魔法少年ガンダム☆ブレイカー   作:鈴野宗一ノ介

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今回でシリアスパート(?)は終了です。
やっぱあれですね、私はシリアス感を出すのには向いてないなぁって思いましたね。
ネタに走ってしまいます…


十六話ブレイカー!

 

俺はヒートサーベルを右手に持ち、あいつに正面から突っ込む。

 

「さて、行くぜ!」

 

あ、そうだ!今の俺の姿はドム。なら、

 

「オルテガ!マッシュ!ジェットストリームアタックを掛けるぞ!」

 

これを言わなきゃあ始まらないよな!

 

「・・・?誰に言っているのですか!」

 

「へ?・・・・・・はっ!」

 

不思議そうな様子で俺を見る。み、見ないでくれ!お願いだからこんな俺を見ないで!

誰もいないにも拘らず、つい声を掛けてしまった・・・こんなの傍から見たら空中に話しかける痛い人じゃねぇか!?なんて恥ずかしい真似をぉぉ!!??

 

「・・・何の事か分かりませんが、そうはさせませんよ!」

 

赤い剣を構え、俺に向かって投げつけてくる。

 

「壊れた幻想《ブロークン・ファンタズム》!」

 

目の前で赤い剣が爆発する。けれど俺にはさほど目立った外傷はない。

 

「そんなの、もう効かないぜ!」

 

「な・・・!まだまだ!」

 

次々と剣を作っては投げ、爆発させるがそれでも俺の勢いは止められない。

 

「なぜ!なぜあなたは!?」

 

「言ったはずだ。すずか達を、友達を助けに来ただけだってな!」

 

「くっ・・・!そんなのは嘘です!」

 

「嘘な訳あるか!友達を助けたいと思うのは当たり前だろう!」

 

「なら!どうして私には!」

 

「っ!?」

 

あいつの背後に大量の赤い剣が現れる。こんな数を一度に受けたらさすがに・・・

 

「私には・・・もうあのお方しかいないんですよ!」

 

「なら!!」

 

俺は一気にあいつに近づく。その勢いに気圧されたのか、動きを一瞬止めてしまう。

 

「俺が・・・」

 

ヒートサーベルを構え、

 

「お前の・・・」

 

スピードを上げ、

 

「友達に・・・なってやるよ!!!」

 

そのままあいつの胴目掛けて振りぬいた。

 

 

 

 

「ぐっ・・・」

 

「安心しろ、死にはしない。ただちょっとばかり眠ってもらうだろうけどな」

 

「あ、なたは・・・!」

 

「・・・最後にひとつだけ聞かせてもらう。お前、名前は?」

 

「へ・・・?」

 

「名前だよ。あるだろ?まさか名無しの権兵衛って訳じゃあ無いよな?」

 

「・・・私は・・・双月・・・」

 

名前を言う途中で気を失ってしまったようだ。やれやれ、仕方ないな。目覚めてから聞くか。

俺は気を失った様子のそいつ・・・双月に向けて、一言呟く。

 

「目が覚めたら・・・続きを聞かせてもらうぜ。友達に名前は必須だからよ」

 

 

 

 

    ~~~~~~~~~~

 

 

 

 

夢を見ている。それは楽しかった青春時代。

友人達と笑い合って、昼休みを過ごしていた頃。

 

『そういえば、俺たち3年だよな』

 

『え?ああ、そうですね』

 

『進路、考えないとなぁ・・・双月はもう決まってるのか?』

 

『私は、教師になりたいです』

 

『ははは、似合ってるな。数学とか教えてそうだ』

 

『数学は苦手ですけどね』

 

『文系だもんなお前』

 

笑いの絶えない会話をいつもしていた。

私はこの関係が卒業後も続くと思っていた。けれど―――

 

『悪い・・・もう俺と関わらないでくれ』

 

『え・・・?』

 

『お前と一緒にいると、俺まで化け物扱いをされるんだ』

 

『そ、そんな・・・』

 

『・・・じゃあな』

 

それきり目を合わせることも無くなった。すぐにその地を離れたから。

 

けれども・・・いつも思い出すのは、私が家を離れる時に見た、友人のあの冷たい目―――

 

『双月・・・』

 

―――違う。あの時、あの人はそんな目で私を見ていなかった。

 

『あ・・・』

 

『えっと、なあ』

 

『・・・すみません。もう時間ですので』

 

その目は、どこか憂いを帯びていて、後悔も入り混じっていた。

けれど私はその目をしっかりと見ることもせずに・・・

 

「どうして私は・・・」

 

 

 

 

    ~~~~~~~~~~

 

 

 

 

「・・・ん」

 

「お、起きたか。大丈夫か?」

 

双月が目を覚ます。

 

「私は・・・」

 

「お前は気を失ってたんだよ。ま、特に外傷とかは無いはずだから、安心しろ」

 

「どうして・・・」

 

「ん?」

 

「どうして、私を・・・?」

 

「・・・そんなもん、決まってるだろ」

 

俺は、こいつを許せなかった。アリサとすずかを誘拐し、すずかを化け物呼ばわりしたこいつを。

けれども、その目の奥には・・・悲しみが見えた。

だからこそ、俺はこいつを、双月を救ってやりたいと思った。そして、それと同時に思ったんだ。

 

「友達になりたいと思ったからだよ。な、双月?」

 

右手を差し出しながら、握手を求めた。

 

「・・・ふふ。あなたは、人が良すぎますよ。このままあなたに向けて剣を突き刺すつもりだったら、どうするんです?」

 

「そんときゃ、またぶっ飛ばすだけさ」

 

俺の差し出した右手を掴み、握り返してくる。

 

「・・・ありがとう。これで私は・・・心置きなく逝ける」

 

「え?」

 

そう言うと、少しずつ透け始める双月。

 

「ど、どうして!?」

 

「・・・この力の代償は、寿命」

 

「なっ・・・」

 

「初めにこの力を貰ったときに言われたことです。その時の私は、復讐心に駆られてそれを受け入れてしまった・・・馬鹿ですよね。ほんの少しでも勇気を出せば・・・友達が出来た。この空っぽの気持ちが満たされるはずだったのに」

 

そんなことって、ありかよ・・・!せっかく友達になれたのによ・・・

 

「お嬢さん・・・本当に申し訳ありませんでした。それと、こんなことを言えた立場ではありませんが・・・友達は、一生モノです」

 

「はい・・・」

 

「私はそれを今日、初めて知りました。あなたも、その子を大事にしてあげてください」

 

すずか、それに今は気絶してしまっているアリサに向けてそう言う双月。

 

「さて、私はもう・・・そろそろみたいですね」

 

「なんとか、ならねえのかよ・・・!」

 

「これは自業自得ですよ。それに、後悔はしていません。人生の最後で満たされていれば、それで幸せなんですよ」

 

「くっ・・・」

 

何も・・・俺は・・・!何も出来ないのかよ・・・!

 

「では、さよならです」

 

どんどん姿が透けていく双月を見ていられずについ、目を背けてしまう。

 

「そうそう。下の名前を言ってませんでしたね・・・私の名前は―――」

 

 

 

 

    ~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

「消えちまったな・・・」

 

名前を聞いた途端、そいつは消えてしまった。

・・・どうすれば、よかったんだろうな・・・

 

「・・・大丈夫か?」

 

とりあえず、すずかに無事を尋ねた。

 

「はい・・・」

 

「とりあえず、警察を呼んだから、あと少しで来ると思う。後はその人たちにお任せだな」

 

「はい。えと、ありがとうございました」

 

「気にするな。さっきも言ったが、俺は友達を―――」

 

おっと危ない危ない。また変な事言うところだった。

 

「あの・・・さっきも言ってましたけど、友達って」

 

「あ、あ~~!誰かが俺を呼んでいるような~~!!それじゃあまたな、見知らぬ美少女さん達!!」

 

俺は全速力でダッシュし、その倉庫を後にした。

近くの木陰で一呼吸。ふう・・・そろそろいいか。

元の姿に戻る。

 

「ったく、今日はなんだか大変な一日だったな・・・」

 

さて、帰るとしますかね・・・

そうだ。銭湯にでも寄っていこう。今日は疲れた・・・




名前が出たということは後々また登場する…となるかどうかは作者のみぞ知る。
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