…というわけで、どうもお久しぶりです。
一ヶ月以上間が空いてしまいましたね…本当に申し訳ないです。
けれども、これから少しばかり落ち着くと思いますので、更新ペースも徐々に戻していけたらなって思います。
今日は5話連続投稿しちゃいますよ~!では、どうぞ!
「さあ・・・行きますよ!」
「っ!?」
男がそう言った瞬間、俺に向けて赤い剣が投擲される。すんでの所でそれを避けた俺はビームピストルを構え、相手を見据える。剣は俺を通り越すと方向を変え、再び向かってくる。何発か放ってみたが、弾かれてしまった。
「くっ・・・なら!」
俺は両手をシャイニングガンダムに変える。以前もシャイニングフィンガーであれを壊せたんだ。なら!
「俺・・・いや、私のこの手が光って唸る!お前を倒せと輝き叫ぶ!」
右手が光りだす。その剣を掴み、そのまま―――
「シャァァイニングゥゥゥ・・・」
「させませんよ!
「ぐあっ・・・っ!今のは!?」
男が何かを言い放った途端、掴んでいたはずの赤い剣が爆発した。その爆風に俺は弾き飛ばされてしまう。
「私が貰った力ですよ。ついでです、教えて差し上げましょう」
そう言うと男は、再び何もないところから同じ剣を出す。その剣はさっき爆発したんじゃなかったのか?
「この力は、武器をいくらでも作り出す能力なのですよ。まあ、私の場合はこの剣に限ってですが。そしてそれを、どんなタイミングでも爆発させることが出来るのですよ」
つまりあいつは、あの剣をいくらでも作り出したり爆発させたり出来る能力ってことか・・・
「だが、その力をどうやって・・・まさか、キミも転生者なのかね?」
「テンセイシャ?いったいなんですそれは?」
違うのか?てっきりその力を神様から貰ったのかと・・・
「私は天から参られたあのお方に、力を貰ったに過ぎませんよ。それに、この程度で驚いていては・・・あのお方は、全ての武器を作り出せますからね」
「あのお方?それはいったい・・・」
「少し、喋りすぎましたね。それ以上は、私を倒してからにしてもらいましょうか」
男が剣を投げるモーションに入る。くっ・・・!いったいどうしたら・・・
このままだと、あの剣を掴むたびに爆発されてしまう。それでその剣が無くなったとしても、あいつは再び作り出す。そんなことをしていたら、いずれ俺の体力が尽きるだろう。
一か八か、あいつ自身の懐に忍び込むか・・・!
「では、再開といきましょうか」
その剣は投げられた。くっ、ひとまず弾くか。俺はビームサーベルを取り出し、弾こうとした瞬間―――
「っ!なんだ?」
今一瞬、頭の中になにか電流が走ったような・・・とにかく、あれを弾くのはやばい!なんとなく!
俺は急いで弾く行動を止め、その剣から逃げるように後ろへと飛ぶ。
「壊れた幻想《ブロークン・ファンタズム》!」
突然剣が爆発する。危なかった・・・弾こうと待ち構えていたら今のにまた巻き込まれていただろう。直感に助けられたな・・・
「タイミングがずれてしまいましたかね・・・まあいいです」
すると両手に赤い剣を構えだす。なっ!2本なんてありかよ!?
「いったいどうしたら・・・!」
<誠太郎、わかった!>
「ハロ?なにがわかったんだ?」
<あれは魔力で出来てる。だから、自分の魔力を使ってあの剣を作ってるんだと思う>
「ということは、あの剣も無限じゃないということか」
<うん・・・けど、あいつは魔力量が並大抵じゃない。少なくとも、今のなのはよりも上だよ>
「そんなにだと?厳しいものだな」
なんとか時間を稼いで、何か対策を考えないと・・・
「ふふ、私の弱点を相談なさるのは、もう終わりでよろしいのですか?もう少し位でしたら待って差し上げましたが」
「く・・・」
「ですが、そろそろ終わりにさせて貰いましょう」
男は両手に持った剣を投げる。それだけじゃない、投げたそばから新しく作り出し、投げてくる。
「まだだ!まだ終わらんよ!」
俺は全力で逃げ続ける。なるべく離れるんだ、今は・・・!
身軽なシャイニングに体全てを変化させ、ひたすら逃げる。
「いつまで逃げていられますかね?」
俺を様々な方向から何本もの剣が追ってくる。これじゃあ、懐にも近づけない!
避けるので精一杯だ!
「・・・避けるので精一杯?」
自分で思った事を復唱してみる。そして気づく。
そうか、避けるのが大変だというのなら・・・
「おや?急に立ち止まって、どうしたんですか?」
「・・・さあ、来たまえ!」
立ち止まり、両手を広げて言う。それを見て、不思議そうな顔をされる。
「何の真似ですかね?それとももう諦めたのですか?」
「さてな。何とでも言うがいいさ」
「・・・ふん。そんなに死にたいのですか?ならお望み通りにして差し上げましょう・・・壊れた幻想《ブロークン・ファンタズム》!」
俺のすぐ近くに何本もの剣が来たところで一気に爆発する。
爆発が、白い光が俺を包む―――
~~~~~~~~~~
「やれやれ・・・思ったより大した事はありませんでしたね」
私は勝利を確信して、思わずそんなセリフを吐く。
「さて、用事を済ませるとしましょうか」
誘拐してきた月村本家の少女を見てそう言う。強い眼で睨み返してくるその少女を見ると、苛立つ。
「あなたには、償いをしてもらいます」
「・・・償い?」
「私と・・・私の家族の、です」
元々私は月村家分家の人間だった。当然、私にも夜の一族と呼ばれる血筋が含まれていたのだ。と言っても、血筋が殆ど混じり気の無い本家と違い、その血が中途半端な私はそこら辺にいる一般人と大差なかった。現に、高校生になるまでは友人と笑いながら生活をしていたのだから。
しかしある時、周囲の人間は私がそうと知ると、途端に糾弾し始めた。「化け物」「気味が悪い」・・・他にも様々な言葉を見下した眼で見られながら言われた。友人達も私から離れ、家族共々その地を追い出された。そのストレスで両親は自殺し、兄弟もいない私は・・・一人になった。
幸い、両親が大きな遺産を残してくれていたので、生活に困ることは無かったが・・・ある時、私は目撃してしまった。
目の前にいる、月村本家の少女が一般人と笑いながら学校に通っているのを。
その途端、憎悪が私の心中に広がり始めた。
なぜ私がこんな苦しい思いをしているというのに、この少女が―――私より『化け物』なこの少女が笑っているのか、と。
「・・・本家の人間には、分家の人間の気持ちなんて分かる筈もありませんよね」
そんな時、私と同じ、いや、私よりも異端な『あのお方』に出会った。
『良い感情だな。お前は俺と同じモノを持っている』
あのお方は、私に尋ねた。
『・・・主人公になりたくはねぇか?金も女も名誉も、好き放題出来る主人公に』
私は一も二も無く頷いた。
『なら、俺様の力を分けてやる。その剣であの少女―――いや、
「・・・どうしてあなたみたいな化け物が笑えて、同じ化け物の私は苦しまなくてはいけないのですか」
「え・・・?」
「私だって・・・笑顔で過ごしていたかった」
手に赤い剣を握り、少女に向け振り上げる。
これで、いいんですよね。その時、胸に少しばかりのしこりを感じたが、気にしない。
「学校に通って、友人と笑い合いながら、帰りには寄り道したり」
つい思い出してしまった。その時の笑顔でアイスを差し出してくる友人を。
「休日は家族で過ごして、どこかへ出かけたり」
家に帰ると静かに動かなくなっていた両親を。
「それを・・・あなたは!あなた達はどうして!」
私の事を知った時の―――あの気持ち悪いモノを見る時の眼を。
「そんなの・・・すずかには関係ねぇだろ」
「っ!?」
思わず振り向く。するとそこには、
「お前が、自分を『化け物』扱いしているからだろうが・・・」
紫色の装甲をした先程の男が立っていた。
~~~~~~~~~~
俺の身体はドムに変わっていた。あの剣を避けるので精一杯だと言うのなら、全部受け止めてやる。
装甲が厚いこの機体なら・・・耐えられる。
けれども、それよりも、
「あなた、まだ生きて・・・!?」
「お前はただ・・・羨ましかっただけだろ?自分が持っていない物を持ってるすずかが」
俺はこいつに言わなくちゃいけない事がある。
「分からないのか?すずかを化け物と言うことは、同時にお前は自分自身を否定してるんだよ」
さっきからの話を聞く限り、こいつはすずかと同じ血が流れていて、それにより全てを失ったってところか・・・
「悪いが俺はお前の気持ちを完全には分からない。だが、これだけは言ってやる。今のお前は、自分が持ってないものを持ってるのが羨ましくて仕方ない・・・ただの子供だ」
「・・・れ・・・!」
「そんなのは、すずかを傷つけたって何も変わらない。お前は何人そうするつもりだ?」
「黙れ!!」
赤い剣を作り出し、こちらに投げつけてくる。それを難なく掴み、俺は言う。
「・・・お前は、変われる」
「・・・え?」
「こんなことしなくても、お前は変われる」
俺がすずかの事を聞いても何とも思わなかったのは・・・俺自身が転生した身であるからというのもあるけれど、すずかが優しい人物だと知っていたから。
「お前は自分も、そしてその友達も信じていなかったんだ」
こいつはきっと、自分の血を恐れて、心のどこかで一線を引いていたんだ。結果それが、こんな事態を招いてしまった。
「勇気を出して・・・信じてみろ。友達も、お前自身も!」
「・・・そんなの、綺麗事です!」
「なら、俺が証明してやる!さあ、歯ぁ食いしばれよ―――
―――そんなお前を、修正してやる!!!」