もしもロボ子さん(達)とそんな関係だったら   作:バタースコッチ

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どもです、今月3回目の投稿でございます
例の如くロボ子さんでは無いですが…
もうお分かりと思います、今日はホロライブ2期生の、百鬼あやめちゃんの誕生日でございます。
なので、毎度ながらの拙い文章力ですが、書かせていただきました。
実はこのお話、まさかの誕生日前日まで書いてました…
というのも、先月風邪引きまして、治ってからも散歩とか放浪してた為書けてなかったのです…
これは自分が招いた事なので、重く受け止めます

さて、きっとこんな前書きよんでもくだらないとか言われそうなので、ここらで…
ではでは、ごゆるりと…m(_ _)m


恋する乙女の行動力は凄い by百鬼あやめ

 

ここは幽世

なんでも妖怪とかお化け…?が沢山居るとか

僕は気付いたらこの世界に居た、前の世界の記憶は無い。

家族が居るかも分からない、本当に何も覚えてないみたいだ

鏡を見て自分の容姿を見てみると、おそらく15歳か16歳前後なんだろうと思う。若い印象だ

学校にも通ってるらしい、基本妖怪だらけだけど。

僕は分類されるなら人族だから、よくイジられる。

そんな中、僕は1人の女の子に目をつけられた、百鬼あやめという女の子だ。

自分の事を余と言うちょっと変わってる感じだ

と言っても、ここの人達(妖怪達)は皆変わってると思うからそこは何とも…だと思う

 

 

「おぉ、○○おはよう!」

 

 

ほら、また絡んできた…

この人は本当に絡んでくる、ありがたいようなありがたくないような…感じだ。

 

 

「おはよう、百鬼さん」

 

「むぅ…余の事はあやめと呼べと言ってるのに…」

 

「そこまで仲良くないからね」

 

 

仲良くなるつもりも無いけど

 

 

「ふむ、ならもっと親睦を深めるとするかの、学校が終わったらデートするぞ!」

 

「はい…?」

 

 

いや、仲良くないからってそんないきなり仲良くなろうとするのかな…

僕はあまり関わりたくないのに…

 

 

僕が何故百鬼さんと関わりたくないのか、理由を説明しないと思うからしとこう…

僕が学校に登校し始めた頃、鬼族の不良に絡まれた事がある。

そこを百鬼さんが助けてくれたんだけど…

でもその不良、百鬼さんに惚れてたみたいで、僕に対するヘイトが更に高まっちゃったらしいんだ。

何というか…僕は不運みたいだ。

それ以来、百鬼さんが居ない所で僕に対する鬼族からのいじめが起きてる

僕はそれを百鬼さんに伝えてない、というか伝えるつもりも無い。

伝えたら…どうせまた関わってくるから

 

 

 

「では、学校が終わったら校門で待っとるからな!」

 

「え…あの僕まだ何も」

 

「待っとるからなー!」

 

 

百鬼さんはそのまま走って行ってしまった

僕の話…聞いてくれないんだよね…

 

 

 

 

学校に着き、教室に入ると既に何人かのクラスメートが居た。

ろくろ首、一つ目、狼男、雪女、他にも色々な妖怪が居る

 

 

「お、○○来たんだ、おはよー」

 

「おはよう」

 

 

雪女の雪子が話しかけてきた、僕が登校するようになってから初めて出来た友達…かな…

 

 

「○○…」

 

「あ…」

 

「お前…また生徒会長に話しかけられてたな…」

 

 

河童のQ太郎が負のオーラ全開で迫ってきた

 

 

「ちょ…Q太郎…落ち着いて…」

 

「これが落ち着いていられるか…何で…何でお前ばっかり…百鬼会長と話せるんだよぉぉぉぉぉ!」

 

 

そう、百鬼さんは…この学校の生徒会長らしい

 

 

「そんな事言われても…僕だって迷惑してるんだけど」

 

「お前ぇぇぇぇぇぇ!」

 

「ちょっとQ太郎落ち着きなさいよ!」

 

 

雪子や他のクラスメートがQ太郎を止めてくれた、百鬼さんの話になるとQ太郎は何時も暴走する。

百鬼さん本当に人気なんだな…

 

 

あれからQ太郎の暴走は止まり、なんとか授業を受ける事が出来た。

もうQ太郎に百鬼さんの話は禁句だな…

 

 

授業が終わり、下校の時間になる

僕は教室の窓から覗くと、既に百鬼さんが校門の前で仁王立ちしている。

何でそんなに早く待ってるのか…僕は分からなかった。

 

 

「おぉ!○○待っておったぞ!」

 

「あぁ、うん…お待たせしました…」

 

 

結局僕は百鬼さんとデートする事になった…

嫌だけど…今日でもう絡まないでって言わないと…

 

 

「では早速、行こうかの」

 

「何処に行くの…?」

 

「何、来れば分かる」

 

 

百鬼さんはそう言うと僕の手をとって歩き出した

 

 

「ちょっ…百鬼さん、自分で歩けるよ」

 

「むふふー」

 

 

百鬼さんは僕の声が聞こえてないようだ…

 

 

 

「さぁ、着いたぞ!」

 

 

百鬼さんに連れられて、辿り着いた場所は…ドーナツ屋だった

 

 

「一度来てみたかったんだがな、一人だとどうしても恥ずかしくてな…二人で入れば平気と思ったんだ」

 

「そっか」

 

「いらっしゃいませ、ご注文は…ってテメェは!?」

 

「あ…鬼族の…」

 

「おぉ、羅刹じゃないか、バイト頑張ってくれなー」

 

 

百鬼さん、軽い、軽いよ…僕その人に敵視されてるんだから…

 

 

「チッ…ご注文は?」

 

「余はポンポンリングを頼む」

 

「僕は…プレーンで」

 

「少々お待ちを…」

 

 

鬼族の羅刹と呼ばれてる彼は、僕を睨み付けながら消えていった

僕何もしてないのに…

 

 

「ふふふ…楽しみだなぁ」

 

「本当に楽しみなんだね、百鬼さん」

 

「だからあやめと呼べと…まぁ良い、余は甘い物に目がなくてな、ここにこの店が出来た時から来てみたかったんだ」

 

 

百鬼さんはとても嬉しそうに話してきた

 

 

「そっか、まぁ…僕も甘い物は嫌いじゃないかな」

 

「そうか!○○も好きなのだな!?余達気が合うではないか!」

 

 

百鬼さんはそう言うと僕に抱き着いてきた、あの…周りの目が痛いです…百鬼さん…

 

 

「お待たせしました…っておいテメェ…何してやがんだ…?」

 

 

うわぁ…最悪のタイミングだよ…僕本当に何なの…

 

 

「おぉ!それがポンポンリングか!?」

 

「あ…はい、これがポンポンリングでごぜぇやす、お嬢」

 

「ここでその呼び名はするな、羅刹」

 

「す、すんません…」

 

 

僕には何の事だか分からないけど、多分知らなくて良いんだろうな

 

 

「では、戴こうか」

 

「う、うん…いただきます…」

 

 

うん、プレーンはシンプルで美味しいな

 

 

「お…おぉ…このモチモチした食感、たまらん…!素晴らしいな!」

 

「美味しいんだね」

 

「あぁ、もうとびっきり美味くてな!ほっぺたが落ちそうだ!」

 

 

百鬼さんは満面の笑みで僕に語ってきた

 

 

「なぁ○○、お主のプレーン1口くれぬか?」

 

「…え?」

 

 

百鬼さんが僕のドーナツを狙ってる…?

いやいや、これは僕のドーナツだからあげないよ…?

 

 

「食べたいなら自分で買いなよ、これは僕のだし」

 

「そう堅いこと言わずに、な?」

 

「いやだからこれは」

 

 

パクッ

 

 

僕が言い終わる前に、百鬼さんが僕のドーナツを食べた

 

 

「あ…」

 

「むぐむぐ…おぉ、このぷれーんとやらも美味しいな!」

 

 

当の本人は笑顔である

しかし、後ろを振り返るとあの鬼族が凄い目つきで睨んでいる

 

 

「1口貰ったお礼だ、余のも1口食べるといい」

 

 

百鬼さんはそう言うと自分のドーナツを差し出してきた

 

 

「あの…大丈夫だから、僕は」

 

「良いから良いから、遠慮なく食べてくれ!」

 

 

百鬼さんは笑顔でドーナツを口元へ寄越してくる

正直これ食べると、間接キスになるんだよな…

百鬼さんそれ気にせずに僕のドーナツ食べたけど…気付いてたのかな、間接キスしてる事

 

 

「百鬼さん、それ食べると間接キスになるよ?というか、僕のも食べて間接キスになってるんだけど」

 

 

思い切って聞いてみた、これで恥ずかしがってくれれば僕の勝ちだ

 

 

「ん?別にお主となら間接キスぐらい構わんぞ?お主は…嫌…なのか…?」

 

 

ズルい…そんな言い方されるのは、本当にズルい

 

 

「嫌というか…なんというか…」

 

「むぅ…煮え切らないな、そうだ!じゃあこれなら嫌でも食べさせてやるぞ」

 

 

そう言うと百鬼さんはドーナツを口に咥え、僕に抱き着いてきた

 

 

「ちょっ…百鬼さん!?」

 

「んー!」

 

 

百鬼さんと僕の距離は、ドーナツの差分が無いともうキスまで出来るぐらいの距離になっていた

これ、ドーナツ食べちゃったらキスになっちゃうんじゃ…口移しにも近いよ…?

 

 

「百鬼さん、離して…これは流石にヤバいって、色々ヤバいって…」

 

「○○がたふぇてくれふぁいからだほ(食べてくれないからだぞ)」

 

「だからって…」

 

「ふぁあくたふぇてふえ!(早く食べてくれ!)」

 

 

百鬼さんはどんどん涙目になってきた、ずっと咥え続けるのも大変なんだろう

 

 

「わ…分かったよ、じゃあ…いただきます」

 

 

僕は観念して食べる事にした

 

 

パクッ…チュッ…

 

 

「!?」

 

「んー!やっと食べてくれたか、ここまでしないと食べてくれないとはなぁ…苦労したぞ」

 

 

頭が追いついてない、食べたのは理解しているけど…その後のアレは…何…?チュッて…え…え…!?

 

 

「ん?何を驚いているんだ?○○まさか…1口食べただけでドキドキしたのか?」

 

 

百鬼さんはニヤニヤしながら僕をからかってくる

 

 

「まぁ、余の唇を奪った訳だ、どうなるかは…後で存分に知る事になるぞ」

 

 

耳打ちでとんでもない事を言ってきた、どちらかと言うと食べた直後百鬼さんが唇を押し付けてきた形なんだけど…何で僕が奪った事になってるんだろ…

 

 

 

 

「今日は楽しかったぞ、○○、また来ような!」

 

「楽しかったですけど…何かこう、モヤモヤするんですけど…」

 

「何、気にしないでくれ、その内分かるからな」

 

 

百鬼さんはそう言い残して去って行った

残された僕は、周りから何とも言えない眼差しを向けられていた…

 

 

 

 

翌日

僕は学校に登校する為に歩いていた

でもおかしい、道行く人皆僕の事をジロジロ見てくる

何か変な事したのだろうか…?

 

 

 

「おはよ…」

 

「○○お前ぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 

ドアを開けた途端Q太郎が襲いかかってきた

 

 

「うぁ!?」

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」

 

「ちょっ…Q太郎落ち着いてよ」

 

「○○、生徒会長とキスしたって本当なの?」

 

「雪子…いや、アレは事故で」

 

「キスしたの?」

 

「う…うん…成り行きで…」

 

 

雪子に詰め寄られて白状した、すると雪子の目が鋭くなっていった

 

 

「それが本当だと、○○、あなた大変よ?」

 

「え…何で?」

 

「そう言えばあなたは転校してきたから、話を知らないのも無理は無いわね…あのね、生徒会長は誰ともキスした事無いのよ、それでキスした相手と結婚するとかって噂があるのよ」

 

「何それ…」

 

「まぁ、生徒会長とよく話す事だね、私達はあくまで噂しか知らないから」

 

 

 

その後も、僕は周りからずっと見られ続けた。

正直居心地凄い悪かった…

 

 

放課後、僕は生徒会長室に向かった

百鬼さんに真意を聞かないといけないから

 

 

「失礼します」

 

「ん?おぉ!○○ではないか!どうしたんだ?」

 

「あの、噂聞いたんですけど…百鬼さん…キスした事無かったんですか?それに、結婚って…」

 

 

僕は怖かったけど聞くことにした、結婚とか冗談じゃない…

 

 

「ふーむ…そうだな、○○はどう思ってる?」

 

「え…?」

 

「余がキスしたのは、○○だけだぞ?それに結婚は…」

 

 

僕はそこまで聞いたら走り出していた

何かもう自分が嫌で仕方なかった、どんな形であれ百鬼さんの…ファーストキスを奪ってしまったのだから…

 

 

 

 

2時間後

「○○…急に走り出しおって…何処に行ったのだ…?」

 

「あやめ様」

 

「カルマか、どうした?」

 

「シラヌイが○○殿の居場所を突き止めました」

 

「そうか、場所は?」

 

「黄泉谷です」

 

 

 

どれくらい歩いただろうか?

知らない間に遠い所まで来たみたいだ…

この深さなら…自力で這い上がれないよね…

 

 

「ごめん百鬼さん、さよな」

 

「○○!」

 

「百鬼…さん…?」

 

 

僕が谷に落ちようとするところを、百鬼さんが止めに入った

 

 

「はぁ…はぁ…間に合った…シラヌイ…感謝するぞ…」

 

「なん…で…?」

 

「馬鹿者!」

 

 

僕の問いに答えず、百鬼さんは罵倒を浴びせてきた

 

 

「百鬼…さん…?」

 

「何で余の話を最後まで聞かなかった」

 

「…」

 

「何も言わないのか」

 

「僕は…百鬼さんのファーストキスを…」

 

「そうだ、余のファーストキスは○○が奪った」

 

「っ!」

 

 

僕はそれだけ聞ければ十分だった、また自責の念が襲ってくる

 

 

「だがな、余は全然後悔してないぞ?むしろ、嬉しく思ってる」

 

「え…?」

 

「余は家柄の都合上、妖怪と関われないからな…余に話しかける者は皆、余を大事な物のように接してくる。余はそれが嫌だった、だが○○、お前だけは…ちゃんと、余を普通の女子として接してくれた、それだけで十分好感が持てるんだ」

 

 

百鬼さんの口ぶりだと、何処かしらのお嬢様なのだろうか?

それに、鬼族の人とのやりとりも…

僕はただ、波風を立てたくないだけだった

記憶も無い、特別な力も無い、ただの人間…

そんな奴が注目されでもしたら、どうなるか…妖怪の方が力は強い、きっと僕は八つ裂きになるだろう

自分自身を守りたかったから、そういう態度をとってただけなのに…

 

 

「違うよ百鬼さん、僕はそんな風に接してはいなかったよ。ただ、話しかけてくるからそれに対応しただけだよ…」

 

「それでもだ、お前は余の事をちゃんと見てくれた、それが嬉しかったんだ」

 

「百鬼さん…」

 

「っと、それと、結婚の噂の事だが…」

 

 

そうだ、僕はその部分だけ聞かずに飛び出してた

頭の中ではキスの事でいっぱいだったから…

 

 

「そんな噂、ただのデマだ。余はそんな事で結婚なんぞ決めないし、そんな相手は居なかった、前までは」

 

「そっか、デマだったんだね…それなら良かっ…前までは…?」

 

「うむ、今は居るという事になるな」

 

 

僕はそれを聞いて何故か嫌な予感がした

 

 

「それって…誰…?」

 

「ん?余が今抱き着いてる奴の事だが」

 

「僕の事…?」

 

「他に誰が居る?」

 

「あの…僕百鬼さんの事そんな風には」

 

「分かっておる、これは余の片想いって分かってる。それでも、想いは伝えておきたい」

 

「余は、○○が好きだ。ドーナツを使ってキスしたのも、ちゃんと接してくれたお礼のつもりだった。でもな、キスしてから抑えていた好きって気持ちが溢れてきてな…生徒会長室に来てくれた時は飛び跳ねるぐらい嬉しかった…○○の方から会いに来てくれたって思えると…もうな…」

 

 

百鬼さんは喋る度に、涙を流していく

最後の方は、声が小さくなって聞き取れにくくなる程に

 

 

「百鬼さん、ごめん…本当に…」

 

「謝らないでくれ、余は…大丈夫だから…」

 

「僕は、百鬼さんとは結婚出来ない…今は」

 

「分かっておる…ん?今は…?」

 

「僕はまだ百鬼さんの事全然知らないから、もっと知りたい。そこから好きになっていきたいんだ」

 

「○○…」

 

「だから…まずは友達からお願いします…!」

 

 

僕がそう言うと、百鬼さんは更に僕を抱き締めた

 

 

「ありがとう○○…余は拒絶されてもおかしくなかったのに…ありがとう…ありがとう…!余の方からも頼む、友達に…なってくれ…!」

 

 

 

 

この日、僕達は友達になった

百鬼さんはそれでも僕に対する想いは変わらず接してくれてる

僕も少しずつ歩み寄って、仲良くなれればと思ってる。

ついでに鬼族からのイジメも無くなった、百鬼さんには伝えた憶えは無いんだけど…ちょっと不思議だった。

そして、その日の内に明かされた事だけど…

百鬼さん、実は百鬼組って呼ばれるところのお嬢様だったらしい

これを知ってるのは極一部らしく、鬼族の羅刹も知ってる。

というか…羅刹も百鬼組の一員らしい…

何で明かしたのか聞くと、「○○には全てを知って欲しかったからな、隠し事はしたくなかった」と言っていた

僕は自然と受け入れられた、普通なら困惑するとかの反応すると思うけど

後、影でサポートしてる懐刀…?の2人も紹介された

カルマと、シラヌイという名前らしい

実際2人の戦闘能力は高く、この2人が居るなら百鬼さんに手を出そうなんて輩は居ないんだろうなぁって思ってる。

カルマと握手した時、何故か凄い力で握られたけど…嫌われてるのかな、何もしてないはずなんだけど…

 

 

「○○おはよう!」

 

 

百鬼さんは今日も元気に挨拶してくる、でも1つ変化がある。

それは…スキンシップがちょっと激しくなった事

友達になったばかりなのに、このスキンシップはどうかと思う…

具体的に挙げれば、今の挨拶なんてハグしながらしてる。

人目も気にせずにしている、僕は恥ずかしいけどきっと言っても聞いてくれないから、もう良いやってなってる…

 

 

「おはよう、百鬼さん」

 

「むぅ…友達になったのだ、名前呼びしてくれても良いのに」

 

「そうもいかないよ、いきなり呼び方変えるのも大変なんだから…」

 

 

気のせいかな…百鬼さんの頭に付いてないはずの犬耳が見える気がする…

疲れてるのかな…

 

 

「さぁ○○!今日の放課後はあいすなる物を食べに行くぞ!」

 

「え、今日も行くの…?」

 

 

実は、友達になってからほぼ毎日あちこちに連れ回されている

これもう友達というか付き合ってるんじゃ?って言われたらそれになりかねない…

僕は友達にはなったけど、そういう仲になるとは言ってない訳で…

 

 

「あ…すまぬ、○○にも予定はあったよな…」

 

 

やはり見えないはずの犬耳が垂れ下がってる風に見えてしまう…

何だろ…可愛い…

 

 

「いや、大丈夫だよ。アイス食べに行こうか」

 

「本当か!?今更やっぱり行かないは無しだからな?」

 

「だ、大丈夫だよ…」

 

「むふふー、では放課後楽しみにしてるからなー!」

 

 

百鬼さんは校門が近くなったのか離れて、そのまま走り去って行った

いや本当に付き合ってないからね…?

誤解しないで…?

周りの目もそれっぽい目になってるけど、そんな事無いからね…?

 

 

「おい」

 

「あ、羅刹…さん」

 

「俺の事は呼び捨てで良いって言ってるだろ」

 

「いやまぁ、そうなんだけど…」

 

 

百鬼さんと友達になってから、羅刹も僕と話すようになった

前は怖いイメージしか無かったけど、それも百鬼さんを守るためにやってた事らしい。

 

 

「今日も出かけるのか?」

 

「う、うん…百鬼さんが乗り気で」

 

「お嬢があんなにはしゃいでるのも、お前のおかげだろうな」

 

「そんな事無いと思うけど…」

 

「謙遜すんな、何かあってもカルマとシラヌイ、俺も居る。今は楽しんでこい」

 

「ありがとう」

 

 

羅刹も随分丸くなったなぁって思ってる

僕に対して敵意どころか殺意を持ってたから

これも百鬼さんと友達になったからなのだろうか…?百鬼組ってそんなに凄いのか…

 

 

一応、学校の中では友達になってる事は秘密にはしている

Q太郎みたいな暴走タイプがいると僕の命が危ないからだ。

だからなのか百鬼さんも大人しくしてくれてる、学区内から抜けるとベタつきが凄いけど…

 

 

「○○ー、今日一緒に帰らない?」

 

「あ、雪子…ごめん今日は」

 

 

そこまで言いかけた時、教室のドアが開く

 

 

バン!「○○!早速行くぞ!」

 

「え…百鬼さん…?」

 

「おい、生徒会長が○○の名前を」

「どうなってるの?」

「あぁ…生徒会長…」

 

 

皆違う反応してるけど、全員一致で思うのは何でここに来たのだろうか?だと思う

というか、何で教室にまで来ちゃったんだろうか百鬼さん…

 

 

「もう待ちきれないんだ!さ、早く荷物を持って行くぞ!」

 

 

百鬼さんは僕の荷物を持ち、腕を引っ張っていく

無論、皆の目は驚きと困惑だと思う

 

 

「あの…百鬼生徒会長…?○○とは一体どんな関係で…?」

 

「ん?○○とは友達の仲だ、告白はしてあるがな」

 

 

百鬼さん、最初の方はまだ良いとしよう。

別に何ら問題は無いと思うから、でも後半はダメ…

 

 

「おい、○○に生徒会長が告白したんだとよ」

「嘘…あの○○に…?」

「○○ユルサナイ○○コロス」

 

 

あー…やっぱりこうなるよね…てか最後の人殺意に満ちてるよ…?

 

 

「さ、○○よ、でーとに行くぞ!」

 

 

待って、百鬼さん待って…その発言だけは絶対ダメだと思う、僕へのヘイトが凄い事になる…

 

 

「○○と生徒会長がデート…だと…!?」

「そんな…生徒会長が○○と…?」

「コロスコロスコロスコロス」

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!○○死ねぇぇぇぇぇ!」

 

 

何か増えた!?

っていうかQ太郎じゃないか…

Q太郎は我を忘れて僕に襲いかかってきた

 

 

「ったく…おじょ…生徒会長が突然走って行ったと思えばやっぱりここか」

 

「アグァ」

 

 

Q太郎は変な声を出しながら、意識を失った

羅刹が止めてくれたみたいだ

 

 

「○○早く行け、ここは俺が鎮めといてやる」

 

「でも…」

 

「オラァ!俺は生徒会書記の羅刹だ、文句ある奴居んのか?」

 

「「「…」」」

 

 

てっきり羅刹は不良とばっかり思ってた、羅刹…ごめん、考え改めるよ…

 

 

「ほら、○○行くぞ!」

 

「あ…ちょっと百鬼さん…羅刹、ありがとうね」

 

「フン…」

 

 

僕と百鬼さんはその場を羅刹に任せて後にした、今日は乗り切っても明日からが大変になる…

本当に僕、生き残れないと思う

 

 

「百鬼さん、何で教室に来たの?」

 

「うっ…それはだな、待ちきれなくてつい…」

 

「何時もは校門のとこだったのに?」

 

「…すまん、軽はずみな行動だった」

 

「大丈夫…だよ、羅刹も上手くやってくれると思うし」

 

「すまん…」

 

 

百鬼さんの表情はどんどん暗くなってくる

いくら付き合ってないとはいえ(ここ重要)落ち込んでる姿は見たくない

だから僕は、百鬼さんの両のほっぺを横に引っ張った

 

 

「にゃにふるんふぁ(何するんだ)」

 

「大丈夫だって、そんなに落ち込まれると…アイス屋に行っても美味しく食べれないよ?」

 

「しょれふぁ(それは…)」

 

「反省してくれてるだけで、僕は大丈夫だから」

 

 

僕は両手を離し、百鬼さんの頭を撫でた

 

 

「な…!?」

 

「あ、ごめん…嫌だった…?」

 

 

百鬼さんが驚いた様子だったので、僕は手を引っ込めてしまった

 

 

「い、いや!もっと…もっと撫でて欲しい!」

 

 

百鬼さんは目をうるつかせながら、僕に言う

 

 

「うん、良いよ」

 

「はにゃぁ…」

 

 

僕が再度撫でると、百鬼さんは蕩けるような表情を浮かべる

前に犬耳が見えた時があったけど(疲れて)今は尻尾まで見えそうな気がする…何でだろ…?

 

 

「…はっ!?あまりの気持ちよさに余はどうかしていたようだ」

 

「元気になったみたいだね、それじゃ…行こうか?」

 

「あぁ、ありがとうな○○、余は今とても幸せな気分だ」

 

「これからもっと幸せになるんでしょ?アイスを食べてさ」

 

「うむ!」

 

 

 

 

百鬼さんは可愛い、それは認める

でもまだ好きっていう感情にまでは至ってない

その感情を覚えるまでに、後どれくらいの時間が必要なのか分からないけど、不思議と一緒に居るのが心地良い

きっと、本当に好きになって、恋人同士になって…結婚もするのかもしれない。

凄い漠然としてるけど

 

 

 

 

 

その頃の教室

「俺だってなぁ…生徒会長が好きだったんだ…でもなぁ!それを押し殺してでも○○を応援してんだ!お前らあいつと生徒会長を邪魔したりからかったりすんじゃねぇぞ!?」

 

「「「○○、俺(私)達が悪かったからこいつ(この人)何とかして…」」」

 

 

羅刹が泣き叫びながらクラスを説得していた…




読んでいただきありがとうございます
もしご興味湧きましたら、是非ご自身でお探しになられてはいかがでしょうか…?
自分自身、とても好きで癒されております
(歌も上手との話が…?)

ではでは、また次のお話まで失礼しますm(_ _)m

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