もしもロボ子さん(達)とそんな関係だったら   作:バタースコッチ

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どもですm(_ _)m
まーた性懲りもなく仕事場で書きました…はい、たんこぶどころかその内もっとヤバい事になるんじゃないかと…
仕事しろ?ごもっともです…でも書いちゃうんです…危ないですね…末期ですね…亀更新どころの騒ぎじゃなくなってますね…

さて、今回のお話…少しだけあの要素入れました。
分かる方には…分かるかなぁ…?汗
今回も文字数結構いっちゃった…申し訳ないです、纏められない自分が悪い…


ではでは、ごゆるりと…m(_ _)m


本当と嘘の中の想い

いきなりだけど聞きたい、皆はどんな生活がしたい?

セレブな豪遊?ギリギリの綱渡りでスリルを味わう?

そういうのも良いと思う、だけど俺はひっそりと静かに暮らしたい…

それなのに…

 

ダダダダダダダ

 

「待ってぇぇぇぇぇぇ!」

 

俺は今、追われています…

 

 

 

 

 

 

何処にでもありそうなカフェ、the高性能を営んでる俺〇〇は3ヵ月前からオープンさせている。

この店のオススメはサンドイッチとフルーツドリンクのセット、お客さんからはナニサーセットと呼ばれている(何でそんな名前なのかは謎だ)

このセットの魅力は単品ずつで頼むとそれぞれサンドイッチが400円、フルーツドリンク類が200円なのだが、セットで頼むと450円、つまり150円お得になる。

こんなお得にして売上は大丈夫なのかって?ドリンクに使うフルーツは自家栽培してるから元は取れてる。

話が長くなってしまったな…ここからはそんな俺が何で追いかけられる羽目になったかを話そうと思う…

 

 

 

ある日の事だ、俺は何時も通りカフェの開店準備をしていた。

現在の時刻は8時10分、開店時間は9時、余裕を持って準備をしている。

そんな時、1人の女の子がフラフラしながら歩いてるのが見えた。

パッと見中学生くらいだろうか…?でも今時見た目で年齢なんて分からない、間違えた時が怖いので基本お口ミッフィーだ。

そんな事を考えていると、その女の子は倒れてしまった。

近くに居る人間は俺だけ、助けるしか無いか…

 

 

「おい、大丈夫か?俺が見えるか?」

 

少し揺さりながら声をかけてみる、これで反応しなかったら救急車呼ばなきゃいけない。

 

「う…うん…」

 

お…なんとか意識はあるみたいだ…

 

「俺はこの目の前のカフェの人間だ、君がここで倒れてるのが見えたから声をかけた。良ければ少し休んでいって欲しいんだが…」

 

目の前で倒れられたんだ、出来れば介抱したい

また別の場所で倒れられても後味悪いからな…

 

「はい…ご迷惑…おかけします…」

 

女の子は弱々しい声だったが、確かにそう言った。

 

「良し、んじゃちょっとだけゴメンよ」

 

俺は女の子を抱き抱え、カフェの中に入った。

店内の掃除は済んでいるので清潔ではある。

俺は女の子を椅子に座らせた、とりあえず食べ物と飲み物が必要だな…

 

 

 

 

 

(あぁ…やっぱりこの人だ…間違いない…)

 

この女の子、〇〇を知ってる風ではあるが〇〇は知らない様子だ…

 

 

 

 

 

 

「ほい、簡単な物だけど食べてくれ、飲み物もあるから」

 

俺はそう言って、ナニサーセットを出した。

割と簡単に作れるし、これぐらい手間にもならない。

 

「あ…ありがとう…ございます…」

 

女の子は俯きながらお礼を言った

 

「あむ…ん……美味しい…」

 

ん、口に合って良かった…まぁ一応人気メニューだからなぁ…否定されたらそれはそれで悲しいが。

 

モグ…モグ…チュー…ゴクン

 

お…もう食べ終わったか、あの早さからするとご飯食べて無かったのか…?

 

「お代わりいるか?すぐ出せるけど」

 

見た目は育ち盛りの女の子にしか見えない為か、ついそんな事を聞いてしまった。

 

「いえ…大丈夫です…ご馳走様でした…でもボク…お金持ってないです…」

 

あー…考えて無かったな代金の事…まぁ1食分くらい大丈夫だろ…

 

「気にしないで良いよ、倒れた子からお金取るほど意地悪でも無いし」

 

むしろこんな状態でお金取れるだろうか…?俺はそんな事出来ない、取る奴の精神を疑う。

 

「ありがとう…ございます…」

 

女の子はずっと俯いていた、俺は気になってつい口を出してしまった

 

「どうした?何か悩みでもあるのか?初対面の俺で良ければ聞くぞ?」

 

思えばこの時聞いたのが運の尽きだったのかもしれない…

 

「ボク…ある人を探してたんです…それが…やっと見付かったんです…」

 

人探しをしてたのか…まぁ見付かって良かったが…

 

「そうか、見付かったなら良かった…どんな人なのか教えて貰えたりとか出来るか?」

 

「はい…それは…あなたです…〇〇さん…」

 

頬を赤らめながら俺の名前を呼んだ…

え…?俺…?と言うか何でこの子俺の名前を…

 

「えーっと…悪い、俺は君の事知らないんだが…誰かと間違えてないか?」

 

心当たりの無い俺はそう返した

 

「そう…ですか…でもボクは…ボクだけは知ってますから…」

 

目を細めながら、その子は言った…

な…何だこの子…?ちょっと怖いんだが…

 

「そ…そうか…あぁすまない、そろそろ店を開けなきゃいけないんだ」

 

俺はこの話を早く切りたかった。

 

「分かり…ました…サンドイッチ…ご馳走様でした…」

 

そう言って女の子は帰って行った…あれ?結局あの子の事何も聞けずじまいだったな…いや、関わらない方が良いか…

 

 

 

 

 

 

それから数日経った、あの子はあれから見かけてない。

ちゃんと元の生活に戻ってると良いな…

 

カランカラン

 

「あ、いらっしゃ…いませ…」

 

噂をしたら来た…タイミング良すぎじゃない…?

 

「こ…こんにちは…」

 

オドオドした感じでその子は挨拶してきた、でも気のせいか少し明るくなったか…?

 

「あぁ、こんにちは、今日はどうしたんだい?」

 

動揺を出さずに俺は尋ねる。

 

「今日は…この前のお礼に…来ました…」

 

お礼か…そんなの良いのにな…

 

「そっか…まぁ座りなよ、今は空いてるからさ」

 

まぁなんだ、折角来てくれたんだ、門前払いするのは可哀想に思うのでとりあえず招く。

 

「ありがとう…ございます…失礼…します」

 

ん…?何か顔が少し赤くなってる…?気のせいに思っておこう…

 

「で、お礼なんて気にしなくて良かったのに…あんな状態放っておく方が問題なんだしさ」

 

それとなくお礼を受け取るのを拒もうとした、何となくなんだが急に悪寒がしたというか…

 

「いいえ…ちゃんとお礼…しなきゃ…ボクの…気が済まないです…」

 

律儀だな…だが受け取りたくないんだがな…

 

「それで…お礼なんですけど…」

 

そう言うと女の子は近付いてきた…え?何で来るの…?

 

「お礼は…ボクです…♡」

 

…この子ヤベェ奴だったー!?

 

「…冗談は止してくれ、俺はそこまで暇じゃないんだ」

 

ヤバイヤバイヤバイヤバイこの子本当にヤバイ早く帰らせなきゃいけない…関わってはいけない…

 

「ボクは本気です…それに…ボクはあなたの事知ってます…」

 

それだ、何で俺の事知ってるんだ…?

 

「何で俺を知ってるんだ…?俺は君の事知らないぞ…?」

 

「ボクは以前…路地裏で襲われそうになりました…そこをあなたが…〇〇さんが助けてくれました…」

 

思い出した…アレはこのカフェをオープンする前の話だ…あの頃はここも治安がそこまで良くなかった、良くなったからこそカフェをオープン出来たようなものだ…

 

「そうか…君はあの時の女の子だったか…名前聞いても良いか?」

 

ずっと君呼びも悪いと思い、名前を聞く事にした。

 

「ボクは…ロボ子です…」

 

「そうか、ロボ子ちゃん、あの時は怖かったね…」

 

「はい…でも…あなたに救われたから大丈夫です…」

 

この子…ロボ子ちゃんは俺に恩義を感じているのか…しかもこの前は倒れてるところを介抱もした、恩義が強まったという事か…だとしても

 

「折角無事だったのに、何で自分を差し出すような事を言うんだ?俺はそんな事して欲しくて助けた訳じゃ無いんだが」

 

俺は冷たく言い放ったと思う、確かにロボ子ちゃんはそこら辺に居る女の子より可愛い部類、告白でもされたら嬉しいだろう。

だがだからと言ってこんなやり方は良くない、俺は嫌だ

 

「ごめんなさい…でも…これくらいしか思いつかなくて…」

 

いや…普通にお礼言われるだけで嬉しいんだよ、俺は…

 

「そんな事されなくても俺は別に気にしないから、元気になってくれればそれで良い」

 

「でも…それじゃボクの気が済まないです…だったら…」

 

そう言ってロボ子ちゃんはまた近付いてきた…今度は何する気だ…?

 

チュッ

 

え…?

 

フニョン

 

え…!?

 

「ボクを〇〇さんの彼女にして下さい…何でもやりますから…」

 

今何が起こった…?キスされて…?俺の手がロボ子ちゃんの胸にくっついていて…?挙句彼女にしてくれと…?情報が一気に入り過ぎてる…

 

「ちょ…ちょっと待ってくれ!?何でキスした?何で俺の手を君のむ…胸に!?それに彼女!?話が急過ぎるぞ!?」

 

俺は動揺が隠せなかった、自分を差し出す発言でも充分ヤバかったのに、それ通り越した衝撃だった…

 

「ボクは何が何でもお礼がしたいんです…この身を捧げられないなら…せめて彼女にして下さい…!」

 

キスをして胸を触らせてるせいか、ロボ子ちゃんの顔は真っ赤になっており、涙目にもなっていた。

辛いならそこまでやらなきゃ良かったのに…

 

「と…とにかく、俺は彼女作る気は無いし、君を貰おうとも思わない、そういう事だから…」

 

俺は逃げた、というか…考え方がヤバくて怖い…

 

「ボクは諦めませんからね…お客さん多くなってきたのでこれで帰ります…」

 

そう言ってロボ子ちゃんは去って行った、もしお客さんにさっきの見られてたら俺社会的に終わりな気がした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから更に数日経った、この数日間ロボ子ちゃんは来なかったが、たまに視線を感じる事が多くなった。

決まってカフェを閉めた後なのだ…

この地域は治安は良くなったが、それでもまだあまり良くない方だ、ガラの悪い奴に目をつけられた場合切り抜けられるか不安だ

 

 

「はぁ…今日もそれなりにお客さん来てくれた、有難いわなぁ…」

 

今日も上出来な売上の為、気分は高まっていた。

 

ジー…

 

まただ…ここ数日ずっと誰かに見られている…まさか狙われている…!?

 

「誰だ!ここ最近ずっと見ているな!姿を現せ!」

 

俺は堪らず声を荒げた、こんなに毎回視線浴びるのは正直嫌だからだ

 

カッカッカッ

 

現れたのはロボ子ちゃんだった…

 

「君だったのか…ロボ子ちゃん…」

 

「〇〇さん…ボクを彼女に…」

 

本当に諦めてなかったのか…

 

「ロボ子ちゃん、俺は君とは付き合えない…君はもっと自分を大事にするべきだ…俺より良い人はもっと沢山居る」

 

俺は明確な拒絶をした、今のロボ子と付き合っても何も解決しないからだ。

 

「どうして…どうしてボクを拒むの…?こんなに…こんなに好きなのに…ボクは〇〇さんが好き…大好き…あなたが居ないと生きていけない…それなのに…ボクから離れるんだね…」

 

ロボ子ちゃんはそこまで言うと、ナイフを持ちフラフラと歩いてくる

おい…まさか結ばれないから心中か…!?それはゴメンだぞ…

 

「悪いけど俺も急いでるんだ、またな」

 

俺はそう言い、全力で走った…

あの状態を戻す勇気は俺には無かった。

 

「待って…!待って〇〇さん!待ってよぉぉぉぉ!」

 

ロボ子ちゃんも走って追いかけてくる、というか速い!あの子があんなに速いとは思わなかった…

このままだと追いつかれるのは時間の問題だ…

 

ガッ

 

そう考えてる内に躓いてしまった、マズイ…このままだと…

 

「やっと追いつきました…〇〇さん…」

 

ロボ子ちゃんに追いつかれてしまった…手にはしっかりとナイフが握られている。

俺…ここで死ぬのかな…

 

「〇〇さん…ボクはあなたを刺したくない…お願いです…ボクをあなたの彼女にして下さい…好きです…愛してます…」

 

俺はきっとこれを拒めば死ぬ、そう確信した…

 

「分かった…俺の彼女になってくれ…だから…そのナイフは捨てるんだ…」

 

俺は自分の命を優先させてしまった…これじゃ彼女の思うツボなのに…

 

「本当ですか…?本当に彼女にしてくれますか…?」

 

ロボ子ちゃんはやはり疑っていた、ずっと拒まれてたのにいきなり受け入れられたんだ、そうなるのも分かる…

 

「あぁ…俺も死にたくないからな…だからナイフを…」

 

俺は何としてでもナイフを捨てて欲しかった、持ってられると何かの拍子で…なんてあり得るからだ…

 

「分かりました…まぁこれオモチャのナイフなんで刺せないんですけどね」

 

は…?オモチャ…?嘘だろ…?それなのにあんな迫真的に迫ってきたっていうのか…?

 

「カットォォォォォォォ!」

 

え…?カット…?

 

「いやぁ良かったよ心ちゃん!ヤンデレシーンもバッチリじゃないか!流石天才子役だね!」

 

は…?ヤンデレシーン…?

 

「ロボ子ちゃん…君は一体何者なんだ…?」

 

俺はまだ彼女がどんな人間か良く分からなかった、だから聞いてみた

 

「ボクですか…?ボクはロボ子、でも芸名は闇乃心って言います、一応それなりに有名なんですけどね?」

 

闇乃心だって!?有名な子役じゃないか…!なんでそんな子がこんな事を…

 

「そうだったのか…それじゃロボ子ちゃ…いや、心さんはどうしてこんな事を?」

 

「ごめんなさい〇〇さん、つまりはコレ、撮影だったんです。後ロボ子で大丈夫ですよ」

 

「撮影!?」

 

俺は今までで一番の驚きをしたと思う、だって目の前のオドオドしてた女の子が実は天才子役で、あろう事か今までの狂気は全部演技、しかもこれが撮影ときたもんだ…驚かない方がおかしい。

 

「あぁ〇〇さん、私は監督の黒丸と言うものです、よろしくお願いします」

 

丁寧に挨拶された…

 

「あ、はいどうも…」

 

気の利いた挨拶が出てこない…

 

「〇〇さん」

 

ロボ子ちゃんが俺を呼んだ

 

「〇〇さん、今回は本当にごめんなさい…〇〇さんがあの時助けてくれてた時も実は撮影だったんです、でもリアリティ出す為にあえてカットしないでそのまま続けちゃって…そしたら監督が助けに入ったシーンを使っちゃって…関係者の人達があの男は誰だ!是非スカウトを!なんて騒いじゃって…」

 

あれも撮影だったのか…てかそのシーン使っちゃダメだろ…俺一般人なんだけど…

 

「それで、あちこち探し回ってようやく〇〇さんを見付けたんです…まさかカフェをやってるとは思わなかったです、あの場所で倒れたのも、周りに人が居なかったのも全部ボク達がやった事なんです」

 

あまりにも突然過ぎて、何を信じて良いのか分からなくなった…路地裏のも撮影、今のも撮影、そしてロボ子ちゃんを介抱した時も仕組まれてたって事か…なんだよそれ…踊らされてただけってか…

 

「そうか、全部…演技だったんだな、何もかも…あの時倒れてたのも、俺の料理を美味いって言ったのも、好きって言ったのも、全部演技だったんだな…」

 

もう俺は何も信じられなくなった。当たり前だと思う、こんなに全てが演技なんて人生であるか無いかなのだから。

 

「ち…違…」

 

「俺にキスしたのだって、胸に手を押し付けたのだって、色仕掛けのつもりだったのか?」

 

言葉がどんどん冷たくなるのが分かる…

 

「そんなつもりじゃ…」

 

「楽しかったか?大人をからかってよ…でも残念だったな、俺は揺るがなかった。俺には全く通用しなかったよ」

 

もうどうでも良いや…そんな感じだった…

 

パンッ

 

ロボ子ちゃんにビンタされるまでは…

 

「え…?」

 

俺は突然の事でまた思考が止まりかけた。

 

「バカ…!〇〇さんのバカ!」

 

ロボ子ちゃんはそう言って走り去って行った…

 

なんで俺はビンタされたのか…良く分からなかった…

 

 

 

 

 

ロボ子ちゃんを探しにスタッフが走って行く、残ったのは俺と監督さんだけだった。

 

「〇〇さん、少し良いですか?」

 

黒丸さんが話しかけてきた

 

「はい…何ですか?」

 

俺は今は誰とも喋りたくなかった、だが監督が話しかけてきたって事は何かあるんだろう、聞くことにした。

 

「心ちゃんを責めないであげて欲しいんです、彼女はあの路地裏の撮影の時、リアリティを出す為に本当に襲われる一歩手前まで撮りました…あなたが助けに入ったのは2度目のテイクなんです、1度目はもうダメでした…心ちゃんは襲われる恐怖心かとてもじゃないがそのシーンを使う訳にはいかなかった。そこをあなたが助けに入った…その姿が彼女の目には救われたんでしょうね…それからの彼女はメキメキと実力を伸ばした、そしてこの地で撮影をすると決めた日、彼女はあなたを探し回ったんです」

 

嘘だろ…?リアリティ出す為にそこまでするのか…?それなら助けに入ったのは間違いじゃなかったか…それでも、今回の件は許せない…

 

「あなたがカフェを営んでいると知った時、彼女は変装をして1度訪れたようです、帰ってきた時彼女は泣いてました…やっと見付けた、そう言って…遠目から見ても分かります、彼女は〇〇さん、あなたを本気で好きなんですよ…どうか、その気持ちだけは理解していただきたい…」

 

俺は何も言えなくなった、確かに騙されたのは許せない…でもそれ以前に本当に俺を…こんな俺を好きになってくれてた、それを思うと不思議と怒りがこみ上げてこなくなった…

 

「監督さん、すいませんが俺は失礼します」

 

俺はそう言い残しその場を後にする、ロボ子ちゃんが走り去って行った方向に歩き出す…せめて、酷い事を言ったお詫びはしなきゃだから…

 

 

 

 

 

 

 

 

スタッフ達が探しても見付からない、そんな遠くに行ったのか…?俺は疑問に思った

ここら辺は土地勘が無いと迷う…意外と入り組んでいるからだ…

 

キャーッ

 

悲鳴が聞こえた…あの声は…ロボ子ちゃんか!

俺は声の方向に全力で走って行った、何度も言うがここは治安が悪い、多少改善されてもまだ悪いんだ。

 

「いや…やめて…」

 

ロボ子ちゃんを見付けた…男2人か…不利だけど間に入るしかないか…

 

「こんな夜に女の子1人は危ないなぁ…?」

 

「お兄さん達が安全な場所まで連れてってあげるよ…ヒヒッ」

 

完全に黒だな、あの2人…仕方ない、頑張って追い払わなければ…

 

「おい、大人2人で女の子襲うなんて良い趣味してんな?反吐が出る…!」

 

俺は2人の頭を掴み、互いにぶつけ合わせた。

 

「ガッ…」

 

「アァッ…」

 

怯んだ…!今の内だ!

 

「こっちだ!」

 

俺はロボ子ちゃんの腕を掴み、そのまま走り去る。

 

「あ…〇…〇…さん…」

 

ロボ子ちゃんは泣いていた…路地裏のアレが蘇っちゃったか…?

 

 

 

 

 

 

 

なんとか逃げきれた…と思う、俺はロボ子の方に向く

 

「ロボ子ちゃん…俺…」

 

「ごめんなさい」

 

俺が言う前にロボ子ちゃんは謝罪をしてきた

 

「嫌われてもしょうがない事をしたのは分かってます、ボクはあなたをずっと騙してた、これは紛れもない事実です、今更何を言ったって無駄なので…だから…ごめんなさい…」

 

ロボ子ちゃんは泣きながら、俯きながら俺に謝罪を続けた…

 

ギュッ

 

俺は知らない内にロボ子ちゃんを抱きしめていた。

 

「え…?」

 

ロボ子ちゃんも驚いているようだ、やってる俺も驚いてる、でも今言わなきゃ多分ダメだ。

 

「ロボ子ちゃん、俺の方こそごめん…監督から全部聞いたよ…リアリティを出す為に本当に危ない寸前まで撮ってたって…それに、俺を探してくれてたなんて…嬉しかった、ありがとう」

 

そこまで言うとロボ子ちゃんからも強く抱きしめられた。

 

「怖かった…凄く怖かった…男の人が嫌いになるかも…それぐらいだった…!でも〇〇さんが助けてくれた…カッコよかった…一目惚れしたんだよ…?颯爽と助けてくれた…だからここに戻ってきた時、あなたを探して…見付けた時…また会えてどれだけ嬉しかったか…どれだけ胸がドキドキしたか…直ぐにでも正体を明かしたかった…でもそんな事したら迷惑になっちゃうからずっと黙ってたの…」

 

ロボ子ちゃんは更に泣いた…俺を強く抱きしめながら…

 

「ごめんな…本当にごめん…君に酷い事散々言っちゃった…許してくれ…」

 

俺もロボ子ちゃんを強く抱きしめ、謝罪をする…

 

「こんなんじゃ今更かもだけど…俺はロボ子ちゃん、君を彼女にしたい…俺の彼女になってくれないか…?」

 

俺は卑怯な人間かもしれない…それでも…言わずにはいられなかった。

 

「ボクの方こそ…〇〇さんの彼女になりたい…ボクを…彼女にして下さい…」

 

そこまで言うと…2人の唇が重なる…

 

 

「ん…んっ…」

 

長く…長く…唇を重ね続けた…

 

「ちゅ…ちゅっ…」

 

お互いがお互いの唇を貪るように…長く…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いた時、2人の顔は真っ赤だった。

自分達がやった事に対して今更羞恥心が出てきたようだ…

 

「ねぇ、〇〇さん…一緒にドラマ出てみない…?〇〇さんならきっと良い役者さんになれるよ?」

 

ロボ子ちゃんは不意に俺に尋ねてきた

 

「ごめん、俺には役者は無理だよ…カフェのマスターが合ってるよ」

 

俺は、丁重にお断りさせてもらった…ロボ子ちゃんと一緒に役者も良かったけど、カフェの仕事も楽しくて辞められない…

 

「そっか…残念だなぁ…」

 

ロボ子ちゃんはそう言うが、あまり残念そうにはしてない…まるで俺が断るのを分かってたように…

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺達は、監督の所へ戻り事の顛末を全て話した、ロボ子ちゃんが襲われかけてた事、誤解が解けた事、そして…恋人同士になった事も…

監督とロボ子ちゃんのマネージャーの意向で、その場に居た人間全員に誓約書を書かせた。

俺とロボ子ちゃんの関係がもしバレたら然るべき措置が出るようにだ。

 

その後俺達は明日ロボ子ちゃんがオフとの事なので、1晩だけ一緒に過ごす事が許された。

と言っても、もう夜遅いので寝るだけだが…

ついでに言うと、一緒のベッドで寝た。

変な事はしてないぞ、ロボ子ちゃんは未成年だからな…それに、俺が恥ずかしい…

 

 

 

 

 

 

 

それから7ヵ月が経った、俺とロボ子ちゃんは遠距離恋愛という形で交際が続いている。

ロボ子ちゃん、いや…闇乃心さんは人気子役だからな…一緒に居れる時間が短いんだ。

それは付き合う時に既に分かりきっていた、それでもお互い付き合ったんだ…

 

「以上!闇乃心さんのインタビューでした!」

 

すっかりテレビにも慣れて…やっぱり笑顔が一番だよな。

 

「なぁマスター、さっきの子可愛いよな?闇乃心ちゃん!この前のヤンデレなんてもう…好きにしてくれ!な感じでよぉ…!」

 

このお客、帝という人らしいがロボ子ちゃんに凄いお熱らしい、嬉しいんだがなんか複雑な気持ちになる…

 

「えぇ、彼女はもっと伸びますよ…」

 

俺はただ、それだけ言って仕事に戻る

ロボ子ちゃんが頑張ってるんだ、俺ももっと頑張ってロボ子ちゃんに釣り合うような男にならなきゃな。

 

 

 

そんなロボ子ちゃんも週に1日必ずオフを作っている、何処に居ても必ず1日取るそうだ…何故かって?それは…

 

「〇〇さーん!帰ったよー!」

 

カフェが閉まる頃に、毎回オフの時は来てくれるんだ、数少ないロボ子ちゃんとの時間、誰にも邪魔されたくない…

 

「ロボ子ちゃんお帰り、サンドイッチ余ってるから帰ったら食べるかい?」

 

「うん!食べる!」

 

 

 

 

今はこの少しの時間でさえも愛おしく感じる、何時かこの愛おしさがもっと長く感じれるように…もっとロボ子ちゃんの傍に居られるようにと…願ってる…




読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
気付かれた方居ましたでしょうか…?ほんの少しだけ、ヤンデレ入れてみたんです…
でもね…上手く書けない…これはもっと数書かなきゃですね…!

こんな下手くそな文章で申し訳ないですが、読んで下さる方に本当感謝です、ありがとうございますm(_ _)m

ではでは、また次のお話まで失礼します…m(_ _)m

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