もしもロボ子さん(達)とそんな関係だったら   作:バタースコッチ

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どもです、お菓子ですm(_ _)m
数日ぶりですね、これも誕生日が近いと起きる現象なので、まぁ御容赦くださいませ…汗
さて、今回のお話はタイトルの通り、アキ・ローゼンタールさんのお話です。
まぁ御察しの通り、誕生日です。
以前一度書きましたが、アレはまた別件でしたので。
ではでは、ごゆるりと…m(_ _)m


変わるきっかけ byアキ・ローゼンタール

喧嘩に明け暮れた日々、俺は一人の女子を助けた。

よくあるナンパに絡まれてるところを、通りがかった俺が助けた。

女子は礼がしたいと言った、だが俺は関わりたくないから断った。

断った…はずなのに、俺の家に居候している。

親父は居ない、俺とおふくろを捨てた。

俺が小学5年の話だ。

中学生になってから、母子家庭の事でちょっかいをかけられるようになった。

それが原因で俺は荒れた、元々成績は良くない方だった、それに拍車をかけ悪評が出回った。

高校には行ってない、どうせこの成績と評判でアウトだ。

だから昼間から街を出歩いてたら、さっきの話になる。

おふくろは、女子の事を歓迎していた。

だが俺は嫌でたまらなかった、その理由は…凄い構ってくるからだ…

 

 

「○○さん、朝ですよ!起きてください!」

 

「うるせぇ、あっち行ってろ」

 

 

そう、毎回起こしにくる、俺はこれが嫌でたまらない。

 

 

「ダメですよ、お母様から○○さんの事しっかり見るように言われてるんですから!」

 

「…うぜぇ」

 

 

おふくろは、この女子、アキ・ローゼンタールを居候させて3日後、急に出掛けちまった。

今はどこをほっつき歩いてるのか検討がつかない。

 

 

「ほーら、朝ごはん出来てますから早く起きてください」

 

「ちっ…面倒だ…」

 

 

俺は仕方なく起きる事にした、前に無視し続けていたら布団に潜ってきた事があった。

俺は女が嫌いだ、何故なら…俺の事を母子家庭でちょっかいかけてきたのは女子が最初だったからだ。

流石に女子を殴る事は無かったが、近くの物を壊しまくっていた。

それを見ていた他の生徒が、噂を誇張させて拡がったという事だ。

 

 

「改めて、おはえんたーる♪○○さん」

 

「…」

 

「むぅ…挨拶くらいしてもいいじゃない…」

 

 

俺は着替えてリビングに下りる、と言っても全身ジャージだ。

服装なんて、着れればなんでもいいと思ってる。

 

 

「さぁ、召し上がれ!」

 

 

あいつが用意したのは、おにぎり…しかも数は軽く10は超えてる。

そして一際大きいおにぎりが2つ…

 

 

「おい、これ何だよ?」

 

「何って…おにぎり」

 

 

あいつは何食わぬ顔でそう言う、そんな事は分かりきってる。

 

 

「俺が言いたいのはそれじゃねぇ、この大きいおにぎりは何だって聞いてんだよ」

 

「…ぎり」

 

「あ?」

 

「シャケおにぎり!大好きなの!だから大きく作ったの!」

 

 

あいつは恥ずかしがりながら大声で叫んだ。

そんなに恥ずかしいのか今にも泣きそうになっていた。

 

 

「…まぁその、なんだ、食うぞ」

 

「…うん」

 

「「いただきます」」

 

 

俺は普通のサイズのおにぎりを食べる、中身は昆布…他にも梅、おかか、明太子…色々な具材を入れてるようだ。

 

 

「どうかな…?美味しい?」

 

 

さてどうするか、さっきも言ったが俺は女が嫌いだ。

喜ばす事も、悲しますのも嫌いだ。

なら答える選択肢は1つ

 

 

「食えれば何でもいい」

 

「むぅ…」

 

 

この答えが恐らく最善手だろう、喜ばせる事もせず、悲しませる事も無い。

俺の答えが気に入らなかったのか、残りのおにぎりを全部1人で平らげた。

大きいおにぎり2つを残して

 

 

「お前…そんな細い身体でよく食うんだな」

 

「んっ!?ダメ…?」

 

 

俺の一言はそんなにくるものだったのか、一瞬で涙目になった。

 

 

「ダメじゃねぇよ、いっぱい食うことは、良いことだ」

 

 

何で俺はフォローをしてるのか分からない、嫌いなはずなのに。

 

 

「そ、そうだよね!いっぱい食べないと大きくなれないもんね!」

 

 

あいつは若干ヤケになってるのか、大きいおにぎりを頬張っていた。

 

 

「食うだけじゃ成長するのは腹だけだろうに…」

 

 

俺はボヤきながら大きいおにぎりをかじる、中身はシャケみたいだ

口には出さないが、どのおにぎりも美味い。

料理の腕はあるようだ、おふくろが家を出てから自炊で食っていた。

あいつの料理を食うのは今日が初めてだった。

 

 

「ごちそうさま!」

 

 

先にあいつが食べ終わった、それもそのはず…一口が大きくとてもにこやかに食べていた。

食事を楽しんでるように…

 

 

「おい、付いてるぞ」

 

「付いてるって…?」

 

 

俺はあいつの頬に米粒が付いてる事を指摘したのだが、気付いて無いようだ。

だから仕方なかった

 

 

「ったく…ほれ」ヒョイパク

 

「!?」

 

 

おふくろもよく頬に米粒付けて、それを食ってた事もあったのかあいつに付いてる米粒も食べた。

が…あいつの顔がまた赤くなっていく。

 

 

「どうした?」

 

「あ…あぁ…」

 

 

あわあわしながら両手で顔を覆っていく

 

 

「そ、そういうのは…もっと親しい人とするべきだと思います!」

 

 

顔を真っ赤にしながらあいつは言う。

説得力があまり無い

 

 

「知るかんなもん…」

 

 

俺はおにぎりを食べ終え、自室に戻ろうとする。

 

 

「あっ…待って、今日一緒にお散歩しない?」

 

「あ?何で?」

 

 

あいつが提案するのはこれが初めてだ、なので少し警戒している。

 

 

「あの…その…」

 

「早く言えよ、部屋戻るぞ?」

 

「全然お話した事無かったから、話してみたいって思ったんだ…」

 

「…」

 

 

俺は別に、あいつと話したいとも思わないが…

 

 

「はぁ…」

 

 

俺は部屋に戻る

 

 

「あっ…」

 

「何だよ?散歩行くんじゃねぇのか?準備してくるんだよ」

 

 

俺はそう言い部屋に戻った。

 

 

「あの人…素直じゃないなぁ…でも、助けてくれた時はかっこよかったんだよね」

 

 

 

 

 

「やめてください!離して!」

 

「良いじゃん、暇でしょ?俺達と楽しい事しようぜ?」

 

「へへへ…金髪美女…そそるじゃん」

 

 

この時のワタシは、一人暮らしの為に各地を歩いていた。

どこか良い場所が無いか探してる途中で男の人達2人にぶつかり、このような状況になってしまっている。

 

 

「おい、もう連れてこうぜ」

 

「あぁ、そうだな」

 

「嫌!嫌!誰か助けて!」

 

「おい」

 

「あ?誰だお前?」

 

「俺は女は嫌いだが、テメェらのような奴らはもっと嫌いだ」

 

 

その時助けに入ってくれたのが、彼

ワタシと男2人を見て苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 

 

「何コイツマジ鬱陶しい…おい!」

 

「あぁ、殺るか」

 

 

2人はナイフを取り出し、彼に襲いかかった。

ワタシは怖くて目をつぶっていた、そのまま逃げるのもあったのだろうけど、足がすくんで動けなかった。

 

 

「ぐぁぁぁぁ!」

 

「手…手が…手が…!」

 

「こんなもんか、武器使わなきゃ勝てねぇなんて情けねぇ奴らだ」

 

 

男の叫びを聞いて目を開けると、2人組はうずくまっていた。

ワタシは彼に救われた。

彼が助けに来てくれなかったら、ワタシはどうなってたか分からない。

きっと酷い目に遭ってたのだろうと思う。

 

 

「おい、早く行け、ここに居たら騒ぎになるぞ」

 

「で…でも…足が…」

 

 

もう危険が無いと分かっても、未だにワタシの足は動かない。

 

 

「これだから女は面倒くせぇ…こっち来い、広いとこまで連れてってやる」

 

 

彼はワタシの腕を掴み歩く、力強く、でも決して痛くない加減。

 

 

「…この辺りなら良いか、じゃあな、もう変なのに絡まれんなよ」

 

「あの!」

 

 

彼が去る前に呼び止める

 

 

「あ?」

 

「お、お礼をさせて下さい!」

 

「いらねぇ」

 

「お願いします!」

 

「しつけぇ」

 

「聞いてくれないならここで叫びますよ、アナタに襲われたって」

 

 

我ながらセコい事してると思った。

お礼をしたいのに困らせてるのだから。

 

 

「…っ!礼って何だよ?」

 

「ご飯作らせてください!腕には自信あります!」

 

「はぁ…こっちだ、今の時間おふくろも居るがな」

 

 

その後彼の名前を知り、○○さんのお母さんに会った。

○○さんのお母さんはとても優しく、ワタシの事情を話したらここに住んでいいと言ってくれた。

○○さんは反対していたが、○○さんのお母さんが有無を言わさず納得させていた。

ご飯を作ろうとしたが○○さんのお母さんがササッと焼きそばを作ってくれていた、あのスピードは凄いと思う。

それでいて美味しいから悔しい、ワタシだって負けられない。

その後、ワタシが居候し始めて3日経った時、突然○○さんのお母さんが出掛け、そのまま帰らなくなっていた。

そして話は今に戻る…

 

 

 

「準備出来たぞ」

 

「じゃあ行きましょう♪」

 

 

俺と散歩とか正気なのかこいつ…

 

 

スタ…スタ…スタ…スタ…

 

 

自分から誘っといていざ歩くと無言かよ…

女は自分勝手だな…

 

 

(ど、どうしよう…いざ話そうとすると全然内容浮かばないよ…せっかく一緒に歩けてるのに)

 

 

「お?あれ○○じゃね?」

 

「本当だな、よぉ○○、元気か?って…女連れてるのか、あの堅物がなぁ」

 

「トラ…ジョブズ…」

 

 

トラとジョブズは、所謂不良仲間と言うべきか。

いや、2人は学校には行ってるし、そこまでの不良でも無いか…

 

 

「わーお、○○が彼女連れかぁ…」

 

「おいトラ、こいつはそんなんじゃ」

 

「初めまして、ワタシ○○さんの彼女のアキ・ローゼンタールっていいます」

 

 

俺の左腕に抱きつきながら、あいつはそんな事を言った。

 

 

「おいバカ…お前…」

 

「はっはっは!○○にも春が来てたか、良きよきだな」

 

「いやぁ…めでてぇわ、ジョブズ、俺達邪魔っぽいし行こうぜ」

 

「そうだな、じゃあな○○、彼女さん大事にしろよ」

 

「だからこいつはそんなんじゃ…っておい!待てよお前ら!」

 

 

トラとジョブズは誤解をしたまま去って行った。

 

 

「おい…お前…何であんな事した?」

 

「…」

 

「答えろ」

 

 

こいつに対して今一番怒ってる、冗談でもやっていい事と悪い事はある。

 

 

「迷惑…だった…?」

 

「当たり前だ、俺は女が嫌いなんだ。お前がやった事は俺に対する嫌がらせだ」

 

「…ごめんなさい」

 

 

その時の俺は冷静ではなかった、あいつの声が震えてるのにも気付かなかった。

そして、最低な言葉も言うことになる

 

 

「お前さ、ずっと俺に構ってきて鬱陶しいんだよ。お前を助けたのもあのクズ共を見たくないからで、助けたのはついでだ。おふくろはお前の事気に入ってたみたいだが、俺はその逆、気に入らねぇ。まさか俺に惚れたとかじゃ無いだろうが、もう絡まないでくれ」

 

 

「…っ!」

 

 

あいつは目を見開き、口を手で覆っていた。

酷い事を言った自覚はある、だがここまでしないときっと離れないであろうと思った。

 

 

「…なの…?」

 

「あ?」

 

「惚れちゃダメなの!?」

 

 

あいつは目に涙を溜めながら叫んだ

 

 

「男の人2人に絡まれて、嫌でたまらなかった。そこを○○さんが助けてくれて嬉しかった。ワタシの腕を引いて歩いてくれた後ろ姿がかっこよくて、胸がときめいた…ワタシを毛嫌いしてたのは分かってた、それでも、少しでも好きになってくれたら…って思ってめげずに声をかけてたよ…?」

 

「…」

 

 

あいつもあいつなりに頑張ってたのだろう、だがそれでも…

 

 

「帰る」

 

 

俺はあいつの言葉に反応せず、来た道を引き返した。

 

 

「うっ…うぅ…」

 

 

あいつは動かずその場で泣き続けていた

 

 

 

 

帰宅した

あいつもその内帰ってくるだろう、そう思っていた。

だが、日付が変わってもあいつが帰ってくる事は無かった…

 

 

翌日

何時もならあいつが起こしに来るが、それも今日は無い。

久しぶりに11時まで寝ていた。

 

 

「…起きるか」

 

 

昨日あいつは帰ってこなかった、流石に言い過ぎた手前、心配ではある。

だが嫌いなのは変わらない

 

 

リビングに行くと、1枚の紙があった。

 

 

○○さんへ

ずっと迷惑かけてごめんなさい

あの時助けてくれたのは、本当に嬉しかったです

もうアナタの前には現れません

大好きでした、一目惚れでした

 

 

一部滲んで読めなかったが、これだけは読めた。

結局俺はあいつを悲しませた、この事実は変わらないだろう。

 

 

「…ゲーセンでも行くか」

 

 

今は何も食う気にならず、そのままゲーセンに向かう事にした。

 

 

 

 

ゲーセン「アローナ」に着いた

ここでは主にパンチングマシーンを叩いている。

ランキングは一応中の中ってとこか、イライラしてる時にやると上の中ぐらいまではいく。

 

 

チャリン「…やるか」

 

 

結果は下の上、酷い結果だった。

何故こんなにも不調なのか、俺にも分からなかった

 

 

「あれ、○○今日は1人なん?」

 

「トラか、何の用だよ」

 

「べっつにー?ただ昨日彼女と歩いてたのに今日は1人だったのが気になっただけ」

 

「別に何もねぇよ」

 

 

こいつに事情話す必要も無いと判断した為、軽くあしらう事にする

 

 

「ふーん…?んで?あの…アキちゃん?とはどこまでいってるん?」

 

「だからアレは誤解だっつってんだろ、始まってもねぇよ」

 

 

こいつおちょくりに来たのか、俺のイライラが溜まっていく。

 

 

「まぁ良いや、じゃあこれだけ伝えとくわ。知ってるか知らないけどあの子今不良グループに捕まってるよ」

 

「は?お前今何て言った?」

 

 

あいつが…捕まってる?何でそんな事になってるんだ?

 

 

「だーかーらー、あの子が不良グループに捕まって今にもヤバい事になりそうだって言ってんの」

 

「おい!それ何時の話だよ!」

 

「目撃したの30分前かなぁ…てっきり耳に入ってると思ってたけど」

 

「初めて聞いたわ、どこのグループだ?」

 

「それ聞いちゃう?奴らはシャケオレ、かなりヤバい集団だって話は聞くね」

 

 

シャケオレ…噂は聞いた事ある、やられたら必ずやり返す集団で、報復の際は20〜30人は1人に対してぶつけるとか。

鈍器、刃物なんでも使う集団とも有名だ。

 

 

「何でそんな奴らにあいつが…」

 

「ん?報復だー!って言ってたの聞いたけど。2人程ボロッボロだったし」

 

 

2人…ボロボロ…?

まさかあの時ナンパしてた奴らか?

 

 

「なるほどな、あいつらの場所は分かるのか?」

 

「んー…それはジョブズがやってた気がするけど…」

 

「今戻った…って○○、お前も居たのか」

 

「ジョブズ、場所を教えろ」

 

 

俺はジョブズに迫りながら聞いた

 

 

「待て、落ち着け…場所は口で言うより案内した方が早い、着いてこい。トラ、お前も来い」

 

「えー…俺も?」

 

「人手は多い方が良い、来い」

 

「へいへい…行きますよーっと…」

 

 

俺とトラはジョブズに案内され奴らが居る場所に辿り着いた。

廃工場なようなとこだ、あちこちがボロくなっている。

 

 

「…!」

 

 

中から声が聞こえる、奴らが居るのは間違いなさそうだ。

 

 

「お前らは関係ねぇからここで待ってろ」

 

「おい○○、それは無理な相談ってやつよ?ここまで来ちゃったし」

 

「そうだな、ここでお前だけ行かせたら俺達は退屈だ」

 

 

トラはともかくジョブズはスイッチが入ると戦闘狂になるらしい。

それをトラがセーブさせてる役割だ。

 

 

「勝手にしろ、俺は俺のやりたいようにやる」

 

「あいよー」

 

「雑魚は任せろ」

 

 

俺達は扉をこじ開け、中に入っていった

中にはざっと見た限り100人は居るだろうか、1人で乗り込んでいたらまず不可能だったろう。

3人でも大して変わらなそうだが…

 

 

「あ?なんだ?」

「ボス、あいつです、あの真ん中の野郎です」

「あいつが俺達を…」

 

 

奥の方でゴチャゴチャ言ってるが、こっちには聞き取れない。

どっちみち全員潰さなきゃならない訳だ、関係無い。

 

 

「あららー、結構人数いるのね」

 

「関係無い、全員潰す」

 

「やれやれ、雑魚は任せろと言ったが…これは流石に…」

 

 

ジョブズは自分が言った事を若干後悔しているようだ

 

 

「○○…さん…?」

 

「…!お前…本当に捕まってたのか」

 

 

声のした方へ向くと、あいつが両腕を鎖に繋がれていた。

近くには5人程いる、内2人はこの前潰した奴らだった。

 

 

「てめぇ…この前はよくも!」

「ぶっ殺してやる…」

 

 

2人は殺気むき出しになっている、クズな事したのはテメェらだろうが…

 

 

「やぁ、ようこそ来てくれた…まだお誘いすらしてなかったのにね。まぁ良いさ、今日はこの子との営みをゆっくり見ていてくれ」

 

 

シャケオレのボスであろうそいつは、あいつの顔に触れながら神経逆撫でさせるような事を言ってきた。

 

 

「…それだけか」

 

「ん?聞き取れなかったな、もう一回言ってくれるかい?」

 

「テメェの言いたいことはそれだけかって言ったんだよ!」

 

「あっ…○○まだ早いって!」

 

 

俺はトラの制止を振り切ってボスに殴りかかった、俺の中で怒りが、憎悪が、膨れ上がっていった。

 

 

「良い闘争心だ、だが…オレに殴りかかるのは得策じゃないね」

 

「ガフッ…」

 

 

ボスに殴ろうとした時、左右からバットが鳩尾と胸を強打する。

酸素が全て吐き出される

 

 

「あっちゃー…○○ヤバいじゃん」

 

「しかし、こっちも人数が人数だ、加勢に行けん…」

 

 

トラとジョブズは周りの不良達を相手するだけで精一杯になっている。

 

 

「○○さん…○○さぁぁぁぁん!」

 

 

あいつが…叫んでる…

俺は…何度あいつを悲しませれば良いんだ…

だから…女は嫌いなんだ…

 

 

「さて、お前らをこんな目に遭わせた野郎は虫の息だ、さぁ…楽しもうかお嬢さん…」

 

「嫌…嫌ぁぁぁぁ!○○さん!助けて!」

 

「○○!お前このままだとアキちゃんが大変な事なるんだぞ!」

 

「○○、お前は何の為にここに来た!こいつらを潰す為に来たんだろ!立ち上がれ!」

 

 

あいつの叫びが…トラと…ジョブズの声が…聞こえる…

そうだ…俺はこいつらを…潰す…

 

 

 

あいつを…アキを助ける…!

 

 

 

 

「…ァ」

 

「ん…?何か聞こえたか?」

 

「アァァァァァァァァァァ!」

 

 

俺は、復活した

骨も何本も折れてるだろう、だがそれでも俺は立ち上がる…

守る為に…助ける為に…

 

 

「立ち上がるか、なら…殺っちゃえ」

 

 

ボスの一言で不良達は一斉に襲いかかる。

不思議と痛みが無い、そんなの気にしないぐらいの意志が、そこにあった。

 

 

「効かねぇよ…こんなの…全然な…」

 

「ヒィッ」

「アギャッ」

 

「おいおい…○○どうしちまった…?」

 

「あれは…かなり久々に見るな…」

 

 

トラのボヤきにジョブズは反応する、何か知ってるようだがあえてそれは口にしなかった。

 

 

「ハァ…ハァ…」

 

「驚いたよ、後ろの2人の腕前にも驚いたが、一番驚いたのはお前だ。何故そこまで傷付いて動ける?何故骨も砕けてるであろうにそこまで暴れられる?お前一体何者だ?」

 

「あ…?俺は…ただ女とクズが嫌いなだけだ…!」

 

「○○さん…」

 

「いいから…待ってろ、アキ」

 

「あっ…名前…」

 

「気に食わないなぁ…オレを無視するなよぉ!」

 

 

ボスはバットで俺に殴りかかってきた

 

 

「やはり…テメェもクズなのか…男なら拳できやがれぇぇぇ!」

 

「あがぁぁぁぁぁ!」

 

俺はバット諸共ボスをぶん殴った、手の骨も砕けている。

 

 

「なぁ、ジョブズ…○○…ボス倒したぞ…?」

 

「そうだな…」

(あいつがあの状態になるとはな…彼女はそこまでの存在だったか)

 

 

「ア…アキ…」

 

「○○さん…」

 

「ま…まだだ…オレをここまでやりやがったテメェらを…逃がさねぇ…!」

 

 

ボスは隠し持っていたスイッチを押した、工場内に爆発音が響き渡る。

 

 

「あいつ…まさか爆薬仕掛けてたのか!?」

 

「早く逃げなくては危ないな、○○と彼女を回収するぞ」

 

 

トラとジョブズが2人に近付くその時、一際大きい爆発音が起き、天井が落下してきた。

○○とアキ、トラとジョブズが分断されてしまった。

 

 

「ヤベぇ…○○ー!」

 

「俺はいい…先に逃げろ…」

 

「しかし…」

 

「いいから行けっつってんだよ!ぐっ…」

 

 

トラとジョブズの方の天井も崩れていく、2人も逃げなければ危ない

 

 

「○○…絶対死ぬなよ…!」

 

「…」

 

 

2人は先に離脱した、○○とアキは…

 

 

「ハァ…ハァ…待ってろ、今鎖を…」

 

「○○さん、そんなボロボロになって…何で?何で助けに来たの?ワタシの事嫌いなんでしょ?」

 

「確かに嫌いだ、女なんてな」

 

「だったら」

 

「でもだ」

 

 

そう、確かに嫌いだ。

女はすぐ泣く、陰口が酷い、男よりも醜い一面を持ってる奴も居る。

そんな奴らをどうして好きになれようか

だが…アキは違った、俺がどんな反応しようが、悲しい顔こそするが、笑顔は忘れてなかった。

俺が過去を乗り越えるには…アキの存在が不可欠なのかもしれない

 

 

「お前は、他の女とは違う。スっと俺の心に入り込もうとする、俺の心をかき乱してくる奴だ。俺は最初それが辛かった」

 

 

その後嫌いになった理由、どうして今の状況か、全てを打ち明けた。

アキは黙って聞いていた、時々何かを考える素振りもあった。

 

 

「笑っちゃうだろ…?たかがこんな事でこういう人生になるんだ。お前も…悪かったな、強く当たっちまって…そして、こんなクズ野郎を好きになるのは勿体無ぇよ…」

 

 

俺は自虐気味に言った、今でこそ思う後悔もあった。

だけどアキはそんな俺を抱きしめた。

 

 

「ア…キ…?」

 

「○○さん、話してくれてありがとう。でもね、ワタシは○○さんを好きになったの後悔してないですよ…?今もこんなにドキドキしてる、ワタシを…2回も助けてくれた。これ以上ドキドキするのが辛いくらいだよ?」

 

 

アキは涙を流しながら、俺を優しく包み込む。

 

 

「…バカ野郎、絶対勿体無ぇのによ」

 

 

辺りが火の海になってる状況で、俺達のところの天井も崩れ始めてきた。

 

 

「ここもそろそろヤバいか…アキ、立てるか…?」

 

「ワタシは大丈夫、だけど○○さんが…」

 

 

アキが不安がるのも分かる、今の俺の状況は肋骨はまずほぼ折れてる、胸骨もヒビは入ってるだろう…手もバットを殴ったせいで砕けてるし、相当ボロボロだ。

 

 

「大丈夫だ、俺は丈夫だから安心しろ」

 

「…うん」

 

「さて、帰るぞ…お前の料理、また食いたいからな」

 

「…!うん!」

 

 

その時天井が崩れ、アキへと降りそそぐ

 

 

「…!アキしゃがめ!」

 

「え?キャッ!」

 

 

俺はアキに覆い被さるようにした、アキは何が起きたのか分からないようだ。

 

 

「ぐっ…!」

 

「○○…さん…?○○さん!?」

 

「気にするな、無事か?アキ」

 

「ワタシは大丈夫だけど○○さん…血が…」

 

 

俺の腹に天井からの落下物が刺さっている、血が止まらず流石に危うい。

 

 

「俺の事は良い、それよりアキ…」

 

「な、何…?」

 

「俺の事、まだ好きでいてくれるか?」

 

「勿論だよ!大好きだもの!」

 

 

アキ…その言葉だけで救われたよ、なら今俺がする事は…

 

 

「そうか、ありがとうな」

 

 

俺はアキの頭を撫で、礼を言った。

 

 

「さぁアキ、先に脱出してくれ、俺は後から脱出するから」

 

「だったら○○さんも一緒に」

 

「良いから、俺の事好きなら、言うこと聞いてくれ、な?」

 

「うん…絶対戻って来てね!?待ってるから!」

 

 

アキが脱出したのを確認して、俺は安堵したと共に、吐血した。

 

 

「むしろよく今まで吐血しなかったよな…ボスも仲間諸共俺達を道連れにしようとしやがって…バカ野郎…命は大事にするもんだろうが…」

 

 

まぁ、ここで死のうとしてる俺が言うのもおこがましいか…

アキはもう遠くまで逃げれただろうか…それだけが心配だ…

 

 

「血の出過ぎか…朦朧としてきやがった…また…アキの料理…食いたかったな…」

 

 

俺の意識はそこで途絶えた…

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぅ…ここは…」

 

「○○さん…?良かった…」

 

「アキ…?ここは…」

 

「ここは病院だよ、トラさんとジョブズさんが消防と救急車呼んでくれてたみたい」

 

 

そうか…あいつらが…

しかし、起き上がろうにも身体が全く動かない。

 

 

「俺動けないんだけど」

 

「それは…」

 

「あなたは全身に深刻なダメージを受けています、今動けば吐血は疎かそのまま死んでしまいますよ」

 

 

アキが説明しようとしたのを、医者が入ってきて説明してきた

俺の容態は本当に死ぬ一歩手前だったらしい、砕けた骨が心臓や肺に刺さるのを食い止め、輸血もかなり使ったらしい。

病室にはおふくろも駆けつけ、酷く叱られた。

おふくろ曰く「女を泣かせるのは最低だよ!」だそうだ。

そんな事言ったら俺既に最低なんだが…

 

 

俺が退院出来るのは軽く見ても3ヶ月、この期間俺は病食生活になる

味が薄くて嫌いなんだ俺は…

 

 

「早く治らねぇかなぁ…」

 

「治るまではずっと来るよ、ワタシは」

 

「あぁ、ありがとうなアキ」

 

 

あれだけ酷い事を言ったりしたのに、それでも好きでいてくれる…アキは本当に良い奴なのかもしれない。

 

 

「あの…それでね…?」

 

「ん?」

 

「ワタシの事…どう思ってるのかなって…ほら、嫌いだってのは分かってるんだけど…少しでも嫌いじゃなくなってたらなぁって」

 

 

アキ…俺が嫌いだって言ったの引きずってるみたいだ。

ここは少しからかってみるか…?

 

 

「あー…そうだな…嫌いだな」

 

「…っ!そうだよね、知ってた」

 

 

案の定落ち込み涙目にもなった、流石に意地悪はもう止めておこうか…

 

 

「嘘だよ、嫌いじゃない」

 

「…本当に?」

 

「あぁ、本当だ」

 

「…へぇ、ワタシを悲しませて楽しんでたんだ」

 

 

あれ…?何か不穏な空気になったんだが…

 

 

「ア…アキ…?」

 

「そんな酷い事する人はこうしちゃうんだから」

 

 

アキはそう言いながら俺の布団を剥がし、腹の傷口に向かって指を強く押し当ててきた。

 

 

「ま…待て…アキ…それは傷口開いちゃうって…俺逝っちゃうから…!逝っちゃうから!」

 

「ふーんだ!これは躾です、もう嘘をつかないようにね…!」

 

 

アキの目が怖い…このままじゃ俺は…

 

 

「止めてくれアキ!本当に逝っちゃうから!」

 

 

俺のこの悲痛な叫びは、あらぬ方向へ向かう事に…

 

 

「○○元気かねぇ…?死にかけてたけど」

 

「さぁな?まぁ、あいつは丈夫だ、多分大丈夫だろう…」

 

 

その時この声が聞こえた

 

 

「止めてくれアキ!本当にイっちゃうから!」

 

 

「「!?」」

 

 

お分かりいただけただろうか…

2人はあらぬ勘違いをしたようだ…

 

 

「ジョブズ…やっぱ帰ろうか」

 

「…そうだな、あいつも楽しくやってる事だしな」

 

「「○○、幸せにな」」

 

 

こうして2人は、後日○○とアキを見る度生暖かい目で見るようになったとか…




読んで下さりありがとうございますm(_ _)m
まず1つ謝罪を…読んでくれた方は分かるかと思いますが…今回の話、甘くないんですね…本当に申し訳ありません…
この話、実は前日の16日に突貫工事で書いたもので…
集中し過ぎたせいで甘さがどこか行ってしまったんですね…
つ…次書く時は甘くしますので…御容赦を…滝汗
ではでは、また次のお話まで失礼しますm(_ _)m
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