Lunatic(旧・春秋零下)   作:四月朔日澪

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劇場版のんのんびよりばけーしょんを先週見てきました。あっと先生のように上手く田舎の良さが伝えられる作家になりたいものです...声優もこっこちゃんにりえしょん、あやねる、阿澄佳奈...豪華すぎやしないか?名古屋で見てきましたが、岐阜は来週から(泣)早く本土でみたいのん...

それでは久しぶりの春秋零下をどうぞ


登校日

 今日は中学校の夏季休暇間登校日だ。国数英のワークを提出するだけで午前で終わるのはありがたい。今日は小学校も登校日なので朝恒例のラジオ体操はお休みだ。ちなみにお盆休みも休みで8月中のラジオ体操は数週間と残されたほどだ。

 自転車で中学校に向かう。登校中に被る白いヘルメットがとてもダサい。こんな工事現場の人がしてそうなヘルメット以外にもっといいデザインのヘルメットがあるだろう。本当に田舎はセンスがない。

 

「遅い!」

「ごめん」

 

るなの家に着くと既にるなが自転車に跨って待っていた。今日はラジオ体操もないので麻莉は起こしてくれず遅刻寸前だった。急いで家に出たので服装も整っていない。るなが「まったく..」と呆れながら寝癖を直してくれる。

 

「こんな格好で学校行ったら熊谷にどやされるよ」

 

熊谷とは生徒指導の教師だ。こんなクソ暑い中でも校門で生徒の服装を指導する暇な先生だ。一度捕まったら10分ぐらいは外に拘束される。俺は汗を噴き出しながらシャツを入れたりと身だしなみを整えた。

 

「ほら行こ。シンのせいで遅刻しちゃう」

 

「ああ」

 

~~

 

「「おはようございます」」

「おはよう。今日少し遅いぞ急げぇ」

 

熊谷はやはり校門に立っていた。自転車に乗りながら挨拶をして、校舎から少し離れた駐輪場に向かった。朝とはいえ、夏にヘルメットは頭が蒸される。特に女子なんて髪に変な臭いが付くから嫌じゃないだろうか。るなは汗を浮かべながら心底嫌な顔をしてヘルメットを脱ぐ

 

「ほんとなんでこんなヘルメットしないといけないんだろ...ああもう髪ぼさぼさになっちゃう。」

 

「別に気にするほど乱れてないけどな」

 

「ん。ならいいや。ほら行こ」

 

るなは手を引っ張って来た。俺はるなに連れていかれるように校舎に入っていった。

 

「じゃあ、またお昼ねシン」「じゃ」

 

るなと玄関で別れ、俺は教室ではなく職員室の方向へ向かう。

 

「先生、これ宿題提出に来ました。」

「ああ」

 

国語と英語、数学の先生それぞれを回って宿題を提出する。普通のクラスだと係が纏めて始業前に先生に提出するものだが、俺は一時限目が始まるのを見計らって先生に提出する。それには訳がある...

 宿題を提出し終え、俺は職員室を出てすぐの「生徒相談室」という表札がある教室に入る。ここが俺の教室だ。

 

「おはようございます。」

 

「おはよう。眞一くん」

 

教師机には水島先生が座っていた。水島先生はこの生徒相談室のヌシであり、社会科の教師でもある。先生の中では若く、生徒にもため口で気さくに話すので生徒の間でも人気の先生だ。学内は禁煙のはずだが隠すそぶりもなく煙草を手にしていた。

 

「先生、ここ禁煙じゃ..」

 

「いいのいいの。バレなきゃ、それに俺が高校んときなんて先生みんな職員室でスッパスッパ吸ってたよ。」

 

「いや、でも窓開けないとスプリンクラー作動するんじゃ..」

 

「あ、やっべ。また教頭に叱られんじゃん」

 

急いで灰皿で火を消し、窓を全開にした。以前も窓を開けずに火災報知器が全作動し、学校が大騒ぎになったことがあった。校長と教頭にとても怒られていたが、生徒たちは避難訓練気分で授業もさぼれて逆に感謝していたぐらいだ。

 

「んで、眞一くんは夏休みの思い出何かあった?」

 

「何もないですよ。何処にも出かけませんし、桑野と木原の家に行き来するくらいしか」

 

「なんだなんだ、せっかくの夏休みなんだから海とかに行けよ~Wルナ連れてさー本当羨ましいなぁ両手に花かよチクショー」

 

「そういう先生は?」

 

「え?先生は夏休みなんかねーからなぁ何が好きで書類と睨めっこしなきゃいけないんだか..」

 

『先生も大変ですね』『シン、遊びに来たよー』

 

「おー噂をすればWルナちゃんじゃないかぁ」

 

相談室の入り口にはるなたちがいた。この2人はよく授業を抜け出して教室に入ってくる。

 

「今日はどんな言い訳で抜け出してきたんだい?」

 

「頭が痛いって」

瑠奈は舌を出しながら頭に手を添えてジェスチャーをした。

「で、こっちは介抱役ってわけ」

 

「全く..少ししたら戻れよ餓鬼ども」

 

「先生が可愛い生徒にガキなんてひどーい」

 

「はーい。それでシンは何してたの?」

 

「宿題も出したし、るなたちを待ってるだけだけど。二限まであるの?」

 

「ううん。今やってる授業終わったら帰れるよ、荷物置いてきちゃったけど」

 

「先生、私たちと海って何の話ですか?」

 

「だから、眞一くんが何も思い出作りしてないから三人で海でも行きなよって」

 

「先生にしては良いこというじゃーん」

「シンちゃんと海...いいですね」

 

水島先生の思いつきに二人は食いつく。こんな山奥に住んでいると海に憧れを抱く。俺も海水浴に行ってみたいな。

 

「俺もWるなの水着見てぇな..あ、そうだ俺が引率してやるから四人で海に行こうぜ。その代わり親に許可得ろよぉ」

 

「えー先生連れてくのやだぁ」

 

「なんで嫌なんだよ!」

「そんなだったらお父さん連れていくし」「ねー」

 

キンコーンカーンコーン

話しは盛り上がっていたが、終業のチャイムが鳴る。「帰りのHR出ないと」と二人は走って教室に向かった。波長の合う二人なんて久しぶりに見た気がする。数年前は二人ともあんなに仲が良かったのに..なんで今はそれぞれ恨み合う関係になったんだろう...

 

「先生、さようなら」

 

「じゃあ、また盆明けの夏休みにね。ちゃんと宿題やってこいよ」

「はい」

 

~~

 

 水島は相談室の窓から外を見る。ブラインド越しだが校門の前にいる眞一とるなたちが見える

『シンちゃんお待たせ』『シン待った?』

『今日は二人ともうちに来なよ』『じゃあ午後ね』『何かゲーム持ってくよ。シンの家無いし.....

 

 

「.....この村で恋愛は赦されないなんて..可哀そうだな眞一くんは...」

水島は独り言のように悲しく言った。




閲覧ありがとうございました。

私も自転車通学の時、ヘルメットしましたね..嫌でした。
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