もしもロボ子さん(達)とそんな関係だったら   作:バタースコッチ

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今回これを投稿するのは、今日が特別な日だったからです。


あなたに感謝を

出会いと別れの春、人はそれぞれ違う学校に進んで行く。

受験に受かり望んだ学校に行く者、滑り止めで仕方なく行く者、家業を継ぐ為進学をしない者も居るだろう。

俺はどれにも当てはまらない、そもそも受験という手段すら無かった、あるのは転入試験のみ。

何故転入試験なのか?それは親が転勤族だからだ。

父親の仕事の都合で長くても半年、短いと1ヶ月で俺は転校している。

過去に転校した回数なんてもう数えたくもない。

小学校、中学校、そして…高校。

高校くらいどこかアパートを借りて1人暮らしをしながらでも良いのでは無いかと俺は思っているが、許してくれないようだ。

故に俺は仕方なく、高校でも転校を続けている。

 

 

転校が多いメリットは、色んな地域の名物を食べやすい事。

デメリットは、その地域をすぐに離れてしまうから名残惜しいケースが多い事だろうか。

学校の人間関係はどうなのか?

もう数えたくもないくらい転校をしている、人に関心なんて皆無だ。

今の俺は次の学校は何ヵ月で転校するか、ぐらいだ。

 

 

 

 

 

 

「今日は転校生を紹介します、○○君です、皆さんに挨拶を」

 

「はい、○○です、よろしくお願いします」

 

 

先生から紹介を受け、軽く名乗り挨拶する。

何度もこれの繰り返しなのだ、挨拶も簡易になる。

拍手がまばらに鳴り響く中、1人だけやけに拍手してる女子が居た。

その女子を見つめると、女子はにっこりと笑ってきた。

 

 

ホームルームが終わると、途端に質問攻めになる。

何処から来たのか、好きな食べ物は何なのか、好きなタイプetc.....

それを止めたのが、俺に笑顔を向けてきた女子だった。

 

 

「もう、皆そんなに質問ばかりだと、○○君疲れちゃうよ?

何時でも話す事は出来るんだし、今は授業の準備しなきゃ」

 

「ちぇっ、まぁろぼちゃんが言うなら…」

 

「へいへい、委員長は厳しいぜまったく」

 

「あ、ありがと、助かったよ」

 

「ごめんね、皆転校生が珍しくって。

ボクの名前はロボ子、皆からはロボ子さんって呼ばれてるよ、よろしくね」

 

 

笑顔を向けてきた女子、ロボ子さんに助けられその場を乗り切った。

委員長とさっき呼ばれていたので、おそらく学級委員なのだろう、俺には関係無いが。

 

 

「休み時間にでも校舎の案内するね、それじゃまた!」

 

 

ロボ子さんはそう言い自分の席に戻り、次の授業の準備にかかった。

案内をされてもどうせすぐ転校なんだが…そんな事はこの時言えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1限目の事

「…よし、この数式を誰に解いてもらおうか」

 

 

黒板に書かれた数式は、前の学校で既に習っていた箇所だった。

授業スピードは学校毎に違うだろうが、ここは少し遅めなのかもしれない。

 

 

「ったく、誰も目を合わせないのか。

仕方ない、○○、これを解いてみてくれ」

 

「あ、はい…」

 

 

運悪く教師と目が合ってしまい、俺が解くことになってしまった。

まだ習ってある箇所だから良かったが、過去に習っていなかったら俺も御免蒙る。

 

 

「これが、こうで、ここにx²を…どうですか?」

 

「ん、正解だ!席に戻ってくれ」

 

 

席に戻る際、あちこちで羨む、何かを認める、敵意の視線をそれぞれ感じた。

椅子に手を掛ける直前、ロボ子さんとも目が合った。

相変わらずにっこりと笑っていた。

 

 

 

 

 

休み時間

「○○君、校舎を案内したいんだけど大丈夫?」

 

「あ、うん、お願い」

 

 

案内して貰っている最中、先程の授業の話になった。

先程の数式の解答法はまだ習っていなかったのでそうだ、あの教師はわざと間違えさせ、それを楽しむ陰湿な教師だったらしい。

それを俺が解いた為かクラスが少しザワついたらしい。

 

 

「ねぇ、○○君は今まで何回転校したの?」

 

「え?もう覚えてないよ」

 

「覚えてないくらい転校したの…?」

 

「うん」

 

 

ロボ子さんはとても驚いている様子だった、普通経験する転校回数は、多くても2回か3回くらいだろう。

俺は…2桁は軽く超えているからな…

 

 

「○○君は、暫くここに住むの?」

 

「うーん、多分またすぐ転校かな。今まで半年以上留まった事無いから」

 

「そっか…じゃあ「俺に関わらなくて良いから」え?」

 

 

ロボ子さんが何か言いかけたのを俺は被せるように言った。

 

 

「どうして?」

 

「……関わらなくて良いから、案内ありがとう、後は自分1人でいいから」

 

「あっ…」

 

俺は逃げるようにロボ子さんから離れた、これ以上ぺらぺら喋る訳にもいかなかったから。

俺は怖い、人と関わるのが。

折角仲良くなってもすぐ転校してしまう、喧嘩別れなんてした時はもっと心にくる。

だったらいっその事関わりなんて持たない方が良い、1人の方が気楽だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転校してから1週間、ロボ子さんは執拗に俺に話しかけてきた。

だが俺は毎回ロボ子さんを避けた、もう関わらないで欲しかったから。

クラスメートは1週間も経てば、反応も普通になる。

転校生なんてちやほやされるのは最初だけなのだ、時間が経てばただのクラスメートになる。

 

 

「なぁ○○、放課後寄り道してかね?良いとこ知ってんだけど」

 

「ごめん、俺用事あるんだ」

 

「そうか、じゃあまたな!」

 

「あぁ、また」

 

(おいお前あいつ誘うの止めろよな、ノリ悪いんだからよ)

(だってよー…)

(だってじゃねぇよ、良いから行くぞ)

 

 

地味に聞こえている、だがこれでいい。

俺は1人で下校する。

 

 

 

 

 

1人下校していると、後ろから俺を呼ぶ声が聞こえてきた。

振り向くとその正体は、ロボ子さんだった。

 

 

「はぁ、はぁ、やっと追いついた…」

 

「なんか用?もう関わらないで良いって言ったんだけど」

 

「あのね」

 

 

俺はロボ子さんの次の言葉に、言葉を失う事になる。

 

 

「ボクと一緒に出掛けない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は晴天、日向ぼっこ日和だ。

こんな日は縁側に腰掛けて、お茶を啜るのが1番なのだろう。

それなのに…

 

 

「あ、○○君こっちこっち!遅いよもー」

 

「ごめん、迷ってた」

 

 

何でこうなったのだろうか、俺はもう関わりたくないだけだったのに。

今日来たのは何故か遊園地、イベントもやってる為人がいつも以上に多い。

 

 

「さぁ、早速入ろう!」

 

「何か、イキイキとしてるな、ロボ子さん」

 

「んー?だって遊園地だよ?楽しいんだよ?わくわくしない?」

 

 

ロボ子さんはウキウキしながら俺の腕を引き歩いた。

彼女は案外子供っぽいのかもしれない、高校生にもなって遊園地ではしゃぐだろうか?

 

 

 

 

 

コーヒーカップ

「お〜!目が回る〜!」

 

「…うっぷ」

 

 

ロボ子さんが存分に回したせいで、他のカップより多く回った。

俺は初っ端からフラついていたが、ロボ子さんに主導権を持っていかれ次のアトラクションへ向かった。

 

 

 

 

 

お化け屋敷

「ぴぃぃぃぃぃぃ!?」

 

「へぇ、よく作り込まれてるな」

 

「何でそんなに冷静なの!?早く、早く行こうよ!」

 

「むしろロボ子さんが何でそんなに冷静じゃないんだ?」

 

 

自分からお化け屋敷に行ったのに、見事に自爆した。

自信満々に「ボクに怖いものなんて無いよ!」とか言っていたのが嘘のようだった。

 

 

 

 

 

休憩

「うぅ…もうお化け屋敷はこりごりだよ…」

 

「あんなに張り切ってたのにね」

 

 

俺は振り回されて体力が低下、ロボ子さんは叫び過ぎて喉が乾いていた。

 

 

「…ふぅ、○○君、楽しい?」

 

「何が?」

 

「遊園地、楽しい?」

 

「…まぁ、楽しいといえば楽しいかな。遊園地初めてだったし」

 

 

転校が続くと引越しに金がかかる、その為遊びに行く、ましてや遊園地は夢のまた夢だった。

 

 

「それなら良かった、ボクがただ1人で楽しんでたらダメだったから」

 

「?」

 

「○○君、転校してきてから全然笑わなかったからさ」

 

「…」

 

 

笑わなかった、か…

 

 

 

 

 

スペースシューティング

「○○君、そっち!」

 

「お、おぅ…」

 

 

ロボ子さんの射撃センスは高く、俺に指示を出しながら着々とポイントを稼いでいった。

俺は射撃センスは高くない為、指示を出されても上手く当てられず終始悪戦苦闘だった。

 

 

「お疲れ様、○○君」

 

「以外だったよ、ロボ子さんのんびりしてるイメージだったのに」

 

「むぅ、それはどういう意味さ?」

 

 

頬を膨らませながらロボ子さんは俺に詰め寄った、近い…

 

 

「ごめんごめん、バカにしてる訳じゃないよ、人は見かけによらないんだなって」

 

「やっぱりバカにしてるじゃん!もー!」

 

「ほら、あんまり怒ってると幸せ逃げちゃうよ」

 

「怒らせてるのは誰さー!」

 

「はははっ」

 

「あ、○○君笑った」

 

「え?」

 

 

不思議だ、最後に笑ったのは随分前なのに、こんなに自然に笑えるなんて…

 

 

「○○君の笑った顔、素敵だね」

 

「や、止めてくれよ…」

 

「えへへ、照れちゃって可愛い♪」

 

 

休憩の間、ずっと俺はロボ子さんにからかわれ続けた。

 

 

 

 

 

「ねぇ、○○君」

 

「ん?」

 

 

色んなアトラクションを回り、最後に観覧車に乗ってる時にロボ子さんは口を開いた。

 

 

「今日は楽しかったね」

 

「うん、楽しかった。こんなに楽しかったのは久々だよ」

 

「○○君の可愛いとこも見れたしね♪」

 

「それは止めてくれ…」

 

 

観覧車が頂上に達するまで、そんな他愛無い話をしていた。

が、頂上に達した時に出てきた話題で笑顔を失う事になる。

 

 

 

 

 

 

「○○君はさ、ずっと転校を繰り返してたんでしょ?そして繰り返す内に、転校先のクラスメートと話さなくなった…んだよね?」

 

「…うん、どうせ仲良くなってもすぐお別れだから、だったら最初から話さない方が良いかなって思ってる」

 

 

この質問は、何時か来るとは思っていた、覚悟はしていた。

 

 

「でもボクとこうして遊んでるよね?少しは仲良くなったと思わない?」

 

「それは…」

 

「ボクだけじゃなく、クラスの皆もきっと、○○君と仲良くなりたいとおもってるよ」

 

「もう、無理だよ。

俺は皆に冷たい奴と思われてる、今更「そんな事ないよ!」ロボ子さん…?」

 

 

俺の手を握りながら、ロボ子さんはこう言った。

 

 

「ボクが、皆と仲良く出来るように協力する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何で転校してきた奴にこんなに構うのだろうか、俺は不思議に思った。

俺はつい聞いてしまった、何故俺にここまで親身になってくれるのかを。

 

 

ロボ子さんは「ボクはね、クラスの皆が仲良く出来る、学校の皆が仲良く出来るような学校にしたいなぁって思ってるんだ。

勿論そんなの難しいのは分かってるけどね、それでも考えるのはタダだからね♪」

 

 

と言っていた。

 

 

 

 

 

翌週月曜日の昼休み

俺はロボ子さんと屋上で会議をしていた。

 

 

「さて、○○君が皆と仲良くなる為には」

 

「なる為には?」

 

「共通の話題を作る事!」

 

「…なるほど?」

 

「○○君何か趣味とか特技ある?」

 

「趣味に特技か…」

 

 

ロボ子さんとの会議で、とりあえずクラスメートの中から3人、気が合いそうな人を選んで仲良くなろうという事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

「あ、あのさ…」

 

「ん?あぁ○○か、どうしたん?」

 

 

まず1人目は、サッカーが好きなクラスメートに話しかけた。

実際のサッカーが好きらしいが、ゲームのサッカーも好きという情報をロボ子さんから教えてもらっている。

彼に話しかけようとしたのは、俺もゲームのサッカーを少しだが遊んでいたからだ。

 

 

「輝く11人っていうゲーム、知ってる?」

 

「っ!お前、まさか」

 

 

ゲームの名前を出した途端、クラスメートの表情が変わった。

 

 

「覚醒したライバル達のバトルが勝てないんだけどさ、攻略法とか分かる…?」

 

「あぁ、あぁ!任せろ!あいつらは攻撃は凄いが防御は手薄なんだ、だからオフェンス技とドリブル技で攻めていけば大丈夫だ。不安なら比較的育てやすい山内と疾風丸を育てておけばDFもそれなりに大丈夫だと思う。

いやちょっと待て、俺の知識だけじゃ偏るな…おーい、ちょっと来てくれ!○○もあのゲームやってるみたいなんだ、皆詰まりやすいあの場所で苦戦してるらしい」

 

 

1人に話しかけたら、ゲーム繋がりで俺の周りに6人も集まった。

各々が攻略しやすい編成やスキルを教えてくれ、試行錯誤しながら応援してくれた。

その甲斐あってか、ずっと勝てなかった相手に勝つ事が出来、応援してくれた6人とも仲良くなる事が出来た。

その内の1人に聞いたが、このクラスは何故かゲームのサッカーが人気らしく、女子もそのゲームをやってるらしい。

理由はイケメンのキャラのスキルが強いからだとか、よくあるカップリング…?が捗るらしい。

ゲームをやってるクラスメートの中に、以前敵意の目を向けていた奴も居たが、彼曰く「普段コンタクトなんだが、その日だけ忘れてしまって…しかもメガネを持ってないのに後ろの席だったからあんな目つきになってしまった」だそうだ、何とも紛らわしい話だ…

 

 

「やったな、○○!お前案外話しやすいじゃん、何であんな態度とってたんだよ?」

 

「そ、それは…」

 

「まぁ良いじゃない、これからは同じゲーム仲間…疾風丸くんをすこるのよ…!」

 

 

まだ全員とはいかないだろうけど、それでも…俺にも友達が出来た。

上手く口では言えないが、胸の奥が熱くなる感覚がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

2週間後

俺とロボ子さんはまた屋上で話していた、だが今回は会議ではない。

 

 

「まさかサッカーゲーム1つであんな事になるとはね、ボクもびっくりだったよ」

 

「俺もだ、たまたま買ったこのゲームが、友達を作るきっかけになるとはなぁ」

 

「でも良かった、○○君に友達が出来て。ボクだけじゃ寂しいからね」

 

「え…?」

 

「え…?って、ボクと友達じゃ…嫌…だったかな…」

 

 

ロボ子さんは悲しそうな目をして、そう呟いた。

俺は必死に弁解しようと考えたが

 

 

「…ふふっ、冗談だよ、ほんと○○君は可愛いなぁ」

 

「それはマジで勘弁してくれ…」

 

「えへへ♪」

 

 

俺は意を決して、お礼を言おうと思った。

諦めずに話しかけてくれて、友達を作るきっかけをくれたお礼を。

だけど神様は、意地悪なのかもしれない。

 

 

「なぁ、ロボ子さ「居た!2人とも早く教室戻って!候補者選ぶって!」ん…ん?候補?」

 

「あ、そっかもうそんな時期なんだね。○○君ごめん、戻ろっか?」

 

「あ、あぁ…」

 

 

急いで教室に戻ると、皆既に席に着いていた。

普段なら予鈴が鳴るはずなのだが、昨日からシステムの点検で予鈴が鳴らない事を忘れていた。

 

 

「さぁ、全員そろったようなので、早速始めたいと思います。

1ヶ月後に生徒会選挙が始まります、各クラス1人ずつ、立候補者を出さなければいけません。

自薦他薦構わないので、どなたか居ますか?」

 

 

一斉に皆が教師から目を逸らした、俺も流石に目を逸らさざるを得ない。

だが、1人だけ手を挙げる人物が居た。

 

 

「はい」

 

「はいロボ子さん、自薦ですか?他薦ですか?」

 

「他薦です、ボクは○○君を推薦します」

 

 

…今何て聴こえたのだろうか?

俺が生徒会選挙の立候補者に挙げられてなかっただろうか?

幻聴では無かろうか?

 

 

「では、まず○○君…と」

 

 

教師が俺の名前を書いている、聞き間違いでは無かったようだ。

何で…俺なんだろうか…

 

 

「他に居ませんか?居ないなら、○○君にお願いしようと思いますが」

 

「異議なーし!」

 

「○○頑張れー」

 

 

次々と声が上がり、流れるように俺が候補者になってしまった。

俺は休み時間にロボ子さんを呼びつけた。

 

 

「なぁロボ子さん、何で俺を推薦したんだよ?自分で立候補した方が良かったんじゃないのか?」

 

「んー…ボクはちょっとね…

でも、ボクはろぼさー君が生徒会に入ってくれると良いなぁって思ってるよ」

 

「な、何だよそれ…」

 

「そういう事だから、それじゃね!」

 

 

ロボ子さんはそう言うとその場から走り去ってしまった、俺は納得いかない部分があれど、決まってしまった事なので仕方なく飲み込む事にする。

 

 

 

 

 

候補者としてのスピーチ練習をしているが、あまり身が入らなかった。

俺はいつまた転校するか分からない、それなのに生徒会に入ってどうすれば良いのかと思っている。

 

 

「○○君、調子はどう?」

 

「調子なんて最悪だよ、全然上手くいかないし、そもそも俺いつまで居れるか分からないのに」

 

「んー、そうなのかな、○○君はどんなスピーチ考えてるの?良かったら聞かせてよ」

 

 

俺はロボ子さんの前で一応考えたスピーチを披露した、ロボ子さんはジッとこっちを見つめながら、目を逸らさずに聞いていた。

 

 

「どう?」

 

「そうだね、何か色々と漠然としてて心に響いてこないっていう感じかな?」

 

「…だろうね、俺自身納得いかないから」

 

「学校全体の事を無理に入れてるからダメなのかな、ねぇ○○君、1回クラスの皆だけの事で考えてみたら?」

 

「それってどういう事?」

 

 

俺の頭には?でいっぱいだった。

生徒会なのだから生徒全体や、学校全体に起因するような事をスピーチに盛り込む必要があるのでは無いだろうか?

 

 

「○○君は、どうやったらクラスの皆とより良い学校作りが出来ると思う?そう考えていくと、きっと上手くいくんじゃないかな」

 

「クラスの…皆と…」

 

「うん、ボクが言えるのはこれくらいかな。後は○○君自身でまた考えて欲しいな」

 

 

ロボ子さんはそう言い残し、帰宅していった。

クラスの皆とどうやったら…か…何となく、少しだけイメージが出来た気がする。

ロボ子さん、君は一体…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後の自宅

「…であるからして、私が当選した暁には、以下述べた項目を実行していきたいと考えています、ご清聴ありがとうございました」

 

 

部屋で1人、スピーチ練習をしていた。

するとドアを叩く音が聞こえ、ドアを開くと父が居た。

 

 

「おぉ、何の練習だ?」

 

「生徒会選挙のスピーチ練習だよ、俺が候補者になったから」

 

「そうか、こっちもそろそろ落ち着きたいんだがな…お前や母さんには苦労かけるな」

 

「良いよ、もう慣れてる。でも、叶うならさ、今の学校に居続けたいなって」

 

「珍しいな、お前がそんな事言うのは」

 

「…まぁね」

 

 

今のクラスから離れたくない、ゲームからだけど、友達も沢山出来た。

もう転校なんてしたくない、皆と一緒に…一緒に居たい。

最初は嫌だったスピーチ練習も、ロボ子さんからアドバイスを貰ってからは、やる気が出てきた。

 

 

生徒会選挙まで、あと2日…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会選挙前日

「…であるからして、私が当選した暁には、以下述べた項目を実行していきたいと考えています、ご清聴ありがとうございました」

 

「…うん、良いと思うよ。○○君頑張ったね、凄い上達してるよ!」

 

 

俺はこの前日、ロボ子さんに最終確認をしてもらっていた。

何でロボ子さんに確認してもらってるのかは、俺にも分からない。

だけど、転校してきた当初から、ずっと俺の事を気にかけてくれてたから、無意識に頼っていたのかもしれない。

 

 

「これで、当日は大丈夫そうだね」

 

「本当に大丈夫かな」

 

「大丈夫だよ、自信を持って♪」

 

 

ロボ子さんはあの時のように、俺の手を握りながら俺を励ましてくれた。

何故かロボ子さんに励まされると、心が落ち着くような…

 

 

「それじゃ、念の為もう少し練習しよっか?」

 

「うん、お願い」

 

 

いよいよ明日は、生徒会選挙当日…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会選挙当日

やれる事はやったし、練習も沢山してきた。

正直言うと凄い緊張している、そんな俺の背中を思い切り叩いてくるクラスメートがいた。

 

 

「おいおい○○、大丈夫か?」

「俺達がついてるから、安心していってこい!」

「輝く11人に出てくる山内みたいに、ドッシリと構えてやれば大丈夫だ」

「○○君なら大丈夫、応援してるから!」

 

「皆…」

 

「「「「頑張れ!○○(君)!」」」」

 

「ありがとう皆、俺…行ってくる!」

 

 

ステージ裏でスタンバイし、次が俺の番になる頃肩を叩かれた。

振り向くとロボ子さんが居た。

 

 

「どう?○○君、緊張してる?って…聞くまでも無いかな?」

 

「ロボ子さん…あぁ、大丈夫だ。今ならいけるさ」

 

 

今の俺には自信に満ち溢れていた、根拠なんて無いけど、皆が応援してくれてるって思うと勇気が湧いてくる。

 

 

「そっか、じゃあボクからはこれだけ。行ってらっしゃい!頑張ってね!」

 

「行ってきます!」

 

「次のスピーチは、2年、○○さんです。お願いします」

 

 

名前を呼ばれ、壇上に立つ。

俺は意を決して、スピーチを始めた。

 

 

「皆さんこんにちは、私は2年の、○○です。

これより演説を始めさせて頂きたいと思います、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間後

俺は、生徒会役員になった。

学校全体に重きを置かず、生徒一人ひとりに重きを置いたスピーチ内容で票を集められたらしい。

個人的には当選するとは思わなかったし、演説する事に意味があったのかなくらいしか思わなかった。

そして俺は登校し、とある部屋のドアを開ける。

その先には見慣れた人物が居た、ロボ子さんだ。

何故ロボ子さんが生徒会選挙に出なかったのか、それは元々ロボ子さんは生徒会役員だったからだ。

しかも副生徒会長の役職で、今は生徒会長に。

俺は書記の役職に就いた。

 

 

「おはよう、○○君」

 

「おはよう、ロボ子さん」

 

「当選おめでとう!こうやって一緒に生徒会を運営出来るの、嬉しいよ」

 

「ありがとう、俺も当選するとは思わなかったから」

 

 

実際、俺より良いスピーチをしてる人は多かったが、それを抜いて俺が当選した。

何か裏で働きかけでもあったのかと疑うレベルだったが、あまり深く考えないようにしようと思う。

 

 

「○○君が皆の為に頑張った結果だね」

 

「いや、俺がここまで頑張れたのは…転校してからずっと、俺の事を見てくれてたからだよ。

挫けてる時も、悩んでる時も、何時もロボ子さんが手助けしてくれたからだよ」

 

「ボクはそんな…ただ皆が仲良く出来る学校にしたいってだけだよ」

 

「今だからこそ言いたいんだ、ロボ子さん。

俺に声をかけてくれて、ずっと気にかけてくれて、クラスの皆と話すきっかけをくれてありがとう」

 

 

ロボ子さんは驚いた表情で俺を見つめるが、表情がどんどんニヤケ顔になりながら

 

 

「は、恥ずかしいよ…でも、これからは転校までこっちでも一緒だね、よろしくね?」

 

「あ、それなんだけど…

実は一昨日、つまりは土曜日なんだけど、親父からここで新しく拠点を作って、数年単位で常駐するって話を聞いたんだ」

 

「じゃあ…!」

 

 

俺が次に言う言葉は、きっと満面の笑みで言えてる自信があった。

 

 

「あぁ、もう転校は無いよ。

これからもよろしく、ロボ子さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ロボ子さんが急に抱き着いてきたりもあったけど、とりあえずは他の生徒会メンバーが来る前には落ち着いた。

抱き着かれた時、やけに胸の鼓動が早くなって、離れた瞬間ちょっと締めつけられるような感覚があったけど、この気持ちに気付くのはまだ先の話…

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