この展開が後にどういう影響を及ぼすのか…乞うご期待!
「・・・忘れてた・・・!」
とある昼下がり、ふと『掃除でもするか』と思って自分の部屋を掃除していると、大変な物を見つけてしまった。今目の前にあるのは小さな物体。けれどもそれがここにあるということは、この辺りがとても大きな危険を孕むという事になる。
青く透き通っているその小さな石―――ジュエルシードが今、俺の目の前にある。
「すっかり忘れてたぜ・・・あれからそれなりに経ってるっつうのに」
以前、こいつのせいでエクシアリペアもどきと戦う事になった。
その時はなんとかなったが、こいつを封印する事は俺には出来ないので(魔力が足りないらしい)、なのはにしてもらおうと思っていたんだが・・・色々とドタバタしていたので忘れてしまっていた。
暴走する前に気づいてよかったぜ・・・
「と、とりあえずなのはに連絡・・・ん?」
・・・何だか視線を感じる。きょろきょろと辺りを見回した。
机、ドア、クローゼット・・・何もおかしい物はない。
気のせいか、と思った瞬間、窓に何かが見えた。
あれは、金髪・・・?それに黒いマントか?・・・っていうかもろ見覚えがある・・・
「ええっと・・・出てきていいぞ、フェイト」
びくっとその髪が動いた。やっぱりか。
頭隠して尻・・・いや髪隠さずだな。
窓を開け、バリアジャケット姿のフェイトが入ってくる。
「ど、どうして私の名前を・・・?」
ん?俺の事・・・ひょっとして、忘れられたのか!?
「って、そうか・・・ハロ、セットアップだ」
<リョウカイ!>
俺はセットアップし、グフイグナイテッドになる。
フェイトはセットアップした俺の大きな姿しか見た事がないから、元の俺が子供の姿だってことを知らないんだ。
「あなたは・・・」
「これでわかったか?よし、解除」
元に戻り、俺はフェイトに尋ねた。
「まあ座れよ・・・で、どうしてあんなとこで隠れてたんだ?」
フェイトは俺と正面から向き合うような形で座ると、答える。
「その、ジュエルシードを・・・」
俺の手を指差してそう言うフェイト。こいつの事を知ってるのか。
「これが欲しいのか?でもこれは本当に危ない物なんだぞ?」
「・・・知ってます。でもそれがどうしても必要なんです!」
そう言ったフェイトの顔はとても真剣で、眼には一切の曇りも無く、純粋な物だった。
どうしても必要、ね・・・
「そうか・・・じゃあ、はい」
「え・・・?」
どうしてそんなあっさりと、とでも言いたそうな表情でこちらを見てきた。
「頼むフェイトの姿がとても綺麗だった。だからこれを決して悪い事には使わないと思ったんだ」
「き、綺麗・・・?」
「ああ。とてもな。何か事情があるんだろ?それを教えろとは言わないけどよ、でもその事情がお前にとって大事な事なんだというのが伝わってきた」
「・・・・・・」
「俺はその綺麗で優しい眼を信じる・・・なんて気障なセリフになっちまったな・・・フェイト?」
「綺麗・・・綺麗・・・あぅ」
「フェイト!?」
顔を真っ赤にさせ俯き、そしてそのまま倒れるフェイト。
何とか俺は支える事が出来たが、いったいどうしたんだ?
「お、おいフェイト?」
「フェイト~どこだい~?」
すると窓の外に、この間の犬耳お姉さんが見えた。向こうはフェイトを探しているみたいだ。
そこでちょうど俺と眼が合う。今の状況―――気を失ったフェイトの肩を抱いている状態。
そのまま数秒の沈黙の後、顔に何かがめり込む感触とともに、俺は意識を失った・・・
~~~~~~~~~~
その後、俺は目を覚ました後、事情を説明する。
「・・・という訳だったんだが・・・」
「ご、ごめんね。あたしてっきりフェイトを襲っているのかと・・・」
「俺はロリコンじゃないと何度も言っただろ!?」
俺がこの間フェイトに抱きついた男だと言うとまた殴られるかと思ったが、フェイトがアルフ(名前を教えてもらった)をなだめてくれたおかげでそれは回避できた。ありがとうフェイト。
<セイタロウ!>
「・・・なんだハロ」
<こほん・・・知ってるか?大佐ってロリコンなんだぜ?>
「ギュネイみたいに言うな!それに俺は大佐じゃない!」
分からない人は逆シャアを観てみよう!それかマニアに聞いてみよう!
「さて、で、このジュエルシードを渡すのはいいんだが、その前に封印してくれるか?俺は出来ないんだ」
「うん。じゃなかった、はい」
「はは、別に敬語じゃなくてもいいぜ。同い年くらいなんだからよ」
「わ、わかりま・・・わかった」
フェイトは立ち上がり、デバイスであるバルディッシュを構える。
その後パアっと光が広がり、封印されたジュエルシードが出てくる。それを受け取った俺はフェイトに差し出す。
「っと、これでよし。ほら」
「あ・・・ありがとう」
「はいよ。それじゃあ―――」
これからどうするのかを聞こうとしたとき、
ぐぅ~~
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・うぅ」
誰かがお腹の減る音で返事をしてきた。いや、それが誰なのかはこの真っ赤な顔をした金髪ツインテール美少女を見れば一発で分かるんだが・・・
「飯でも、食っていくか?」
フェイトとアルフは、こくんと一つ頷いた。
~~~~~~~~~~
「ぷはぁ~食べた食べたぁ・・・もう入らない」
アルフはいっぱいになった腹を撫でながらそう言う・・・食いすぎだ。
おかげで炊飯器の中身がからっぽになっちまったじゃねえか。
「あんた、料理作るの得意なんだね」
「こんくらい普通だって。普段は誰が作ってくれるんだ?」
「電子レンジだよ?」
「・・・・・・・・・は?」
フェイトの答えに思わず俺は首を傾げる。
「すごいよね、電子レンジって。凍った食べ物を入れてスイッチ押せば、すぐに温かくなるなんて」
「それ冷凍食品じゃねぇか・・・」
小学生がそんな食生活でいいのか?
「お母さんとかは作ってくれないのか?」
俺がそう聞くとフェイトもアルフも黙ったまま俯いてしまう。
しまった。聞いちゃいけない事だったか・・・?
「・・・ええっと、もし良ければだけど。またうちに来いよ、2人とも」
「「え・・・?」」
「温かくて栄養もある飯・・・いつでも用意してやる。俺、こう見えても料理作るの好きだからよ、遠慮なんかしなくていいぜ」
それに、大勢で食った方が飯は上手くなる。
友達同士なら尚更な。
「もし何か悩んでたり、辛くなったり・・・逆に嬉しかった時や楽しい時でもいい。うちに来ればいいさ・・・もちろん、何も無くたって大歓迎だ」
「あんた・・・なんで」
「フェイトとアルフ、俺は2人ともと友達になりたいからな。なれたら嬉しいと思うぜ」
「・・・ううっ・・・」
するとフェイトはいきなり泣き出してしまう。や、やばい!また俺やっちまったか!?
「わ、悪い!迷惑だったか?」
「ううん・・・そんなことない。ただ嬉しくて・・・」
「そうか・・・」
「あんた・・・誠太郎。フェイトの事、気にかけてくれたんだね」
「当たり前だ。フェイトにとってどうかは知らねぇが、俺はフェイトの事を友達だと思ってる。友達が辛いとき俺だって辛いんだ」
フェイトの事情がどういう事なのか、俺にはわからない。ひょっとしたら、相当込み入った複雑な事情なのかもしれない。
けれどそれは、別に話してくれなくたって構わない。いつか話してくれるのを待っているし、ずっと話さないままだっていい。友達にだって、色々な形があるんだからな。
「・・・達でいい」
「へ?」
「私でよかったら・・・友達で、いい」
泣き止んだフェイトが俺にそう言ってきた。
「・・・ありがとな、フェイト。すごく嬉しいぜ」
これで俺は、ちゃんと『フェイトの友達だ』って言っていいんだよな・・・
「・・・もし良ければ、もっと上でも」
「ん?何か言ったか?」
「う、ううん!何も!」
「そ、そうか・・・アルフはどうだ?」
「あたしだって構わないさ。よろしくね」
握手をする俺とアルフ。それを見てフェイトが手を重ねてくる。
「・・・ふふっ」
「ははっ」
「へへっ」
思わず笑ってしまうフェイトとアルフと俺。
「それじゃあ・・・そろそろ行くね」
「おう、またな。フェイト、アルフ」
「またね、誠太郎」
アルフが先に外に出ていく。その後ろをフェイトが付いていき・・・こちらを振り向く。
「本当にまた来ても・・・いいんだよね?」
「ああ。なんだったら明日も来いよ、俺特製のチャーハン作ってやる」
「ふふっ・・・ありがとう」
「おう。じゃあな・・・ああそれと」
「え?」
「やっぱりお前は笑った方が可愛いぜ。無表情でいるより、笑顔でいろよな」
「も、もう・・・!わかったよ、せ、誠太郎」
少し顔を赤くしたフェイトは笑ってアルフの元へと飛んでいった。
さて、俺はこれから増えるであろう食事のために、食材を買いにいこうかね。
次の日。
「誠太郎おかわり!大盛りね!」
「あ、あの・・・私も、普通に」
アルフは高々と、フェイトは遠慮がちに俺に向けて茶碗を差し出す。
「・・・はぁ~・・・」
いつでも来ていいとは言ったけどよ・・・こいつらよく食うなぁ・・・
茶碗にご飯をよそいながら、俺はそう思った。
最初2000~3000文字を基本にしていたのに、いつの間にか普通に3000字を超えるように…