 

「んじゃ、いきますか」

 

 

俺は水晶玉に手をあてた

すると水晶玉は緑の輝きを放った

 

 

「ふむ、貴様は木の魔法か…しかし攻撃向けでは無さそうだ、防御と回復の魔法の適性が高いようだな」

 

「へぇ…回復ねぇ…」

 

「喜べ、防御、回復魔法の使い手はそう居ない、極めれば小隊にすぐ入れるだろう」

 

「それはどうも」

 

「フン…では下がれ、次!」

 

 

魔法の適性があったので、これで俺もホロワーツに入る事が出来る

俺が戻るとシオンはドヤ顔で俺を見ていた

 

 

「へぇ…○○も魔法使えたんだ、でも回復ねぇ?確かに珍しいだろうけどあたしの方が上ね」

 

「へいへいそうですね、シオンの方が強いですよー」

 

「何か棒読みな気がするんだけど」

 

「気のせい気のせい」

 

 

俺は適当にシオンをはぐらかした、あまり構ってるとすぐ調子に乗るからだ。

 

 

「これで全員の適性審査が終わった、貴様らはこれよりホロワーツで魔法の勉強をして貰う、そして来たるべき日に向けて魔法の修行をして貰う、この世界は魔物が蔓延っており人々を脅かしている。その脅威を1日でも早く無くす為に頑張って欲しい」

 

 

説明が終わると紙が配られた、部屋割と時間割だった。

2人で1部屋らしく、俺はシオンと一緒だった。

普通女子と一緒にしないと思うんだが…

 

 

「げぇ…ここでもあんたと一緒?変な事したらぶっ飛ばすから」

 

「安心しろ、誰もお前に欲情しないから」

 

 

俺はここで地雷を踏んだ

 

 

「は?それどういう意味?」

 

「そのまんまの意味だ、胸無シオン…」

 

 

俺は肩ポンしながら言った

 

 

ブチン「へぇ…○○…あんたそんなにぶっ飛ばされたいんだ…じゃあお望み通りぶっ飛ばしてあげる…!」

 

「は…?」

 

「炎よ、我が行く手を阻む障害を打ち砕け!」

 

 

シオンは詠唱を始めた、この屋内で。

こんな所で魔法を使ったら部屋は吹き飛んでしまう…

 

 

「お、おま…こんな所で何しようと…今唱えられる防御魔法とかあったかな…あ、あった!」

 

「ファイアボール!」

 

 

しかし俺が詠唱を始める前にシオンの魔法が放たれてしまった

 

 

「や…やば…」

 

 

詠唱しようとするも、シオンの魔法は俺に直撃した

咄嗟に窓を開けて飛び出してから直撃した為、部屋の被害は最小限で済んだ。

 

 

「ふん!あたしの事馬鹿にするからそうなるんだよ」

 

 

シオンの声は俺には届かなかった、直撃した後、地面にめり込んでいたからだ…

 

 

「シオンの…バカヤロウ…」

 

 

 

翌日から魔法の勉強が始まった

俺は初めての単語や内容だらけで新鮮だったが、シオンは元々知っている内容なので退屈そうだった。

 

 

それから2週間、今度は魔法の実践が始まった

シオンは炎魔法に磨きをかけ、俺は攻撃魔法が使えない為防御と回復魔法の練習をした

初級魔法として、プロテクトとヒールの魔法を覚えたが…まだあまり上手く使えない、魔力が足らない為なのだろうか…

 

 

「○○、ちょっと練習相手になってよ」

 

 

ある日シオンが俺にそう聞いてきた

 

 

「練習相手?んなの他の魔力高い奴にしろよ、よりによって攻撃魔法使えない俺にしなくても良いだろ」

 

「は?あんたは防御魔法使えんじゃん、それの強度上げの為にもなんだから」

 

「なるほどな、別に良いけど」

 

 

俺とシオンは練習場に移動した、練習場は申請すれば誰でもすぐに使えるのが良いところだ。

 

 

「じゃあ、軽く初級魔法からいくよ」

 

「あいよー」

 

 

俺とシオンは互いに詠唱を始めた

 

 

「炎よ、我が行く手を阻む障害を打ち砕け!」

「大地よ、我が身を守る盾となれ!」

 

「ファイアボール!」

「プロテクト!」

 

 

俺は目の前に透明の盾を出し、ファイアボールを迎え撃った

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ!」

 

「くっ…シオンの奴、また魔力上がりやがったな…!」

 

 

俺は何とかファイアボールを凌いだ、しかしプロテクトはあちこちでヒビが入っていた

 

 

「へぇ、まぁこれは防いで貰わないと話にならないよね」

 

「お前…少しは加減しろよな、込める魔力増やしただろ?」

 

「あんたならこれくらい平気かなって」

 

「もし防げなかったら俺どうなると思ってんだ…?」

 

「んー…黒コゲ?」

 

 

こいつ…俺が死んでも良いのか…?

 

 

「さ、次はもっと強いのいくよー」

 

「は!?お前俺の魔力知ってて言ってんのか!?」

 

「炎よ、我が行く手を阻む障害を貫き崩せ!」

「だぁぁ!もう…大地よ、我が身を守る力となれ!そしてもう1つ、大地よ、我が身を守る盾となれ!」

 

「ファイアランス!」

「アーマー!プロテクト!」

 

 

シオンは新しい魔法を、俺はプロテクトの上書きと肉体強化魔法のアーマーを同時に唱えた。正直同時詠唱は魔力を込めるのも難しいし、負担が大きいからあまりしたくはなかった…

 

 

「ぐぅ…やっぱりキツイな…」

 

「ほらほら、集中切らすと怪我するよー」

 

「くそ…俺だって意地があるんだよ!」

 

 

プロテクトの重ねがけとアーマーで、なんとかシオンのファイアランスを防ぎ切った、しかし俺はもうフラフラになってしまった

 

 

「もう終わり?○○もう少し魔力上げたら?」

 

「だ…誰もがお前みたいに魔力が多い訳じゃないんだよ…」

 

「あっそ、もう出来ないっぽいし終わりにするね」

 

 

シオンは練習場を去って行った、残った俺は

 

 

「くそ…慣れない事はしないに限るな…まだ身体に力が入らねぇ…これじゃ魔物討伐になんて…」

 

 

俺の呟きは誰の耳にも届かない…

 

 

 

それから更に2ヵ月半の月日が流れた、シオンは相変わらず魔力が上がっていき、中級魔法も覚えたらしい

流石に俺に使ってくる事は無いが

俺はこの2ヵ月半で回復魔法と、プロテクトとアーマーの強化に取り組んだ。

元々攻撃魔法が使えない俺は元の魔法の強化の方がやりやすい

そんな時だった

 

 

「1週間後に遠征を行う、各自準備をしておくように」

 

「遠征かぁ…どこに行くんだろうな」

 

「さぁ?どうせまたあたしはあんたと一緒だよ…」

 

「それは…否めないな」

 

 

案の定、遠征班は俺とシオンは一緒だった、他に2人が居て計4人の班だ

遠征場所はべロス火山、ドラゴンが棲んでいると有名な火山だ

 

 

「暑い…溶ける…」

 

「言うな、もっと暑くなる」

 

「だってさー…」

 

「じゃあ僕が魔法で涼しくするよ」

 

 

そう言ったのは同じ班になった奴だった

 

 

「あ、マジ?お願い」

 

「では…水よ、全てを癒す雫をここに」

 

 

水魔法か、しかも詠唱を聞く限り回復系らしい

 

 

「アクアドロップ!」

 

 

男の魔法で俺達は暑さを緩和する事が出来た

 

 

「助かったよ、えっと名前は」

 

「僕はドラン」

 

「…私はルーン」

 

 

男の方はドラン、女子はルーンと名乗った。

ルーンの魔法はまだ分からないが、まぁ遠征部隊に入ってるんだからそれなりの実力はあるはずだ。

 

 

「えっと、それじゃ今回の遠征内容をおさらいするぞ。今回はここに生息しているリザードマンの鱗を集める事だ、数はそれなりにあるが…そんな時間かけずに達成すると俺は思う。俺とドランで補助魔法を使うし、攻撃魔法はシオンがいる。んで…ルーンはどんな魔法が?」

 

「あたしも、攻撃魔法使える」

 

「おけ、ドランは攻撃魔法使えるか?」

 

「勿論、使える」

 

 

ドランも使えるという事は、補助に専念出来るのは俺だけか

 

 

「分かった、じゃあフォーメーションは…」

 

 

 

「ギシャァァァァ!」

 

「シオン、ルーン、そっち行ったぞ!」

 

「分かってるって!しっかりサポートしてよね!」

 

「…風よ、全てを引き裂く刃となれ、ウィンドカッター!」

 

「炎よ、我が行く手を阻む障害を打ち砕け!ファイアボール!」

 

 

ルーンが風魔法、シオンが炎魔法を放つ

魔物は4つに切り裂かれ、焼き尽くされた。

 

 

「お疲れ二人共、俺達援護しなくてもいけたな」

 

「おっつー、まぁあれくらい楽勝だね」

 

「あれは単体だったし、群れてきたら危ない、油断大敵」

 

 

俺達は魔物を討伐し、一休みしていた

先程の戦闘の振り返っていた。

 

 

「まぁ、とりあえず無事なんだし良いだろ、早くリザードマンの鱗を集めるぞ」

 

「はいはい、さっさと終わらせちゃおー」

 

 

俺達は魔物が居る場所にいるのに、緩みきっていた。

だから、気付かなかった…上空からの攻撃に

 

 

ドォォォォォォン!

 

 

「うぉっ!?なんだ!?」

 

「上に…何かいる…?」

 

 

俺達は上を見上げた、そして正体に気付いた時、俺達は戦慄した

 

 

「な…なんで…ドラゴンがいるんだよ!?」

 

 

ガァァァァァァ!

 

 

「嫌だ…死にたくない…嫌だぁぁぁぁ!」

 

「お、おいドラン何処行くんだよ!」

 

 

ドランはドラゴンを見るや逃げ出した、しかしドラゴンがそれを見逃すような甘いやつではなかった

 

 

ガァァァァァァァァァ!

 

 

「は、離せ!助けて…助けてくれー!」

 

 

ドランの叫びは虚しく、ドラゴンの手によって潰された

 

 

「ドラン…クソッ…」

 

「どうすんの…?○○…3人で何とかできるレベルじゃないよ…?」

 

「…」

 

 

シオンは顔を青ざめ、ルーンは言葉も出なくなっていた

 

 

「シオン、ドラゴンに当てないで上空に炎魔法飛ばせるか?それを信号代わりにする」

 

「分かった」

 

「ルーンはシオンが信号を出すまでドラゴンを誘導してくれ、俺が補助魔法で援護する」

 

「いや」

 

「え?」

 

「やるなら2人で勝手にやって、あたしは関わりたくない」

 

 

ルーンはこの状況で拒絶をした、本来ならドランが居ても相当不利なのに、3人しか居ないのに拒絶は何を考えているのか

 

 

「風よ、我が身にかかる脅威からその身を護りたまえ…インビジブル!」

 

 

ルーンは魔法を唱えると姿を消した

 

 

「消えた!?」

 

「姿を消す魔法か、アレを使えれば良かったのに」

 

「シオン、そう言うな…2人になってしまった以上、もう逃げるしかない。俺が全力で補助魔法かけるから、逃げろ」

 

「○○はどうするの?攻撃魔法使えないじゃん」

 

 

シオンは不安そうに俺を見つめていた

正直俺だけじゃ切り抜けられないけど、シオンだけは生き残って欲しかった

 

 

「大丈夫だ、お前に隠れてある魔法を会得した、それを使えば簡単に切り抜けられる、ただ自分にしか使えないからさ…ルーンが使った感じの魔法と思ってくれ」

 

「…」

 

「大丈夫だから、じゃあいくぞ…?」

 

「○○…」

 

「大地よ、我が身を守る力となれ!そしてもう1つ、大地よ、我が身を守る盾となれ!そして…大地よ、継続なる癒しを与えたまえ…!」

 

 

前は2つの魔法を同時詠唱でフラフラだったが、修行を経て多少負担はあるが可能になった。

だが、今は3つの同時詠唱…負担は大きい

 

 

「アーマー!プロテクト!そして…リジェネ!」

 

「○○、凄い汗だよ…?一緒に逃げようよ…」

 

「ばーか、何の為にお前に魔法をかけたんだよ…早く行け」

 

 

正直立ってるのも辛い程になっている、やはり3つは無理をし過ぎた…

 

 

「でも…」

 

「早く行け!生き残れ!」

 

「っ!?」ダッ

 

 

シオンは走り去った、後はドラゴンがシオンの方に向かわないように足止めすれば良い。

 

 

「おら!ドラゴン!こっちだよ!」

 

 

ガァァァァァァ!

 

 

ドラゴンがこちらに照準を合わせてきた、あの巨体での体当たりも致命的である

 

 

「はぁ…はぁ…まだ辛いけどやるしかないか…大地よ、我が身を守る力となれ!そしてもう1つ、大地よ、我が身を守る盾となれ!」

 

 

ドラゴンは逃げてるシオンには気付いていない、これで良い…

 

 

「アーマー!プロテクト!」

 

 

ドラゴンと激突する直前、防御魔法を2つ唱えた

しかし唱え終わると足がよろけてしまい、回避に遅れてしまう

 

 

ドゴォ「ぐはっ…」

 

 

ドラゴンの体当たりが直撃する、防御魔法をかけてるのに意味が無いほどのダメージを受けてしまう。

 

 

「ヤバいな…たかが体当たりでこのザマか…だが、もう少し時間を稼ぐんだ…シオンを逃がさないと…」

 

 

俺の頭にはもう生き残る算段なんて無かった、兎に角時間を稼ぐ事だけしか考えてなかった。

だから、あいつが戻って来たのに気付かなかった…

 

 

「エクスプロード!」

 

 

グガァァァァァ!

 

 

「今の魔法は…中級の炎魔法…何で…何で戻って来たんだよ…シオン!」

 

 

俺は魔法の来た方向へ振り向くと、シオンにそう言った

 

 

「○○の嘘つき…逃げれるなんて何でそんな事言ったんだよ!逃げれるならさっさと逃げてよ!何でボロボロなの…?」

 

「あー…アレだ、もっと危機的状況になって使おうと」

 

「ファイアボール!」

 

 

シオンは突然詠唱破棄して俺に炎魔法を放ってきた

 

 

「うぁ!?シオン、お前…!」

 

 

パァン!

 

 

「…っ!シオン…?」

 

 

突然シオンは俺を叩いてきた

 

 

「バカ…」

 

 

シオンは涙を流していた

 

 

「アンタは死なせない、あたしが守る」

 

「止めろシオン、お前は逃げろ」

 

「あたしが逃げてその後は?○○死んじゃうじゃん…」

 

「俺は大丈夫だから…俺はシオンが居なくなるのが怖いんだよ、両親も死んでしまった、そこに更にシオンまで死んだら…俺は…」

 

「だったら、2人で生き延びようよ、2人でやれば、怖くない」

 

「シオン…」

 

 

シオンの表情は柔らかく微笑んでいた、この死んでしまうような状況で

 

 

「○○、好きだよ」

 

「え…?突然何言ってんだよ…?」

 

「答えは、帰ったら聞くね」

 

「ちょ…俺の話聞けよ」

 

 

突然のシオンの告白に俺は戸惑った

まるで、死ぬ間際とかで言うセリフにも聞こえてしまったからだ。

 

 

「さぁ!気張っていくよ○○!しっかりフォローしてよね!」

 

「お…おぅ…!」

 

 

何かシオンのペースに持ってかれてるが、この際ヤケだ…まずはこの状況を切り抜くしかない。

 

 

「爆炎よ、その身を焦がす炎と共に悪しき者を討ち滅ぼせ…!」

 

 

シオンは詠唱を始めた、だが気になるのは詠唱の初め、炎じゃなく爆炎になっている…

あれは…上級魔法の詠唱だ、シオンはまだ中級までしか使えないはずなのに…

 

 

「シオン止めろ!それはまだお前には…!」

 

「ドラゴン倒すにはこれぐらいじゃないとダメでしょ?アンタはしっかりフォローしてれば良いの!」

 

 

ガァァァァァァ!

 

 

ドラゴンが炎のブレスを放ってきた、炎のドラゴンに炎魔法は効果あるのか不安だが…

 

 

「ちょっと魔力キツいな…でも…やるんだ…!」

 

「シオン…」

 

「いくよ…!プロミネンスノヴァァァァァァァァ!」

 

 

シオンの手から巨大な炎が、龍の形になってドラゴンに向かっていく

 

 

「ブレスから…守らないと…大地よ、大いなる加護で我らをを包み込め!ネイチャーシールド!」

 

 

俺は中級防御魔法でシオンの前に巨大な土の壁を出した、だけど俺の魔法は木、ドラゴンは炎、相性は最悪だ…

 

 

「ニンゲンメ…コシャクナ…」

 

「ドラゴンが喋った!?」

 

 

ドラゴンは高位の魔物なのは知っていたが、喋れるのは知らなかった。

 

 

「ワガブレスヲフセグトハ…ダガコレハフセゲマイ…」

 

 

ドラゴンはそう言うと翼を羽ばたかせて空へ飛んだ

 

 

「ドラゴンインパクト…!」

 

 

ドラゴンが右手を前に突き出しながら、こちらに向かって急降下してきた

 

 

「ヤバい…アレはもう中級防御魔法じゃ防げない…!シオン逃げ…」

 

 

俺はシオンに声をかけようとしたが、シオンは倒れていた

 

 

「シオン!?おい!大丈夫か!」

 

「…」

 

 

シオンを抱き抱え声をかけるも、シオンは反応しなかった

 

 

「シオン…無茶しやがって…」

 

「クタバレニンゲン…!」

 

「うるせぇ…シオンだけは絶対守る!」

 

 

俺の中で怒りが湧いてきた

今はドラゴンを止める力が欲しい、そんな風にも思った。

 

 

「大自然よ…その怒りの息吹をもって悪しき者を無に還せ…!」

 

 

自分でも不思議に思った

今俺が詠唱してるのは攻撃魔法だ、しかも…上位魔法だ

俺は覚悟を決めてるのかもしれない、死ぬ覚悟を…

元々俺の魔法は攻撃に果てしなく向いていない、回復や防御魔法しか使えない。

これはきっと心の奥底で誰かを守りたいという気持ちが強いからなのかもしれない、俺はそう解釈している

両親を魔物に殺されてから、シオンはずっと俺の傍に居てくれた、それが本当にありがたかったし、嬉しかった

今は、この命を燃やし尽くしても…ドラゴンと刺し違えても、シオンを守る…!

 

 

「ユグドラシル!」

 

 

俺の背後から巨大な木が出現し、シオンを包み込んだ

ここまでは防御魔法に近いものがある、だがこの魔法はここからが違う

巨木から凄まじいエネルギーが蓄積されていく、この魔法は攻防一体の魔法である。

対象者を巨木の中に取り込み守り、外敵を迎え撃つ、それがこの魔法の特徴

 

 

「ソノマホウハ…キサマ…ナニモノダ…!」

 

「あ?俺は…ただ1人の女の子を守りたいちっぽけな人間だよ!」

 

「ナラバナゼソノマホウヲ…!」

 

「ぐだぐだうるせぇ…これで…消し飛べぇぇぇぇ!」

 

「ユグドラシルレイ!」

 

 

ユグドラシルが溜め込んだエネルギーをドラゴンに解き放った

 

 

「グォォ…ニンゲンゴトキガ…禁魔ヲ…」

 

 

魔法がドラゴンに直撃した、右半身を魔法で吹き飛ばす事が出来た…

 

 

「はぁ…はぁ…ゴポッ」

 

 

上位魔法を使った影響か、口から血が止まらない…

 

 

「ニンゲン…キサマ…コレカラドンナコトガオキルトオモッテルノカ…ワカッテルノカ…」

 

「んなの…知らねぇよ…ただ俺は…あいつを守れればそれで良い…」

 

「ワスレルナ…キサマハソノマホウヲツカッタ、イヤ…ツカッテシマッタ」

 

「はぁ…はぁ…何言ってんのか分からねぇよ…」

 

 

ドラゴンはまるでユグドラシルを唱えてはいけない口ぶりだった

 

 

「キサマハ…」

 

「うっ…ガハッ…」

 

 

ドラゴンがまた何か言いかけたが、俺の意識はそこで途切れてしまった、ユグドラシルが解けてシオンが横たわってるのが最後に見た光景だった。

 

 

 

「うっ…ここは…」

 

「ニンゲンノムスメ…ソコノニンゲンニツタエロ…ココロヲツヨクモテ、ソノココロユレルトキ、サイアクヲマネクト…」

 

 

身体を半分失ってるドラゴンがあたしにそう伝えてきた

何であんな姿になってるのか、それに気付くのは容易かった。

〇〇がやったんだ、そう確信出来た

 

 

「○○は!?」

 

 

辺りを探すと○○を見付けた、けどその周りには赤い血溜まりが出来ていた。

 

 

「○○!?ちょっと!しっかりしてよ!死んじゃ嫌だ!」

 

「おい、大丈夫か!って何だこれは…?ドラゴンが倒されている…?お前ら何をした…?」

 

「今はそんな事よりも○○を助けて!」

 

 

あたしは状況説明よりも○○を優先させた、折角想いを伝えたのに…答え聞く前に死なれちゃ嫌…!

 

 

「おい、誰かこいつらにテレポートを!」

 

「はっ!直ちに」

 

 

魔法使いの1人があたしと○○にテレポートをかけ、拠点に戻した

 

 

 

「○○…もうすぐ手当てしてあげるからね…もう少し頑張って…!」

 

 

拠点に戻り、救護班が○○に回復魔法をかけていく

しかし傷がかなり深く、そう容易く回復は出来なかった…

 

 

 

 

 

「あ…?」

 

「○○?気が付いた…?」

 

「ここは…」

 

「拠点だよ、テレポートっていう魔法で戻されたみたい」

 

「そう…か…」

 

 

俺は、あの後倒れてたんだな…

 

 

「なぁ、シオン…」

 

「何?」

 

「もっと顔を見せてくれないか…?まだ身体が動かせなくてさ」

 

「ほら、これでよく見える…?」

 

「あぁ、ありがとう…」

 

 

俺は痛む身体を無理に動かし、シオンを胸に抱き寄せた

 

 

「え、ちょ…○○?どうしたの?」

 

「良かった、シオンが生きてる…」

 

「何バカな事言ってるのよ」

 

「生きてる…生きてるんだ…」

 

 

俺は涙が止まらなかった、もしあの時、シオンを守れずに俺だけ生き残ってた場合…自分を保てなかったかもしれない

 

 

「あたしは生きてるから、アンタが…○○が守ってくれたんだよ?ドラゴンを倒すなんて凄いよ…!○○」

 

「あの時は無我夢中だった…使えないはずの魔法も使えたんだ」

 

「使えないはずの魔法…?」

 

「攻撃魔法だよ、俺は一切使えないはずだったのに…あの時だけは詠唱が頭に浮かんで咄嗟にそれを唱えてた、しかもそれが発動出来たんだ…代償でその後がアレだったけど…」

 

「それでもドラゴンを倒したのは○○だよ、誇って良い、偉いよ○○」

 

「そう…かな…ぐっ!?」

 

「まだ無理しちゃダメだよ、ゆっくり休んで」

 

「あぁ…ありがとうな、シオン…」

 

「おやすみ、○○…」

 

 

 

2週間後、俺の身体の傷は塞がった

しかし、代償はあった

両目の視力が低下していた

そこは眼鏡をかけるかとかで対処出来るからまだ良かった。

その代わり、1つ良い事もあった

俺も攻撃魔法が使えるようになった、と言っても初級魔法しかまだ使えないが…それでも使えるようになったのは嬉しかった。

 

 

「○○ー、魔法の練習相手になってー」

 

 

シオンがまた練習相手に俺を呼びに来た

 

 

「またか…?まだ万全じゃないんだから休ませてくれても…」

 

「ダメ、○○にはもっと強くなって貰わなきゃ困るし…それに、あたしを守ってくれるんでしょ…?」

 

 

そう、俺は1週間前にドラゴン戦でシオンから告白された返事をした

内容は恥ずかしいから言えないが、シオンの顔が茹でだこになるぐらいのセリフは言った気がする。

まぁ部屋も同じな訳だから、寂しい思いもしなくて済むし

ちなみに、あまりの恥ずかしさで俺に向かってファイアボールを詠唱破棄で撃ってきたりもあったけど、それは別の話…

 

 

「じゃあいくよー、炎よ、我が行く手を阻む障害を打ち砕け!」

 

「お前容赦無いなまったく…大地よ、我が身を守る盾となれ!」

 

「ファイアボール!」

「プロテクト!」

 

 

今ならシオンのファイアボールもプロテクトだけで軽く防げる、それぐらいあのドラゴン戦から強くなったみたいだ

ずっと寝てたから何で強くなったのかは謎だけど…

 

 

「へぇ…強くなったね○○」

 

「そりゃあな、お前を守る為だから」

 

「…っ!しっかり守ってよね!」

 

「守るさ、大事な人だからな、シオンは」

 

「…//」

 

「それじゃ、もう少し練習するか」

 

「うん!」

 

 

ドラゴンは倒した、けど他にも凶悪な魔物はまだ沢山居る

それを全滅させるにはかなりの年月が必要だろう、それでも俺は、俺達は戦い続ける…

1日でも早く平和にする為に…!

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
甘くは…無いでしょうね汗
彼女は子供や姪っ子etc言われてるので、もしよろしければって感じですかね
次の更新予定は実はそんなに日が無いんですよね汗
そちらも…ロボ子さんのでは無いのですが汗
次のお話も読んで頂けると幸いです。
ではでは、また次のお話まで失礼しますm(_ _)m
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